★モバイルゲームレビュー★
DSの大人気ナゾトキアドベンチャーが携帯に登場 豊富な動画とボイスでおくる携帯アプリの進化系
「レイトン教授と不思議な町」 |
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- ジャンル:ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー
- 開発元・配信元:レベルファイブ
- プラットフォーム:iモード
- 対応機種:P906i(プリインストール・追加ダウンロード)
- 配信日:配信中(6月1日)
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日本人はパズルが好きだ! と、いきなり言い切ってしまおう。新聞や雑誌には必ずパズルコーナーがあるし、パズル専門誌も数多く発行されている。テレビをつければIQや発想力を競うクイズ番組があり。子どもの頃からパズルやナゾナゾが大好きで、ひらめき系のクイズ本に夢中になった経験を持つ人も多いのではないだろうか。
2007年2月15日に1作目が発売されたニンテンドーDS用ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー「レイトン教授」シリーズが、累計170万本を売る大ヒットとなったのがその証拠。現在2作目まで発売されている人気のDS用ソフトが、いよいよ携帯アプリになって登場した。プレイできる端末は、NTTドコモのP906iのみと極めて限定されてはいるが、これは見逃せない。早速プレイしてみた。
■ 英国紳士レイトン教授と助手のルーク少年。ナゾ研究の第一人者に事件が持ち込まれる
主人公はシルクハットがトレードマークの「レイトン教授」、本名エルシャール・レイトン。考古学者として有名であり、不思議研究の第一人者でもある英国紳士だ。冷静で紳士的、かつ大胆な行動もできる男として、新聞にも取り上げられるなど活躍が認められている。
もうひとりの中心人物は、レイトン教授の助手・ルーク少年。頭を使うことが大好きでナゾを愛するルーク少年は、レイトンと一緒に常に新しいナゾを追いかけている。無類の動物好きで、動物と話せるという不思議なチカラを持っているらしい。
ゲームはレイトンの元に、ある依頼が持ち込まれたことから始まる。依頼主は大富豪ラインフォード氏の未亡人であるサロメ夫人。遺産相続のために必要な「黄金の果実」を探し出してくれ、というのだ。ラインフォード氏の町までの地図さえもパズルになっているその依頼に、ナゾ研究の大家であるレイトンが挑むことになる。
ラインフォード氏の屋敷で捜査を進めるうちに殺人事件が発生し、さらには町に不思議なナゾがあることがわかり始める。レイトンとルークは屋敷や町を取り巻くさまざまな事件の解決へと乗り出すことになる。
【スクリーンショット】 |
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依頼に導かれ、不思議な町へ向かうレイトンとルーク少年。ナゾだらけの事件が始まる |
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深まるナゾの詳細は、メニュー画面「レイトンのかばん」から確認できる |
■ よく喋り、よく動くキャラクタたち。完全再現された美しい動画で作品世界を堪能
携帯アプリにもかかわらず、ボイスや動画が豊富なのがこのゲームのスゴイところ。レイトンもルークもしゃべる、しゃべる。そしてよく動く。紙芝居的ではない、動きのあるゲームに仕上がっている。圧巻なのは、DS版の発売時に評判になった、あの長いムービーを再現している点。動画再生にはiモーションを使うというワザで解決し、物語の要所要所を美麗な動画で飾ってくれる。
ただし動画に字幕がないのも元と同じ。音を再生できない場所で見るとストーリーがわからなくなる可能性もあるのは、モバイルゲームとしては少々残念。コマメにセーブして対応したい。
声優はレイトン教授を大泉洋さん、ルーク少年を堀北真希さんが務めている。ゲームに限らず、俳優を声優として起用することには賛否両論あるが、本作に関しては肯定的な意見が主流。DS版のテレビCMには大泉さんがレイトンらしき姿で出演しており、その際も違和感がなかったような気がする。大泉さんは英国紳士の心の持ち主なのでは? と思うほどのはまりっぷりだ。ほかのキャラクタも能登麻美子さん、田中敦子さんなど豪華な声優があてられ、こちらも聞き逃せない。
【スクリーンショット】 |
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英国紳士レイトン教授は大泉洋さん、ルーク少年を堀北真希さんが好演 |
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不思議な町にはたくさんのキャラクタがいる。彼らと話してストーリーを進めていく |
■ 意外に快適な「ヨコオープンスタイル」。多数のナゾがレイトンたちを待ち受ける
