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東京ゲームショウ2008現地レポート

KONAMI、ダンジョン探索MMO「Chaotic Eden」開発者インタビュー
ダンジョン探索とコミュニティを融合した新しいオンラインゲームを目指す

10月9日~12日 開催予定

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 株式会社コナミデジタルエンタテイメントは、東京ゲームショウ2008においてPC向けオンラインRPG「Chaotic Eden(カオティックエデン)」を出展した。本作は韓国UNIANAとKONAMIが協同開発するMMORPGで、日本では2009年春よりサービス予定だ。サービス携帯は基本プレイ無料のアイテム課金を予定している。

 「Chaotic Eden」は街で他のプレーヤーとコミュニケーションを楽しみ、仲間を募ってダンジョンに出発するという形でゲームが進行する。街の部分はMMO、ダンジョンはMOとなる。このダンジョンのシステムは、「ローグ」、「不思議のダンジョン」シリーズ、「風来のシレン」シリーズなどの自動生成型ダンジョン探索型のゲーム性を取り入れている。

 ダンジョンの部屋の配置、次のフロアに行くための階段、アイテム、モンスターは自動生成され、挑戦するごとに異なる。また、プレーヤーが移動や攻撃などで一回行動すると、モンスターも動くというターンベースの行動ルールになっていて、独特の駆け引きを生み出している。プレーヤーはモンスターの動きを予測し、ランダムで得られるアイテムを活用しながらダンジョンを探索していくこととなる。運と戦略性が試され、ダンジョンに入るたびに全く違う展開が待っているユニークなゲームシステムである。

 KONAMIのダンジョン探索RPGといえばアーケードゲームの「エターナルナイツ」が知られているが、今作との関係は語られなかった。全く独立した作品、という位置づけのようだ。「Chaotic Eden」ではこのゲーム性にパーティープレイの要素も加わるとのことでどんなゲームとなるか気になるところだ。

 会場ではソロプレイでのダンジョン探索のみが楽しめた。今回は合わせて、本作のディレクターとプロデューサーからも話を聞くことができた。本稿ではゲームの要素と共に、「Chaotic Eden」のこれからの展開も紹介していきたい。


■ ブースではソロプレイを体験。ダンジョン探索RPGの楽しさと緊張感を持つオンラインゲーム

ブースはキャラクタイラストが描かれたかわいらしい雰囲気。初期のダンジョン探索を楽しむことができた
待ち時間や、試遊台の周りにもプレイしやすいようにマニュアルを展示し、さらにスタッフがフォローすることで、来場者はすぐにゲームを始めることができた。ゲームの緊張感に、モニターを一心に見つめるプレーヤーも
 「Chaotic Eden」の舞台は“オデッセイ王国”と呼ばれる世界。プレーヤーはこの世界の平和を脅かす謎を解き明かすべく冒険に旅立つこととなる。会場では数タイプからキャラクタを選び、街の中でNPCに話しかけ、クエストを受けてダンジョンに出発、という形でゲームを体験できた。ちなみにキャラクタは男女やモデリングの違いはあっても性能は一緒で、レベルが上がると転職できるという。

 操作はキーボードとマウスで行ない、目的地をクリックか、カーソルキー、もしくはテンキーで移動できる。X+方向キーでその場で向きを変えることもできる。Cで攻撃。またCを押すことでその場にとどまる「足踏み」をすることも可能だ。Iでバッグを開き、Pでステータスを確認できる。ゲームパッドにも対応していた。

 街には商品を売るNPCの姿も見える。ゲームキャラクタの頭身は低く、モンスターも含め全体的にかわいらしい雰囲気だ。商店画面やロード画面に出るイラストは特にかわいらしい。3Dモデルは韓国側スタッフが担当し、イラストや商店の画面などキャラクタの絵が表示されるところはKONAMIが担当しているとのことだ。

 ダンジョンは「ヘビの迷宮」と「ゴブリンのアジト」が選択できた。ゴブリンの方が難易度が高いようだ。ヘビの迷宮には「城」、「砂漠」、「廃墟」。ゴブリンのアジトには「森」、「氷」、「砦」と3種類あり、それぞれ雰囲気が違っていた。

