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★Xbox 360 / PS3ゲームレビュー★

新世代のバトルを楽しめる対戦型FPSの決定版
「バトルフィールド」シリーズ最新作の発売直前レポ

「バトルフィールド:バッドカンパニー」

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発元:DICE
  • 発売元:エレクトロニック・アーツ
  • プラットフォーム:Xbox 360 / プレイステーション 3
  • 価格:Xbox 360版:7,140円 / プレイステーション 3版:7,329円
  • レーティング:CERO:C(15歳以上対象)
  • 発売日:Xbox 360版:6月26日 / プレイステーション 3版:8月28日



 エレクトロニック・アーツから6月26日にリリースされるXbox 360用FPS「バトルフィールド:バッド・カンパニー」の発売直前レビューをお届けする。本作はオンライン対戦FPSの世界的定番として有名な「バトルフィールド」シリーズの正統な後継作品だ。PC版ベースのカラーが濃かった前作「バトルフィールド2」とは違い、始めから高性能ゲームプラットフォームをターゲットにして開発された初の作品となるため、グラフィックスやゲーム性の両面でまさに「新世代」を感じさせる作品に仕上がっている。

 最大の注目点は、情報公開が始まった当初から話題を呼んだ「破壊への徹底したこだわり」である。本作に登場する建物などマップ上のオブジェクトのほとんどはダイナミックに破壊が可能で、建物の壁に大穴を開けて通行可能にしたり、足場を破壊して地形優位を奪ったりと、オブジェクトの破壊行為が多くの局面でゲーム性に重要な変化をもたらすことができる。実際にプレイしてみると、この点は前評判以上のインパクトだ。

 また、本作では「バトルフィールド」シリーズとしては始めて本格的なシングルプレイキャンペーンモードを搭載し、オフライン、オンラインの両面で存分に楽しめる作品となった。この夏、FPSファンにとって最大の注目作になることは確実だ。以下、その魅力をお伝えしたい。

※6月22日追記:掲載当初、マルチプレイの最大参加人数を16名としておりましたが、24名の誤りです。お詫びして訂正いたします。(編集部)


■ 泣く子も黙る「バッド・カンパニー」、金塊に目が眩んで大暴走?
 札付き極悪部隊の、破天荒な戦いを描くシングルプレイキャンペーン

建物をぶっ壊しながら敵を倒しまくる、そんなプレイが当たり前になったのが本作「バトルフィールド:バッドカンパニー」だ
 「バトルフィールド:バッドカンパニー(以下『BFBC』)」の要点をご紹介するにあたって、まずはシングルプレイキャンペーンモードから触れていきたい。「バトルフィールド」シリーズ初と言える本格的なストーリーモードの主役は、札付きの問題児が集まるという架空のアメリカ軍第222大隊、通称「バッド・カンパニー」。一種の懲罰大隊で、軍法会議モノの失敗やいたずらをやらかした兵士が配属され、危険な最前線に真っ先に送り込まれるというノーフューチャーな集団だ。

 主人公のプレストン・マーロウ二等兵は、軍法会議に掛けられるかわりにこの部隊へ配属されてきた一般兵だ。どちらかというと自己主張の薄いプレストンは、個性派の集まる「バッド・カンパニー」では少々浮き気味。この部隊、当初は命令される通りの作戦を遂行するのだったが、とあるきっかけで大暴走を始めてしまう。プレーヤー扮するプレストンはこの騒動に巻き込まれつつ、とんでもない戦場体験をしていくことになる。

 本作はスウェーデンのゲームデベロッパーDICEの最新ゲームエンジン「Frostbite」によって開発されており、独特の質感で描かれた3Dグラフィックスは必見だ。また本作はサウンドも素晴らしい。戦場に響き渡る轟音を表現すべく、独特の音響モデルを導入している。静かな場面では銃撃音などのサウンドがクリアに聞こえるのだが、砲撃や爆発といった爆音の中では、まるで耳が麻痺したかのように全ての音が圧縮され、曇って聞こえるようになる。HDRレンダリングならぬ、HDRサウンドというわけだ。そのエフェクトが非常にリアル感に溢れており、素晴らしい臨場感を実現している。可能であれば是非とも5.1ch環境でプレイしていただきたい。

