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カプコン、先行体験会を渋谷で開催
PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」

6月20日 開催

会場:渋谷ブルームホール

年齢制限つきイベント。会場内ではイベント限定ドリンク2種類もふるまわれた
 株式会社カプコンは、7月10日に5,240円で発売予定のプレイステーション・ポータブル用アクション「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」の先行体験イベントを、6月20日に渋谷ブルームホールにて開催した。

 「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」先行体験会は、完全招待制のユーザー向けクローズドイベント。サブタイトルに“CAPCOM洋ゲー解放区スペシャル”と銘打たれていたことから「これは会場も相当濃い場所なのか……」と思いきや、到着した先はお洒落なイベントスペース。だが、そのお洒落な雰囲気とは裏腹に(?)試遊台15機が設置された窓側のスペースは、正式発売を待ちきれないユーザーや関係者で大賑わい。この1点でも、本作に対する期待の高さがうかがえる。

 イベントの進行役は、本作のプロデューサーを務める「大原晋作」氏。最初のゲストは、洋ゲーの魅力を伝導する謎のマスクマン「マスク・ド・UH」氏。まずは、参加者に無料でプレゼントされたグッズ「クレイトスシール」、「キーホルダー」、「Tシャツ」の3点セットについて解説。シールは、大ヒットした某チョコのオマケをパロディ化したもの。キーホルダーは、クレイトスのシルエットがあしらわれた硬派なデザイン。Tシャツは、ストリート系ブランド「HEX ANITSTYLE」とタイアップして作られたもの。背中には、ヘリオスの盾をブチ壊す強烈なクレイトスの姿が、正面にはゲームと同じフォントで本作ストーリーが記されている。いずれも非売品の特製アイテムだけに、これだけでも参加者はイベントにきた甲斐があったといえそうだ。

 プレゼンテーションでは、大原氏とマスク・ド・UH氏が本作の魅力を「もうみなさん知ってると思いますけど」と前置きしつつ解説。2005年の発売以来、海外はもちろん日本でも口コミなどで面白さが伝播。大原氏いわく「マイクロソフトといえばマスター・チーフ、任天堂といえばマリオ、ソニーといえばクレイトス」といわれるほどの認知度を誇り、マスク・ド・UH氏によれば「初代が発売されたときは(北米の)ショップに行列ができた」という。

 本作は、PS2からの移植ではない“完全新作”で、時系列としては初代「ゴッド・オブ・ウォー」の前にあたる。かつて、蛮族との戦いで窮地に追い込まれたクレイトスは、戦神アレスの力を借りて危機を乗り越える。だが、アレスの謀略により自らの妻子を殺してしまい、その苦悩から逃れるため神々の命ずるままに戦いを続ける。そんなとき、太陽神ヘリオスが何者かの手により天空から引き摺り下ろさた。ヘリオスを天空に戻せと命令されたクレイトスに、新たな試練がのしかかる。

 本作の魅力は、爽快感あふれる攻撃アクションと、巨大なボスキャラ戦などで登場する「CS(コンテキスト・センシティブ:状況に対応するの略)アタック」。ボスに一定ダメージを与えると、頭上に○ボタンマークが出現。接近して○ボタンを押すとスタートし、画面に次々と表示される指示に従いボタンを入力。成功すると、一般のゲームではありえないような豪快かつド派手な演出とアクションが炸裂。後続の作品群にも多大な影響を与えたシステムだけに、もし知らなかった人は、この機会にPSP版でぜひとも体験していただきたい。

 CSアタックもさることながら、大原氏とマスク・ド・UH氏は、本作における“カメラワークの良さ”を強調する。本作は全体マップが表示されないが、それはゲーム中にいちいちマップを「今自分はどこにいるんだろう?」などと気にせずゲームを進められるよう配慮されているからで、どこに行けばいいのか、次の目的地がどこなのかを、カメラワークがきちんと指し示してくれる。巨大なボス戦はもちろん、多数のザコに囲まれるシーンでもユーザーにストレスを与えないよう綿密に計算されているといい、マスク・ド・UH氏は「洋ゲーのカメラワークは、近年凄く優れてますよね。『ゴッド・オブ・ウォー』は、3Dアクションゲームの問題点を見事にクリアしているというか、これが見本かなっていうくらい」と表現。ちなみに、PS2版の「ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲」特典ディスク収録のメイキング映像では、専属カメラマンのコメントなど、さまざまなエピソードが参照できる。もし手元に製品がある人は、この機会にあらためてチェックしてみてはいかがだろうか。

