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価格:7,140円
発表会には、専務取締役の中島英一氏とプロデューサーの竹内将則氏、開発を担当した株式会社アクワイアの遠藤琢磨氏とディレクターの金山圭輔氏、海外販売を担当する株式会社ユービーアイソフト代表取締役のスティーヴ・ミラー氏のほか、特別ゲストとして登場キャラクタ「彩女」役を演じた声優の甲斐田裕子さん、音楽を担当したmega-alphaの朝倉紀行氏、主題歌「夢の淵」のヴォーカルを担当したソプラノボーカリスト&リリシストの柴田智子さんが出席した。 Wii「天誅4」は、忍者となってターゲットを隠密裏に始末してくアクションゲーム。1998年にシリーズ初代作品「立体忍者活劇 天誅」がリリースされ、今年で10周年を迎える。Wii「天誅4」は約5年ぶりのナンバリングタイトルで、初代作品を手がけたオリジナルスタッフ「株式会社アクワイア」が開発を担当。2008年10月23日発売予定で、価格は7,140円。9月に開催される「東京ゲームショウ 2008」にプレイアブル出展される。 中島氏によれば、Wii「天誅4」のコンセプトは「今までの“天誅”とはまったく違うものを作り上げる」ことだという。アクワイアの遠藤氏は「“天誅”以外にも、アクワイアは和物のタイトルをたくさん作ってきた。こういった今までのノウハウを活かして、新しい『天誅4』につなげていきたい。スタッフ一同頑張っているので、応援のほうをよろしくお願いします」とコメント。 イベントでは、竹内氏と金山氏による実機を使った概要の説明とデモプレイが披露された。竹内氏は、中島氏が述べた前述の基本コンセプトをより詳細に解説。「正統な“天誅”を押さえつつ、新しいものを作る」という全体像を踏まえつつ、Wiiリモコンを使った直感的かつ手軽な忍者アクション、次世代ハードの表現力を活かした臨場感あふれる映像の実現を目指しているという。 金山氏は「従来シリーズでは、たとえば敵が後ろを向いたら近づくとか、あるいは屋根の上から飛び降りて近づくといったパターンが多かったが、今回は敵への“忍び寄り方”を増やした」と説明。敵に忍び寄るパターンが多様化すれば、そのぶん「どうやって近づこうか?」といった“プレーヤーの考える楽しみ”も増える。忍殺も、多数のボタンを使わずとも、リモコンを振るだけの簡単操作で本格的なアクションが決められるという。マップ、画面構成、グラフィックス、キャラボイスなども“シネマティック”をキーワードに臨場感あふれるものに仕上げられるという。舞台設定は前作の1~2年後で、キャラクタの質感・外観も渋みが濃厚なタッチに変化している。 最新バージョンを使ったデモプレイでは、Wiiリモコンを横に振る「スライドダッシュ(ゲーム中では疾風と呼ばれる重要なテクニック)」、同様にリモコンを振って行なう「一撃必殺」のシーンなどが披露された。また、従来シリーズは“隠れる”というアクションをプレーヤーが動的に行なう必要があったが、今作では「茂み」など隠れることが可能な場所に移動すると、画面内のキャラクタが自動的に身を隠してくれる。これにより、プレーヤーが「隠れるための操作」ではなく「隠れるという行為や、ゲームそのものに集中できるようになる。操作がスピーディになり、爽快感もぐっと増している」という。 隠れるという行為も、これまでのように「ただ物陰に隠れる」だけではなく「暗闇を利用する」といった新要素が追加された。たとえば、蝋燭などの光源がある場所は明るく危険なため、「蝋燭を吹き消して暗くする」といったアクションが可能になる。キャラクタが大きく表示されるようになった画面構成など、さまざまなブラッシュアップが施された最新作。気になる人は、プレイアブル出展される「東京ゲームショウ 2008」で忍者アクションの新たな領域を体感してみてはいかがだろうか。
なお、発表会においては「天誅4」だけでなく「4」から新たに始まる「新・天誅“三部作”構想」が明らかにされた。プラットフォームなどの詳細は不明だが、少なくとも「天誅5」、「同6」とシリーズ作品のラインが敷かれていることは、ファンにとってこれ以上ない朗報といえそうだ。
「現場では、役作りだと思ったんですけど……オーラが凄くて、怖いんですよね(笑) それが丁度、今回の彩女のテイストとピッタリあっていたので、もう『あ、そのまんまでお願いします』と。そんな感じでした」という金山氏。「甲斐田さんには、前のシリーズで違うキャラクタを演じていただいている。そのときに凄く印象に残りまして。また何か機会があればお願いしたいなと、ずっと思っていたんです。今回、お願いしてよかったなと思っています」という竹内氏ともども、甲斐田さんは文字どおり“ハマリ役”といったところか。 「自分でも(シリーズの)いちファンだったので楽しみです。この『天誅4』を最後までやりつくして……色々なエンディングが用意されているので、色々なのを見ていただきたいなと思います」とファンにメッセージを残してくれた甲斐田さん。ファンはもちろん、気になる人は実際のゲームでぜひともチェックしていただきたい。
書き下ろすにあたってのテーマは、ドラマ性と愛。「愛というと平易に聞こえるけど、シリーズ1~3とも違うテーマで、私のなかでは凄く差別化されてます」という。制作サイドからの要望は「めちゃくちゃあった。もうありまくりですよ!」といい、竹内氏は「今回『天誅』として正統に進化しつつも、でも違ったものにして欲しいということを強くお願いした」と、プレッシャーの内訳(?)を披露。新作を作るたびに前作がプレッシャーになったという朝倉氏だが、それに打ち勝ったぶん素晴らしい仕上がりになったともいえそう。これまでは民俗音楽にこだわってきたが、今回はプラットフォームが違うマーケットを開拓してくという意味を含め、ポピュラリティのあるクラシックをオープニングテーマ「夢の淵」に持ってきたという。 クラシックのエッセンスを取り入れるにあたり、朝倉氏は旧知の友人である柴田さんに連絡する。朝倉さんと柴田さんは、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件に現地で遭遇。救援活動に参加していた柴田さんは「9.11に関する歌を作りませんか?」と朝倉氏に提案。その際に共同制作された曲が「夢の淵」なのだが、制作意図が先立っていたため、レコード会社などに持ち込まれることもなく歳月が過ぎ、たまたま金山氏にきいてもらう機会があり、今回の経緯に至ったという。
柴田さんは「疲れている方、泣けないような苦しみを持っている方が、風がふいたり、ちょっとしたことで泣けるようになるといった歌。自然の情愛が持てるようになってくれればいいなと思って書いたんですが、まさかゲームに採用していただけるとは思わず……」と曲の内容を説明。会場では「(この曲を生で歌うのは)生まれて始めてでドキドキしている」といいつつ「夢の淵」を生披露。芯の通った美声とプロの圧倒的な表現力に、会場から惜しみない拍手が贈られた。
(C)2008 FromSoftware, Inc.
□フロムソフトウェアのホームページ (2008年6月7日) [Reported by 豊臣和孝]
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