第222大隊こと「バッド・カンパニー」は人命が消耗品扱いされる米軍最悪の部隊。主人公が何をやらかしてこの部隊にブチ込まれたかは不明だが、わりと没個性な男なのはFPSゲームの宿命か。その代わりに主人公を取り巻く登場人物達は匂い立つほどの個性派揃い。ナード系のスウィートウォーターは頭脳明晰なお調子者、爆発物狂のハガードは足し算もできないわりに勢いばかりは人並み以上、部隊長のレッドフォード軍曹は「3日で退役できるから志願した」と豪語する。これで事件が起こらないわけがない

・「破壊」が生み出すダイナミックなゲーム性を楽しむ

特定の頑丈な構造物を除き、ほぼあらゆるものが破壊できる。「バッド・カンパニー」が通った跡にはペンペン草も生えない勢い
グレネードで壁を破壊する。破壊形状はあらかじめモデリングされたパターンに基づき、物理ベースの破壊と異なりゲーム性にマッチしやすい
砲撃要請で建物を一瞬で廃墟状態に。中にいる敵兵士はこちらに気づく間もなく昇天
 本作の操作はXbox 360用のFPSとして標準的な設定だ。基本アクションは移動、射撃、ダッシュ、しゃがみ、リロード、武器の切り替え、となっており、FPS経験者であれば数十分でマスターできる。武器はメインウェポンと補助武器を1種類ないし2種類ずつ携行でき、標準的な装備であるアサルトライフルではセカンダリの武器モードでグレネードランチャーを発射できる。

 このグレネードランチャーが、本作では極めて重要な装備だ。というのも、本作に登場するほぼ全ての建物は、爆発物によって破壊することができるためだ。例えば、家屋の壁にグレネードランチャーを一発撃ち込んでみると、簡単に大穴が開いて通行可能になる。これを使って、建物に籠もる敵の地形的な有利を無効化したり、込み入った地形を一気にショートカットして裏に回るといったアクションが可能だ。

 本作における建物の破壊は、物理エンジンベースの破壊処理、例えば「Crysis」のように純粋な物理演算処理によって行なわれるものとは異なり、一定の衝撃を受けることで、壁やブロックが決まったパターンに従って破壊後のモデルに変化するという方式を採っている。この方式の利点は、破壊後のパターンが映像的に非常にリアルになることと、処理が軽いこと、そして現象が予測可能でありプレーヤーの行動を不必要に制約しないという点だ。

 例として、物理オブジェクトの組み合わせで建物の破壊を表現していた「Crysis」では、破壊された建物が文字通り「バラバラ」になってしまい、通行不能になってしまうことがあった。また、大量の物理オブジェクトの相互作用が発生して処理が重くなるため、マップ上に沢山の破壊可能な建物を配置することが非現実的だった。その点、「BFBC」で導入されている破壊のモデルは、処理が軽く、プレイの邪魔にならない。ステージ上には破壊可能な家屋が建ち並び、ゲーム性に幅を広げる点で多大な役割を果たしている。

 そのメリットを生かし、本作のシングルプレイモードの中では、「破壊」に注目した装備がふんだんに登場する。マップ上に配置された爆発性のドラム缶、火薬箱を引火させて壁を吹き飛ばすこともできるし、戦車の主砲を使えば地面までデコボコになってしまう。その中でも筆者が気に入っているのは、砲撃を要請する無線機だ。これを使うと、戦車砲なみに強力な砲弾が雨のごとく降り注ぎ、一定範囲を徹底的に破壊できる。敵の基地を攻める前に繰り返し砲撃し、文字通りの廃墟にしてから突入する、なんていうプレイも楽しくしかも効率的だ。砲撃によってえぐれた地面にはしゃがんで身を隠すことも可能で、戦い方の幅が本当に広くなっている。

 戦車、装甲車、ジープ、ヘリなどの多種多様な搭乗兵器が存在するのも見逃せない点だ。他のタイトルでは操作が難しくなりがちなヘリコプターも扱いやすくまとめられており、すぐに乗りこなせるようになるところが嬉しい。ロケットポッドから発射される強力な弾頭は装甲者でも簡単に撃破できてしまう上、もちろん、建物をまとめて穴だらけにしてしまうという爽快なプレイが楽しめる。こののゲーム性は「バトルフィールド」シリーズを通じて守られている根幹部分と言えるだろう。