 ローカライズに要した期間は、約3カ月。大原氏は「非常に早いペースでできました。本当はもっと早く……海外版と同時に発売できればと思ったんですが、そこは色々と大人の事情が。でもがんばりました。あと『ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲』はPSP専用なんです。よくマルチプラットフォーム展開するじゃないですか。たいがいメインは次世代機でPSPはちょっと劣化してるみたいなパターンがありますが、これはPSP専用で、しかも技術を知り尽くしたソニーさんのノウハウが惜しみなく注ぎ込まれている」とコメント。筆者も実際に会場でプレイしたが、その爽快かつダイナミックなフィーリングは、まさに「ゴッド・オブ・ウォー」そのもの。むしろ据え置き機版を出さないのがもったいなく思えるほどで、シリーズのファンには安心してオススメできるハイクオリティ。シリーズ初体験のアクションゲームファンにも、ぜひプレイして欲しい作品だ。

【オリジナルグッズ】
いずれもファン垂涎の非売品。抽選に当たってイベントに参加できた人は超ラッキー!


YOU THE ROCK★のデモプレイ。天然全開のプレイで会場の爆笑を誘う
 続いて登場したゲストは、幅広い媒体で活躍中のラップスター「YOU THE ROCK★」氏。「そこまでゲーマーじゃないんだけど、今日はよろしくお願いします」といいつつ、腰にはPSP本体を取り付けた豪快なバックルが燦然と光り輝く。

 YOU THE ROCK★氏が洋ゲーに目覚めたのは「古着でATARIのTシャツとか探してたよね。そこからブロック崩しとか、ちょっと押しても(反応しない)スクロールが弱いところとか」といい「カプコンさんは、やっぱ面白いゲームを移植するのが上手いよね。ボクは基本的にエクストリームゲームというか、ひとりやる対戦ゲーム……サーフィン、モトクロス、BMX、スケートボード、スノーボードとか、アメリカで流行ってるスポーツ、ストリートカルチャーのゲームが好きなんですよ。そこにまた『グランド・セフト・オート』みたいなギャングスタだったり、おっぱいのデカイおねーちゃん、こいつ絶対に賄賂もらってるだろ、この警官! みたいな奴が登場する、向こうにあるようなリアリティを、大原くんはいつもうまく移植してくれていると思う。今まで凄く大変なことあったでしょ?」とコメント。

 移植の大変さについて大原氏は「一番大変なのは……カプコンとしては原作を尊重してそのままもっていきたいんですけど、やはり倫理的なところが海外と違って。(レーティング)団体があるんですけど、そこの承認がないとゲームとして発売できない。そこをいかに原作そのままにもってこれるかが、一番苦労するところです」と説明。「よくあるよね。コノヤロウ! っていうのも、『お前のかーちゃんデベソ!』から『Mother(ピー)』まで、ニュアンスにも色々あるでしょ。そこを完璧に説明しても日本でシチュエーションが伝わりにくかったりするなら、そこは説明しないで端折ったほうがいいな、っていう判断もある」と補則するYOU THE ROCK★氏に対し、「もしくは変に日本語に翻訳せず、そのままいったほうがゲームの世界観が伝わったりするので、どこをどうしようというのは色々考えないといけない」と、苦労の一端を吐露する。

 一週間前にラスベガスを訪れたというYOU THE ROCK★氏は、本作の魅力について「俺的には洋ゲーといったら、カリフォルニア、ロサンゼルス、ニューヨークとか“らしい”。『GTA』やってるとそっちには(没入感的に)移行できるんだけど『ゴッド・オブ・ウォー』の場合、ギリシャ神話的なシチュエーションやデザインだから、これがまた面白かった。日本のファンタジーとは全然違うから、映画っぽい。自分が主人公になって進んでいく映画? 演出もそういう感じがするよね。あと、あのタトゥーが気になるよね」とコメント。タトゥーについては、大原氏いわく「今後のシリーズ……まだ終わってないんですけど、次回作で明かされるのかなぁと。ボクもよくわからないですけど、明らかにしてほしいなぁ」とコメント。なんとも要領をえない表現だが、(推察ではあるが)もしかすると次回作では、クレイトス自身に対するストーリー的な“掘り下げ”が、より深まっていくのかもしれない。

