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【東京ゲームショウ2008レポート】

SNKプレイモアブースレポート
“らしくない!?”新作、DS「ツキビト」など

10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料


細谷壮一郎氏
 株式会社SNKプレイモアは、業者日恒例(?)のプレスカンファレンスを開催。コンテンツ事業部本部長の細谷壮一郎氏が元気良く登場……と思いきや、前夜の阪神の首位陥落で意気消沈状態。「ホンマ、こんなとこに来てる場合じゃな……って、こんなとこいうたらいかんがな!」と笑いをとりにいくも、あまりのカラ元気っぷりに、逆に客席側が気を遣うような雰囲気がうっすらと漂ってしまう。

 それはさておき、来年で15周年を向かえる「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズや直近に発売を控えた新作群など、ラインナップの充実振りをおおいにアピールする細谷氏。ここでは、カンファレンスで発表された完全新作のうち、細谷氏が「もっともSNKらしくないタイトル」と表現した変り種の初公開タイトルからご紹介していこう。


■ DS「ツキビト」

鈴木一也氏
 目に見えない不思議な存在“ツキビト”と、それを見ることができる少年少女の謎解きハートフルアドベンチャーストーリー。

 はたしてコレの何が「SNKらしくない」のか。それは、本作が異色のクリエイター陣によって制作されているからだ。「ツキビト研究所」を名乗るこのクリエイター集団、所長が木原弘勝氏、監督が鈴木一也氏、デザインがMONSTER★SOUP氏、音楽が弘田佳孝氏、ラインプロデューサーがJames Wang氏と、そうそうたる面々。元スタジオジブリ、女神転生、シャドウハーツ、元SNK古参など、ひとクセもふたクセもある名うてのクリエイターが勢ぞろいしている。監督の鈴木氏は「苦節半年(笑) はやく発表したくてウズウズしていた」という。

 ゲームはアドベンチャー形式。詳細は明らかにされなかったが、今までにないシステムになるという。開発当初のコンセプトは「情けは人のためならず」といい、ほのぼのタッチながら現代の問題に鋭く切り込む内容になっていると鈴木氏は説明する。鈴木大司教の異名を持つ鈴木氏だけに「女神転生」シリーズのような作品を期待する人が後を立たないというが、鈴木氏は「今までにない体験をしてもらいたい」という。異色クリエイター集団が生み出すファンタジーは、はたしてどのようなものか。ファンならずとも興味が尽きないところだ。発売日、価格ともに未定。



(C)SNK PLAYMORE


■ AC「ザ・キング・オブ・ファイターズ トゥエルブ」

久木野雅昭氏
 「コンシューマメインのイベントになぜアーケード作品が?」といぶかしがられる方もいそうだが、先にいってしまうと本作は家庭用発売のアナウンスが行なわれたため、特に問題なし。業者日、初日という限定的状況ではあるが、本ブースの試遊台1番人気は本作がダントツトップだ。

 RE-BIRTHと銘打たれているとおり、本作は従来シリーズのように「改修」ではなく、ハイレゾ化されたグラフィックやシステムなど「まったく新しいもの」として制作されている。キャラクタだけとっても、アートディレクターのノナ氏が全データをチェックする徹底ぶりで、プロデューサーの久木野雅昭氏によれば、1キャラクタあたりの総パターン数は400~600で、すべて手描きによるもの。1キャラクタ作り終えるまでに約16カ月を要するというから恐ろしい。出展バージョンは、これまでに発表されたキャラクタ+3人の全14人が使用可能。製品版は全20キャラクタになるという。

 注目して欲しい点としてあげられたのが、キャラクタの存在感と、純粋な対戦格闘としての臨場感。従来シリーズ比で解像度が4倍になったグラフィックは、表情から筋肉の構造、質感まできちんと描かれている。キーワードに「拳と拳のぶつかりかい」を掲げるだけに、技がヒットしたときに伝わる“痛み”を感じ取って欲しいという。また、原点回帰を意味するアテナなどのコスチュームや髪の色なども要注目点としてあげられた。