 アイコンをクリックするといよいよダンジョンに突入だ。プレーヤーが動くと、モンスターも動くという独特のリズムと、フロアに置かれているアイテムを手に入れ、次の戦略を練る楽しさ。複数のモンスターが近づいてきたとき、囲まれないための場所取りなど、ダンジョン探索タイプのRPGならではの楽しさを体験できた。

 装備は最初棍棒だけだったが、フロアを上がっていくことで充実し、レベルも上がった。次のフロアへ行くための階段が見つかったが、回復アイテムが心許ない。このフロアをさらに探索してアイテムを探すか、それとも次の階に行くか、このジレンマもダンジョン探索タイプの楽しさだ。

 結果として回復が少ないまま敵と連戦し、道半ばで倒されてしまった。ダンジョンの奥深くにはボスも登場するのだがそこまでたどり着けなかった。短いプレイだが、ダンジョン探索タイプのゲームのエッセンスをきちんと持っている作品だと感じた。

 今回は体験できなかったが、「Chaotic Eden」は他プレーヤーとパーティーを組みダンジョンを探索できるという。このターンベースのタイミングがパーティープレイではどうなるか気になるところだ。また、プレーヤーは自分オリジナルのダンジョンを作ることができるという。体験プレイの後、「Chaotic Eden」のスタッフにより明確な「Chaotic Eden」の姿、今後の展開を質問してみた。

【スクリーンショット】
左から、マップ画面、キャラクタ作成、ダンジョン探索。ダンジョン内ではプレーヤーと敵が交互に動く戦略性が問われる
NPCやロード中のイラストはかわいらしいデザインだ。右はダンジョン生成シーン。細かいセッティングか可能なようだ


■ 日本でのクローズドβテストは年内に。ダンジョンレベルとベースレベルでダンジョン探索型のシビアさも再現

今回インタビューした「Chaotic Eden」プロデューサーの山根清彦氏(右)と、ディレクターの大和久宏之氏
 今回インタビューしたのは「Chaotic Eden」プロデューサーのコナミデジタルエンタテイメント オンラインコンテンツプロダクション オンライン制作グループ プロデューサーの山根清彦氏と、ディレクターの大和久宏之氏だ。

 「Chaotic Eden」は韓国企業の持つ技術やノウハウと、KONAMIの開発力を融合させたオンラインゲームを作るべく生み出されたという。サーバークライアントプログラムやキャラクタの3Dモデル、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)などをUNIANAが担当し、KONAMIはゲーム部分や、キャラクタデザインの原画などを担当している。

 韓国では8月にクローズドβテストを行なっている。今回出展されたバージョンに近い者だったが、好評だったという。韓国のユーザーにはダンジョン探索タイプのRPGは馴染みがなかったが、新しいゲームとして評価する声が多かった。

 「Chaotic Eden」の最大の目玉になるのがパーティープレイだ。最大4人での協力プレイが可能。ダンジョンはMOで、4人の協力が可能だ。プレーヤーはスタート時には「アドベンチャー」という職業だが、「ファイター」、「シーフ」、「クレリック」、「メイジ」、「スラッガー」、「アーチャー」という職業に転職ができる。それぞれの職業の特性を活かした協力プレイが可能になる。

 ダンジョン探索RPGではアイテムの入手は運に左右される。これに職業の傾向が出るときつくなるのでは、とも思うが、ゲーム性と職業のバランスも考えているという。また、気になるパーティーを組むことでのプレーヤーとモンスターの行動ターンの変化も、まだ詳細は明かせないとのことだ。ソロプレイのじっくり考えるゲーム性と、複数のプレーヤーが関わるにぎやかさをどう融合させていくかをテーマにしているという。

 ダンジョン探索RPGの楽しさは、スタート時にはレベルが1でダンジョン内でレベルを上げ、ランダム性の強いダンジョンでどう生き残るか、戦略性と運の両方が試されるゲーム性にある。初期の状態から、1つのダンジョン内でどこまで強くなるのか、というのが楽しいのである。これは、キャラクタをひたすら鍛え上げレベルアップさせていくMMORPGとは相反する要素とも言える。

