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E3 Media & Business Summit 2008現地レポート

Sony Online Entertainment注目タイトルレポート
PS3とPCでプレイ可能な スパイ対戦オンラインアクション「The Agency」
低年齢層向けアイテム課金モデルを採用した「Free Realms」

7月15日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 Sony Online Entertainment(SOE)はショーケースパビリオンと、クローズドブースでタイトルを出展していた。本稿ではPS3とPCで発売を予定しているオンラインアクションシューティング「The Agency」と、アイテム課金タイプの低年齢層向けMMORPG「Free Realms」の2つのタイトルを紹介したい。

ムービーの出展のみだった「DC UNIVERSE ONLINE」。詳細は7月24日からサンディエゴで行なわれるCOMIC-CON2008で発表されるという
 「The Agency」はスパイ映画を意識したオンラインアクションシューティングで、多くのプレーヤーが行き交うフィールドと、MOタイプのミッションでプレイできる。プレーヤーは傭兵部隊「PARAGON」と、スパイのエージェント「UNITE」のどちらかに所属し、敵対舞台と激しい戦闘を繰り広げることになる。

 「Free Realms」はディズニーアニメのようなデフォルメしたキャラクタが登場する低年齢層を意識したMMORPG。プレーヤーキャラクタはスキルに合わせて様々に姿を変え、フィールドのミッションをクリアしていく。ミニゲームの要素も強いカジュアルなゲームである。

 SOEでは他に、ショーケースパビリオンでは「Star Wars Galaxies」といくつかのタイトルを出展していたが、試遊台を置いて、ムービーを流しているだけ、という感じで、未発売のタイトルを一足早く体験できる他のブースに比べアピールが弱く、訪れる人も少ないように思えた。

 クローズドブースでは、2つのタイトルに加え、「EverQuest II」や「EverQuest II」と連動したカードゲーム「Legends of Norrath」は1台ずつ映像出展、そして本来最大の目玉である「DC UNIVERSE ONLINE」の詳細は7月24日からサンディエゴで行なわれるCOMIC-CON2008で発表されるということで、ムービーの出展となりコンセプトの説明のみで、登場するゲーム画面はヒーローが同じアクションを繰り返しているだけだった。発売時期も未定であり、具体的なイメージはつかめなかった。

 オンラインゲームメーカーとしてトップを走っていたSOEだが現在は運営タイトルの注目度でも苦戦し、さらに新開発タイトルも難航しているように感じる。その中で特に「The Agency」はカジュアルなオンラインアクションゲームとして期待を持てそうだ。「DC UNIVERSE ONLINE」同様、PS3でのオンラインゲームでSOEがどのように復活・躍進していくか、今後に期待したい。

「DC UNIVERSE ONLINE」
バットマンやスーパーマン、ジョーカーなど様々なヒーロー、ヴィラン(悪役)が登場する。ゲームシステムの詳細は不明だが、プレーヤーはカスタマイズしたヒーロー、ヴィランとなり、激しく戦うことになる。アクションゲームとなるようで、最大8vs8の戦いが可能。人工衛星を落とそうとするヴィランと、それを阻止するヒーローといった戦いが繰り広げられるミッションなどが用意されるとのこと


■ 秘密基地から出動、敵勢力をぶっつぶせ! オンラインアクションシューティング「The Agency」

「The Agency」のコンセプトアート。ゲームの雰囲気が伝わってくる。スパイ物が好きなプレーヤーにはたまらない作品となりそうだ
爆弾を解除。最大4人で協力できるミッションはエージェントの能力をフルに使ったものになるだろう
 「The Agency」はSOEの自社開発で、PS3とPCで発売を予定している。発売時期は未定だが、2009年の早い時期での発売を目指しているという。