【「バトルフィールド: バッドカンパニー」“破壊シーン詰め合わせ”ムービー】
本作の「破壊」に注目したプレイムービーをお届けする。グレネードランチャーで壁を破壊して建物内に侵入したり、砲撃要請によって木っ端微塵に粉砕する様子を堪能してほしい。「バッドカンパニー」ならではのゲーム性の一端をご理解いただけるはずだ。
この動画をダウンロード (ファイルサイズ: 29MB)

町が廃墟化していく様子。爆発によって粉砕されるとき、壁を使っての防御は裏目に出てしまう。当然、中にいる敵兵はひとたまりもなく……。色々な兵器を使って、従来のFPSでは味わえない爽快感を楽しもう

・金に目がくらむにも程がある!
 命令を無視して暴走し始めた一行の運命やいかに

激戦の末、「レジョネア」兵士の骸から金塊を発見するハガード。ああ、嫌な予感がする……
流れに流れて、主人公一行は軍隊から無頼者の集団に。金塊ゲットで実績解除だ
 話をストーリーモードに戻そう。ワケありの兵隊ばかりだが、腕だけは確かな「バッド・カンパニー」。寡黙な主人公と、物知りでおしゃべりなスウィートウォーター、爆発物マニアで少々オツムが弱いハガード、そして任務に忠実なレッドフォード軍曹の4人で構成された一行は、司令部から下される地獄のようなミッションを次々に遂行していく。

 そんな中、敵方に雇われた「レジョネア」と呼ばれる傭兵部隊に遭遇する。もの知りなスウィートウォーターから「レジョネアは報酬を金塊で受け取る」という話を聞き、目の色を変えたハガードが敵兵の亡骸に飛びついた。金塊発見。「夢じゃないのか? オレは大金持ちだ!」。その場はレッドフォード軍曹が納めるが、やがて、一行は「レジョネア」の輸送トラックの群れを発見してしまうことになる。

 どことなくスタンリー・キューブリック的ベトナム戦争映画の風味で描かれるストーリーは、随所にユーモアが溢れていて面白い。結局「レジョネア」の金塊集めを始めてしまう「バッドカンパニー」なのだが、おバカなハガードの暴走により、いよいよ米軍の指揮下を離れてしまう。それを止めようとするも、成り行きで行動を共にしてしまう主人公達。軍に戻れば軍法会議で銃殺刑確実の4人は、中立国のテリトリーで金塊集めに精を出すことになってしまうのであった。

 全7ステージで構成されるシングルプレイモードは、このような破天荒なノリで進行していく。1ステージあたりのプレイ時間は1時間強程度のボリュームで、「レジョネア」に遭遇した第2ステージ以降では、マップ中の各所に隠された「金塊」を集めつつ、もはや軍人なのか山賊なのかわからない戦いだ。「金塊」の発見は実績のアンロックにもつながるので、広大なマップを駆けずりながら片っ端から集めていこう。同様に、ゲーム中に隠されている多種多様な銃器を見つけ出せばさらなる実績がアンロックされる。

 金に目が眩んで始まったどうしようもない戦いは、やがて米軍を巻き込んだ新たな戦争につながっていく。進むも地獄、戻るも地獄、この難局を「バッド・カンパニー」の面々がどう切り抜けていくか、面白おかしくも異常にアツいストーリーを堪能しよう。

