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EA、DS「シムシティ DS2 ~古代から未来へ続くまち~」
高橋ジョージ&三船美佳が街づくりを通じて環境問題を考える

3月18日 開催

【シムシティ DS2 ~古代から未来へ続くまち~】
3月19日 発売

価格:4,980円

CEROレーティング:A (全年齢対象)

 エレクトロニック・アーツ株式会社 (EA) は、ニンテンドーDS用都市育成シミュレーション「シムシティ DS2 ~古代から未来へ続くまち~」の発売前日となる3月18日に、「『シムシティ DS2』環境を考えた私にできる“まちづくり”発表会」を開催した。

 「シムシティ DS2」は、2007年2月に発売された「シムシティ DS」の続編となる都市育成シミュレーション。前作ではPC版「シムシティ 3000」をベースに開発された、いわゆるオーソドックスな「シムシティ」だったが、今作では時代の流れを取り入れ、古代からスタートし、現代に至るまでの“まちづくり”が楽しめる。

 この発表会は、環境を考えた“まちづくり”をテーマにしたもので、ステージには、同作のプロデューサーである村上貴宏氏、ゲストとして日本環境教育フォーラムの事務局長である大黒栄二氏、そしてミュージシャンの高橋ジョージさんと女優・三船美佳さんのご夫妻が登場して行なわれた。

 ステージでは、まず村上氏が実際のゲーム画面を見せながらゲームを紹介。この模様については、ゲーム内容の詳細と合わせて後述する。


■ 高橋ジョージさんと三船美佳さんが本作を通じて環境問題を考える

左から村上氏、大黒氏、三船さん、高橋さん
 最初のテーマである「環境問題」について村上氏は、「番組や雑誌などでいろいろな方がおっしゃっているんですが、自分が今ペットボトルを分別すると、地球にどう影響しているのだろうということがわからなくて、リアリティが感じられないのがもどかしいと思っています」と率直な意見を述べた。

 続いて大黒氏は、「環境問題には大きく2つのものがあり、1つは今、村上さんがおっしゃられた“地球環境問題”。これは、ここ100年で地球の熱が1度上がっており、このままでいくと次の100年では下手すると5度くらい上がってしまう。5度上がるとどうなるかというと、砂漠が増えたり、洪水がたくさん発生するようになってしまうという問題です。もう1つは“ローカルな環境問題”で、例えば今年オリンピックが開催される北京では、大気汚染が問題になっています。また“水”を浄化するためにものすごいエネルギーがかかっていて、それが将来的にはできなくなるかもしれない」と“環境問題”を2つに分類してみせた。

 そして三船さんは、「テレビ番組などで“環境問題”や“エコ”に関するものが増えていると思います。“エゴ”の汚い濁点を取って“エコ”にしようというのは大事なことで、このゲームを通してすごく思ったことは、ゲームの中では自分は市長だから、自分が良くしたいと思う気持ちが反映されるんですよ。それが実生活になってみると、しがらみだったり、便利なものなどで、なかなか上手い具合に前に進まないというもどかしさを感じています。私も少しでもいいから、家庭からできることとして“油”から始めました。最初はジョージさんの環境を良くするために油を使わなくしていて、良く考えたら、今まで自分がしていたことにビックリしちゃって。今はなるべく油は使わないし、何度も再利用して真っ黒になっちゃったら、ペットボトルに入れて自由が丘の方に送ると、燃料として再利用されるんですよ。なんでマイナスイメージの元気のなくなるニュースばかり流れて、どうしてこういう良くなるニュースは流れないんだろうって思ってたんです。家庭にも優しくすれば地球にも優しいんだなって気付きました」と家庭の主婦の視点からの意見を語った。

 高橋さんも、「しがらみとか、番組でもスポンサーとかあるんで、とにかく消費するようにってのがあるじゃないですか。とにかく儲けるだけ儲けてやれ、という時代はもうやばいんじゃないかと。うちも3歳の娘ができてから、今までが無責任だったなと。自分たちの時代だけで終わるんならこれでもいいかもしれない。でも、ずーっと歴史が続いてきて、うちの親であれ、祖先であれ、やっぱり考えてきたんだなと。今の時代でなんとか修正しておかないと、お金とか財産よりも大変なものを子供たちに残してしまうんだなという部分では、このゲームと向き合って一緒に考えることで、子供ともコミュニケーションとれるねと話してきました」と、環境問題を真剣に考えていることをうかがわせた。

