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カプコン、「逆転裁判」×「宝塚歌劇団」の新プロジェクト!
舞台化にオドロキ! 映像と演奏のコラボにナルホド!

9月23日 開催

会場:東京・渋谷 Bunkamuraオーチャードホール

【逆転検事】
発売日:2009年春予定
価格:未定


 株式会社カプコンは9月23日、「逆転裁判」シリーズの楽曲を東京フィルハーモニー交響楽団 (指揮は栗田博文氏) が演奏する「逆転裁判 特別法廷 2008 秋 オーケストラコンサート」を東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて開催した。

 このオーケストラコンサートは、2008年4月20日に開催した春公演のアンコール公演となっている。会場は「逆転裁判」シリーズのファンで埋め尽くされ、グッズ販売にも長蛇の列ができあがった。春公演同様の盛況ぶりを見せた。春の公演もそうだったが、来場者には女性ファンの姿が多い。

 イベントは3部構成になっていて、後半2部、3部は春の公演と同じく東京フィルハーモニー交響楽団による「逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート」。だが第1部は「『NEW逆転裁判 NOTゲーム』プロジェクト発表会」という気になる名称になっていた。「NOTゲーム」と銘打った「逆転裁判」の新プロジェクト、そして「逆転裁判 特別法廷 2008 秋 オーケストラコンサート」の模様をお伝えしていく。



● 舞台化決定に会場大歓声! 「『NEW逆転裁判 NOTゲーム』プロジェクト発表会」

スクリーンでは曲間に成歩堂、御剣、サイバンチョの面々のかけあいが、演奏中は曲に合わせたシリーズの名場面が次々に映し出される
 劇場内は壇上にオーケストラが組まれた厳かな雰囲気に包まれていた。その壇上中央には巨大なスクリーンがあって、そこに「逆転裁判」の名キャラクタたちが登場して喋り、終始イベントを盛り上げてくれる。

 例えばイベント開始5分前には、成歩堂が音声で来場者に感謝しつつ着席を促し、そこに「待った!」とお決まりの台詞で割って入った御剣が「NEW逆転裁判……『NOT ゲーム』とは、一体何なのだ……。貴様は知っているのか、成歩堂! 」と疑問をぶつける会話が入る。それに対して成歩堂は、「あと5分待てば、全てが明らかになるさ!」と答えていた。春公演もそうだったが、「逆転裁判」の魅力やキャラクタの性格を活かした演出が随所に入ってくるのが面白い。

 5分後、第1部の「『NEW逆転裁判 NOTゲーム』プロジェクト発表会」が開演された。スクリーンにおなじみの法定場面が映り、そこにサイバンチョが登場して公演の挨拶や注意が促された。注意では、携帯電話を切って欲しいという話でも「携帯電話が事件の発端になることもあるようです」と、シリーズのエピソードになぞらえたりと、注意ひとつにも逆転裁判の特別法廷はファンサービスが効いている。

「NEW逆転裁判 NOTゲーム」の正体は、なんと舞台化!
 すると突如、スクリーンからサイバンチョが姿を消して「NEW逆転裁判 NOTゲーム」の文字が現われた。静まる会場。「逆転裁判」のロゴに続いて「舞台化決定!」の文字が大映しになると「えぇ~!!」という、どよめきと驚きの声が挙がった。来場者の誰もが予想していなかった新展開だけに、純粋な驚きに満ちた声だ。

 続けざまにスクリーンには、「宝塚歌劇」のロゴが登場。「逆転裁判の熱い法廷バトルが宝塚歌劇により華麗に幕を開ける!!」という文字に続いて、宝塚歌劇の公演模様が次々に映し出される。驚きの声は一層大きく、「えぇ~!」という驚きの声はそのまま「キャー!」という声に変わっていく。会場は大きな拍手に包まれた。

