【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

【東京ゲームショウ2008レポート】

フロム・ソフトウェアイベントレポート
Xbox 360「ニンジャブレイド」
小柳ゆきさんがメインテーマ「beanstalk」を披露

10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料


 株式会社フロム・ソフトウェアが2009年初頭にリリース予定のXbox 360専用シネマティックアクション「ニンジャブレイド」。10日にプロデューサーの竹内将典氏によるトークショーが行なわれたので、ここにご紹介する。


竹内将典氏
 企画・構想に約3年を要したという本作。竹内氏は“シネマティックアクション”について「ゲームのなかにイベントムービーが登場するが、本作はそのムービーにも干渉できる」といい、それが映画をそのまま体験しているかのような感覚(=シネマティック)と説明する。

 ムービーパートにおける操作は昨日のブースレポートでもご紹介したとおり、状況に応じて方向キーやボタン入力が求められるケースが多々ある。源流を求めるなら「ドラゴンズレア」や「タイムギャル」などLDゲームで主に用いられた操作系で、近年ではSCEA「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズで再び注目されるようになったシステム。これを効果的に用いることで、敵を倒すなどすべてがシームレスに進行していくという。

 現代の東京が舞台という設定も、シネマティックな感覚をより際立たせてくれる。新宿、東京タワー、六本木ヒルズなど、なじみのある都内の名所が登場。東京タワーにもそのままのぼれるといい「実際にやったら犯罪ですけど」と竹内氏は笑う。続いて上映された最新トレーラーは、同社ブース内のシアターで閲覧できるものと同じ。すでにご覧になった人も少なくなさそうだが、敵のミサイルをスケートボードよろしく乗りこなしてしまうシーンなどは、破天荒なヒロイックさを強く感じさせる。

 本作は、主人公のキャラクタデザインに「ロストプラネット」シリーズのデザイナー中岡恵司氏 (株式会社カプコン)、音楽に「メタルギアソリッド3」主題歌などを手がけた日比野則彦氏 (株式会社ジェム・インパクト)、イベントシーンなどのアニメーション演出に川崎逸朗氏 (株式会社プロダクション・アイジー) といった著名クリエイターが起用されている。イベントには川崎氏と日比野氏がゲストで登場。川崎氏は「3Dムービーはカメラの制約がないからぐるぐる回してしまいがち。ゆえに、本作は映画的手法によるカメラワークでムービーを作成した」と説明。東京という舞台についても、きちんと描けるよう東京タワーや新宿などでロケハンを行なったという。

 日比野氏は、本作が海外市場を見据えている点を踏まえ「日本のものが世界に出て行くとき、ボクに何ができるか。ボクらが一般に考える忍者は“しのび”で、バリバリのアクションはしない。でも、海外ではマーシャル・アーツやヒーロー的であり、強く。海外から見た日本を表現できたら」とコメント。BGMやメインテーマを決めたときはまだ映像が間に合っていなかったが、海外向けの作品であることが明確になってから、徐々にテンションがあがっていくBGM展開についてあらためてバランスを考えたという。

 主人公のデザインは、開発側の「こんな感じにしたい」という要望を、中岡氏がうまくまとめてくれたという。「カプコンで平素よりゲーム制作に携わっているから“わかっている”。それだけでなく『こうしたらもっと面白い』など提案もしてくれた。まったく違和感のない、ゲームに特化したデザイン」と説明。背中に背負った武器マウントが円盤状なのは、中岡氏の提案によるもの。当初開発側は「正直面倒くさい」と思ったが「重要だから作って!」との声に実現したという。川崎氏も「ひと目見てカッコイイ。アイデアもよく考えられている。リアル志向だが、アメコミとは違うカッコ良さ。こんな忍者はいないが、ゲームの世界観になじんでいる。カッコイイ東洋人」と絶賛する。

 日比野氏によれば「一番最初に話がきたときは、ちょっと違った。プロトタイプの忍者は、もうすこしサイバーなデザインだった」と回想。どこを狙えばいいのか。忍者といっても色々あるため「いきそうでいかない」日本忍者と、「イケイケ」の海外忍者といった独自の言い回しで、本作の主人公が後者であることを説明。会場で発表されたメインテーマ曲も、その部分を盛り込んでいったという。

 スペシャルゲストは、テーマ曲「beanstalk」を歌う歌手の小柳ゆきさん。beanstalkは「ジャックと豆の木」に出てくる“豆の木”の意で、物語でジャックが一生懸命育ててきた木を最後は切り倒してしまうように、信じてやってきたことをくつがえすような“せつなさ”がモチーフ。忍者が好きという小柳さんは、ゲームも斬ったり倒したりするものが好みという、まさにうってつけの人選。いきたいけど、いききれない“せつなさ”をたたえたテーマソングを、ソウルフルな声で切々と歌い上げてくれた。

 イベントの最後に竹内氏は「色々な人や力に支えていただけて、とても幸せです。来年早々には発売したい。そのために精一杯頑張りますので、応援のほどをよろしくお願いします」とコメント。メインターゲットは北米や欧州かもしれないが、国内のユーザーにも十分訴求する下地がある作品だけに、今後のさらなる発展に期待したい。

川崎逸朗氏 日比野則彦氏 小柳ゆきさん


(C)FromSoftware,Inc.

□フロム・ソフトウェアのホームページ
http://www.fromsoftware.jp/
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【10月8日】「東京ゲームショウ2008」記事リンク集
http://watch.impress.co.jp/docs/20081010/tgslink.htm

(2008年10月13日)

[Reported by 豊臣和孝]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.