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会場:スペースクリエイト自遊空間 BIGBOX 高田馬場店
このイベントは、公式ページで参加者を募集し抽選で100名のユーザーを招くという形で行なわれた。イベントでは先日活動をスタートした日本専属開発チーム開発マネージャーのキムヨンハン氏、開発プロデューサーのキムギュホ氏、そして「リネージュ」のローカライズプロデューサーの片山正浩氏とディレクターの吉田美佐子氏が登壇、6月24日のアップデート「エピソードRe:」の内容が紹介され、ユーザーとの質問に運営側が答えるカンファレンスも行なわれた。 また、ユーザー達の対戦による「リネージュ」のコンテンツをオフラインイベント用にカスタマイズしたタイムアタックや、チーム対戦、そしてアップデートに先がけて体験できる「お化け屋敷」を使った対戦イベントを開催、当日は雨にもかかわらず多くのユーザーが会場を訪れ、イベントを楽しんだ。 会場となったスペースクリエイト自遊空間 BIGBOX 高田馬場店はネットカフェに漫画コーナー、ダーツやビリヤードにカラオケまで楽しめる複合スペースである。今回イベントが行なわれた会場は、通常はダーツやビリヤードができる場所を使ったという。普段はテーブルが置かれ、飲み物を飲みながらダーツが楽しめるスペースを発表用のステージにし、ビリヤード台に布をかけ、試遊台を設置した。回線ケーブルや端末はネットカフェのものを使ったという。
オンラインゲームのイベントを行なったのは今回が初めてとのことだが、イベントチームとの協力でかっちりとしたスペースを作り上げたのは感心させられた。今後のイベントにも期待したいところだ。
■ ユーザーから積極的に声が寄せられたイベント、日本専属開発チームをアピール
今回、冒頭で強調されたのは、「エピソードRe:」の実装と同時期にNCsoftで結成された「日本専属開発チーム」の存在である。開発マネージャーのキムヨンハン氏、開発プロデューサーのキムギュホ氏は「リネージュ」の開発に深く関わってきた人物であり、彼等が日本のユーザーに向けてどのように「リネージュ」を変えていくかは期待されるところだ。「エピソードRe:」の特設ページでも彼等のインタビューが掲載されており、ユーザーの注目は高い。 各スタッフの挨拶の後、ディレクターの吉田美佐子氏は「エピソードRe:」の紹介と、プレーヤー達の現在の状況を「国勢調査」として紹介した。本誌でも数回にわたり紹介しているが、「エピソードRe:」では戦乱が続いていた「リネージュ」の世界が再建の道を歩むことになる。荒れ果てていたグルーディン村は「占い」や「料理」、「釣り」といった新要素が楽しめる場所となり、「お化け屋敷」でレースを行なったり、ペットを戦わせることが可能だ。 中~上級者にうれしい要素としては、狩り場の調整がある。ラスタバドへの地下侵攻路、ハイネのダンジョンとエヴァ王国(海底)、蟻のダンジョン、といったダンジョンがリニューアルされた。これまでは上級者向け、パーティー向けの所ばかりだったが、ソロプレイでもレベル上げができるようになった。また、回復ポーションの重量が軽くなり、ウィザードやダークエルフも多くのポーションを持ち歩けるようになるなど、バランスが改善される。 「リネージュ国勢調査2008」では、6月3日のメンテナンス直前のデータを使っている。ワールドのキャラクタ数、レベル帯、職業分布、レアアイテムの登場数などが次々と紹介された。現在「リネージュ」にはシリウス、カノープス、ベガ、アークトゥルス、リゲル、アルタイルの6つのサーバーがあるが、一番キャラクタ数が多いのは、カノープス。職業比率はほとんど同じで、ナイトとエルフが1、2位を争う形で、全体の70%近くを占め、ウィザードが3位、君主とダークエルフはどちらも総人口の10%以下というところだ。 レベル50以上の分布としては運営6年を数えていても、レベル65~69までのキャラクタは400以下、75以上だと1桁である。ベガサーバーには唯一レベル80のキャラクタが存在するという。レベル79のキャラクタはシリウスに1人のみで、どちらもエルフである。