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ソニーグループ、「中期経営方針説明会」を開催
PLAYSTATION Networkで映像配信などのサービスを開始

6月26日 発表

会場:ソニー本社ビル

ハワード・ストリンガー氏
 ソニー株式会社は26日、「中期経営方針説明会」を開催した。出席したのはハワード・ストリンガー取締役代表執行役会長兼CEO、中鉢良治取締役代表執行役社長兼エレクトロニクスCEO、平井一夫ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長兼グループCEO、大根田伸行執行役EVP兼CFOの4名。説明会ではエレクトロニクス事業からゲーム、映画、音楽事業、金融事業まで幅広く取り扱われたため、弊誌ではプレイステーション事業に絞ってお届けする。

 まず最初に壇上に立ったのはハワード・ストリンガー会長。総括する意味合いでここ数年のソニーの改革の経緯を説明。ソニーは3年ほど前の経営状況からV字回復を果たしているが、氏は「変革は完了していない。常に新しいサービス、商品の開発、提供が必要。常に変革していかなければならない」と切り出した。そんな中でもテレビ事業が好調である点や、Blu-ray Discが次世代メディアとしてスタンダードとなったことについて「BDはゲームビジネスに確実に成功をもたらしている」とした。

 ゲーム事業についてストリンガー氏は「プレイステーション 2プラットフォームがまだまだ売れている。BRIC諸国などで好調で利益率も高い」とPS2プラットフォームが貢献している点を挙げる一方で、ネットワーク機能に優れたPSPが好調である点と、「プレイステーション 3がエキサイティングな導入を果たした」点をポイントとして挙げている。プレイステーション 3のコスト改善などを引き続き行なうとし、最後に「今年度は損益改善できる」と言い切った。

 ストリンガー氏はゲーム以外に映画、音楽などのソフトウェアをグループ内に抱えている事について「相乗効果を得られる」とし、顧客がどこからでもコンテンツにアクセスできるコンシューマエレクトロニクスとエンタテインメントコンテンツを強化していくと語った。具体的にはネットワークサービスの強化を揚げ、その中心となるのがPLAYSTATION Networkでの映像配信であると発表された。今後2年半の期間はPC、BRAVIA (TV) などで楽しめ、2010年には主要製品においてネットワーク上からビデオなどのコンテンツを楽しめる機能を入れていきたいとした。

【スクリーンショット】
ストリンガー氏の現状分析の解説時のスライド。ゲーム部門におけるハイライト。PS2が全世界的に好調である点と、PSPが予想を上回るヒットを飛ばしている点を強調。PS3らしいタイトルが発売されることで新しいゲーム体験を提供できるとした PS3はゲーム機だが、同時にBlu-ray Discプレーヤーとしての期待も大きい。さらにコンテンツを世界中どこでも均一のクオリティで再生できるマシンとしてプレイステーション・フォーマットはグループ内で大きな期待を担っているようだ ネットワークサービスの強化をより鮮明に打ち出した今回の中期経営方針だったが、多くのソニー製品にワイヤレス環境を搭載することで、どこからでも、どんなネットワークサービスにでもアクセスし、コンテンツを楽しめるようにしたいという


平井一夫氏
 この後、中鉢氏に続き登壇した平井氏は「基本はゲーム。プレイステーション 3の導入には苦労したが原点を見つめ直した結果、2007年末商戦では期待通りの結果を得られた」と切り出した。さらに現在好調なPSPについてはここ3カ月の携帯ゲーム機の販売台数がトップであると言い、「予想を超え1,400万台を記録した」と続け、昨年度の成績にPSPとPS2が寄与していると語った。

 台数に関して言えば、プレイステーション 3については前年比200%を記録し、今後についても「PS3ならではのゲームの発売が加速していく」とし、KONAMIから発売され全世界で300万枚をすでに突破した「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」を一例とし「『METAL GEAR SOLID 4』は初めて50GBのBDの2層メディアを使い切ったPS3ならではの作品と言える。『MGS4』が発売された週は前週比8倍を記録した」と、コンテンツが重要であるとした。平井氏は「PS3が普及する。イコールBDが普及するということ。シナジー効果は高まる」と続けた。

