|
今回のアップデートは高レベル、2次転職前後、新規プレーヤーそれぞれのキャラクタに向けたコンテンツが拡張されているが、全体的に見ると高レベルプレーヤー向けの要素が多い。レベルキャップがレベル80から85に引き上げられ、新スキルやボスの姿に変わる変身スキルなどが追加されるなど、よりやりこみ要素が増した。レベル80以上のプレーヤーが対象となるフィールドの「ヘルバウンド」や、「鋼鉄の城」が追加された。強力な武器「イカルス」シリーズも実装される。高レベルプレーヤーはさらなる目標を提示された形だ。
もちろん追加要素はこれだけではない、レベルごとのチーム対戦が楽しめる「地下コロシアム」、新たな世界観をもたらす「パレード」といった新要素が追加される。レベル40からの中級者向けにも新クエストの追加や、これまで製作とドロップのみだったアイテムが一部の店舗で販売されるなどバランスが調節されているのも特徴だ。本稿では実装に先行して行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に、各要素を紹介していきたい。
■ 新フィールド「ヘルバウンド」、強力な敵と閉ざされた扉、時間制限まで設けられた超難関ダンジョン「鋼鉄の城」
このヘルバウンドの島の深部に進むにはワールドのプレーヤーが“ネイティブ”達に協力して持続的な“信頼”を得なくてはならない。ヘルバウンドではこの信頼に関係するクエストがいくつか用意されており、鋼鉄の城を目指すプレーヤーは各地のクエストに挑戦し、信頼を深めていかなくてはならない。 巨大な砂漠地帯の「砂嵐の丘」ではモンスターの他に「砂嵐」というオブジェクトがあり、近付くだけで吹き飛ばされてしまう。ヘルバウンドの奥には「鋼鉄の城」があり、ここを支配する「ベレス」に向かうのがプレーヤー達の目的だ。ヘルバウンドにはベレスに対抗するレジスタンスが活動を行なっており、プレーヤーは彼等を支援する必要がある。フィールドは広大で、出てくるモンスターは強力であり、非常に困難な道になりそうだ。 「鋼鉄の城」の外郭を越えると大きな門が見えてくる。この先には鋼鉄の城の市街地から「ベースタワー」、「空間の塔」とインスタントゾーンが続く。城門の中はインスタントゾーンになっており、ソロプレーヤーでは入ることができず、パーティーを組まなくてはならない。 インスタントゾーンの市街地では「ネイティブ プリズナー」が囚われていて、彼等を助ける必要がある。先に進むためには「鋼鉄の城 鍵番」というモンスターを倒すことで手に入る鍵を入手しなくてはならない。敵は強く、しかも集団でプレーヤーを待ち受けている。鍵番と「拷問の専門家 アマスカリ」という敵は特に耐久度が高く強力だ。加えて、鍵番を倒せば必ずアイテムがドロップされるわけではない。倒していくためにはパーティーのフルメンバーである9人の協力が不可欠になりそうだ。 しかも市街地とナイアの塔には“制限時間”が設けられている。時間内にクリアして次のフィールドに向かわないと、攻略に失敗してしまうのだ。市街地の先はベースタワー、空間の塔、トレスの工作所、ナイアの塔といったフィールドに区切られている。空間の塔から先のフィールドにはレイドボスモンスターが待ち受けているという。
制限時間に、迷路のようなフィールド、恐ろしいボスモンスター、最終ボスであるベレスはそれ以上に強力なモンスターとなりそうだ。レベル85のキャラクタが挑戦する目標となりそうで、コアプレーヤー達がどう攻略していくか楽しみだ。
■ レベル別の戦いと観戦が楽しめる「地下コロシアム」。新しい世界観を感じることができる「パレード」