吉田氏は「ソロプレイのしやすさがレベル上げに関わってくるかもしれない」と分析した。 ペット分布ではレベル48以上のペットはドーベルマンが圧倒的に高く、ハイペットも同様。ついでウルフで、フォックス、キャット、ブレイブラビットといったペットの人気が高い。レアアイテムに関しては、パーツですら20以下しか出回っていないアイテムが多く、セットとなるとほとんどないというのが確認できた。オーバーエンチャントでは、吉田氏が「不可能だと思った」という+11を成し遂げた武器がベガサーバーに存在していることが明らかにされた。困難なレベル上げに、非常に貴重なアイテム、遙かなる高みを目指す「リネージュ」の特性がはっきり出た調査だった。 この後、吉田氏と、ローカライズプロデューサーの片山正浩氏、開発マネージャーのキムヨンハン氏、開発プロデューサーのキムギュホ氏を交えたカンファレンスが行なわれた。用意された質問だけでなく会場からも積極的に質問を募集する活気のあるものとなった。 今回、公式ページで意見を募集したが、「狩り場全体の見直しをして欲しい」という意見が最も多かったという。こちらは積極的に見直していきたいと言うが、現在調査中だという。変身の追加に関しては、より高レベルの変身、変身対の追加の要望が高かったという。会場では、「高レベルも良いが、君主は“槍”を使っていて、この槍ならではの変身が欲しい!」という強い思い入れを持ったユーザーが意見を寄せていた。 「攻城戦のデスペナルティはどうしていくのか」、「ステータスを再調整できるアイテムは」という質問は、韓国でデスペナルティがない攻城戦や、ステータスを再調整するアイテムが登場しているという情報を受けての疑問である。吉田氏が会場でどうすればいいと思うかを問いかけたところ、来場者はデスペナルティは現状のままある状態を望むユーザーが多く、ステータス調整など「アイテム課金制」へ移行を匂わす要素に関しては“心配している”という意見が多かった。これは、寄せられる意見としても同じような割合だという。「リネージュ」の進化を望んではいるが、現状の要素、「リネージュ」らしさを保ってもらいたいという意見を持つユーザーも多いようだ。 会場からは、「ウィザードの呪文を増やして欲しい」、「防具の効果が実感できない」、「ダークエルフはペットを育てにくい」、「サーバー間のキャラクタ移動は?」といったたくさんの質問が出されたが、基本的に積極的に行なっていきたいが、一部を変えると全体のバランスに影響があるため、今後慎重に検討しつつ、変えていきたい。という答えで、実質的に何ができるのか、という提示がなかったというのは残念だった。 片山氏からは、「ペットにモンスターのターゲットがいきにくくなれば、育成しやすくなるのではないか?」など、プレーヤーに共感を得やすい具体的な提案がなされ、ユーザーがうなずく場面など、具体的な検討が社内で行なわれているのも伝わってくるのだが、発表できるまで決まっていない、という感じだった。ユーザーからも具体的な変更点を示して欲しいという質問が出たが、はっきりと形になってくるのはもう少し先、といったところのようだ。 カンファレンスの後も会場でユーザーと一緒にスタッフがイベントを見ていて、話しかけやすい雰囲気を作っていた。ユーザーも積極的に交流していた。独自企画の開発チームは5月にスタートしたとのことで、ユーザーから積極的に声を集める、という動きもまだ始まったばかり、というのが現状のようだ。 筆者もスタッフに話を聞いてみたのだが、日本独自開発といってもオリジナルアイテムなどを作るといった方向ではなく、よりユーザーのニーズに合わせた日本のユーザーの要望に応える形での「バランス」を模索していく、というのが現在「リネージュ」チームの目指している方向性のようである。
吉田氏によれば、日本独自の開発という計画そのものは今年の頭ぐらいから出ていたが、スタッフが来日し、動き始めたのは5月になってからだという。現在はユーザーから情報を集め、分析している時期で、また、6年以上続いているコンテンツのために変更も慎重にならざるを得ないため、現在は具体的な情報を提示できないとのことだ。「エピソードRe:」の実装に合わせたカンファレンスだったが、日本独自の企画をスタートすると発表した以上、具体的な方向性を示して欲しかったところだ。