 ここでさらなる成長要因として平井氏が示したのが「ノンゲーム」と「ネットワーク」のふたつ。「ノンゲーム」とはゲーム以外のコンテンツという意味で、ゲームをプレイする人以外でも楽しめるコンテンツを指す。平井氏は「今年はこのふたつに焦点を当てる」とした。

PSPは918万台で前年比146%という好調ぶり。やはり「モンスターハンターポータブル」の影響は大きかったようだ。プレイステーション 3も723万台で前年比200%を記録 今後の発展として2つの重要な鍵として示されたのが「ゲーム以外のコンテンツ」と「ネットワーク」。これらのキーワードから導き出されたのがPLAYSTATION Networkでの映像配信だ
プレイステーション 3におけるネットワーク接続率は45%で、約半数だという。現在アカウントは980万アカウントで累計での配信データ量は約86peta bytesと膨大な量となっている さらに、インゲーム広告にも乗り出すと発表。どういったゲームをプレイするのかといったゲーム属性やプレイするタイミング等に応じてネットワーク上から挿入するシステム。Cellのパワーによりどれだけユーザーの目に触れたか瞬時に算出することで金額を算定するという
今後もコストダウンを進め、半導体の微細化、部品点数の削減などを行なっていくとしていく。また、ゲームタイトルのラインナップ強化は今後も進め、今年度にも黒字化を達成できるとコメント 「魅力あるタイトルラインナップ」の一部として、ファーストパーティのラインナップの一部が明らかにされた。「RESISTANCE 2」や「MotorStorm 2」といったローンチタイトルの続編がワールドワイドスタジオにおいて制作中であることが明らかとなっている 最終的に明示された今年のソニーにおけるゲーム部門の目標。平井氏は改めて「ゲーム機」としながらも、同時に「可能性を限定したくない」とし、非ゲームコンテンツも楽しめるようにする意向を示した


 ここで発表されたのが、PLAYSTATION Networkでの映像配信だ。プレイステーション 3はHDTVに繋がり世界のどこでも均一のクオリティでコンテンツを再生できるハードウェアと定義づけ、このクオリティをゲーム以外のノンゲームコンテンツにまで広げたいと平井氏は説明。「ゲームプレーヤーがノンゲームコンテンツを楽しみ、ノンゲームコンテンツを楽しんでいたユーザーがゲームをプレイするようになるかもしれない」と続け、コンテンツの枠を超えて楽しめるエンタテインメントマシンとして枠を広げたいとした。

 平井氏は「どんなサービスでどんなコンテンツを配信するか。ラインナップなども重要」とし、米国で映画を配信することを明らかにした。プレイステーション 3ではハードディスクに記録しながらハイビジョンの映像で映画を観ることが可能。スケジュールなどの詳細についてはE3で明らかにするとしている。映像配信は全世界展開を予定しているが、コンテンツ内容は全世界共通ではない。日本でハリウッド映画が配信されるかどうかは不明だが、平井氏は「日本ではアニメなどに人気がある」とし、地域によってアレンジすることを明らかにしている。

 また、現在開発が進められているネットワークサービス「Home」についても触れられた。こちらのサービスについては一転「まずはゲームユーザーが楽しめるようにしていく」とし、「Home」上からゲームを起動させたり、「Home」内のパビリオンで友人とミニゲームをプレイできるようしたり、ここでしか手に入らないアイテムの販売も行なうことを明らかにした。

 さらにゲーム内における動的広告に参入する事も明らかにした。ゲーム属性やプレイタイミングなどに応じてゲーム内の看板などに広告を表示させる。この広告はネットワーク上から挿入させる。ゲームの進行によって各ユーザーで看板を目にするかどうかなどが違うわけだが、Cellのパワーを使いユーザーの目に触れたかどうかを瞬時に計算させるという。