 話がゲームとの関係に戻ったところで村上氏は、「都市づくりを一番シンプルな形でゲームにしているのですが、ゲームだから何度でも失敗できるし、試してみることができるんですよ。そういう感じで前向きに遊んでいただければと思います」というと、発表会の直前までプレイしていて、裏で盛り上がっていたという三船さんは「初めてプレイした街は、大汚染になってきちゃって、停電になっちゃうし、水が届いてないよってシムたちに怒られるし、もうどうしようと思ったんだけど、なかなかリセットするまでできなかったんですよ。これを実際問題として考えてみたら、今私の生きている世の中もそうなのかなって。でもやっぱりリセットもできないから、すごいことが起きてるんだなぁって」と初プレイの感想を語った。

 会場に来る途中にも話しながらでヒートアップしていたという高橋さんは、「例えば工場を作るだけ作って儲けようとか、そういう考えもあるじゃないですか。でも、一番大事なのはバランス感覚だと思うし、そこでゲームがひとつの物差しになって、バランス感覚を養うのにいいのでは」と、本作を高く評価していた。

 大黒氏は、「環境問題を少しでも良くするには、高橋さんたちが言われるように、1人1人の意識が非常に重要です。ほかに何が必要かというと規制と法律で、例えば京都議定書であったり、フロンガスの使用禁止などがあります。もう1つは新しい技術が重要です。例えばソーラーパネルが安く、効率的になってくれば非常に効果が上がるようになります。ですが、1人1人の意識がなく、大量に使って捨てていては、いくら規制と法律や新しい技術があっても意味がない」と個人の意識の重要性について説いていた。

 村上氏は、「大黒氏とはこのイベントの前から何度もお会いして、環境問題について質問攻めにしていて、いろいろな話をしていくうちに、いろいろな意味での気づきがありました」と話し、具体的な活動については「いろいろな形で呼びかけはできると思うんですね。例えば大好きなミュージシャンや女優さんがペットボトルを分別しているとかいえば、影響を受けるし、大黒さんのように具体的な問題を語ったり、私のようにゲームで伝えたり」と個人の意識を高めるためには啓蒙活動が大事であることを語った。

環境問題やエコ活動について、熱心に語る三船美佳さんと高橋ジョージさん
 高橋さんは、「究極の環境破壊は戦争だと思うんですよ。このゲームのいいところは、それをシミュレートせず、逆に作っていくっていうこと。生きるっていうことは楽しくなきゃいけない。言うのは簡単なんだけど、行動するという部分では、僕らは例えば昔の買い物篭に戻そうと。今で言うところのエコバッグにしています。牛乳もビンにしています」というと、続けて三船さんが、「急にエコっていうとライフスタイルをがらっと変えるのが難しくて『まいっか』ってなっちゃうんだけど、自分のライフスタイルに合わせた何かを見つけたり、工夫が大事」と語った。さらに高橋さんは、「家族で一緒にご飯を食べれば、何回も温めなおす必要もないじゃない。電気もいろんな部屋に分かれるからいっぱい使うわけで、1カ所に集まろうっていうのがうちの正月の過ごし方だもんね」と実生活の中でのエコ活動を披露した。

 三船さんは、「ぶっちゃけていいますけど、今エコブームでみんなやってるやってるって言いますし、私もやってますよ。でも、1人だと挫折しちゃいそうなときがあるんですよ。ペットボトル、これ悪いの知ってるんだけどつい買っちゃうんだよなとか、エコバッグ忘れちゃってレジ袋お願いしますとかあっても、家族とか友達同士とかでエコしよっかって話し合って、お互いに注意しあうことで、自分も気をつけられるし、家族の絆も強くなるのかな」と家族や友達など、周囲の人たちと一緒にエコ活動することを勧めた。