宝塚歌劇と逆転裁判のコラボレーションが実現。会場には女性ファンが多かったこともあり、舞台化の文字にまず驚き、その舞台化をするのが宝塚歌劇であることにさらに、沸いていた

「逆転裁判」シリーズプロデューサーの松川 美苗さん。舞台化実現の経緯を語ってくれた
宝塚歌劇団の演出家であり、「逆転裁判」公演では脚本と演出を担当する鈴木圭氏
 壇上には「逆転裁判」シリーズプロデューサーの松川 美苗さん、宝塚歌劇団の演出家であり、「逆転裁判」公演で脚本と演出を担当する鈴木圭氏が登場した。

 この舞台化のきっかけについて、松川さんから「約2年ほど前にカプコンでゲーム制作問わずの新規プロジェクトが立ち上がりまして。逆転裁判の開発スタッフに宝塚歌劇の大ファンがおりまして、ぜひ何かを一緒にやりたいとなりました。開発本部長の稲船にプレゼンテーションしたところ、非常に面白いプロジェクトなので進めましょう、となりまして」と語られた。

 また、当時ではプロジェクトの題材は「逆転裁判」に絞られておらず、カプコンの様々なコンテンツが候補にあったが、宝塚歌劇で公演して頂くなら「逆転裁判」がいいのでは、と自然に決まっていったということだ。ただ、その2年前のときにはプロジェクトは実現に至らなかったのだという。そこからプロジェクトメンバーや演出家の鈴木氏との交流が暖められ、今回ついに実現したということだ。

 鈴木氏は「ゲームはとても興味があって好きです。カプコンの「逆転裁判」は本当に面白いゲームだなと思っていて。音楽からシナリオから素晴らしいものが取りそろえられてるなと。それで、今回のお話を頂いたときには、これはもう舞台にできる、と思いました」と、ご本人がゲームに親しんでいること、「逆転裁判」は舞台化するのに適した要素を持っていると感じたことを語った。また鈴木氏は、4月に行なわれたオーケストラコンサートの春公演を鑑賞し、確信をより強めたということだ。

 宝塚歌劇によるこの舞台名は、バウ・ロマン「逆転裁判 -蘇る真実-」。主人公は成歩堂 龍一だが、海外版の名前「フェニックス・ライト」が使用される。アメリカを舞台に、熱血弁護士が難事件を解決していく物語となる。弁護士としての活躍を描くと共に、鈴木氏いわく「ゲームにはなかったラブロマンスを作ってみようと思う」ということだ。主要キャラクタももちろん登場し、ゲーム中に使用されている楽曲と宝塚版ミュージカルのコラボレーションも見所となる。

■ 「宝塚歌劇」×「逆転裁判」特別公演

    バウ・ロマン「逆転裁判 -蘇る真実-」

    原作・監修・製作協力 株式会社カプコン
    脚本・演出 鈴木 圭

    宝塚バウホール公演:2009年2月5日~2月15日
    (チケット一般前売:2008年12月20日)
    座席料金:全席6,000円

    日本青年館 東京特別公演:2009年2月24日~3月2日
    (チケット一般前売:2009年1月25日)
    座席料金:S席7,500円 A席5,000円

ビデオレターで登場したカプコン常務執行役員 開発統括本部長の稲船氏
同じくビデオレターで登場した宝塚歌劇団 宙組の蘭寿とむさん。ビデオの最後にフェニックス・ライト(成歩堂)の姿を披露! 凛々しい声で「異議あり!」の台詞を聞かせてくれた
 第1部の最後には、カプコンの稲船氏、フェニックス・ライト(成歩堂)を演じる宝塚歌劇団 宙組の蘭寿とむさんがビデオレターでスクリーンに登場。稲船氏は、「最初は無理だろうと思っていたのですが、こういう形で実現するということで、僕自身すごく喜んでいます。カプコンにとっても、宝塚歌劇にとっても素晴らしいことと思っています。ぜひみなさんも楽しみにして、宝塚に逆転裁判を見に行って欲しいと思います」と伝えた。