シングルプレイの各ステージは、順番に配置された小目標をクリアしていくことでストーリーが進行していく。激戦、また激戦の連続だ

搭乗兵器を駆使しての戦いも面白さのひとつだ。圧倒的火力であらゆるものをなぎ倒していく。破壊システムのおかげで迫力ある戦闘が楽しめる

なりゆきで第三国の大統領を確保した主人公達。ヘリを使って脱出を試みるが、欲ボケにまみれた旅の結末はいったいどうなってしまうのか……


■ 「バトルフィールド」直系の面白さがさらにパワーアップ
  破壊あり、兵器ありの濃密なマルチプレイ

マルチプレイは最大24名のチーム戦だ。攻撃と防御のチームにわかれ、「金塊」を巡っての攻防を展開する
攻撃チームの「戦力ゲージ」が枯渇するか、全ての「金塊」を奪取するか、いずれかの条件で勝負が決まる
 本作のマルチプレイモードは、金塊を巡る戦いを描いたシングルプレイの設定そのままに、金塊を狙う攻撃側「バッド・カンパニー」チームと、金塊を守る防衛側「レジョネア」チームの戦いという設定だ。ステージ上には6~10個の「金塊」が配置されており、それぞれ2個づつの「金塊」が1つの作戦区域として区分けされている。攻撃側が最初の2個の「金塊」を攻略したら次の区域の「金塊」がアクティブになるという形で、戦場そのものは広域にわたるが、常に限定された戦域を巡ってゲームが進行する仕組みだ。対戦人数は最大で12名対12名の24名だが、戦場が限定されているおかげで戦いは濃密である。

 攻撃側が「金塊」を奪取するには、爆弾を仕掛けてケースを破壊しなければならない。ただし爆弾が起爆するまでには数十秒の時間がかかるので、その間に防御側のプレーヤーが爆弾を解除することができる。ちなみに起爆までのカウントダウンは爆弾が再度設置された時点で再開されるため、爆弾が解除されても、攻撃側が繰り返し爆弾設置を行なえばだんだんと短い時間で起爆できるようになる。やがて攻撃側チームが全ての「金塊」を奪取すればそのステージに勝利するというルールだ。

 一方の防御側チームの勝利条件は、攻撃側のプレーヤーが倒される度に消費される「戦力ゲージ」をゼロにすることだ。このゲージがある間、攻撃側チームのプレーヤーは倒されても再度の出撃が可能である。「戦力ゲージ」が尽きるのが速いか、全ての「金塊」を奪取するのが速いか、という形でゲームが進行するわけだ。

 「金塊」奪取の度に戦域が移動するルールは、「建物が破壊可能」という特徴を持つ本作のゲーム性に非常にマッチしている。というのも、拠点を巡って激しい戦いを経れば、その地点にある建物は軒並みボロボロになり、防御側にとっては立てこもる場所としての用を成さなくなるからだ。攻撃側が「金塊」を確保して戦域が次の場所へ移れば、防御側は無傷の建物がある地点で再度態勢を整えることができ、まだ破壊されていない防御兵器を使って攻撃チームを迎え撃つことができる。そして激戦の末、その地域もまた廃墟となる。こういったシチュエーション変化の連続が、本作のマルチプレイゲームの真骨頂だ。

マップは「金塊」2つづつが配置された各区域に分割され、5段階前後で進行する。戦域が限定されていることで攻防は激しいものとなり、ヒマを感じることは全くない。小気味よいテンポでゲームが進行していく

・5兵種を搭載するクラスシステム

クラスは復活時にいつでも選択できる。戦況とチーム構成に合わせて選択し、勝利に貢献しよう
 シングルプレイモードとは異なり、本作のマルチプレイモードでは5種類のクラス制が採用されている。アサルトライフルを装備する「突撃兵」、ロケットランチャーを装備する「工兵」、スナイパーライフルを装備する「偵察兵」、サブマシンガンを装備する「特殊兵」、治療・修理キットを携行する「援護兵」という構成である。

 ゲーム全般で主力と見なされるのは「突撃兵」だ。アサルトライフルに装備されたグレネードランチャーを使って建物に穴を開け、敵の防衛網を破壊するプレイに優れている。ただし、戦車やヘリなども搭乗する多くのシチュエーションでは、「突撃兵」だけでは重量級の兵器に手を出せない。そこで活躍するのが「工兵」のロケットランチャーであり、修理を行なえる「援護兵」というわけである。スナイピングを専門とする「偵察兵」は玄人好みの職種であり、ターゲットの奪取に直接関与できないため、多すぎるとチームを勝利に導くのは難しくなるかもしれない。「特殊兵」はなかなか使いどころが難しいが、レーダーに写らないという特性があるため、戦況が膠着したら使い出があるだろう。

