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NVIDIA、「Hybrid SLI テクノロジーショーケース」を開催
協賛のダレットは「ストリートファイターオンライン」を公開

開催日:4月20日

会場:カフェソラーレ秋葉原店

 NVIDIAは4月20日、最新製品群の展示会「NVIDIA Hybrid SLI テクノロジーショーケース」を開催した。この催しは、この春NVIDIAのラインナップに加わるグラフィックボードやマザーボードの新製品を実際に体験できるというもの。最新のハイエンドチップセットnForce 780aを採用したマザーボードや、ローエンド向けGeForce 8200チップセット搭載PCなど各種製品の展示が行なわれた。

 また会場では協賛企業各社による展示やプレゼンテーションも行なわれ、その中の目玉として、ダレットから「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」の新情報公開が行なわれた。店内には同作品の試遊台が複数設けられ、NVIDIAの新製品GeForce 8200チップセットを搭載したPCで実際にプレイすることもできた。


■ ハイエンドとローエンドの2極で行なわれた展示会。
 GeForce 9800GTX3枚差しの最強PCと、GeForce 8200搭載の普及型ゲームPCを紹介

手狭な店内にはデモ用PCや各種展示商品がところ狭しと置かれ、沢山の来場者でごった返していた
 今回NVIDIAが行なった展示会は、PCゲーム市場に存在するハイエンドとローエンドの両極にターゲットを置いたものだ。ハイエンドユースとして紹介された新製品は、現行のラインナップでは単体で最速とされるGeForce 9800 GX2およびGeForce 9800 GTX、そして「3-way SLI」(3枚差し)を可能にするハイエンドチップセット nForce 780a SLIである。一方、ローエンドの普及型製品としてはGeForce 8200 mGPUが紹介された。こちらはGeForce 8000世代のDX10対応GPUを搭載するチップセットで、PC用オンラインゲームを存分に楽しめるシステムを安価に構築できるという製品だ。

 まず、ハイエンドタイプのGeForce 9800GX2は、同世代のGeForce 9800GX相当のGPUを2セット搭載し、ビデオカード単体でSLIを実装している製品である。また、GeForce 9800 GTXは同世代のGPUながら高クロックのバージョンで、単体では最速の製品。これらはそれぞれ3月、4月に販売が開始されているもので、すでにハイエンドユーザーの手に届いていることだろう。

 そして今回新しく紹介されたnForce 780a SLIチップセットは、従来のSLIによる2枚差しを超え、3枚差しの「3-way SLI」を可能にするというものだ。また、オンボードでGPU機能(mGPU)を持つことにより、3Dパフォーマンスの必要ないときには拡張スロットに搭載されたGPUをオフにするという「Hybrid SLI」機能をサポートしている。これによりデスクトップ作業時などでは低騒音・低消費電力を実現しつつ、ゲーム開始時など必要なときは全てのGPUをオンにして最大の3Dパフォーマンスを発揮するというコンセプトだ。これを実装したマザーボード製品は、5月中より各社から発売される。

主催のNVIDIAからは、GeForce 9800シリーズやnForce 780aチップセットなど、この春にラインナップされた新製品が紹介された。nForce 780aチップセットは「3-way SLI」や「Hybrid SLI」機能を搭載する最新プラットフォームで、使用シチュエーションにあわせてハイパフォーマンスと低消費電力を実現する製品だ

MSIのゲーミングPC向け最高位モデル「MSI K9N2 Diamond」。nForce 780aを搭載する最新マザーボードだ
 これら新チップセットのお披露目を受け、会場ではMSIが新型マザーボードの展示を行なっていた。最高位モデルに位置するマザーボード「MSI K9N2 Diamond」は、上記nForce 780aを搭載し、GeForce 9800GTXの3枚差しが可能なスロットレイアウトを採用している。またSoundBlaster互換のサウンドチップをオンボードで搭載しており、標準でEAXフォーマットのサラウンド再生が可能だという。価格は39,800円程度を予定しているとのことで、まさにハイエンドゲーマー向けの製品といえるだろう。