本作はP906iの「ヨコオープンスタイル」専用アプリ。画面をヨコ向けにし、数字キーと選択キーを使う。選択キーを方向ボタンに見立て左手で操作し、右手で押す「0」キーで決定。両手を駆使した操作は、触ってみると感覚的にしっくりくる。タッチペン操作と比べれば劣る部分はあるものの、ゲーム機のコントローラー的感覚でプレイでき、すんなりと受け入れられた。
【スクリーンショット】 |
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「ヨコオープンスタイル」の大きな画面は、見やすく、操作もしやすい |
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気になる部分は虫眼鏡でチェック。ナゾや会話が発生する場合は「!」が表示される |
基本は、人に話を聞き、怪しいところを調べて進めるアドベンチャーゲーム。しかし、この世界はナゾ(パズル)が支配しており、何かというとナゾを突きつけられる。「(レイトンのことを)信用できないからナゾを解け」、「情報を知りたかったらナゾを解け」、「○○に困っているからナゾを解け」、「ヒマだからナゾ……」と、ことあるごとにナゾが出題され、ともかくナゾを解かないことには何も始まらないし、進まない。メインストーリーに関係する必須のナゾのほか、解いても解かなくても構わないナゾ、隠されたナゾなど、さまざまなタイプのナゾがレイトンたちを待ち受ける。
ナゾの出題は大きく分けて2つ。人に話しかけた際に出題されるパターンと、町の決まった場所を選択した際に見つかるパターン。タッチペン操作では、あらゆるところをタッチして探さねばならなかったが、携帯アプリでは選択できるところが限られているため、容易にすべてのナゾにチャレンジできる。もちろん、簡単なのはナゾを見つける部分だけで、解けるかどうかはまた別の話。
【スクリーンショット】 |
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最初のナゾは、目的地となる「町」の場所を探すこと。この後も数多くのナゾが待ち受ける |
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レイトンがニヤリと笑ったら正解の合図。不正解のときは顔を隠してしまう…… |
ナゾによって回答方法は違い、2択、3択などの選択問題、選択キーで図形を動かす問題、数字を入力する問題、中には50音のひらがなボードを使って、文字を入力するものまでと幅広い。携帯アプリでも十分に難易度の高い問題を楽しめる。タッチペンでなく、携帯電話のボタンで解答するのが少し不安ではあったが、おおむね快適。携帯電話のインターフェイスを上手に使ったバラエティ豊かな問題が用意されている。
ナゾが難しい場合は後回しにできるし、町の中で見つかる「ヒントメダル」を1~3枚消費すれば、ヒントを貰うこともできる。ヒントメダルは有限なので調子に乗って使うと後で困りかねない。果敢に挑戦することも、勇気を持って撤退することも大切。今どうするべきか見極めつつナゾに立ち向かおう。
ひとつひとつナゾを解き進むうち、不思議な町や怪しげなキャラクタが持つ、隠されたヒミツが少しずつ明らかになる。あっと驚く結末に、レイトンたちは到達できるのだろうか。
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ナゾの回答画面もさまざまで、見て楽しく、解けばもっと楽しい |
■ パズル界の大御所・多湖輝氏の手がける数々のナゾ。その大半はオリジナル
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1度チャレンジしたナゾは何度でも遊べる。名作、お気に入りを思い出して楽しもう |
ゲームのキモはズバリ「ナゾ」。ナゾが面白くなかったり、難易度が適切でなければ、あっという間につまらないゲームになってしまう。「レイトン」シリーズが愛されている最大の理由は、ナゾのクオリティが高く、難易度も適切だから。ナゾの監修は、パズル界の大御所・多湖輝(たごあきら)氏。40年以上もパズル界にたずさわり、累計1,200万部突破の大ベストセラー「頭の体操」シリーズも手がける多湖氏の監修で、ときに理詰めで、ときにひらめきで解く、絶妙のパズルが生まれている。
ストーリー部分はDS版とまったく同じ。モバイルゲームでの完全再現は、何度も書くが本当にスゴイの一言。しかし、スゴイのはそれだけではない。このゲームはDS版の完全移植ではないのだ。肝心要のナゾのうち、大部分はモバイルゲーム版のオリジナルとなっており、DS版を遊んだ人でも楽しめるのは素晴らしい。「もうDSで遊んだからいいや」と思っているナゾ好きは、ぜひチャレンジして欲しい。
【スクリーンショット】 |
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ストーリー中で解き逃したナゾは、どこかにあるナゾーバの館でひっそり解かれる日を待っている |
■ 携帯アプリでココまでできる! 携帯電話という新しいゲーム端末の出現か?
