CRI・ミドルウェア、「ファイルマジックPRO」 ゲームのロード時間を短縮するファイルシステム
10月 発売予定
株式会社CRI・ミドルウェアは、ゲーム開発用のファイルシステム「ファイルマジックPRO」の提供を、10月より開始する。また、機能を絞った「ファイルマジックStandard」の提供も予定されている。
「ファイルマジックPRO」は、ファイル圧縮とデータ配置の最適化を行ない、ゲームのデータロードによる待ち時間を短縮する、ゲーム開発者向けのファイルシステム。対応プラットフォームは、Wii、Wiiウェア、プレイステーション 3、Xbox 360、PSP、ニンテンドーDS、PCで、プレイステーション 2にも対応する予定。
「ファイルマジックPRO」では、「圧縮&展開」と「ファイル配置の最適化」により、ロード時間を半分以下に削減する。
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ファイル圧縮によるファイルロード時間短縮の効果。各プラットフォームで2倍以上、DSでも1.4倍の効果が得られる |
「圧縮&展開」は、データを圧縮することでファイル自体のサイズを縮小し、DVD-ROMなどの記録メディアからの読み込みの時間を短縮。そして読み込まれたファイルは、同社独自の展開技術「マジック・ディコンプ」により、ワークメモリを一切使用せず、CPUの空き時間にバックグラウンドで展開処理が施される。これにより、実効展開時間がほぼゼロになる。このように圧縮と展開を組み合わせることで、トータルの読み込み時間の大幅な短縮を実現している。
また、読み込みの遅いディスク媒体を採用していないDSにおいても、同社のテストでは1.4倍速くなったとしている。
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「ファイルマジックPRO」ではテストプレイの記録をもとに自動的に最適化を行なう |
もう1つの「ファイル配置の最適化」は、ディスク上のファイルの配置を最適化し、シークの発生を抑えることで、ディスクから読み込む時間を短縮する。シークとは、ディスク上の特定の位置からファイルを読み込むためにヘッド(ピックアップ)を物理的に移動させること。このため、移動距離が大きいほど余計に時間がかかることになる。「ファイル配置の最適化」では、この移動距離が小さくなるように再配置が行なわれる。
本作では「ファイル配置の最適化」を実現するために、「グループロード機能」と「デュプリケート機能」の2つの機能を搭載している。「グループロード機能」は大量のファイル群をグループ化しておき、一括ロードする機能。「デュプリケート機能」は、特定のシーンで使用するファイルが別のシーンでも使われる場合、そのファイルを自動的に複製(デュプリケート)し、それぞれのシーンのデータの近くに配置する機能となっている。
また、ファイル圧縮には、“メディアへ収めるファイル量を増やす”というメリットもある。
□CRI・ミドルウェアのホームページ
http://www.cri-mw.co.jp/
□「ファイルマジックPRO」のページ
http://www.cri-mw.co.jp/products/fmp/
□ニュースリリース
http://www.cri-mw.co.jp/newsrelease/release/2008/fmp/filemajikpro_j.htm
□関連情報
【2007年8月8日】CRI・ミドルウェア、「ファイルマジック」を提供開始
コスト削減につながるファイル圧縮・展開システム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070808/fm.htm
(2008年5月30日)
[Reported by 滝沢修]
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