幻想の島の地下にあるコロシアムでは、7人以上のパーティーを組むことで他パーティーと対戦することができる。このコロシアムでは“レベル40~49”、“レベル50~59”、“レベル60~69”、“レベル70~79”、“レベル無制限”の5つのレベルによって対戦をすることができる。 対戦はデスマッチ方式で、勝ち抜いたパーティーは次の挑戦者と戦うことになる。競技場には「復活の塔」というオブジェクトが用意されており、倒されてもそこから復活することができる。この塔を壊されてしまうと、スキルやアイテムでしか復活できなくなる。勝敗は相手チームを全滅させるか、設定された競技時間内で相手チームを倒した回数で決まる。 コロシアムのフィールドは2層構造になっており、上の階層は対戦を準備する場所と、観戦席を兼ねていて、バトルフィールドである下の階層を見下ろすことができる。今回は体験できなかったが、実装時には上の階層に多くのプレーヤーが鈴なりになって観戦する光景が展開しそうだ。階下で激しい戦いを繰り広げる競技者と、それを観戦するプレーヤー達の風景は独特なものになりそうで期待したい。 競技以外にも、幻想の島では「パレード」を見ることもできる。このコンテンツはゲーム内で決められた時間、幻想の島の特定のフィールドをNPCの集団が練り歩くもので、遊園地のアトラクションを彷彿とさせる。パレードでは恐ろしいモンスターが練り歩き、かわいらしいモンスターが、竹馬や球乗りなどを見せてくれる。仲の良いプレーヤーと見に行けば盛り上がること間違いなしだろう。
ヘルバウンドは最高レベルのプレーヤー向けの場所だが、この他に30~40代レベル向けのキャラクタにいくつかのクエストが追加されている。「リネージュII」の神話で語られるアインハザードを祭る教団に協力する「教団の手」は「教団の手足」というクエストへ続いていく。伝説の情報屋を探す「シャドウフォックス」、巨人の遺跡を調査するクエストなどもある。中級プレーヤーはもちろん、上級プレーヤーが改めて世界を探索する、という遊び方もいいだろう。
■ レベルキャップ引き上げで取得できる新スキル、変身スキル。コアプレーヤーに提示される新たな目標
かなり強いなと感じるのが、HPを消耗してパーティーメンバーを無敵にするカーディナルの「サブライム セルフ サクリファイス」と、ステータスを回復して弱化魔法を確率的に解除する、エヴァスセイントの「ブレッシング オブ エヴァ」の2つだ。この2つのスキルは他の新スキルに比べ効果が強力でPvPで大きな影響を及ぼしそうだ。「ブレッシング オブ エヴァ」に関しては、ボス討伐や狩りでも使える万能スキルになる感じだ。 これらのスキルを入手するための秘伝書は、「バイウム」や「フリンテッサ」、「アンタラス」など強力なボスモンスターからドロップされる。入手はかなり困難なものになりそうで、血盟や仲間の協力が必要になるだろう。 この他、カマエルの新スキルなどが追加されるが、個人的に注目したいのはプロフィット、エルダー、シリエンエルダー、ウォークライヤーが習得できる「インプルーブ」系列のスキルである。レベル70から習得できるスキルで、1つの強化魔法で2種類の効果を発揮する。もともと「リネージュII」はキャラクタの能力を強化するスキルの種類が多い。しかし、キャラクタには強化を受けられる枠が決まっており、どの能力を強化するかかなり取捨選択しなくてはならなかった。今回のインプルーブスキルの登場によって強化枠の選択肢が増えることになる。 既存のスキルも調整される。以前、「オーラシンフォニー」など、ウィザードが協力して発動させる“合体魔法”が実装されたが、タイミングがシビアすぎて実際には使えなかった。今回の調整でこれらの魔法は、威力は低下したものの単独で使用する魔法に変更になり、新スキルのような感触で使えるようになった。他にも「ヘイト」、「ヘイト オーラ スキル」が確率的に3秒間ターゲットを自分に固定させるものになり、「ブランドマスタリー」がスタン攻撃の成功率を向上させるなど様々なスキルが調整されている。今回の調整は、全体的にウィザード系の強化が目立つ印象だ。 「変身スキル」の追加も新しい楽しさをもたらしてくれそうだ。今回の注目は「レア変身体」にある。「ザケン」や「アナキム」、「ベノム」などレイドボスモンスターに変身できるスキルを確率で入手できるのだ。他の変身同様、変身中はボスモンスターのスキルを使うことができ、ステータスも大きく向上する。ちなみに、狩りで得られる変身刻印書を通じて変身スキルを習得するには「別の魂、別の姿」というクエストを完了することで得られる「トランスフォーム:オニキスビースト」を習得する必要がある。 