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会場:GMO Games本社
スケジュールとしてはクローズドβテストに当たる「プレミアムサービス」を6月30日~7月6日、オープンβテストを7月11日から、基本プレイ無料のアイテム課金の正式サービスを10月より開始する予定だ。 「キノスワールド」は韓国NFRONTが開発するMMORPG。街で仲間を募り、冒険に旅立つというのが基本的な展開で、街は3Dフィールド、冒険のステージは横スクロールでの2Dのゲーム性となる(グラフィックスそのものは3D)。冒険のステージでは、ジャンプで足場を移動し、武器で敵を攻撃、ブロックを積み上げて足場にしてより高いところを目指したりと、アクション要素の強いゲームになっている。
本作は韓国では「LUDIX Online」(ルディックスオンライン)というタイトルでサービスしているが、日本でサービスにあたり、グラフイックスを強化し、様々な独自要素、そしてストーリー性の高いコンテンツを投入していくという。平尾リョウ氏というイラストレーターを起用し、世界観も強化していくということで、どのような展開を見せるかが楽しみなタイトルである。
■ これまでの韓国産MMORPGにはない世界観の厚さとストーリー性を目指す「キノスワールド」
このため「キノスワールド」ではプレーヤーキャラクタ、NPCのキャラクタモデルを改善、日本独自のオリジナルシナリオと、「レイチェル」というオリジナルヒロインを登場させるなど日本独自の要素を積極的に盛り込んでいく。 クオン氏は「このゲームの制作にあたりイラストレーターの平尾氏、韓国でのパブリッシングのサムソンのスタッフ、そしてNFRONTのスタッフと何度も話し日本のユーザーが望む形のサービスを考えています。シナリオ、ストーリー性など、日本のユーザーの求める要素を盛り込んでいきます」と、語った。 続いて、本作のプロデューサーであり、GMO Gamesの取締役も務めるユン・ジェス氏により、「キノスワールド」の基本要素が紹介された。こちらはゲームの特徴と合わせて別項で紹介したい。ジェス氏に続いて登壇したのがGMO Gamesオンラインゲーム事業本部の松木善史氏である。松木氏は「キノスワールド」のサービススケジュールを発表した。 プレミアムサービスの募集は、6月20日~6月25日に下記公式ページより行なわれる。抽選で1,000名のユーザーに当選のメールが送られる。プレミアムサービスは6月30日~7月6日までで、実施時間も限定され、毎日17時~23時までとなる。プレミアムサービスに参加したユーザーには、オープンβサービスにキャラクタが引き継がれるだけでなく、特別なアイテムをプレゼントされる。 オープンβサービスの開始は7月11日より、ユーザー登録は7月9日から可能になる。正式サービスは10月を予定しているが、その間様々なコンテンツを追加する予定だ。メンテナンスごとに日本オリジナルとなる武器やスキル、システムなどを追加。新規マップとクエストの追加も考えている。 オープンβサービス期間内で「キノスワールド」の明確なゲーム像が固まっていく、という予定だ。GMO Gamesは「キノスワールド」のユーザー数の目標として、半年で30万ユーザーを目標にし、最終的に100万人を超えるユーザーを獲得したいという。 プロモーションとしては「キノスワールド」のアピールとして、ヒロインのレイチェルを“アイドル”としてプッシュしていく。レイチェルのキャストには声優の宮崎羽衣(うい)さんを起用、現在導入クエストやゲーム内でもレイチェルのセリフとして実装されているが、平尾さんのデザインと、宮崎さんの声によって生まれるレイチェルは、ラジオやTVCM、ショートムービーや、PCメーカーのタイアップなどで活躍する。オンラインとしてはレイチェルのブログなども登場し、ゲーム内で語られない情報なども紹介する予定だ。 キャラクタのデザインなど、イラストでの参加をしていく平尾氏は、スクウェア・エニックスでゲーム開発に参加していた経歴を持つ。ゲームや雑誌、小説のイラストで活躍しているイラストレーターだ。レイチェルのデザインについて平尾氏は「クオン社長の“ツインテール”への熱い想いを活かしながら、みんなに受けいられるように作りました」とコメントした。「ゲームではイラストで全面的に協力したいと思ってます、女性を始めた多くの人にプレイしてもらえるように頑張ります」という。 韓国での「LUDIX Online」は2006年10月からサービスしているが、現在の会員数は非公開だ。現在もサービスは続いているが、“商業的にうまくいかなかった”ということで、アップデートを止め、スタッフは「キノスワールド」のためのコンテンツを作っているという。「キノスワールド」が日本に受け入れられることで、「韓国を始め、他の国へのサービスも」という計画だという。 韓国のコンテンツを日本向けにリニューアル、というのは「ナイトオンラインクロス」の他、現在いくつかのタイトルかで見られる展開で、韓国のオンラインゲーム業界の1つの“流れ”を感じさせる。「キノスワールド」に関しては、ヒロインを設定し、オリジナルストーリーを描いていこう、というところを特に注目したい。