 ローエンドタイプの展示としては、GeForce 8200チップセットを搭載したXFXおよびGigabyteのマザーボードがあった。こちらはマイクロATXのレイアウトをとっており、拡張スロットの数も抑えられた製品だ。こちらのウリは、実売1万円強程度の価格帯で、カジュアル系PCオンラインゲームを快適に動作させるGPU機能をオンボードで持つ点だ。これによりシステム全体の価格が抑えられるため、安価なPCシステムでゲームをプレイできる。

 NVIDIAが行なった今回の展示で特徴的だったのは、こういったハイエンドタイプの製品とローエンドタイプの製品を双方ともにメインに据えていたことだ。対象ユーザーは相当に異なりそうではあり、ハイエンドタイプのマザーボードでGeForce 9800 GTXを3枚搭載したゲーミングPCを構成した場合、市価では少なくとも20万円から、現実的には30万円程度のコストになるが、一方のローエンドタイプであればおよそ5万円程度で1台のゲーミングPCが拵えられそうだ。それを反映して、会場に置かれていたハイエンドタイプのPCでは「Crysis」が、一方のローエンドタイプでは「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」が、それぞれ実演されていた。

こちらはGeForce 8200搭載のマザーボード。実売価格は1万円強程度になる見込みで、普及価格帯のPC向けになる GeForce 8200搭載システムで「SFO」を体験。実にスムーズに動作しており、ゲーム用PCとしては上々の性能 GeForce 9800GX2を2枚搭載した高速PCで「Crysis」をプレイ。最高設定でも「それなりに遊べる」フレームレートだった


■ ダレットがイチオシする「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」
 「格ゲー」的改善を多数実施。4月24日よりファイナルβテストの募集を開始

マウスでプレイするオンライン格闘ゲーム、「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」。今回のお披露目では最終βテストの告知が行なわれた
 今回の展示会でゲーマー向けの目玉のひとつとなったのが、人気格闘ゲームシリーズ「ストリートファイター」の名を冠するオンラインゲーム、「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション(以下、『SFO』)」の最新情報のお披露目である。会場内では、同作の開発・運営を手がける株式会社ダレットの企画制作部からコンテンツプロデューサーの内田洋平氏らがプレゼンテーションを行ない、「SFO」の作品紹介や、今後のサービススケジュールについて説明を行なった。

 「SFO」は基本プレイ無料のアイテム課金制で提供される予定のPC用オンラインゲームだ。タイトルの通り、ジャンルとしては格闘ゲームでありながら、全ての操作をマウスで行なうという点がユニークな作品である。画面にはマウスがポイントするカーソルが表示され、これを動かすとその方向にキャラクタが動く。横に動かせば歩き、上に動かせばジャンプするという案配で、カーソルを激しく動かせばそれだけ速い動きになるという直感的な操作が可能だ。攻撃は左クリックでパンチ、右クリックでキックという形で、マウスを動かしながら左右のボタンを連打するだけでもいろいろな技が飛び出し、不思議な感覚で爽快にプレイできる。

 特徴的なのは本作のキャラクタシステムだ。通常の格闘ゲームとは異なり、本作のキャラクタは、頭、胴体、腕、脚、などのパーツがジョイントでつながっており、アクションフィギュアのようにパーツの入れ替えが可能というユニークなアバターシステムを搭載している。各パーツはキャラクタの動作にも関連づけられており、たとえばキャラクタにリュウの腕をつければ「昇龍拳」が撃てるようになり、チュンリーの脚をつければ「百烈脚」が撃てるというシステムだ。全身を自由なパーツで構成することで、ユーザーそれぞれに個性的な格闘ゲームキャラクタを構成することができる。というのが、紹介を行なった内田氏が強調したポイントだ。

