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★モバイルゲームレビュー★

懐かしのRPGが、ストーリー性の高さはそのままに
難易度を大幅に下げて復活!

「ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙」

  • ジャンル:RPG
  • 開発元・配信元:ジー・モード
  • 利用料金:月額315円
  • プラットフォーム:iモード
  • 対応機種:FOMA 903iシリーズ以降
  • 配信日:配信中(7月14日)
  • アクセス方法:
    メニューリスト → ゲーム → ロールプレイング → R.P.G-mode



 1993年にデータイーストからスーパーファミコン用ソフトとして発売されたRPGのリメイク作品。ギリシャ神話をモチーフにした世界を舞台に、不死身の体を持つ記憶をなくした主人公たちと、英雄ヘラクレスをはじめとする神々が織り成すドラマチックなストーリーが展開される、知る人ぞ知る名作である。

 何を隠そう、筆者は1987年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたシリーズ第1作目の「ヘラクレスの栄光」に魅了されて以来、歴代のシリーズ作品はすべてプレイしており、当然ながら「ヘラクレスの栄光III」もエンディングまで到達した経験を持っている。初めてエンディング画面を見て感動したあの日から実に十数年の歳月が経過したが、当時の記憶の糸をたぐりつつ、オリジナル版と携帯コンテンツ版との比較をしながら本稿を進めていくことにしよう。



■ 携帯向けにグラフィックスを大幅変更、操作方法もよりシンプルに

 オリジナル版との違いで真っ先に気付くのは、何といってもグラフィックスが大幅にリニューアルされていること。特にバトル中に表示される主人公たちの顔や敵のモンスターの絵はガラリと変わり、原作ではよりリアル志向だったのが携帯版ではよりコミカルな絵になっているので、これを見ただけでは元の作品が何だったのかすらわからないほど。とはいえ、シリーズ作品で培われてきたギリシャ神話の世界観はきちんと継承されている。

 フィールド画面に表示されるプレーヤーキャラは主人公1人だけ(原作はパーティにいる人数分が一度に表示される)で、その他の仲間については特別なイベントなどが発生しない限り同時に表示されなくなっている。これは小さな画面にキャラクタをたくさん表示させることによる処理落ちを防ぐなどの理由があるのだろう。無論、ゲームの進行において問題になるようなことは一切ない。

【スクリーンショット】
大幅にリニューアルされたモバイル版のゲーム画面(上)。スーパーファミコン版(下)と比較すればその違いは一目瞭然だ


 操作もより簡便化されている。たとえば町の人と会話をする際には、原作のようにボタンを押してウィンドウを表示させてから「話す」コマンドを実行する必要はなく、ただ話を聞きたい人のところに向かって方向キーを押すだけでよい。バトル中のコマンドも、「戦う」が剣、「防御」が盾などのアイコンがテキストと同時に表示されるのでとてもわかりやすく、ゲーム全般を通して片手操作で楽々とプレイできるようになっている。

 買い物や「装備」コマンドを実行する際は、各アイテムごとに攻撃・防御力や特殊効果などのデータが詳しく表示される(原作では特殊効果の類はほとんど表示されない)ので、装備前後のステータス変化も一目瞭然に理解できる。

 こと操作性に関しては特に不満はないが、唯一気になったのはバトル時におけるパーティの配置状態がややわかりにくかったところ。本作品では「パーティ」コマンドを使用して、各キャラクタごとにバトルで前列・後列のいずれかに配置を設定することができるが、どちらに配置したかを確認する際はその都度「パーティ」コマンドで1人ずつ設定画面を開かなければいけないのが少々面倒に思えた。

 オリジナル版では、フィールド上でコマンド画面を表示すると「たいれつ」コマンドがすぐに表示され、またバトル中も「いどう」にカーソルを合わせてボタンを押すだけで簡単に隊列の変更ができるようになっていたので、携帯版でも同様のシステムを継承してほしかったところ。特に本作品では、後列にいたほうが敵により攻撃されにくく、また弓などの武器を装備しているときは後列にいても直接敵を攻撃できるメリットがある(剣や斧だと後列では敵に届かない)など、戦略上とても重要になってくるからだ。

 またバトル中やメニュー画面を開いた際には、各キャラクタの顔の絵を、前列ならば左寄りに、後列なら右寄りに表示するなどして、ひと目で全員の配置がわかるようにしてもよかったのではないだろうか。

【スクリーンショット】
会話などの各種コマンド実行時でも片手でらくらく操作できる。装備変更の際には各アイテムごとのデータが見やすくかつ詳しく表示されるのでとても親切だが、パーティの配置確認はその都度「パーティ」コマンドで個別にデータを見る必要がある



■ テンポよくゲームが進み、快適に遊べる親切設計が嬉しい

 各種イベントの内容や、謎解きに関する仕掛けなどは基本的にオリジナル版と同じだが、携帯版においては全体的に難易度が下がっているというのが筆者の率直な第一印象だ。とりわけ、ボスキャラクタの攻撃力はかなり弱めに設定されているので(ラストバトルは例外)、各キャラクタを相応のレベルに成長させ、行く先々のお店で売っている武器や防具をきちんと購入して装備を整えておけば、よほどの失敗がない限りパーティが全滅するようなことはないだろう。

 町やダンジョンなども含め、マップが全体的に縮小されているのも大きな特徴のひとつ。同時に敵の出現頻度も原作に比べてかなり低め(筆者の主観による)に抑えられており、旅の途中で迷子になってしまうことはまずないと言っていい。

