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【連載第36回】韓国最新オンラインゲームレポート

「ケロロ軍曹」をモチーフにしたOAG「ケロロファイター」OBTレポート
「ケロロ小隊 オンラインゲームに進出せよ!! であります」

韓国にてオープンβテスト中

 韓国Groorm Interactiveは、現在韓国でオンラインアクションゲーム「ケロロファイター」のオープンβテスト(OBT)を実施中だ。

 「ケロロファイター」は、人気漫画「ケロロ軍曹」をモチーフにしたオンラインゲームだ。開発は原作「ケロロ軍曹」のアニメ版を放送するケーブルテレビアニメ専門放送局「Tooniverse」のオンラインゲーム開発スタジオのマウントビルが担当している。

 韓国での「ケロロ軍曹」のラインナップ展開は、2003年5月に原作の漫画版「ケロロ軍曹」が発売され、2005年9月からはアニメ版「ケロロ軍曹」が「Tooniverse」を通じて放送された。さらに2006年には製パン会社を通じて「ケロロ・パン」が発売されるなど、数々な分野へ進出しており、小中学生の間では代表的な日本アニメ作品として認知されている。

 本作のジャンルは対戦アクションゲームだが、原作を購読するユーザー層に軸足を置いた非常にカジュアルなゲームに仕上がっている。現在までに実装されているマップは4面で、いずれもむやみやたらに巨大で、ジャンプ台やワープゾーン、トラップなどが設置されている。通常の攻撃コンボに加え、アイテムによるスキルが使える。ゲームデザイン的には、サイバーステップの「ゲットアンプド」を彷彿とさせる内容となっている。

 ビジネスモデルやサービススケジュールは未定だが、OBTのユーザー数も多く、はやくも次の「ケロロ軍曹」モノのオンラインゲームの開発も公表されているなど、目が離せないタイトルだ。日本の展開については今のところ未定となっている。


■ ケロロを筆頭にケロン人6人が登場!! 「ケロロ軍曹」らしい個性的なキャラクタたちに注目!!

ロビーの様子。キャラクタの口から呪文のようににょろにょろと湧き上がるエモティコンは「ケロケロケロケロ・・・」、「ドロドロドロドロ・・・」というお馴染みのカエルの共鳴音。ロビーではお約束だ
対戦中の様子。あたかもアニメや漫画のワンシーンのような、いつもと変わらぬ「ケロロ軍曹」が繰り広げられている
 「ケロロファイター」では、カエルをモチーフしたケロン人(原作の宇宙人)であるケロロ軍曹、タママ二等兵、ギロロ伍長、クルル曹長、ドロロ兵長、スモモの6人がプレーヤーキャラクタとして登場する。

 プレーヤーはこの中から1つを選んでキャラクタを作り、アイテムショップなどを通じてアバターアイテムを購入して着せ替えしたり、2人目、3人目のキャラクタを追加することができる。現バージョンでは実装されていないが、ポコペン人(地球人)の枠が既にゲーム内に用意されており、今後のアップデートで追加されるようだ。

 キャラクタは攻撃型、敏捷型、防御型と3つのタイプにわかれており、ケロロ軍曹とギロロ曹長は攻撃型、タママ二等兵とドロロ兵長は敏捷型、クルル曹長とスモモは防御型の設定だ。キャラクタのタイプによってステータスが決められている。

 キャラクタを作ってゲームのセッションに入って見ると、キャラクタのアクティブな仕様に目を引かれる。セッションはビジュアルロビー形式で、ロビー用のマップ内でキャラクタを自由に移動させながら、エモティコンなどの表現やチャットすることができる。

 エモティコンの中では、“ケロケロケロケロ…”、“タマタマタマタマ…”といった共鳴や、“ケロロ軍曹であります!!”など、原作「ケロロ軍曹」ではお馴染みの表現も含まれていた。ユーザー間のコミュニケーションにおいても原作の世界にどっぷり浸れるところが非常に印象的だった。

