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ケイブ、「GAMERS HEARTプロジェクト」記者発表会を開催
テリー伊藤氏が「真・女神転生IMAGINE」の中で温暖化対策に協力

開催日:6月19日

会場:東京・セントグレース大聖堂

 株式会社ケイブは、「GAMERS HEART」プロジェクトの記者発表会を、6月19日、東京・青山にあるセントグレース大聖堂にて開催した。このプロジェクトは、オンラインゲームを通じて社会や環境への貢献を考えるという取り組み。プロジェクトの発起人であるケイブは、最初の取り組みとして、同社のオンラインRPG「真・女神転生IMAGINE」を通じて環境保護運動に貢献する「100万人のキャンドルナイト」連動キャンペーンを実施することを発表した。

※6月23日追記:CO2排出枠取引価格に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 (編集部)


■ ゲームを通じて温暖化対策への認知を促進。募金でCO2排出権を購入するプロジェクト

会場となったセントグレース大聖堂。荘厳な雰囲気の中、ゲームでエコを推進するプロジェクトの発表が行なわれた
 ケイブが発起人として始動する「GAMERS HEART」は、急増するオンラインゲームユーザーとともに、環境改善をはじめとする社会貢献を考え、実行するプロジェクトとされる。今回行なわれた記者発表会では、その最初の取り組みが公表された。取り組みでは、国内の団体「100万人のキャンドルナイト実行委員会」の呼びかけのもと、6月21日から7月7日まで実施されるエコプロジェクト「100万人のキャンドルナイト」に連動して、ケイブのオンラインRPG「真・女神転生IMAGINE」内で期間限定イベントを実施する。

 「真・女神転生IMAGINE」内のイベントは6月19日から7月31日まで実施され、その期間中「GAMERS HEART」の公式サイト(http://www.gamersheart.jp)上にてCO2削減を目的とした賛同金の募集を行なう。この活動は、賛同者から一口100円の賛同金を募り、非営利企業日本カーボンオフセットを介して国連認定のCO2削減プロジェクトから排出権を取得するというものだ。

 賛同金を支払ったユーザーには「真・女神転生IMAGINE」内で使える特別アイテム「ハートキャンドルネックレス」の引き替えコードが提供され、ゲーム内で「100万人のキャンドルナイト」にちなんだイベントに参加できる。

 イベント期間中、ゲーム内では「新宿バベル」のライティングが普段よりも暗くなり、「ハートキャンドルネックレス」に火をともしてくれる特別なNPCが登場。沢山のユーザーが賛同すれば、ゲーム内で無数のキャンドルに灯がともり、美しい光景が出現するというわけである。ケイブでは、「真・女神転生IMAGINE」サイトおよび「GAMERS HEART」サイト上で本プロジェクトの告知をおこない、取り組みを通じて多くのユーザーに環境保護運動への関心を持ってもらいたいとしている。

・ 賛同金はCO2排出権の取得に使われ、途上国のクリーンエネルギー事業に貢献

「GAMERS HEART」プロジェクトの発起人として挨拶する、ケイブ代表取締役社長の高野健一氏
プロジェクトのイメージ。ゲームを楽しみながら、社会貢献に繋がる方法を考える
 記者発表会では、「GAMERS HEART」プロジェクト発起人であるケイブ代表取締役社長 高野健一氏が登壇し、「我々が展開しているオンラインゲームは、楽しむことで人々が集まり、コミュニティとなります。エコプロジェクト『100万人のキャンドルナイト』と連動し、オンラインゲームを通じて楽しむ心がつながっていけば、世の中が明るくなっていくのではないか、という思いでプロジェクトの発足を宣言いたします」と挨拶した。

 今回行なわれる「GAMERS HEART」プロジェクトの骨子は、オンラインゲームを通じた告知活動を通じ、地球温暖化対策に貢献しようというものだ。その仕組みは、ユーザーから集められた賛同金は日本カーボンオフセットに提供され、各国のクリーン開発メカニズム事業者(CDM)から温室効果ガス排出権を取得するために使用される。取得された排出権は個人が所有することができないため、日本国政府に譲渡される。そして譲渡された排出権は、京都議定書で設定されている日本の排出量削減目標(2012年までに1990年水準の-6%)の達成貢献に寄与するというわけだ。

 具体的には、各国のCDM事業者は、国連の認定のもと発展途上国におけるエネルギー効率の改善事業に資金を用いる。その事業の結果「CO2排出が削減された」と認定される効果分のうち一部が排出枠取引に供され、日本カーボンオフセットはそこから排出枠を購入するわけだ。その購入対価は次のクリーン開発メカニズム事業に使われ、発展途上国のエネルギー効率の改善に寄与するという構造である。「GAMERS HEART」に賛同した人々は、途上国におけるエネルギー効率の改善に投資しているのであり、それは確実に途上国の環境維持・改善に貢献するものと言える。今回のプロジェクトでは、個人でも参加できるように一口100円からとなっている。キャンペーンの結果集まったCO2排出枠の量は後日「GAMERS HEART」サイト上で発表される予定だ。

