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★モバイルゲームレビュー★
決して知らないわけではないが、身近に感じたことはないスポーツ、それが自分にとっての“ゴルフ”というスポーツだ。大ヒットした「みんなのゴルフ」シリーズの登場以降、ゲーマーにとってはかなり身近になったが、「ゴルフは紳士のスポーツ」と言われてしまうと、“紳士”とは正反対のベクトルに生きる筆者は、どうしても気遅れしてしまう。それにゴルフといえば、シーズンオフのプロ野球選手が、まるで義務のようにプレイしている姿や、駅のホームで傘をクラブ代わりに素振りをするおじさんを思い起こしてしまう。
一方で、今までには考えられなかったような、スタイル抜群の美人女性プロゴルファーも現われている。美しい彼女らが、おじさん臭くてお堅いイメージのゴルフに打ち込むというギャップに、ある種の“萌え”を感じてしまうのも事実だ。
■ キャリアを越えた通信対戦が可能。ファンタジーと萌えの要素がアクセントに 本作「マジカルゴルフこるぽ!」は“萌え”を強く打ち出した、3Dオンラインゴルフゲームだ。リリースしたのは携帯電話専用オンラインゲーム「エターナルゾーン」、「ミリオンヴァーサス」を手がけたエイチーム。auとNTTドコモで配信されており、キャリアを越えたオンライン対戦を実現している。 本作の特徴は、対戦で勝利すると、美少女キャラの少しセクシーな画像獲得にチャレンジできることだ。かといって萌え要素だけが売りなわけではない。オンライン対戦や3Dグラフィックスもゲームのメインに据えられている。キャラクタやコースはフル3Dで描画されており、オンライン対戦の仕様もよく考えられている。ゴルフゲームとして基本となるポイントを押さえ、細部まで配慮がなされている点にも注目したい。
ゲームは旧世界ラフトと呼ばれるファンタジー世界を舞台にしており、プレーヤーキャラクタは、とある魔法学校「王立イフェリナ学院」の「ゴルファー科」の学生という設定だ。プレーヤーとともに魔法学園で魔動（ゴルフ）を学ぶのは、「キャディ科」の女生徒たち。空に浮かぶ魔法の島などファンタジーなコースで、ゴルフのレッスンに励む。
■ オーソドックスなスタイルを踏襲。3Dグラフィックスのコースをラウンド ゴルフの操作方法は、一般的なゴルフゲームのフォーマットにのっとった、スタンダードスタイル。まずはショットする方向を決め、使用するクラブを選択する。決定キーを押すとスイングが開始され、画面下部のパワーメータが動き出す。打球のパワーを決めるために再度決定キーを押し、インパクトの瞬間にもう一度決定キーを押す。インパクトまでに方向キーを押すことで、打球に変化を与えられる本格派だ。ゴルフゲーム経験者なら、操作説明を読まずとも直感で理解できるだろう。 ゴルフゲームのツボは、風の影響やコースの形状を考えて最適なショットを行なう、思考とアクション要素の融合にある。本作はそのツボを外さずに、かつ片手でプレイできるシンプルな操作を採用している。モバイルゲームのインターフェイスとしては優秀だといっていいだろう。
暖かみのある3Dグラフィックスで描画されたコースとキャラクタは、視点を自由に変えて眺めることもできる。コースの端々まで丁寧に描かれており、正直そのクオリティにも驚かされた。
■ 自分の分身となるキャラクタを作成。追加装備で個性的なカスタマイズを ゲームはまず、プレーヤーキャラクタの作成から始まる。プレーヤーキャラクタとして選べるゴルファー科の学生は、学園のアイドル的存在のアリルや、寡黙な男子生徒クライズ、お嬢様のティアなど5人。それぞれ固有のグラフィックスと設定、能力を有している。デフォルメされたデザインで、程よくキュートでとっつきがよい。
舞台が魔法学校ということで、全員が学園の制服を着ており、ここではファンタジー要素はあまり感じられないデザインになっている。またゲーム中、ストーリー的要素は皆無で、各キャラクタの設定がゲームに反映されるようなこともないのが少々残念なところ。逆に言えば、キャラクタは好みで選んでしまって構わない。
「購買部」では有料のポイントを使って、キャラクタの衣装やクラブなどの装備を購入できる。水着や体操服、ほうき型のクラブなど、個性的なアイテムがあり、「更衣室」で着替えられる。自分だけのキャラクタを作り上げられるのは嬉しいが、現時点では女性キャラクタ向けのアイテムが中心で、男性キャラクタはカスタマイズの幅が狭いのは残念だ。
■ 快適な仕様のオンライン対戦。「サクッと短時間で、気軽にプレイ」を追求 キャラクタを作成すると自動的にログインし、メニュー画面が表示される。ここで「授業に出る」を選ぶとオンライン対戦をプレイできる。「フリー対戦」は、全国のランダムな相手とマッチングされて戦うモード。「クラス別対戦」は、同じ階級の相手に限定して対戦が組まれる。ほかに1人でコースを回って練習できる「シングルプレイ」モードも用意されている。