 直接戦闘のバランスについてはおおむね期待通りの能力比となっている、と言いたいところだが、近距離戦闘では状況が混沌としている。主力級の「突撃兵」は全てのレンジで万能に戦えるものの、近距離では「工兵」のショットガンや「援護兵」の軽機関銃に撃ち負ける。「偵察兵」については遠距離最強であることはもちろん、サブ装備のハンドガンの威力がかなり高いため「突撃兵」に近距離で打ち勝つことがよくある。もう少しアサルトライフルの威力が高くても良いと思ったのだが、プレイがこなれていく内に評価が変わかもしれない。

 いずれにしても、歩兵戦だけではなく各種車両の活用が鍵を握るのが「バトルフィールド」の醍醐味だ。戦車の強力な主砲で敵を吹き飛ばすのは、クラスを問わず可能である。銃撃戦で膠着したときに乗り物が近くに見えたら、すぐに飛び込んで別次元の攻撃方法で応酬してやろう。建物ごと敵を吹き飛ばすのは実に爽快である。

「突撃兵」で壁を破壊しながら進撃するもよし、「工兵」でアンチタンクを演ずるもよし、「偵察兵」でスナイピングするもよし。基地に兵器が余っていたら乗り込んで前線を撹乱してやろう

・部隊システムでスムーズな連携プレイを実行する

部隊システムは「バトルフィールド2」のものを簡略化して継承している。戦況に応じて自動で隊長が選ばれ、そこからの出撃が可能である
人数をかければ強固な防衛線に空白を作れる……かも。チームプレイに徹しよう
 広い戦場では攻撃側の基地と防衛側の守備地点が遠く離れているケースが多い。このようなときに活用したいのが、本作の「部隊」システムだ。これは、戦場で生存しているプレーヤーのうち前線に近い者が自動的に選ばれ、他プレーヤーの復活地点として機能する仕組みだ。死亡したプレーヤーは、復活時に前線基地に出現するか、それとも「部隊」に出現するかを選択することができる。もし、復活地点に選ばれたプレーヤーが死亡した場合は、生存しているうち前線に近い他の者が続いて選ばれる。

 これは攻撃側が特に活用しなければならない機能だ。一般に防御側は防衛地点に近い場所がデフォルトの復活場所となるため、攻撃側よりも展開が速い。攻撃側はそれに対抗するため、常に前線近くに生存者を起き、間断なく兵士を送り出せるようにする必要があるからだ。注意したいのは、プレイ中に表示される「LAST MAN STANDING」という警告である。これは、前線のプレーヤーが全滅し、自分が復活ポイントになりうる最後のひとり、という意味だ。ここでやられてしまうと、前線への展開はいちからやりなおしとなるため、攻撃より生存を優先しよう。

 このシステムがあるおかげで、本作におけるチームプレイは非常にスムーズに行く。特に攻撃側は、まとまった人数を揃えて一気に攻勢をかけるというのが効果的な作戦になるわけだが、これは復活ポイントに選ばれたプレーヤーがしばらく一カ所に止まって、味方の復活を待つという方法で簡単に実現できる。

 逆に言うと、防衛側にとっては、いくら敵を倒しても、前線近くの敵を全滅させない限り一息つくことができないわけだ。ちなみに敵の位置情報はチーム内の誰かが発見している限りレーダーを通じて共有されるため、うまく連携しながら前線をクリーンにしていきたいところだ。

1カ所で激戦が続けば、建物は崩壊し、固定式の防御兵器は失われ、地面はクレーターでデコボコとなる。状況が刻一刻と変わっていくため、特定の戦い方に固執せずに柔軟な発想で展開していきたい。その際チームメンバーとうまく歩調を合わせることができれば、大いにアドバンテージを獲得できる

・戦績を蓄積して新たな武器をアンロック。長期的なプレイに応える

ゲームスコアは活躍に応じて様々な局面で与えられるポイントである。積極的にハイスコアを狙っていこう
 本作では、前作「バトルフィールド 2」にも搭載されていた、階級、勲章、武器アンロックの仕組みが導入されている。「ランクマッチ」にて記録したスコアは蓄積され、一定のスコアに達すると階級が昇進していくほか、目覚ましい活躍をすると内容に応じた「勲章」を手にすることができる。また、特定の条件を満たすと新たな武器をアンロックするための「チケット」が手に入るというシステムだ。

