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【東京ゲームショウ2008レポート】

モバイルゲーム出展ブースレポート
規模は縮小気味ながら、iPhone用音楽ゲームなども登場

イベントで多数の来場者を集めたアンビションブース
10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料


 東京ゲームショウでは、2005年からモバイルゲームのブースを集めた「モバイルコンテンツコーナー」を展開している。キャリア各社は独自にブースを出展しているので、主にモバイルゲーム専業メーカーが集まる場所となっている。

 今年も同様に、4番ホールの中ほどにあったのだが、昨年よりもかなり規模が小さくなってしまった。モバイルゲーム関連では、「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーが出展しているものの、こちらも比較的大きな独自ブースとして扱われており、モバイルコンテンツコーナーに入っていないというのも1つ影響はしている。いずれにせよ、「モバイルコンテンツコーナー」という名前をつけてモバイルゲームメーカーを集めているだけで、何かしら施策があるわけでもないのが残念だ。

 また会場全体を見回しても、モバイルゲームの出展が減少していると感じられた。コンシューマゲームなども扱うメーカーのブースでは、ほとんどモバイルゲームが置かれておらず、キャリアのブースでのみ展開するというスタンスが広まってきたようだ。その分、NTTドコモやauといったキャリアは例年以上に賑わっているのだが、ソフトバンクモバイルの出展がないという寂しさもある。

 そもそも開発期間が短いモバイルゲームは、イベントに合わせて新作を出展するのが難しいという問題がある。また来場者としても、数百円で買えるゲームを目当てに、それなりに時間とお金をかけて来るというのも、筋が通らない。出展各社の努力もさることながら、イベント運営側からメーカーと来場者に対して、もう少しメリットのあるイベントになるような施策を打ち出してもらいたいところだ。

 さて、寂しさがあるとはいっても、出展社はそれぞれにネタを用意してきている。ここではモバイルゲーム関連の出展をしていたブースを一気にレポートする。



■ ディースリー・パブリッシャー

 低価格ソフトの販売で知られるディースリー・パブリッシャーは、Xbox 360用3Dアクションシューティング「地球防衛軍」のiモード版を出展。巨大昆虫や怪獣のような外見の敵を相手に、地球防衛軍(EDF)の隊員となって戦うというゲームを、携帯電話に落とし込んでいる。

 3Dグラフィックスの街中に、巨大な敵が次々と現われるという仕組みはそのまま。操作もサードパーソンシューティングのスタイルで、銃やロケットランチャーなどを構えて照準を合わせ、敵を倒していく。自分よりはるかに巨大な敵が迫ってくる映像もきちんと再現されており、かなりの迫力がある。

 またXbox 360版の特徴であった、建築物の破壊まで再現している。ロケットランチャーを構えて、目の前にあるビルに撃ち込むと、一撃で10階はあろうかというビルが崩れ落ちていく。仕組み的にもグラフィックス的にも、よくモバイルでそこまで頑張ったと驚かされる。

 なお現在検証中ながら、「iアプリオンライン」による通信対戦対応も検討しているという。配信時期および利用料金は未定。対応機種は、FOMA 905iシリーズ以降の予定。

【スクリーンショット】

【プロモーションムービー】



■ SNKプレイモア

 「モバイルコンテンツコーナー」から大きく離れた場所にブースを置いたSNKプレイモア。例年、モバイルゲームを展開しているが、今年はいつも以上に多くの試遊機を置いていた。

 その中に新作として、iモード用「燃えよ! KOF大運動会」が置かれていた。「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズに登場するキャラクタたちが、運動会を舞台にバトルを繰り広げるというもの。会場の体験版では、種目「障害物競走」のみプレイ可能。フィールドにある木箱などを飛び越したり、あるいは攻撃して壊したりしてゴールを目指す。

 操作自体は片手でできるのだが、走っていくと地面に障害物代わりのチャン・コーハンが寝転がっていたり、障害物をジャンプして避けた先にチョイ・ボンゲが飛んでいて突き刺されたりと、「KOF」ファンには笑える仕掛けも用意されていた。

 今秋配信予定で、利用料金は未定。対応機種も未定となっている。

【スクリーンショット】



■ コトブキソリューション(ケムコ)

 毎年、多数のモバイルゲームを出展しているコトブキソリューションは、今年も2つの新作モバイルゲームを出展し、さらに新参入となるWiiウェアタイトルの試遊台も用意した。

 まずモバイルゲームは、アクションゲーム「ヤッターマン」。30分のアニメを意識したというつくりで、章立てされたしっかりしたストーリーが展開される。メカバトルのシーンでアクションゲームになり、ヤッターメカを操ってドロンボーメカを倒すか、ビックリドッキリメカを出してマップに落ちているドクロリングを拾い持ち帰れば勝利となる。その後再びアドベンチャーパートに戻り、最後にドロンボー一味が脱出用自転車でおしおきされるシーンを模したリズムゲームが出て、1つの章が終了となる。

 ゲームのポイントは、ビックリドッキリメカ。行動を予めプログラムでき、「近くの敵を攻撃する」、「ドクロリングを回収する」など、目的に合わせた動きを設定しておける。さらにパスワードの出力ができ、これを他のユーザーに渡すことで、仮想的に対戦もできる仕組みになっている。Yahoo! ケータイで10月15日から配信される予定で、その後他キャリアにも提供される。