 宝塚歌劇団 宙組の蘭寿とむさんはまず、「宝塚で舞台化させて頂くということですので、ゲームではご覧になれない、歌や踊り、そしてラブストーリーをお見せできると思います。たくさんの方に愛されている『逆転裁判』の主人公をさせて頂くということを、とても光栄に思っています」と挨拶。続いて「逆転裁判」のオフィシャルファンブックを取り出し、キャラクタ性格診断チャートに挑んだ。

 「口癖は語尾に『~~ッス』をつけてしまうことだ」というような、診断チャートの問いに会場からも笑いが漏れる。最終的に蘭寿さんの診断結果は正義感溢れる御剣タイプになり、「わたくし今回、成歩堂龍一をさせて頂くんですけど……(笑)」と、笑いを起こしていた。

 蘭寿とむさんからのビデオレターには、最後にサプライズが待っていた。蘭寿さんが突如、成歩堂に姿を変え、「異議あり!」の決めセリフを披露。会場はそのサプライズに「おぉー!」と大きく沸いた。

 最後に、松川さんからファンの方へ向け「カプコンは今まで、映画化やアニメ化などコンテンツの拡大に挑戦してきました。今回、『逆転裁判』を宝塚歌劇さんで舞台化して頂けるというのは、それ以上のすごい挑戦だと思っております。2009年2月、新しい『逆転裁判』と宝塚歌劇をどうぞ、お楽しみください。本日はどうもありがとうございました」と第1部を締めくくった。

フェニックス・ライト(成歩堂)を演じる蘭寿とむさんは、「逆転裁判」のオフィシャルファンブックを取り出し、キャラクタ性格診断チャートに挑戦。結果は御剣タイプとなったが、男性キャラクタに診断されるあたりはさすが
「逆転裁判 -蘇る真実-」の概要。左の写真では、「あなたは、愛する人を信じることができますか 信じ続けることができますか…」という、舞台内容を象徴しているような言葉が書かれている



● 「逆転裁判 特別法廷2008 秋 オーケストラコンサート」

東京フィルハーモニー交響楽団による演奏は素晴らしいクオリティ。シリーズファンにとっていずれも馴染み深い曲であり、映像も一緒に楽しめるので、普段オーケストラに親しんでいない人も存分に楽しめる構成だ
ニンテンドーDS用ソフト「逆転検事」でプロデューサーを務める江城元秀氏、ディレクターの山崎剛氏、作曲家の岩垂徳行氏も登場した
「逆転裁判4」のラミロアに扮して「恋するギターのセレナード」の歌を披露した霜月はるかさん
 第2部、第3部のオーケストラコンサートは春公演同様に、オーケストラ演奏と同時にスクリーンにシリーズの場面が映し出されるという趣向だ。ゲーム中に使用された楽曲の数々が、東京フィルハーモニー交響楽団による最高に豪華な演奏で綴られ、それと同時に楽曲に関連するゲーム画面が展開していく。目と耳で楽しんで、プレイした想い出が鮮明に蘇るという、素晴らしい構成だ。

 演奏された楽曲は基本的に春の公演を元にしていた。「王泥喜 法介 新章開廷」からはじまり、「逆転裁判1~3 法廷組曲」と続いていく。「逆転裁判4」、「逆転裁判1~3」、「逆転裁判 蘇る逆転」の記憶を呼び覚ましていく。

 曲の間には、サイバンチョ、成歩堂、御剣による掛け合いが入る。3曲目に演奏された「芝九蔵虎之助~スウィンギン・ゼニトラ」は成歩堂のニセモノこと芝九蔵のテーマだが、御剣に「弁護側のテーマが流れたところで」と決めつけられ、本当の成歩堂のテーマは後回しされてしまう。ゲーム同様に不遇な扱いをされる成歩堂など、シリーズのテイストそのままの笑いどころが随所に散りばめられている。春公演同様に来場者の肩の力を抜いてくれた。