これらの変身は変身体となるボスモンスターを倒し、レアドロップで得られる変身刻印書を入手しなくてはならない上、ザケンでもレベル60以上、「ラヌク」や「キエチ」などはレベル76以上のキャラクタでなくては変身できない。こちらもコアプレーヤーの新たな目標、という位置づけのコンテンツと考えていいだろう。 これらのスキルの追加・バランス調整と共に、「メインクラス専用スキル」が追加された。「リネージュII」には“サブクラス”という概念がある。サブクラスは、レベル75になったキャラクタが違う職業をレベル40の2次職から始められるシステムで、他のゲームのようなメインとサブの特性を同時に併せ持つイメージではなく、サブクラス選択時はメインクラスの時とは全く違う職業のキャラクタになる。サブクラスをレベル75まで育てれば、他のサブクラスが選択でき、最大3つのサブクラスを育てることが可能だ。 メインクラス専用スキルは、サブクラスを上げることでメインクラスに恩恵を与えるシステム。サブクラスを80まで上げると、最大4つ、攻撃や防御力を上げたり、変身スキルを入手することができる。他のサブクラスを上げるとさらに4つ、3つのサブクラス全てを80まで上げることで12のメインクラス専用スキルが入手できることとなる。
自分のキャラクタをさらに強化できるコアプレーヤーにはたまらない要素だが、実はコアプレーヤーの中にはサブクラスを体験して「こっちをメインクラスにしたい」と思っているプレーヤーもいる。今回、メインクラスがより重要になることで、コアプレーヤーは改めて自分のプレイスタイルを問われることとなる。
■ 新アイテム、ペットでさらなる強さを獲得可能に。中級者向けのバランス調整にも注目
アガシオンやシャツアイテムの追加も見逃せないところだが、アイテムに関しては“Cグレード”の武器や防具が一部販売されているところが重要になってくるだろう。Cグレードはレベル40以上のキャラクタが装備可能で、中級者が求める代表的なアイテムとなる。これまでセットアイテムや有能な武器オプションが付与される人気のCグレードはドロップか個人工房によるアイテム製作、ユーザー間の取引でしか手に入らなかったが、店で販売することで中級者も購入しやすくなった。これらのアイテムはギラン、ルウン、アデン城の村で販売される。 ペットを育てているプレーヤーに関しては、レベル86まで育成が可能になり、レベル70以上の「ブラックメーンウルフ」は騎乗することができる「ライディングウルフ」に進化させることが可能になった。バッファロー、クッカブロ、クーガーもレベル55以上まで育てることで進化が可能に。また、アデンとルウンのアジト所有者は「ホワイトメーンウルフ」、「ライディングホワイトウルフ」、「レッドストライダー」という専用のペットを交換により入手できるようになった。これらの特別なペットは既存のペットにはない特殊能力を持っている。 ところで、今回の血盟や戦争のシステムに関しては、「同盟を組んでいる血盟にも範囲魔法が当たってしまう」ところが大きな不満である。これにより、同盟はチャット機能以外メリットがほとんどなくなってしまう。この仕様の変化は、同盟の意味を薄くして血盟にユーザーを集中させるようにも感じられてしまう。 戦争での同盟の役割を変化させるならば、コミュニティの要素を強化するのはどうだろうか。現在ゲーム内に血盟掲示板はあるが、同盟掲示板はない。同盟ユーザーの接続状況を知らせたり、同盟の血盟主、近衛隊長、騎士団長のみMapに位置表示させたりと、戦争に特化しない形での“繋がり”を持たせることで新しい交流が生まれるかもしれない。 「リネージュII」はこれまで初心者~中級者までのプレーヤーに戦いに有利になるアイテムを与えたり、時限性ではあるものの強力な装備武器「幻影兵器」を用意したりと積極的にフォローを行なっている。今回、Cグレード販売により、より一層レベルアップしやすいバランスになり、多くのプレーヤーが強い力を持てるようになった。 「リネージュII」はアジトや城の攻防戦や、オリンピアードなどゲーム性においても充実しているが、わがままを言えばレベルの違うプレーヤー達が交流できる要素も欲しい。