 もう1タイトルは、アクションRPG「アンタイド ドクサ」。惑星開拓をテーマにしたSF世界で、開拓に必要な「マテリエル」という資源を取り出す装置を周囲の星に設置するのが主人公の役目となる。俯瞰視点で進むアクションシーンは、移動がかなり速く、また剣による攻撃も連打すれば秒間4回ほど出るという、モバイルゲームらしからぬレスポンスのよさ。ゲームとしてもサクサク進められ、その中で武器を強化し、ストーリーを進めていく。Yahoo! ケータイで11月上旬より配信され、その後他キャリアにも配信される予定。

【ヤッターマン】

【アンタイド ドクサ】

 Wiiウェア「ソーサリーブレイド」は、3Dのフィールドを探索するRPG。戦闘はエンカウント方式で、コマンドを選んで進めていく。スキルを使うと、画面に魔方陣のような絵柄が出るので、その上に描かれた矢印の向きにWiiリモコンを振る必要がある。他にも武器の強化は、上下するバーにポインタを合わせ続けるミニゲームになっているなど、Wiiのさまざまな機能を使った作品になっている。

 ゲーム自体はスタンダードなRPG。Wiiウェアで普通のRPG作品がなかったこともあり、こういったタイトルでWiiウェアに参入することにしたという。2008年秋発売予定。価格は未定だが、1,000Wiiポイント程度を予定しているという。



■ ユードー

 Wiiウェア用音楽ゲーム「Aero Guitar(エアロギター)」を先日配信したばかりのユードーは、今度はiPhone/iPod touch用の音楽ゲームを開発した。タイトルは、「Aero Guitar」、「Aero Drum(エアロドラム)」、「Aero Synth(エアロシンス)」の3本。いずれも画面端からスクロールしてくるマークに合わせて画面をタッチするというもの。

 「Aero Guitar」は、画面に3本の弦が描かれている。中央の弦にマークが流れてきたらタッチ、上の弦なら指を上にスライド、下の弦なら指を下にスライドする。「Aero Drum」は、画面が上下左右に4分割され、それぞれの場所をタッチすると音が出る仕組み。「Aero Synth」は、色々な高さで右から左に流れてくるマークに概ねの高さを合わせてタッチする。

 基本ルールは簡単だが、最大の特徴はマルチタッチにある。例えば「Aero Drum」では、右上と左下に同時にマークが流れてくることがある。この場合は、素直に右上と左下を同時にタッチすればいい。2カ所以上、同時にタッチしても大丈夫というiPhoneならではの仕組みといえる。

 価格は各800円で、近日中に配信するとしている。

【スクリーンショット】
左から、「Aero Guitar」、「Aero Drum」、「Aero Synth」



■ DropWave(チェリークォーツ)

 株式会社DropWaveが、ゲームブランド「チェリークォーツ」で出展。同社が展開している女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「ラブマジ」は、ユーザーからお金を取らない無料アプリながら、子安武人、櫻井孝宏、保志総一朗といった有名声優によるキャラクタボイスが入っているのがウリだ。

 今回はこの「ラブマジ」を出展していたが、現在は非公式サイトで運営されている本作を、2009年1月中旬より、iモード、EZweb、Yahoo! ケータイの3キャリアで公式サイト化するという。これによって月額315円の利用料金が発生するが、同時にアプリをバージョンアップし、これまで一部だけだった音声をフルボイス化。他にもシステム周りや演出、ビジュアルの強化を行なうとしている。

 なお、公式化されたサイトの運営は、同じく女性向けのアドベンチャーゲームを多数手がけるディースリー・パブリッシャーが行なう。DropWaveは継続して「ラブマジ」の開発を担当する。

【スクリーンショット】

(C) D3 PUBLISHER
(C) 2008 CherryQuartz All right reserved.



■ アンビション

 「モバイルコンテンツコーナー」の中では最大のブースを構えたアンビションは、配信前の新作タイトルはなかったものの、先日オープンしたiモードサイト「アンビションヴィレッジ」のタイトルを使ったゲーム大会などを実施。基本的にすぐ遊べるシンプルなゲームを選び、来場者が参加できるイベントを頻繁に開催していた。

 主力タイトルであるオンラインRPG「ネバーワールドオンライン」では、会場に置かれたQRコードを読み取ると、限定装備がもらえる企画を実施。またゲーム内のキャラクタに扮したコンパニオンを用意するなど、ファンに向けたサービスを徹底し、イベントのたびに多くの人を集めていた。

ジーコロンなどのキャラクタに扮したコンパニオンが人気。ゲーム大会では、社長の福島公則氏が来場者と対戦する一幕も



【その他の出展社】
スパイシーソフトは、「アプリ★ゲット」にアプリを提供しているクリエイターを呼び、来場者と対戦できるイベントを実施 シルバーソフトジャパンは、高性能AIを搭載した「銀星」シリーズの将棋と麻雀のアプリを用意。他にもWiiのゲームも用意していた シールズは、Flashゲーム配信サイト「極★プチゲー」を展開。PCにAVリモコンを繋いで仮想端末とし、大きな画面で遊べるようにしていた
クリエイティブ・ブレインは、10月6日に開設されたばかりのiモードサイト「トリトーンiランド」のアプリを展開。「トリトーン」の移植作が看板タイトル ライドオンジャパンは、2008年冬配信予定の新作RPG「不思議の国の酒場2」をプレイアブル出展 インターセーブは韓国のゲーム会社。韓国の携帯端末で遊べるゲームアプリの展示をしつつ、コトブキソリューションから提供予定の「Luna Story」をアピール


□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
東京ゲームショウ2008 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/tgslink.htm

(2008年10月13日)

[Reported by 石田賀津男]



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