 検事側の楽曲として、「逆転裁判3」の名キャラクタ、ゴドー検事のテーマ「ゴドー~珈琲は闇色の薫り」、御剣検事のテーマ「大いなる復活~御剣怜侍」が演奏され、第2部は幕を閉じた。

 休憩後の第3部は、「逆転裁判4 法廷組曲」から始まり、シリーズの悪役をフィーチャーした「悪漢組曲」が演奏される。続く「恋するギターのセレナード」では、春公演に続いてゲストにボーカリストの霜月はるかさんが登場。「逆転裁判4」のラミロアに扮して歌を披露した。

 ここで霜月さんのほか、ニンテンドーDS用ソフト「逆転検事」でプロデューサーを務める江城元秀氏、ディレクターの山崎剛氏、作曲家の岩垂徳行氏が登場。10月9日から12日に開催される東京ゲームショー(一般公開日は11日、12日)の会場で、「逆転検事」をぜひ体験して欲しいと語った。

 今回の公演で初披露された新曲「捜査官組曲」は、「逆転裁判 特別法廷2008 秋 オーケストラコンサート」のブログにてファン投票で決定されたもの。イトノコ刑事、罪門恭介、宝月 茜の刑事3人のテーマのメドレー曲だ。コンサートはその後、「綾里 真宵 ~逆転姉妹のテーマ」、「逆転裁判3・終幕」、「大江戸戦士トノサマン」、「成歩堂 龍一 ~異議あり!」と続いた。

 アンコールには「タイホくん ~守ってあげたい」が演奏された。タイホくんは、「逆転裁判 蘇る逆転」で登場した“イトノコ刑事作のゲージュツ作品”。タイホくんが不気味にうごめく……もとい、電池が切れるまで踊り続ける悲しい姿がスクリーンに大きく映し出されるなか、テーマ曲をアンコール曲として豪華に演奏するという趣向に、大満足のなかオーケストラコンサートは終演した。



【会場で取り扱われていたグッズ】
左上から右上の順に、「逆転裁判 特別法廷2008 秋 オーケストラコンサート オフィシャルパンフレット」、「ブックマーカーセット」、「大場カオルのトートバッグ」。画像中段の左から右へと順に、会場で先行発売された「『逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート』~GYAKUTEN MEETS ORCHESTRA~ オフィシャルDVDブック」、「タイホくんストラップ」、「逆転裁判 特別法廷 2008 秋 額装グラフィックアート」。下段の左は「描き下ろし図書カード」。このうち「逆転裁判 特別法廷 2008 秋 額装グラフィックアート」はe-CAPCOM限定の完全受注生産となる



(C)TAKARAZUKA REVUE COMPANY
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「逆転裁判」シリーズのページ
http://www.capcom.co.jp/gyakutensaiban/
□「逆転検事」のページ
http://www.capcom.co.jp/kenji/
□「逆転裁判 特別法廷 2008 秋 オーケストラコンサート」のページ
http://www.capcom-fc.com/gyakusai_orchestra/
□関連情報
【9月22日】カプコン、DS「逆転検事」
第1話の事件や新キャラクタを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080922/kenji.htm
【9月19日】カプコン、「東京ゲームショウ2008」出展情報公開
「モンスターハンター3」や「バイオハザード5」など全タイトルをプレイ可能
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080919/capcom.htm
【4月21日】カプコン、「逆転裁判 特別法廷 2008 オーケストラコンサート」開催
新作となるDS「逆転検事」の未発表キャラクタなどを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080421/gyakuten.htm
【4月11日】カプコン、DS「逆転検事」発売決定
今度の“逆転”の舞台は事件現場!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080411/kenji.htm

(2008年9月24日)

[Reported by 山村智美]



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