 新システムのうち、「相殺」、「ガードアタック」は出展バージョンにも実装されているが「クリティカルカウンター」については現在鋭意調整中という。開発進行度は現在65パーセント。調整には細心の注意が払われており、年内に行なわれるロケーションテストのほか、その前にファンに集まって遊んでもらうイベントを計画しているという。「ナンバーワンではなく、オンリーワン。新しいKOFの始まり」と久木野氏は力強く宣言する。2009年4月稼動予定。

【スクリーンショット】


(C)SNK PLAYMORE ※「ザ・キング・オブ・ファイターズ」は株式会社SNKプレイモアの登録商標です。


■ PS2「ザ・キング・オブ・ファイターズ 2002 アンリミテッド マッチ」

ネオジオ博士
 「アンリミテッドマッチ(UM)」シリーズ第2弾。壇上には「(出展が)間に合うかどうかドキドキした」というネオジオ博士が登場。背中に本作のチラシを貼るなど、身体を張った宣伝にも余念がない。開発進行度は現在65パーセント。

 UMシリーズのコンセプトは、今の時代に合わせた改良。「KOF 2002」の改良といっても「NEOWAVE」とはまったく異なる進化形と博士は明言。グラフィック、サウンドがリニューアルされたほか、登場キャラクタが66体。ネスツ編に登場したキャラクタと塚キャラクタを含めtあ22体が新規参戦というボリュームには驚くほかない。メインイラストレーターはヒロアキ氏。カンファレンスでは、新キャラクタ「ネームレス」も公開された。京とK'(ケイダッシュ)の遺伝子をあわせもつ実験体で、自身では炎を制御できないため特殊なグローブを装着して炎を操る。

 ゲームバランスの再調整、オープニング、エンディング、新技の追加、ゲージ周辺などのインフォメーション、MAX2技のさらなる強化など、UMシリーズらしい徹底した見直しが行なわれる本作。マルチマッチングBBへの対応は未定。アーケードに強いこだわりを持つ博士だが、「KOF 98 UM」同様「まずは家庭用から」とコメント。一般公開日の土曜は「ネオジオ博士との触れ合いコーナー」を開催するといい、対戦しながら意見交換などができるという。日曜日には本作を使ったゲーム大会も行なわれる予定。2009年発売予定で、価格は未定。

【スクリーンショット】


(C)SNK PLAYMORE ※「ザ・キング・オブ・ファイターズ」は株式会社SNKプレイモアの登録商標です。


■ PS2「ADK魂」

 「アルファ電子」こと「ADK」が、かつてネオジオでリリースした「ニンジャマスターズ ~覇王忍法帖~」、「ニンジャコンバット」、「ニンジャコマンドー」、「痛快GANGAN行進曲」、「ティンクルスタースプライツ」以上5タイトルをワンパッケージにした作品。

 ネオジオ黎明期からクセの強さで知られるADK作品だけに、これだけのラインナップが一同に介すると、ある種の感情が心の奥底から染み出してきて仕方がない。個人的にはいくつか非常に思い入れが強い作品もあり「まさかこんなものがリリースされるとは……」と感慨にふけりたくなってしまう。「忍者といえば?」、「ADK!」と即答する人などは、わざわざ筆者が説明などしなくてもとっくの昔に購買リストの筆頭にあげられているはずだ。

 オーソドックスなベルトスクロールアクション「ニンジャコンバット」や縦スクロールシューティング「ニンジャコマンドー」などはネオジオ初期のタイトルだけに知らないファンも少なくないだろう。無理にプレイして欲しいとは思わないが、すべての感情を捨てて真摯に向き合ったとき、初めて膝から崩れ落ちることが許される「ニンジャコンバット」のクオリティとセンス、「ニンジャコマンドー」の爆裂究極拳あたりからニョッキリと萌芽し「ニンジャマスターズ」でどうにもならないくらい蔓がのびてがんじがらめになっていくADKらしい必殺技コマンドのあり方などは、温故知新(?)の一環として味わってみるのも一興。