 大原氏がPSP版で一番気に入っているシーンは「ストーリーが個人的に好きですね。今までクレイトスって、いつも怒ってたり、何かに対して歯向かっていたり“怒りのクレイトス”しか見たことがない。今回のストーリーでは、意外な“人間っぽい一面”が見られるシーンがある。ここはネタバレなので大きな声ではいえないんですけど“愛”です」という。これは、作品の舞台が初代PS2版より前に位置することも関係してくるようだ。ちなみに、YOU THE ROCK★氏のお気に入りキャラは「アトラス」。これについては「アトラスは、ステージですからね。クレイトスがアトラスのなかで色々と敵を倒したりしますから。これはちょっとブッ飛んでるなっていう。日本のゲームクリエイターの発想からは、たぶん“キャラクタがステージ”というのは出てこない」と大原氏も絶賛する。

 ゲスト対談のあとは、YOU THE ROCK★氏が本作をデモプレイ。迷わずEASYモードを選んだり、最初の○ボタン連打で押し負けるなど、随所で笑いをとっていく同氏。終了後に感想を求められたYOU THE ROCK★氏は「自分でやってみて、感情移入しやすい。キャラクタも大きいし(ゲームの世界観的な)背景も凄く見所があると思います。あと、映画並というか、ほぼ映画なんじゃないか。自分のロールプレイング・アクション的な映画っぽいところがあって、重要なところはカメラで勝手にクローズアップされていくところとか、結構面白いと思います」とコメント。「日本に上陸してくる洋ゲーでは上位ランク、シリーズすべてハズレがない。昔の洋ゲーとはまったく違うし、そもそも発想が違う。日本じゃ絶対にできないタイプのゲーム。PSPの画面で映画並のスペクタクルが味わえる」というマスク・ド・UHのコメントに、大きくうなづく大原氏。

 イベントの最後に、大原氏は「ちょっと言い忘れたんですけど、小ネタで(PSP版は)英語音声でゲームを遊ぶことができます。どうやるかというと、PSPの本体設定、言語設定を英語にしてもらいますと、英語音声になります。ちゃんと日本語字幕が出ますので『クレイトスって、英語だとどんな声なんだろう』とか『英語でちょっとやってみたかった』とか。PS2では英語音声の実装ができなかったんですけど、今回初めてできましたんで、ぜひやっていただきたいと思います」と裏技を公開。製品版の購入を予定されている人には、ひとつ楽しみが増えたといえそうだ。

大原晋作氏 マスク・ド・UH氏 YOU THE ROCK★氏

トークイベント終了後、試遊台スペースに殺到する参加者と関係者。皆ジックリと最新作を堪能していた

【スクリーンショット】


(C)2008 Sony Computer Entertainment America Inc. God of War is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. Developed by Ready At Dawn Studios, LLC.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」公式サイト
http://www.capcom.co.jp/godofwar/
□関連情報
【6月13日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
公式サイトにお笑いコンテンツが続々登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080613/gow.htm
【5月30日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
ボスの1人「ペルシャ王」の情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080530/gow.htm
【5月16日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
投稿企画第2弾募集開始。先行体験会の参加受付も開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080516/gow.htm
【4月17日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
発売日が7月10日に決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080417/gow.htm
【4月11日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
ユーザー参加型のお笑い投稿企画を3カ月連続で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080411/gow.htm
【4月4日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
最新PVと映像が流れるブログパーツを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080404/gow.htm
【3月28日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
フィールドなどの新情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080328/gow.htm
【3月14日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
戦闘シーンやCSアタックのスクリーンショットを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080314/gow.htm
【3月10日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
戦神アレスの下僕として生きたクレイトスの空白の10年を描写
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080310/gow.htm
【3月7日】カプコン、PSP「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」
日本でのリリース決定。2008年夏発売予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080307/gow.htm

(2008年6月23日)

[Reported by 豊臣和孝]



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