 「Chaotic Eden」では「ダブルレベル」という考え方でこの要素に挑戦していく。キャラクタは継続性を持つベースレベルと、ダンジョンに挑戦するたびにリセットされるダンジョンレベルという2つのレベルを持つことになる。ベースレベルを上げることでキャラクタはスキルを獲得するなど強力な存在になる。ダンジョン内ではレベル1の強さからスタートするが、ベースレベルによってダンジョンの難易度は変わってくる。難しいダンジョンをクリアするためにベースレベルで強化する、という方法も可能なわけだ。

 アイテムはダンジョンの外にも持ち出せ、次のダンジョンにも挑戦できる。しかしアイテムには耐久力が設定されていて、修理をするためにはゲーム内通貨が必要になる。強力なアイテムを常に使い続けるためにはかなりの出費を覚悟しなくてはならないようだ。

 課金アイテムに関しては、装備型のアイテムを直接販売するという方向性ではなく、「基本的に冒険で使うアイテムはダンジョンから持ってこよう」という方針となる。冒険を助ける、回復薬など便利系のアイテムを考えているとのこと。たくさん回復アイテムを持って行けば序盤は安心だが、キャラクタはダンジョンに持って行けるアイテムの数は決まっている。課金アイテムをたくさん持って行っても、そのためにダンジョンで手に入るアイテムをあまり持てなくなるなど、バランスを考えた使い方が重要という方針にしていきたいとのこと。

 オリジナルダンジョンを作るためのアイテムもダンジョンで入手できる。さらに入手したアイテムを組み合わせることで、もっと深く、もっと広く、もっと強力にといったカスタマイズもできるようになる。「Chaotic Eden」ではこのダンジョンを公開し、他のプレーヤーの挑戦を受けることができる。ダンジョンには“耐久度”が設定されていて、決められた回数しか挑戦できないが、ダンジョンを踏破すると報酬が得られる。作ったダンジョンは本人が挑戦することも可能だが、他プレーヤーが挑戦した場合、作ったプレーヤーにもメリットが得られるという。

 コミュニティに関しては、コミュニケーションが取りやすいチャットチャンネルの導入を考えているという。また、ギルドシステムの導入も予定している。ディレクターの大和久氏自身オンラインゲームのプレーヤーで、初心者がコミュニケーションをとれる環境を模索しているという。

 KONAMIの開発の強みというところでは、ストーリーや、サウンド、ゲーム性での充実、そこにコミュニケーションの楽しさをどう融合できるか、また日本のユーザーの声をキャッチアップしやすいところも「Chaotic Eden」のポイントだ。この他、生産やハウジングの要素も検討中とのこと。ダンジョンで手に入れたアイテムをどう使うか、という部分でダンジョン探索RPG以上の楽しさをどう膨らませるかも企画中だという。

 現在、パーティープレイの要素をさらに練り込んでいるという。開発が順調に進めば、日本でも年内にクローズドβテストを実現させ、そのときにはパーティープレイの要素も実現させたいとのことだ。今後の発表を待ちたいところだ。

 大和久氏は最後にユーザーへのメッセージとして「『Chaotic Eden』はダンジョン探索RPGがもつ毎回新鮮な体験ができる楽しさと緊張感を大事にしながら、オンラインゲームのコミュニケーションの楽しさ、キャラクタをじっくり育てる楽しさを一緒にしたものを作りたいと思っています。ゲームが完成した暁には、是非楽しんでください」と、語った。パーティープレイがどうなるか、新しい楽しさを実現できるか、期待したい。

(C)2007 2008 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.

□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□KONAMIのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□関連情報
【6月17日】韓国最新オンラインゲームレポート
UNIANA/KONAMI、「『Chaotic Eden』アドベンチャー・パーティ」を開催
AC「エターナルナイツ」の素材を使ったオンラインゲームがついに公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080617/korea_34.htm

(2008年10月12日)

[Reported by 勝田哲也]



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