体はリュウ、頭はヒコというキャラクタを作成。ポーズは頭で制御されるので、ヘンな格好になって面白い 必殺技は胴体などに関連付けられているので、このキャラクタで「真空波動拳」を撃てる キャラクタのパーツはガチャガチャ式のUIで購入。このデザインは最終βテスト時に大幅に変更されるようだ

今回「SFO」の紹介を行なってくれたダレット開発部の内田氏(左)と広報の豊永氏(右)。最終βテストの実装項目について詳しい話を聞いた
 さて、この「SFO」は現在、第2次クローズドβテストを終えている。現在は、これまでに受けたユーザーからの沢山の要望を取り入れて開発を続けているとのことだ。プレゼンテーションの最後に披露されたサービススケジュールによれば、次に行なわれるのは「ファイナルクローズドβテスト」。ユーザー募集を4月24日から2週間程度の期間で行ない、5月上旬からゲームシステムの調整や負荷テストも兼ねた大規模なプレイテストを予定している。

 この最終βテストにおけるゲームバージョンは、これまでのテストでユーザーから要望の多かったゲームシステム面の改善を大幅に取り入れたものになるようだ。内田氏によれば、追加要素の柱はガードとキャンセル技の2つ。ガードとは言っても、アーケードの「ストリートファイター」シリーズのようにガッチリ守るわけではなく、本作では「ガマン」と言って、ダメージを多少軽減するというものになる。またこれと同時に、「ガマン」をキャンセルして技を繰り出すという、いわゆるガードキャンセル技が実装される。こちらは「ガマンカウンター」と呼ばれており、本作独自の呼称がなんとも面白いが、キャンセル技は格闘ゲームの駆け引きを演出する要素としては王道をいくシステムであり、これを搭載することで本作の内容はより深まっていきそうだ。

 最終βテストでは、上記の格闘ゲーム的な改善を取り入れたバージョンをユーザーに提供し、その中でゲームバランス調整など最終的な工程を実施していくという。また、キャラクタのパーツを販売するガチャガチャ式のインターフェイスを、大手玩具メーカーと提携してリアルな意匠のものにしていくなど、アバタービジネスに直結する部分の改善も行なわれる。正式サービスの具体的な日程については現在のところは未定とのことだが、最終βテストの内容やユーザーからの反応に応じて柔軟に決定していく姿勢であるようだ。

 会場内では4台のPCで「SFO」がデモンストレーションされており、自由に触って遊ぶことができた。マウスを動かせばキャラクタが機敏に反応する操作性はこれまでほとんど体験したことのないもので、片手で手軽に遊べてしまうゲーム性は、PCオンラインのカジュアル路線の中でも抜群にユニークだ。従来の格闘ゲームファンのみならず、これまでの格闘ゲームが苦手なユーザーにもリーチする可能性がある点で、本作の路線は非常に期待が持てる。まずは4月24日からのテスター募集と、それに続く5月上旬からの最終βテストで本作の進化を確認したいところだ。

自由すぎるほどのキャラクタカスタマイズとユニークなマウス操作が魅力の「SFO」。今後はガードにあたる機能やキャンセル技など駆け引きを深める要素が実装されていくとのことなので、格闘ゲームファンも満足できる作品になっていきそうだ

ダレットからは4月1日に正式サービスをスタートしたメタバース「ダレットワールド」の紹介も行なわれた。現実の企業やブランドと提携したアバターアイテムが特徴となる本作は現在も開発が急ピッチで進んでおり、今後はゲームユーザー向けの機能も拡充させていくという。ダレットの持つゲームポータルとの連動が鍵になりそうだ

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□NVIDIAのホームページ
http://www.nvidia.co.jp/
□ダレットのホームページ
http://www.daletto.co.jp/
□「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」公式サイト
http://streetfighteronline.jp/
□関連情報
【2008年1月16日】ダレット、「ストリートファイターオンライン マウスジェネレーション」を正式発表
マウスだけでプレイする新世代の「SF」、今春正式サービス開始
http://watch.impress.co.jp/docs/20080116/sfo.htm

(2008年4月21日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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