 本作は傭兵部隊「PARAGON」と、スパイのエージェント「UNITE」が激しく争う世界を舞台にしている。ジェームズ ボンドが活躍するスパイ映画「007シリーズ」のような、ケレン味タップリのSF的ガジェットに身を固めたエージェント達が、現代社会を舞台に派手な戦いを繰り広げる。プレーヤーは「PARAGON」か「UNITE」に所属し、仲間と共に敵対組織との抗争に身を投じていく。

 ブースではデモプレイのムービーを見ることができた。筋肉ムキムキの男から、すらりとした美女、かわいい女性から、スーツの似合う男性、迷彩服に身を包んだ女戦士まで様々なキャラクタタイプが選べる。プレーヤーは地下の秘密基地でミッションを受け、危険な任務に赴くことになる。

 ゲームの視点は基本的にはキャラクタの背中が見えている3人称視点で、1人称に切り換えることも可能。ムービーではプレーヤーが街からスタートし、何の変哲もない花屋にはいる。花屋の奧にある展示台が機械音と共に開くと、そこはエージェント達が活動するUNITEの秘密基地だ。ホールには巨大な地図が掲げられていたり、いかにも世界的な規模の秘密組織の基地らしくて楽しい。

 基地の奧にはラボがあって、研究員が物騒な実験を繰り返していたりする。秘密基地のバーで酒を飲めたり、ミニゲームに挑戦したりもできる。ムービーでは頻繁に他のエージェント達が画面を横切る。本作は街や秘密基地はMMOになっている。チャンネル形式で数百人が同時に入れるとのことだが詳細は未定だ。

 秘密基地で任務を受けることでプレーヤーは様々な活動をする。ミッションによっては協力プレイも可能で、最大4人までのパーティーを組むことができる。ムービーで行なわれたのは、3人パーティーでのPARAGONへの破壊工作。指定されたエージェントを尾行し、秘密の入り口を突き止める。物陰に隠れたり、距離を取ることでエージェントの視界から隠れ、尾行する。

 秘密基地に入ったところで戦闘開始。爆弾を設置したり、敵の爆弾を解除したりと、プレーヤー達はそれぞれの技能で敵に立ち向かう。射撃をする際は1人称視点にした方が有利だ。仲間同士でカバーしたり、スチームパイプを打ち抜き、蒸気で敵を驚かせている隙に射撃したりと、戦闘では様々な要素が関わってくる。1人が狙撃位置に構え、仲間が囮になるなど連携が決まると楽しい。

 敵の基地を殲滅したところでゲートが現われ、くぐるとムービーが始まる。トラックで逃げようとするPARAGONに対して爆弾を投げつけ空中で打ち抜くUNITEエージェント。トラックは大爆発を起こす。このようにミッションクリアすることでキャラクタの能力を成長させ、さらに武器や装備を充実させてより困難な任務をこなせる強力なキャラクタを目指していく。

 「The Agency」ではソロプレイ、パーティープレイで楽しめるミッションの他にもPARAGONとUNITEのエージェントが激しく戦う16vs16の対戦プレイも用意される。また、インスタンスミッション中に、敵対するインスタンスミッションを遂行中の敵勢力と鉢合わせし、そこで戦いが起こることもあるという。この他にもロデオマシンなど様々なミニゲームも収録されるようだ。

 インスタンスミッション中に敵対プレーヤーと出会うというのはこれまでのゲームになかった感覚だ。世界観が独特な点も楽しい。システム、世界観と共にPS3のオンラインコンテンツの起爆剤になる可能性は充分秘めていると感じた。早くプレイしてみたいゲームだ。

キャラクタ作成画面。かっこいいスパイから、兵器の専門家、筋肉ムキムキの大男など、様々なキャラクタタイプを作ることができそうだ
花屋の奧には秘密基地が。現実からもう1つの世界が見えてくる楽しさがスパイものの魅力だ
秘密基地では酒を飲んだり、ミニゲームをプレイできる。実験を行なっているエージェントの姿も
3人で協力するミッション。ターゲットを尾行し秘密の場所を探る
時には仲間をカバーし、時には先陣を切って敵と戦う。能力によっては倒れた味方を回復することもできる
左はミッション成功時のムービー。中央はミニゲームのロデオマシン。右は様々なキャラクタタイプの紹介だ
【コンセプトアート】
ユニークなスパイ像、激しい戦闘シーン、怪しげな実験など様々なエッセンスの入った作品となりそうだ