 村上氏は、「環境破壊の究極である戦争っていうのは、最初は入れなきゃいけないテーマだと思っていたんですよ。でも、戦争で街が壊れてしまうと、もう環境に目が向かないんですよね。反戦のゲームになってしまうので、環境のゲームにするためには戦争をはずす必要があったんです。なので、日本も戦後復興のタイミングからスタートするような作りになっています」と戦争をあえてはずしたことを明らかにした。

 最後にエコ活動について大黒氏は、「エコ活動ってともすれば“せこい”と言われますが、せこいということを考えず、恥ずかしがらずにやりましょう。例えば、髪を洗っているときにシャワーを止めたりだとか、あとは食べ残しが問題なんです。日本中で食べ残しを金額換算すると年間11兆円といわれているんですよ。日本の農水産業で生産される食料は年間12兆円で、日本で作られているのと同じくらいの価値のものが捨てられちゃっています。できることは、“もったいない”と思うことから」とコメントした。

EA ローカルデベロップメント プロデューサーの村上貴宏氏 専門家として意見を述べた日本環境教育フォーラムの大黒栄二氏
「楽しみながら環境を考えられるゲームだったので実生活でもいろいろ考えさせられました」と語った三船美佳さん 高橋ジョージさんは「環境を考えながら、自分なりの街ができるってすばらしい」とコメント
発表会の最後には、高橋ジョージ&三船美佳ご夫妻がボードとパッケージを持って記念撮影


パッケージ
■ DS「シムシティ DS2」ゲーム内容紹介

 「シムシティ」シリーズは、このイベントからもわかるように、環境が重要なテーマになっていることは周知の通り。プロデューサーの村上氏によると、「今までのシリーズは現代を舞台にしたものが主流で、今の街を今の人間が作っていくと。それが今作では古代から、どうやって今まで街が成長してきたんだろうというのを、改めて見直せるような、本当の意味での“まちづくり”を表現したかった」ことから、シリーズ初となる“時代”の概念を導入したという。

古代あけぼの時代 ニッポンかいこく時代 ニッポンせいちょう時代 ニッポンおんだんか時代

 最初は古代で街づくりを進め、次の時代へと街を持ち越していく形になる。持ち越すとは、前の時代で家が建っていたところはそのまま家が残っていくため、先の時代までを考えた街づくりが重要になるという。

 そして時代の流れは、日本だけではなくヨーロッパやアメリカにも分岐していき、それぞれの異なる“常識”を体感しながら、違う街づくりを目指していく。街の住人である「シム」も、それぞれの時代ごとに姿も変わるようになっている。さらに「シム」は姿だけではなく、進化も遂げていて、いろいろな要望を伝えてきたりするようになる。

時代と共に姿を変えるシムたち。彼らには平均寿命が設定されていて、例えば診療所ができると平均寿命が伸び、人口が増えやすくなるなどの変化が現われる

街の状況に応じて、シムたちがコメントしたり、時には要望を伝えてくるようになる

 環境を考えることに繋がる部分として、「例えば工場のまわりには人は住みたがらないということから始まって、そのうちにマップを埋め尽くす状態になります。そうしたら、次はより高いビルを作ってさらに多くのシムを住まわせたり、また街の環境を良くして、ほかの街から移り住む人を増やすといったプレイに切り替わります。そうしていくうちに、『現実の街の環境はどうなんだろう?』と考えるきっかけになってくれればと思います」と村上氏はアピールした。

 また、時代を引き継いだ街は、「町火消」があった場所が「消防署」、「寺子屋」が「学校」になるなど、同じ役割を果たす建物に変わるなど、現実に即した変化をするため、今自分が住んでいる街の成り立ちを考えるのにも役立つのではないかと語った。

EA and SimCity are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. Nintendo DS is a registered trademark of Nintendo Co.,Ltd.All other trademarks are the property of their respective owners.

□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/
□「シムシティ DS2 ~古代から未来へ続くまち~」のページ
http://simcity.jp/ds2/
□関連情報
【1月24日】EA、“時代”の概念を採用したシリーズ最新作
DS「シムシティ DS2 ~古代から未来へ続くまち~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080124/sim.htm

(2008年3月18日)

[Reported by 滝沢修]



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