荘厳な雰囲気の中、イメージガールの八田亜矢子さんが「GAMERS HEART」キャンドルに灯をともし、プロジェクト発足を印象的にアピールした ゲスト出演した日本オンラインゲーム協会事務局長の川口洋司氏は、「オンラインゲーム総登録者数は延べで4,200万人に達した」と、近年の成長を報告。ゲームを通じた活動の影響力が少なくないことを強調した その後行なわれた「真・女神転生IMAGINE」のデモプレイにて、賛同者にプレゼントされる特別アイテム「ハートキャンドルネックレス」の映像が公開された。期間中、ゲーム中のライティングは暗めに設定されるそうである

■ プロジェクト賛同者としてテリー伊藤氏が登場。エコライフの重要性を訴える

プロジェクト賛同者のテリー伊藤氏が登場。自身のエコライフへの取り組みについて熱く語った
ゲーム内イベントのキーとなるNPCは、「新宿バベル」の噴水前に立っていた。話しかけるとペンダントに灯をともしてくれる
 大聖堂の荘厳な雰囲気のなかで行なわれた記者発表会では、高野健一氏らの挨拶に続き、ケイブによる「真・女神転生IMAGINE」のデモンストレーションが行なわれた。デモンストレーションでは「100万人のキャンドルナイト」連動イベントの様子が実演され、特別アイテム「ハートキャンドルネックレス」をつけたキャラクタが、キャンドルに火をともしてくれるNPCのもとに歩いて行く。

 そのNPCはシルクハットのようなポーラーハットをかぶり、サングラスをつけたユニークな容貌だ。実はこのキャラクタのモデルは、「GAMERS HEART」プロジェクトの賛同者であるタレントのテリー伊藤氏である。デモンストレーションでキャラクタの映像が紹介されると、そのテリー伊藤氏自身が会場に現われた。

 テリー伊藤氏は登場時の挨拶で、「最初は、ゲームの中でエコ、というのはミスマッチではないかとも思いました。とは言っても、それこそゲームをやる人というのは沢山いるわけじゃないですか。その人たちがもし、地球環境とか温暖化問題に関心をもてば、どれほど大きなパワーになるかと考えたときに、これは面白いなと思いまして、今回参加させていただきました」と、自身がプロジェクトに賛同した考えを披露した。

 テリー伊藤氏は自身のエコ活動についてこう話す。「単純な話、お風呂のシャワーを熱くしないことです。なぜかというと、熱いまま下水に流れていくと魚が死んじゃうんです。だから特に夏になったら、なるべく水でやってください。それと男性は、頭洗うときにあまりシャンプー使わなくていいです。特にリンスはいけません。あれ全部海に流れちゃうんですよ。これは魚によくありませんから、まずそういうことをやっています」。

登壇した4名によるトークセッションでは、「オンラインゲームを通じて若い人が環境問題に関心を持つのは素晴らしいこと」というテリー伊藤氏の発言が印象的だった
 そのほかにも、夏にクーラーをほとんど使わず、頭にアイスノンを乗せて暮らしていることや、冷蔵庫にできるだけ物を入れないようにし、冷却のために使われる電力を節約していることなど、エネルギーの無駄遣いを極力減らして生活していることを口早に紹介した。「とにかく沢山物を買わないことです。エコバッグをいっぱい買ってもしょうがないんですよ。もっと言うと使わなくていいんです。ほとんど買わないから。そのときに必要なものだけ買う、必要以上に物を食べない、そういうことが大切です」。

 今回、ケイブが発起人としてスタートする「GAMERS HEART」プロジェクトは、ゲーム業界が積極的に社会貢献しようとする画期的な試みだ。その中で、今回のテリー伊藤氏の指摘はプロジェクトの目指す先を示しているように思える。人類が生存していくための地球環境保全という観点に立てば、CO2の削減だけではなく、食料、水質、土壌、森林、資源、生態系など、広い分野に目を向けることが必要だ。多くのユーザーが今回のプロジェクトに賛同していくとき、環境問題全般に関心を持ってしっかりと考えていくことがより良い方向性といえるだろう。

 今回のキャンペーンで達成されたCO2排出枠の量は後日「GAMERS HEART」サイト上で発表されるという。39万人の登録ユーザー数を持つ「真・女神転生IMAGINE」を通じた試みが実際にどれほどの効果をもたらすかはいまだ未知数だが、今後のオンラインゲームが果たす役割を占う上でもプロジェクトの成否に注目していきたい。

発表会後に行なわれた撮影会の模様。オンラインゲームを日々多くのユーザーが楽しみ、ネットワークによって繋がれたコミュニティがますます成長している。キャンドルの火はそこに参加するゲーマーのひとりびとりを象徴しているのだろう。この「GAMERS HEART」プロジェクト通じ、オインラインゲーマーが社会のために何かをするきっかけとなることができれば、ネットワーク社会におけるすばらしい前例となりそうだ

□ケイブのホームページ
http://www.cave.co.jp/
□「GAMERS HEART」公式サイト
http://gamersheart.jp/
□「真・女神転生IMAGINE」公式サイト
http://www.megatenonline.com/
□「100万人のキャンドルナイト」呼びかけのページ
http://www.candle-night.org/jp/

(2008年6月20日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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