 ゲームに入って戦ってみると、くるくるした目で可愛い表情をしているタママが、キレた表情に変化したり、まじめそうな雰囲気のギロロが攻撃を受けると表情が壊れてしまうなど、各キャラクタの個性を活かした表現でプレーヤーを楽しませてくれる。キャラクタの個性にメリハリのきいた原作を知るユーザーにとっては最も魅力的なコンテンツだろう。



ケロロ軍曹(左)、タママ二等兵(中)、ギロロ伍長(右)
クルル曹長(左)、ドロロ兵長(中)、スモモ(右)

対戦中にコミカルに変化するキャラクタの表情を非常に上手く表現している。活き活きしたキャラクタの仕草は素晴らしい

アイテムショップにある衣装を見てみるとケロロのアフロ姿も!! 現段階ではアイテムに見た目の変化以外の能力値の追加などの効果は無く、アクセサリーアイテムとして提供されている。こうした様子から見るとビジネスモデルはアイテム課金になるのではないだろうか


■ 通常攻撃ではダメージが低く、スキルの使用が勝負のカギに… アーケードライクなアクション

 本作の操作はキーボードとゲームパットの両方に対応している。筆者がプレイしたキーボードだと、カーソルキーで移動、Aでガード、Sでキック、Dでパンチ、スペースでジャンプ、1~3とFでスキルアイテムになっている。

 攻撃技はS+D+D、S+S+S、S+S+Dといった具合に、キーを連打することで3連打のコンボ技を繰り出すことができる。さらにAキーとDキーを同時に押すことで必殺技が使用できる。

 必殺技の使用には必殺技ゲージがあり、ゲーム最初はフルの状態でスタートする。1回使用してゲージを消耗した後は、攻撃を成功させたり、ダメージを受けると徐々に溜まっていき、フルになると再び使用可能になる。

 コンボなどの通常攻撃はダメージが弱く、全キャラクタHP100の設定で1打あたりに1~3程のダメージしか与えられない。一方でキャラクタ設定時セットしておいたアイテムによるスキル攻撃や、SキーとDキーを同時に押して駆使する必殺技では20~30の高いダメージを与えることができる。

 必殺ゲージは、コンボの1撃目をヒットさせることで多く獲得することができるため、決め手となる必殺ゲージをうまく管理しながら戦っていく、頭脳プレイが楽しめる。通常攻撃の効果が薄い分、立ち回りや必殺技のタイミングなどが本作の勝敗の決め手となっている。このため、セッション中においてもチーム全員で敵1人にスキルや必殺技を決めて瞬殺にするといった様々な作戦が立てられていたのが面白かった。

 次に、ガードについてAを押し続ければガードし続けることができるが、相手の出したコンボの1撃目を食らってしまうと続く2打目以降をガードすることができない。一方で、ガードする方向を変えるためにはガードキーを再度押しなおす必要があるため、ガードし続ける相手にはガードのできない投げ技(A+D)やスキル攻撃か横方向にずれてから攻略していく。

 操作感としては非常に重たい印象を受けた。カジュアルにするためか、方向変更、攻撃、ガードなどの際にキー入力の反応を少し鈍くさせているようで、方向キーと攻撃を同時に押すと方向は変えられずに攻撃だけがゲーム上で発現するという事もたびたび起きた。操作の鈍さはとにかくプレイの邪魔で、乱戦になるとイライラすることも少なからずあった。

殴っても殴っても、とにかくHPが減らない。スキルが勝負のカギに!!

スキルアイテムはダメージ系から能力値上昇、麻痺スキルなども用意されていた。今は3つまでセットできるが、将来的に5つまでセットできるようだ


■ 最大10人の5対5のマルチプレイが可能で、対戦モードからアーケードモードをサポート!!