 また、新しいソフトウェアとして「Life with PlayStation」が発表となった。これはゲームでもなく、環境ソフトとも違うソフト。平井氏によれば「地球の今の姿を描く」ソフトウェアで、実機によるデモを披露。そこには大きく地球が表示された。これはリアルタイムとは行かないが、なるべく今の要素を再現するということで、たとえば雨が降っていれば雲がかかっているといった具合にリアルに描画されている。実際日本を見せると実際の天候同様、東京付近を厚い雲が覆っていた。そこにはその土地の映像 (写真) やそこで行なわれているニュースなどが表示され、そこからリンクすることでWEBサイトからニュースリリースを表示させるといったリンク機能も用意されているようだった (ソニーの「中期経営方針説明会」のリリースがニュースの一覧に表示され、それをクリックするとリリースが表示されていた)。

 夜の所は暗くなり、昼の部分はくっきりと表示される。まさにその時どきの地球を見ながら様々な情報を得ることができるソフトだ。平井氏はこれで終わらせる気はないようで、「今は現在の姿を描いているが、今後は写真などを時系列で管理して家族などで楽しめるようにしたい」と抱負を述べた。過去にさかのぼり自分の登録した情報にアクセスすることができるという点で、タイムマシンで過去にさかのぼるような感覚を楽しめるようになるかもしれない。

 各出席者から一通りプレゼンテーションが行なわれた後の質疑でいくつか面白い答えが示された。ひとつはプレイステーション・プラットフォームがゲーム機かどうかという点。平井氏は社長就任時に「プレイステーション 3はゲーム機である」と宣言し、ゲームラインナップの強化を行なってきた。今回ノンゲーム分野への進出を発表したことについて質問が飛んだが、これについて平井氏は「ゲーム機であるという点ではぶれはない。あくまでもゲーム機ではあるが、これから購入したいという人の中に制約を作りたくない。ゲーム機だけではなく発展させる必要があり、色々と使ってもらいたい。そのための機能はすでに持っている」と答えた。

 もう一つはプレイステーションの未来について。本記事では触れていないが、ソニー側からの発表としてネットワークに接続されているBRAVIAに対して映像配信が行なわれることが発表されている。質疑応答においてハワード・ストリンガー氏は「BRAVIAとプレイステーションは後々収斂していくだろう」と語っている。考え方としては「家の中心にテレビがある」ということが大前提としてあり、「そのために何をしなければならないのか?」といった考えがある。その行き着く果てとしてはテレビに全ての機能が収まっているのが理想なのかもしれない。今後の技術革新等によるかもしれないが、大きな流れとしてこの発言は後々大きな意味を持つ日がくるのかもしれない。

【Life with PlayStation】
実機を使ったデモプレイが行なわれたノンゲームの新規コンテンツ「Life with PlayStation」。非常にリアルな地球が画面に映し出され、そこに写真やニュースなど様々な情報が表示される。できる限りリアルタイムの地球を描くということで、日本が映し出されると雨雲がビッシリと覆う尽くしていた。そこにはニュース記事などが映し出され、リンクするとソニーのリリースがWEBブラウザから表示されるといったデモも披露された。また音楽も再生可能 (再下段の写真参照)。ハードディスクに記録されている音楽を選択して再生することも可能だが、「リラックス」といったその時々の気分を反映し、“おまかせ”で再生させることも可能。平井氏によると現在は今の地球を描くが、たとえば記録した写真コンテンツを時系列に並べて再生するなど、一種のタイムマシン的な楽しみ方もできるようにしたいという
【「PLAYSTATION Network」での映像配信】
初公開となった「PLAYSTATION Network」での映像配信。詳しくはE3で公開するという。コンテンツについては各国、各地域によって違うがユーザーインターフェイスに関しては同一のものが採用される。詳しい説明はなかったが、画面を見る限りレンタルや「HD」といった項目が見える。ウィンドウ上で映像を再生している画面がある一方で、最後の写真ではわかりづらいかもしれないが、全画面再生しているところも公開された
【HOME】
依然として遅れ気味の「HOME」についても若干触れられた。秋公開というスケジュールで現在開発中で映像が公開された。どういったことが可能なのか、どういったコンテンツが楽しめるのかと言ったことも今後明らかにされるという


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース (PDF形式)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200806/08-080/08-080.pdf

(2008年6月26日)

[Reported by 船津稔]



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