「DSの人気ゲームが、ほぼそのまま携帯電話でできる」のは、移動中にゲームをしたい女性にとって嬉しいニュースだ。カバンが重い、荷物が多いと悩む女性は多い。女性のカバンは、男性諸君には想像もできない小宇宙だと言ってもいい。わたしの荷物の多さはかなりのもので、かつてはよく家出娘に間違えられたものだ。現在も移動距離が増えるほどに荷物が増え、すぐにカバンが重くなる。少しでも荷物は減らしたいが、移動中の暇つぶしは欲しいというのは、女性共通の悩みではないだろうか。
大きなカバンはオシャレじゃないし、素敵なカバンは大抵容量が小さい。「そんなに変わらないんじゃない?」と思われるかもしれないが、携帯ゲーム機をカバンから抜き、携帯電話だけを持って出かけられるのは、実際のところ結構大きな差だと思う。携帯ならではの、簡単に遊べるゲームももちろん充実して欲しいが、「移動時間にもしっかり遊びたい!」という欲求にも応えるゲームがもっと増えてほしい。
「携帯電話でゲームができる」と知ってはいても、「で、結局どこまでのことができるの?」と考える人も多いだろう。その疑問に本作は答えてくれた。現行のゲーム機で動いている人気ゲームを移植することにより、「モバイルゲームにだって、ここまでできる」という可能性を提示したといえるだろう。実際に遊んだ人は「むむ、これほどまでとは!」と驚くに違いない。
本作を遊んでの感想は、「携帯電話にもこんなことができるんだ。スゴイ!」だった。荷物を軽くしたいという事情を抜きにしても、バッテリーさえ問題ないなら、移動中のゲームは携帯電話だけでいいという気もする。もしかしたら、本作で“ゲーム機としての携帯電話”はある種完成なのかもしれない。そして、「携帯ゲーム機の代替」ではなく、「携帯電話という新しいゲーム端末」として認識されるきっかけになるのではないかとも思う。
【スクリーンショット】 |
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ナゾだけでなく、ミニゲームなどもきちんと移植されている。モバイルゲームとは思えないほどボリュームがある |
(C)2007-2008 LEVEL-5 Inc.
□レベルファイブのホームページ
http://www.level5.co.jp/
□「レイトン教授と不思議な町」のページ
http://www.layton.jp/fushigi/
□関連情報
【6月4日】パナソニックモバイル、夏モデル携帯の商品説明会を開催
「レイトン教授」や「ガンダム」をメーカー各社がアピール
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080604/pana.htm
【5月28日】NTTドコモ、新型携帯電話「906i」シリーズなどを発表
「レイトン教授」などがプリインストールアプリで登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080528/docomo.htm
【5月13日】レベルファイブ、DS「レイトン教授と最後の時間旅行」
「ナゾの青年」役として俳優の小栗旬さんを起用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080513/lay.htm
(2008年9月4日)
[Reported by 南奈実]
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