 「チケット」は、最初の数時間のプレイで3~4個ほどは手に入れることができる。1個で1つの武器をアンロックすることができるのだが、まずチェックしておきたいのは自分がよく使うクラスの「補助装備」だ。「突撃兵」の場合、補助武器として「LIFE-2」というものがある。これは自分の体力を全快させることができるアイテムで、前線に張り付いて粘るプレーヤーには絶対に必要なものだ。初期状態ではロックされているため、「突撃兵」メインのプレーヤーならば真っ先に解禁しておきたい。

 また「援護兵」用の補助兵器である「MRTR-5」を解禁すれば、シングルプレイモードで傑出した威力を発揮した砲撃要請を使えるようになる。同様に「狙撃兵」の補助武器である「LZ-537」は巡航ミサイルを誘導する装置で、狙撃しながらアンチタンク任務を遂行できるようになるため非常に心強い。このほか、各クラス毎に1種類の補助兵器と、2種類づつのメインウェポンがアンロック可能だ。経験を積んだプレーヤーが装備の上でも有利になるという仕組みで、プレイ意欲を刺激してくれる。

最初に得られる「チケット」は、各クラス毎の補助武器をアンロックするために使いたい。さらにチケットを獲得できたら、追加のメインウェポンを手に入れていこう。状況に応じた選択肢が更に広がっていくはずである。また実績のアンロックのためにゲームで活躍して勲章を集めよう


■ 刻々と変化する環境、ダイナミックに移り変わる戦場。
 「バトルフィールド」シリーズ最新作の名に恥じないゲーム性を実現した作品

破壊システムによりゲーム環境がダイナミックに変化していく。予測できないゲーム展開がたまらなく面白く、プレーヤーを飽きさせない
 「バトルフィールド:バッドカンパニー」は、ステージ上のほとんどあらゆるオブジェクトを破壊可能とし、従来のFPSとは一線を画す戦術を可能とした作品だ。実際にシングルプレイモードもマルチプレイモードも非常に楽しくプレイでき、本作が直近のFPSタイトルとしては最高峰に位置することを確信した。

 特に、マルチプレイモードにおける「ワクワク感」は大きい。あらかじめマップの構造を把握していても、戦いの推移によって環境がガラリと変わってしまうのである。立てこもるつもりの建物が開始早々骨組みだけになってしまったり、激戦のあまり地面がデコボコになって撃ち合いの様相が全く違ってしまうなど、毎度のことなのだ。次の対戦で何が起こるか、どういうシチュエーションで戦うことになるか、あるいはどういう状況を作り出してやろうかと、無限の可能性に思いを馳せることができる。

 この点において、本作の「破壊」システムはゲームのリプレイ性を大幅に引き上げることに成功している。このような機能は、最新世代の高性能ゲーム機でなければ実現不可能であったものであり、まさに新世代のゲーム性と呼ぶにふさわしい。もともと「バトルフィールド」は、FPSとして完成されたゲーム性に多種多様な兵器を持ち込み、あらたなゲーム性を提示してきたシリーズである。その精神が今回の「BFBC」でも遺憾なく発揮されており、シリーズのファンとして素直に嬉しい。

 充実したシングルプレイモードと、「ワクワク感」を繰り返し与えてくれるをマルチプレイモードを搭載した本作は、間違いなくXbox 360における定番FPSとなるだろう。Xbox 360版の発売から2カ月後の8月28日にはプレイステーション 3でも楽しめるようになる。この夏、「バトルフィールド:バッドカンパニー」を全てのFPSファンにお勧めしたい。これが筆者の正直な感想である。

【スクリーンショット】

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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/
□「バトルフィールド:バッドカンパニー」のページ
http://www.japan.ea.com/battlefield/badcompany/
□関連情報
【5月20日】EA、Xbox 360「バトルフィールド:バッドカンパニー」
体験版を「Xbox LIVE マーケットプレース」で6月5日に配信
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080520/bfbc.htm
【4月16日】EA、Xbox 360/PS3「バトルフィールド:バッドカンパニー」
発売日決定。海外版のゴールドエディションを通常版として発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080416/bfbc.htm
【2月29日】EA DICE、2008年新作タイトル発表会レポート その1
Xbox 360/PS3「Battlefield: Bad Company」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080229/bfbc.htm

(2008年6月20日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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