 「痛快GANGAN行進曲」は、筆者の周辺にいた大半の人がキャラクタデザインに口をつぐんだ逸品。某知人が「誰がこんなキャラ使うんだよ!」と吐き捨てたレオンハルトが持ちキャラだった筆者にとっては、タイムアタックに地道を上げたのも遠い記憶の彼方。「ティンクルスタースプライツ」は当時も今も珍しい対戦型のシューティング。いまだ根強いファンを持つ作品だけに、興味がある人はプレイしておいて損はないだろう。12月18日発売予定で、価格は5,040円。

【スクリーンショット】
ニンジャマスターズ ~覇王忍法帖~
ニンジャコンバット
ニンジャコマンドー
痛快GANGAN行進曲
ティンクルスタースプライツ


(C)SNK PLAYMORE


■ DS「キミの勇者」

 “1日30分の大冒険”がキャッチフレーズのファンタジーRPG。こまめに遊べるのが特徴で、TVアニメの30分1話ややライトノベルのような手軽さが売り。ストーリーが進んでいくと全10キャラクタが登場するが、うち4人を自由に編成してパーティが組める。

 筆者は、本作がターゲットとしている「最近めっきりRPGをやらなくなった」層。うまくいえないが「なんか面倒なんだよね」という典型的なアレで「実際そんなにやる気になるもんかね」と半分うがった見方をしつつ体験コーナーに突入。出展バージョンの体験版は、15分以内にクリアしたら特製下敷きがもらえるというボーナスつき。「んじゃ一丁やってみるかね」と椅子に座りつつプレイ開始。

 TGS用に作られた体験版につき、会話・テンポともにザックリしていてわかりやすい。それでいて、良い意味でステレオタイプな台詞回しなどがすんなり入ってくる。戦闘はオートも選択できて快適そのもの。戦闘中の連係技も、意識せずとも適度に繰り出されるためモノグサな人でも大丈夫そう。ただし、キャラクタの組み合わせをきちんと考えたほうがゲームが円滑に進むし、コンボが心地いい戦闘アクションも楽しめる。このあたりは、前向きにやったほうが断然面白い。

 5分……10分……。ふと気づけば、アッという間に時が過ぎていく。テンポと適度なユルさが心地いい。キャラクタのデザインは好き好きだが、特に抵抗がなければ、この内容で文句が出るようには思えない。本当によくできている。製品版はメインストーリーを終えた後でもサブクエストや自動生成コンストラクトダンジョンなどやりこみ要素が用意されているといい、クリアして即ポイなどということもなさそうだ。

 残り8分、ついにラスボスに到着。一般公開日にプレイされる人も多々おられるだろうから詳細は伏せるが、ここでつい仕事柄「これオートで倒せたら問題あるよね」と試したのが運の尽き。じっと見つめること数十秒。さすがにオートで倒せるようなヌルイ相手ではなく、パーティは全滅。係員の人に「あー、残念でしたね」となぐさめられ体験プレイは終了した。自由にパーティが組めるゆえに“キミ”の勇者。RPGの入門編というキーワードも付加されているが、筆者のように「最近やってないなー」という人にも強くオススメしたい。パッと見で抵抗がなければ、口当たりのいい“適度な楽しさ”を味あわせてくれるはずだ。10月23日発売予定で、価格は5,040円。

(C)SNK PLAYMORE


■ その他の出展タイトルPSP「サムライスピリッツ 六番勝負」

【PSP「サムライスピリッツ 六番勝負」】【Xbox 360「ザ・キング・オブ・ファイターズ'98 アルティメット マッチ」】
シリーズ6タイトルを収録。出展バージョンは初代、真・サムライスピリッツ、斬紅郎無双剣の3タイトルがプレイ可能。2009年発売予定で価格は未定 プレーヤーキャラクタ64人というボリュームを誇るUM版がXbox LIVEに登場。国内外のプレーヤーとオンライン対戦が可能。2009年発売予定で価格は未定


(C)SNK PLAYMORE


※記事中の画面はすべて開発中のものです。

□SNKプレイモアのホームページ
http://game.snkplaymore.co.jp/
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【10月8日】「東京ゲームショウ2008」
出展メーカー特設サイトリンク集
http://watch.impress.co.jp/docs/20081008/tgs.htm

(2008年10月10日)

[Reported by 豊臣和孝]



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