一般的なゴルフのルールに基づいて行なわれるオンライン対戦は、全コースの中からランダムで選ばれた1ホールで勝負する。交互にプレイしていき、少ない打数で上がった方が勝者となる。もし同じ打数で上がった場合はエクストラバトルに突入。1打でどちらがピンまで近づけたかを競う、特別ルールのニアピン勝負で勝敗をつける。いずれも1ホール、しかも延長戦は1打勝負なので、対戦はテンポよく進行する。
対戦中は、プリセットされた定型文でチャットできる。いくつかの定型文を組み合わせれば、かなり多彩な会話が可能。ただ筆者の経験では、実際にチャットで会話するプレーヤーはほとんどおらず、淡々と試合が進むことが多かった。ただ対戦時間も短いので会話がないと間が持たないということもなく、適度な距離感で居心地がいい。
即決勝負なので深い駆け引きはないが、生身の人間が相手なだけに予想外の展開も多く、オンライン対戦をしている実感は十分に味わえる。筆者も対戦がすべてプレーヤー相手だということで不安を感じていたが、こんなに気楽に、手軽にオンライン対戦できるとは思わなかった。
■ 個性的な美少女キャディたちに、いろんな魔法で悪戯して画像をゲット! それでは本作のポイントである、美少女キャディへの悪戯について解説したい。 対戦に勝利しても、アイテムやポイントが手に入るわけではない。では、なんのために戦うのか。それは対戦相手のキャディさんにちょっとエッチな悪戯ができるからなのだ。勝利への動機付けがこれ以上ないほど明確なためなのか、無意識に何度もプレイしてしまい、非常に中毒性が高い。
対戦は、契約済のキャディの中から1人を選択してから始める。キャディとの契約は初プレイ時に好きな1人を選べるほか、2人目以降は有料のポイントを消費して契約することになる。価格は1人25ポイント(約250円)。契約できるキャディは最大5人で、魔女っ子風のミリヤや、ロリ系のフレイア、エルフ耳のリースなどかわいい女の子が登場する。
ゴルフで勝利すると、おまちかねの悪戯タイムに突入。対戦相手が連れてきたキャディに対して、魔法を使って悪戯を仕掛けられる。魔法の種類は「サンシャイン」、「電撃」、「突風」などがあり、キャディによって使用できる魔法が違う。すべての魔法が成功するわけではなく、それぞれのキャディには弱点が設定されており、うまく弱点にあわせた魔法を使用しないと悪戯が失敗してしまう。 見事、悪戯に成功するとちょっとエッチなキャディたちの姿が拝める。悪戯成功シーンには可愛らしい感じから、かなりセクシーなものまであり、上手く悪戯が成功するのか、そしてどんな画像が出るのか、ドキドキしている自分に気付いてしまった。
キャディへの悪戯画像は「アルバム」に保存していく。初期状態で10枚まで保存可能だが、同じ画像を保存しても1枚分にカウントされ、後で整理することはできない。画像の消去はアルバム1冊まるごとでしかできず、うっかりさんには後悔の多い設定なので、画像保存の際には細心の注意を払いたい。なお、有料ポイントを使ってアルバムの追加購入もでき、1冊10枚保存できるアルバムが10ポイント(約100円)となっている。
■ 「萌え」に隠されたチャレンジ精神。「モバイルゲームならでは」を深慮した意欲作 先に述べたように、勝利特典が「ギャルの萌え画像」という、ストレートな方向性を打ち出した本作。それでいて、肝心のゲーム部分もしっかりと作り込まれており、非常に好感を持った。auとNTTドコモのキャリアの壁を越えた、テンポのいいオンライン対戦は、モバイルゲームでプレイするオンラインプレイの1つの指針となるかもしれない。 ただ残念に感じる部分もある。悪戯画像をコレクションするには、何種類もある魔法を使用しなければならない。しかしキャディごとに所持する魔法が決まっているため、複数のキャディとの契約が画像を増やすための条件となってくる。契約は有料ポイントを使ってしかできないため、はっきり言えば「たくさん画像を見たければ、追加でお金を払え」ということだ。しかも、その画像を10枚以上保存するには、またお金が必要になってくるというシステム。プレーヤーのスケベ心に課金意欲を訴えかける手法は、若干のエグさを感じなくもない。裏を返せば、「萌え」の部分よりもゲームとしての面白さに魅力を感じる人は、あまり課金しなくてよいのかもしれないが。
今後はゴルフコースや装備できるアイテムの追加、契約できるキャディの追加などが期待される。またサイトを見ると、全国大会の開催も予定されているようなので、新しい楽しみ方が増えるかもしれない。今後の展開への期待も込めて、「萌え」を毛嫌いする人にもぜひとも遊んでほしいと思う。
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□エイチームのホームページ (2008年8月18日) [Reported by 山科明之進]
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