ゲームの最初のチュートリアルモード。横スクロールアクションのようなプレイで、プレイ方法を教えてくれる。今後追加されるモンスター狩りモードは横スクロールアクションのようなモードなのだろうか?
 本作は最大10人のマルチプレイに対応しており、さらに複数のゲームモードをサポートしている。ゲームモードによってチャンネルがアーケードチャンネルと対戦チャンネルにわけられており、アーケードチャンネルでは「宝探しモード」のみが実装されている。

 宝探しモードは、マップ上のアイテムを多くゲットするのが目的で、キャラクタ同士のバトルが発生しないのが最大の特徴だ。数十秒ごとに各所でポップするアイテムを、タイムリミットまでにいかに多くゲットしたかで勝負が決まる。バトルが発生しないため、やや地味で、ゲームに慣れてくると退屈に感じられる。本作の操作に慣れるまでの初心者向けモードと言える。アーケードチャンネルには今後、モンスター狩りモードが実装される予定だ。

 メインとなる対戦チャンネルはタイムアタックモード、サバイバルモード、旗取りモードの3つが用意されている。タイムアタックモードは制限時間内にどれだけ多くのキル数を稼げるかのデスマッチモードだ。サバイバルモードは1回死んでしまうとラウンドが終わるまで待機するバトルロイヤル方式だ。

 旗取りモードはマップに登場する旗をゲットし、最後まで守り抜けるかが勝利条件になる。途中で奪い取ることが可能で、制限時間が過ぎた時点で旗を持っているチームが勝利となる。これらのゲームモードはそれぞれ個人戦とチーム戦に分かれる他にかつアイテムの使用可否を設定できる。

 アイテムが使用可能な試合では、ショップで購入したスキルを予め3つまでセットして使用することができる。スキルアイテムは消耗アイテムで、数十個分を事前に購入してセットする。セットしたアイテムはそれぞれ1ラウンド1回の制限で使うことができる。さらに購入したスキル以外にも、マップ上に生成されるアイテムをゲットして使用することも可能だ。

 本作は一般攻撃とアイテムスキルによる攻撃力の差が激しいため、アイテム戦ではスピーディな展開のゲームを楽しむことができた。しかし、アイテム使用ができない設定では、必殺技を除くと1~3程度のダメージで削りあう展開になるため、かなり地味な殴り合いになってしまう印象だ。

 「ケロロファイター」は原作のキャラクタを上手く利用したタイトルだ。Groom Interactiveはオープンβテスト初日の同時接続が1万人を超えたことが発表しているが、実際にサーバーの様子を見てみると小中学生のプレーヤーが非常に多く、低年齢層における「ケロロ軍曹」人気の高さを実感することができた。

 さらにTooniverseとGroom Interactiveは「ケロロ軍曹」のオンラインゲームの第2作目として「ケロロレーシング」のサービスも準備するなど「ケロロ軍曹」のフランチャイズに力を入れている。両社による今後の展開に期待したいところだ。

【マップ】
工場ステージ
特にこれといった仕掛けやギミックはないマップ。タママがモアを調教した場所でもあるという
公園ステージ
ジャンプ台や左下から右上に行くことができるワープゾーンが設置されている。ケロン人の溜り場という設定だ
冬の山荘ステージ
崖から落ちると即死というマップ。左下の狭いところで、一発で即死を狙うプレーヤーが多い。西澤家が所有する山荘がモチーフになっている
冬樹の机ステージ
日向冬樹の机。ジャンプ台があるぐらいで、特に仕掛けはない
ヴァイパーの基地ステージ
ヴァイパー星人の基地だ。下の段では針のトラップがあり、上の口には鉄鎚のトラップが
銀河ステージ
非常に狭く、真ん中の場所には流星が落ちてきてプレーヤーにダメージを与える
クルルの基地ステージ
クルル曹長の基地だ。真ん中のクルル曹長の口からレーザーやミサイルなどのトラップがある

Copyright (c) 2008 Goorm Interactive All right reserved.
(c) Mine Yoshizaki / Kadokawashoten, SUNRISE, TV TOKYO, NAS

□Groorm Interactiveのホームページ(韓国語)
http://www.goorm.com/
□「ケロロファイター」のホームページ(韓国語)
http://mhf.hangame.com/

(2008年7月8日)

[Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]



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