平尾リョウ氏のイラストは、キャラクタのイラストでも、キャラクタの性格が伺え、背景からは世界観が伝わってくる。この“厚み”が日本のクリエーターの力だと思う。日本のクリエーターのエッセンスが、韓国のクリエーターに同影響を与え、そしてどうふくらんでいくのか、注目したい。
■ 2Dのフィールドで展開する冒険ステージ。異世界から召喚されたパジャマの騎士が活躍
「キノスワールド」はその名の通り、キノスワールドと呼ばれる、現代の我々とは違う異世界が舞台となる。プレーヤーはキノスワールドの巫女といえるレイチェルによって召喚され、彼女の願いを受けて冒険していくことになる。 本作には“パジャマの騎士”という副題がついているが、レイチェルは夢を通じてプレーヤーに語りかけてくる。プレーヤーは寝起きか、あるいは夢を見ているままなのか、パジャマを着たままの姿でキノスワールドに呼びだされる。オープニングは平尾氏のイラストと、レイチェルの切なげな声で展開する。パジャマを着ているというのは日本展開で追加された要素だという。 プレーヤーキャラクタは3頭身くらいのかわいらしいデザインだ。最初のチュートリアルではレイチェル達NPCのクエストを受けて、2Dの横スクロール型の冒険フィールドに出発し、敵を倒しながら進んでいく。2Dのフィールドは「メイプルストーリー」でもお馴染みのベルトスクロールアクションとなっている。キャラクタの操作は、カーソルキーで移動、Xキーで攻撃、Cキーでジャンプ、スペースキーでものを拾う。ゲームパッドへの対応は検討中で、現在テストを行なっている段階だという。 ジェス氏は本作の特徴として、フィールド上のアイテムを挙げる。フィールドに置かれている箱などを持ち上げ、置くことができる。これを積み上げて足場を作ることが可能だ。この他に、取るとすぐに効果を現わすアイテムがあり、フィールドのモンスターをフルーツに変えたり、自分のキャラクタが巨大になり、一定時間パワーアップするといった効果もある。有用なアイテム探しも本作の魅力だ。 パジャマを着たプレーヤーはモンスターを倒したり、クエストを進めることでレベルアップし、転職が可能になる。一次職としては「ファイター」、「メイジ」、「アーチャー」、「シーフ」が用意されている。この他、オープンβサービスを目安として、PvPやギルドシステムの導入も予定されている。PvPでは冒険フィールドと同じようにアイテムが戦いの鍵を握る。また、足場などフィールドの仕掛けも関係してくるという。 カンファレンスでジェス氏は世界観の統一性と、ストーリー性を目指していくことを強調した。「『LUDIX Online』ではプレーヤーがこの世界になぜ来たのか、どんな目標を持って冒険するのか、成長したとき、どうしてその装備をしているか、そういった点があやふやなままだった。『キノスワールド』ではここにきちんと意味を持たせ、ユーザーが物語を感じられる作品を目指している」と語った。 今回のカンファレンスではゲームそのものの情報は最小限で、詳細を発表するのはこれから、もしくはサービスで、という形だった。会場で試遊台に触れることができたが、ジャンプの感触、キャラクタの動きの軽快さに好感は持ったが、ゲームそのものがどう展開するかまでは体験できなかった。 「キノスワールド」はNFRONTのスタッフによって開発が進められているが、その方向性では、GMO Gamesのスタッフの力も強いと感じた。日本向けのクエスト、シナリオなど、どこまで実現できるか興味が惹かれるところだ。個人的にやはり「世界観」に注目したい。
これまでも声優を起用した韓国産MMORPGはあったが、商人の挨拶などで声優の声が流れるだけで、全く声優によるメリットが感じられなかった。声優はあくまでキャラクタの厚みを増す役割を担う存在だ。声優を活かしたキャラクタ作りと、彼等によって描かれるストーリーを展開できるかを期待したい。後付という形になるが、韓国産MMORPGの弱点とされるストーリーと世界観を、どこまで厚くできるか、注目したいところだ。
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□GMO Gamesのホームページ (2008年6月19日) [Reported by 勝田哲也]
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