■ オリジナルコンテンツとお化け屋敷で大きく盛り上がったアトラクション
最初に行なわれたゲームアトラクションは「討伐せよ! アデン城突入大作戦」。城の奥から次々と現われるモンスターを倒し、玉座に座るボスを目指すというものだ。キャラクタはレベル60のイベント専用キャラクタで、8人のプレーヤーが協力し、モンスターを倒し、奥を目指していく。 ぞくぞくと現われる敵は傲慢の島の上階に登場するモンスターだが、フィールドに出てくる数は多くない。今回のアトラクションではプレーヤーを取り囲むほど登場した。「あんなに狩れてうらやましい」とプレーヤーならではのつぶやきも聞こえた。3チームのタイムトライアルが行なわれたが、ガンガン先に行って敵に囲まれながらも進むチーム、後ろに下がり少数の敵を倒すチームとその場で結成されたチームにもかかわらず、はっきりと作戦の違いが出ていたのも面白かった。 次に行なわれたのは「情け無用! バトルアタックPvP」。コロシアムを舞台に8vs8の戦いが行なわれた。攻城戦の印象が強い「リネージュ」だが、運営イベントで行なわれることもあるが、「普段はPvPはしない」というユーザーも多い。一方でギルドイベントで積極的に戦術を磨くユーザーもいる。 対戦では各プレーヤースキルの差が大きく出た。戦う場合はHPの低いウィザードを撃破するかにかかる。前衛の職業がいかにターゲットを集中させられるか、ウィザードはいかに見方が守りやすいように逃げるか、この駆け引きが重要となる。1回目に行なわれた戦いでは、見事に前衛職がターゲットを集中させ勝利をもぎ取っていた。 2回目の戦いでは、人数を減らされた側のチームのプレーヤーが巧みに逃げ、狩っている方はターゲットをばらされ結果的に勝ったものの、1回戦の戦いの倍以上試合が長引いた。「リネージュ」の攻城戦はデスペナルティがあり、だからこそプレーヤーは生き残るためにも努力する。デスペナルティのある戦いを望む硬派な「リネージュ」ユーザーのテクニックをかいま見たように思った。 最後のアトラクションは「強行突破! お化け屋敷タイムトライアル」。「エピソードRe:」で実装される新要素の1つで、8人での“障害物競走”が楽しめる。キャラクタは全てハロウィンのカボチャのオバケのような恰好に変わる上、トラップが仕掛けられたフィールドを走破する競技のため、レベル差などキャラクタの性能が関係ないところが新しいコンテンツである。 もちろんプレーヤー達にとっては初挑戦のコンテンツである。ギャラリー達も携帯電話のカメラを構えたりと、注目度が特に高いイベントとなった。ハロウィンのオバケに変わったプレーヤー達は時には固まり、時には全く違う道を選んでゴールを目指す。お化け屋敷のトラップは、足止めや、スロー、時には視界を塞がれて画面が自分の足下しか写らなかったり、テレポートさせられることも。 どたばたの展開が楽しいコンテンツだが、結果としてはかなり“運”が絡む。テレポートの結果がゴール前だったりすればいきなり勝負が決まってしまうのだ。勝利者コメントでも「よくわからなかった」という意見が出た。狩りやレベル上げ以外の楽しみも追求する開発者達の志向は大きく評価したい。今後も様々なコンテンツにチャレンジして欲しい。
今回のイベントは抽選のため、ゲーム内の知り合いが連れ立って参加する、ということは少なかったようだ。それでも「リネージュ」のプレーヤー同士、話を弾ませている光景は楽しさが伝わってきた。運営チームとユーザーが交流し、ユーザー同士も繋がりを強められるこういったイベントは、今後も積極的に開催して欲しい。
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□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2008年6月23日) [Reported by 勝田哲也]
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