今回のコロシアムや観戦システムは、エヌ・シー・ジャパンがオフラインイベント等で行なった「リーダーを守る」、「足場が狭くなるフィールドでのバトルロイヤル」など、ユニークな対戦ルールをオンラインに持ち込む良いヒントになるのではないだろうか。 ただ対戦するだけではキャラクタの地力が出過ぎてしまうため、その闘技場では各キャラクタの強さが調節されたり、数種類のモンスターに変身できる、というのも面白いかもしれない。ウルフやストライダーに乗ってのレースなども観戦と参加、両方で面白そうだ。既に日本の運営から韓国に要望は出していると思うが、オフラインで体験できたあの楽しさをもっと多くの人に体験してもらいたい。 GMのイベントはユーザー人口と手間で大変だとは思うが、もう少し展開に波を持たせたドキドキ感が欲しいし、中級者の村をモンスターが襲い、上級者が彼等を守るために戦う、というのも面白そうだ。わがままを言わせてもらえばできれば「出会い」を誘うような要素も盛り込んでもらいたい。例を挙げればきりがないが、1ユーザーとして考え、提案していきたい。こういったアイデアのコンテストも面白いのではないだろうか。 「リネージュII」は他のMMORPGと比べてもコンテンツの厚い作品へと成長した。提示される目標に向かって努力し続けるユーザーとその上昇した力を披露できる戦争、彼等と仲間の繋がりによって筆者にとっても魅力的なMMORPGであり続けている。そしてそれを支えているのが他のMMORPGとはひと味違う開発・運営スタッフの“気合い”であると思う。これからもプレイし、期待していきたいと思う。
今回、エヌ・シー・ジャパンより、新規アカウントでのみ使用できる7 日間無料プレイシリアルナンバーをいただいた。「リネージュ II」をプレイするには、通常は30日間3,000円の利用料を支払う必要があるが、このシリアルナンバーを使えば無料でプレイできる。無料プレイシリアルナンバーの使い方は、公式サイトに掲載されているので、案内に従い活用していただきたい。
7 日間無料プレイシリアルナンバーは以下のとおり。
E-AP10032OMTBQTITM
有効期限:2008年3月30日 午前0時 |
【Sグレード上位武器】 | ||
---|---|---|
緑の光を放つイカルスシリーズ。より高みを目指すプレーヤーの目標である | ||
【Cグレードアイテム販売】 | ||
中級者にはうれしいCグレード武器の販売。価格に関しては意見のわかれるところだろうか |
Lineage II(R) and Lineage II(R) the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003-2008 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Throne in Japan. All Rights Reserved.
※スクリーンショット、ゲーム内容は開発中のもので、実装時に異なる場合があります
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ
http://www.ncjapan.co.jp/
□「リネージュII」のページ
http://lineage2.plaync.jp/setup/
□「リネージュII ファーストスローン Plus」特設サイト
http://lineage2.plaync.jp/event/1stThronePlus.aspx
□関連情報
【2月29日】 NCジャパン、「リネージュII」
3月25日に「ファーストスローン Plus~解放されし力~」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080229/line2.htm
【2007年11月22日】 「リネージュ II」、アップデート「ファーストスローン 新たな種族カマエル」体験レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071122/line.htm
(2008年3月21日)
[Reported by 勝田哲也 / 横山譲]
GAME Watchホームページ |