■ 低年齢層を意識した“変身”が楽しいMMORPG「Free Realms」

ニンジャに変身。ローンチ時には20の変身が実装されるという
独特のデフォルメされたグラフィックス。ハイエンドを目指したものではなく、間口の広さを感じさせる
 「Free Realms」はSOEが開発するMMORPGだ。PC版とPS3版の開発が行なわれており、2009年の発売を予定している。基本プレイ無料のアイテム課金、さらに課金によるコンテンツ開放といった形での運営が行なわれる予定だ。

 現在開発中の「Free Realms」だが、会場では一部のコンテンツがプレイ可能なバージョンのデモプレイを見ることができた。「Free Realms」は低年齢層をターゲットとしたカジュアルなMMORPGを目指しており、路線としては「メイプルストーリー」に近いという。

 ウェブブラウザからキャラクタにアクセスでき、プレーヤーキャラクタもそのまま作成可能、準備が整ったところで3Dクライアントを起動させるという、間口の広い設計を心がけており、ハイスペックPCの必要のない、これまでのSOEのオンラインゲームタイトルとはひと味違った方向性を目指している作品だと感じた。

 ゲームのデザインは、ディズニーのCGアニメのような頭が少し大きいデフォルメされたキャラクタモデルで、風景もリアルすぎない独特の暖かなタッチで描かれている。クラスによってキャラクタの外見が大きく変わるのが特徴で、ニンジャや鉱夫といったコスチュームが確認できた。

 「Free Realms」ではローンチの時点で20のクラスが予定されている。いつでも自由にクラスを変えることができるのが作品の特徴で、それとは別にレベルアップの概念がある。本作では状況に合わせてクラスを変え、ミニゲームに挑戦していくことでキャラクタを育てていくことになる。

 フィールドには様々なところに看板がつけられて通行止めになっている。ここは特定のクラスしか進めないエリアで、剣が交差している場所は、戦闘をする必要がある。そこで戦闘する職業にチェンジ、奥に進むことができるようになる。NPCからクエストを頼まれることもあり、戦闘したり、クエストをクリアすることで経験をため、レベルアップすることでステータスを強化していく。

 ニンジャに変身してモンスターと戦い、鉱夫に変身して鉱石掘りのミニゲームに挑戦、レスキュー隊で闇の森を探索などフィールドでの冒険と変身要素が楽しい。まだまだコンテンツは開発中とのことだが、友達と一緒に次々と姿を変えながらフィールドを進む、というプレイも面白そうである。

 課金コンテンツは回復役薬のラインナップが確認できた。また、友達と対戦できるカードゲームといったコンテンツも用意される予定だという。北米オンラインゲームを牽引してきたSOEが、韓国で主流の基本プレイ無料のアイテム、コンテンツ課金のビジネスモデルをもった低年齢層向けMMORPGを開発した点は興味深い。どのような展開をしていくのだろうか。

ニンジャに変身してミッションに挑戦。右は鉱夫で挑戦するミニゲーム
消防隊員になって闇の森を探索。変身によるシチュエーションの多彩さが楽しい
左から、アイテム購入画面、カードバトル、ブラウザによるキャラクタ作成画面。間口の広さを狙った本作のユーザーの反応が楽しみだ
【スクリーンショット】
スクリーンショット。ほのぼのとした雰囲気と、変身によるキャラクタの変化が魅力だ

□Sony Online Entertainmentのホームページ
http://www.station.sony.com/sonyonline/
□E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ
http://www.e3summit08.com/
□関連情報
【2008年7月】「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm

(2008年7月19日)

[Reported by 勝田哲也]



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