 フィールド上で全体マップに画面を切り替えると、現在地点と同時に次の目的地が表示される。またヒントボタンを押すと、直前に聞いた重要な会話などを再度確認できてしまうという親切ぶりだ。ゲームを中断したいときも、フィールド上であればどこでもセーブできる(オリジナル版は「ヘルメスの像」がある場所でのみセーブ可能)ので、電車やバスの中などのちょっとした空き時間でも気軽に楽しめるようになっている。

 また、イベントが発生すると遠く離れた目的地まで自動的に画面が切り替わることもしばしばで、長い距離を歩いたり同じ敵と何度も戦う手間がほとんど発生しない。中にはダンジョンやイベント自体をまるごと削除して、変わりに簡単な会話シーンが発生するだけの仕様に変更された場所も見受けられた。特にゲーム終盤で発生するステンノー、エウリュアレ、メデューサの「ゴルゴン三姉妹の血」(アイテムの一種)を集めるイベントにおいては、原作ではその都度隠し場所を自分で推理しなくてはいけなかったが、携帯版では探索場所があらかじめ画面内に明示されており、時間をかけずに攻略できる。

 イベントをカットしたのはプログラム容量の問題などがあったのかもしれないが、だからといってストーリーが破綻しているようなことは一切ない。ダイダロスやクロノス、プロメテウスなどといったストーリー上の重要なキャラはきちんと登場するので、これならオリジナル版からのファンも気分を損ねることなくゲームを楽しめるだろう。

【スクリーンショット】
全般的にイベントやマップはコンパクト化され、ゲームがスムーズに進むとともに難易度を抑えた構成になっている
神殿に入ると、画面を切り替えずに修得魔法のみが表示される。町にある「ヘルメスの像」に話しかけるだけでHPやMPが瞬時に回復し、マップ画面ではヒントまで見られる


 バトルシーンも極めてスピーディに進行する。各種メッセージの表示速度も速過ぎず遅過ぎずでちょうどよく、魔法や特殊技などの演出も最小限にとどめており、とにかく快適だ。またコマンド入力が面倒な場合は、「オート」の設定をオンにすれば以後バトル終了まで自動的に敵と戦う(通常攻撃を繰り返す)。途中で好きなときに解除もできるのでとても便利だ。

 しかも、主人公たちがレベルアップするスピードは、オリジナル版に比べて明らかに早い。「こんな簡単に強くなってもいいの?」とプレイしていて申し訳なく思ってしまうぐらいにどんどん成長する。そのあまりのスピーディなゲームの進行ぶりには、かつて何度も敵に打ち倒されて苦戦を強いられた経験のある筆者は正直びっくりしてしまった。

【スクリーンショット】
バトルもテンポよく進む。各敵キャラごとにHPの量を示すバーまでもが表示されるので、現時点でどれだけのダメージを与えているのかも手に取るようにわかる!



■ 誰にでもおすすめできる良作RPG、ぜひ一度プレイされたし!

 筆者は当初、このゲームはスーパーファミコンの内容をそっくりそのまま移植したものだと思っていたため、場面によっては何度も失敗してやり直すハメになるだろうと覚悟のうえでプレイしていた。だが、前述したように携帯向けにさまざまな変更・アレンジを加えたことで非常にとっつきやすい作品に仕上がっており、いい意味で裏切られた。スーパーファミコンの頃から高い完成度を誇っていたサウンドも、当時とほぼ同じ音色で再現されているので、以前にプレイした人であれば懐かしい思い出にひたりながら楽しめるだろう。

 グラフィックスやマップ、イベントの多くが縮小またはカットされているが、実はゲーム終盤に登場するシーンについてはオリジナル版とほぼ同じ量の演出が盛り込まれている。「プレーヤーに最も感動を与えるクライマックスのシーンはバッチリ再現したぞ!」という開発スタッフのオリジナル版に対するリスペクト精神が、ゲームを通じてひしひしと伝わってきたことが何より嬉しかった。

 参考までに筆者の総プレイ時間を書いておくと、オリジナル版をクリアするまでに約40時間かかったのに対し、携帯版をクリアするまでに要したのはわずか9時間ほど。これなら途中で面倒になってやめてしまうようなこともないハズだ。

 かつてオリジナル版をプレイしたことがある人はもちろん、過去のシリーズ作品を知らない人でも問題なく楽しめるので、人間と神々とが繰り広げる壮大なドラマをぜひ一度堪能してみていただきたい。そして見事エンディングにたどり着けたならば、あまりの衝撃的な展開に、大きな驚きと感動が味わえることを筆者が保証しよう。

 ちなみに、スーパーファミコン版「ヘラクレスの栄光III」およびその続編にあたる「ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物」の両作品は、現在Wiiのバーチャルコンソールでも配信中なので、もし興味を持った人はこの機会にプレイしてみるといいだろう。

(C)1992,2008 PAON / (C)G-mode

□ジー・モードのホームページ
http://www.g-mode.jp/
□「ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙」のページ
http://www.g-mode.jp/title/hercules3/
□関連情報
【7月10日】ジー・モード、iモード「ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙」
人気を博した「ヘラクレスの栄光III」が携帯アプリに!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080710/hera.htm

(2008年9月11日)

[Reported by 鴫原盛之]



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