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★PS3/Xbox 360ゲームレビュー★

新世代を迎えた“スタイリッシュアクション”
「デビル メイ クライ4」

  • ジャンル:スタイリッシュアクション
  • 発売元:株式会社カプコン
  • 価格:8,390円
  • プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360
  • 発売日:発売中(1月31日発売)
  • プレイ人数:1人
  • CEROレーティング:C(15歳以上対象)



 剣と銃による多彩な攻撃を繰り出して、“スタイリッシュ”に悪魔を葬る「デビル メイ クライ(以下DMC)」シリーズ最新作。プレイステーション3(以下、PS3)、Xbox 360の高解像度時代の最新ハード2機種へとプラットフォームを変え、主人公も「3」までの「ダンテ」から、悪魔の右腕を持つ新キャラクタ「ネロ」になった。

 悪魔の右腕による“掴む”、“投げる”といった「ダンテ」にはない新感覚アクションが楽しめる「ネロ」。そして、ある時点から操作可能になる「ダンテ」は、豊富な武器とスタイルを駆使した元祖「DMC」の正当進化といったアクションが楽しめる。

 最高峰のグラフィックスで構成される世界に大量にわき出る悪魔や巨大なボスたちを、スタイリッシュに打ち倒す。スピーディに、そして連続的に繰り出せる「ネロ」や「ダンテ」のアクション、やりこむほどに身について組み合わせを試したくなる多彩な攻撃。上達したその先には、それらの技をひたすらに繰り出して戦う、爽快感に満ちたプレイが待っている。良質アクションシリーズの最新作「DMC4」の魅力をお伝えしていこう。  


■ 新旧2大主人公「ネロ」と「ダンテ」の衝撃的な出会い

対峙する「ネロ」と「ダンテ」。赤いコートと青のコートが対照的だ
 舞台となるのは、魔剣士「スパーダ」を神として崇める独自の宗教が信仰される城塞都市「フォルトゥナ」。この地にある「魔剣教団」という信仰組織に属する教団騎士「ネロ」は天涯孤独の身で、家族同然に接してくれる「キリエ」という女性を、姉のような母のような存在として慕っていた。

 物語は、ある日の悪魔襲来事件で右腕に傷を負っている状態の「ネロ」が、「魔剣祭」という大祭が開かれる劇場へと急いでいるところから始まる。歌姫に選ばれたキリエの歌に「ネロ」が間に合ったあと、壇上では教皇「サンクトゥス」が教えを説いていた。そのとき突如「ダンテ」が天井から襲撃し、教皇を殺害してしまう。

 「ダンテ」の衝撃的な登場、その凶行から物語が動き出す。教皇殺害という事件のあと、新旧の2大主人公である「ネロ」と「ダンテ」は死闘を繰り広げる。新主人公の「ネロ」を操作して最初に戦う相手が、ほかでもない「ダンテ」であるという衝撃と新鮮さから入っていくあたりは凝った演出だ。「DMC4」というゲームそのものが新世代に突入していること、主人公も新旧交代することなど、いろいろな意味合いが掛けられている最初の対決だろう。

「魔剣教団」の大祭を襲撃し、教皇を殺害した「ダンテ」。プレーヤーが「ネロ」を操作して戦う最初の相手は「ダンテ」となる。本作のムービーは全てリアルタイムレンダリングで、スティック操作で少し視点を変えたり、ボタンでズームさせたりできる


■ 遊びやすく、気持ちよいアクション。繰り返しのプレイに耐える丁寧な作りこみが嬉しい

次々に襲いかかる悪魔をスピーディーなコンボでなぎ払う、爽快感に溢れるアクションゲームだ
そこら中に溢れる悪魔たち。なぜ悪魔が出現するようになったのか
プラウドソウルで新たなコンボや技を獲得。1度の全ステージクリアでは修得しきれないほど、豊富に種類がある
 「DMC4」は、ゲームとしてはオーソドックスな面クリア型の3Dアクションだ。フォルトゥナの地は、その昔魔剣士スパーダが治めていた領地だったということもあってか、いろいろなところに不思議なギミックがある。道を塞ぐギミックをくぐり抜け、立ちはだかる大量の悪魔たちをなぎ倒しつつ、奥地へと進んでいくわけだ。突然現われた「ダンテ」の目的は何か? なぜ悪魔が多量に出現するのか?

 「DMC」というシリーズの最大の特徴は、攻撃アクションのかっこよさや多彩さにある。剣による近距離攻撃と銃による遠距離攻撃を組み合わせて攻撃するのが基本だが、最終的に扱えるようになる特殊な技やコンボはとても豊富だ。最初は基本的なものだけにとどまっているが、ステージクリア時に、クリアタイムなどの評価に応じてもらえるプラウドソウルを消費して、新たなコンボや特殊技を修得できる。

 基本的には難易度が高めの歯ごたえがある作品なのだが、初期の難易度設定では初心者向けの「HUMAN」か、シリーズ経験者向けの「DEVIL HUNTER」から選択できる。また、「DEVIL HUNTER」をクリアすると、さらに高難易度のモードも選べるようになる。

 初心者向けの「HUMAN」は、アクションゲームがあまり得意でない人でもがんばればクリアできるぐらいに難易度が控えられている。敵の攻撃も穏やかだ。また、悪魔を倒したときやステージのオブジェクトを破壊したときに得られるレッドオーブで回復アイテムなどを購入できるので、それをふんだんに活用すれば楽にプレイできる。

 また、難しい操作はできないけどいろいろな技は見たいという人には、ボタン連打で技が自動的に出るオートマチック操作も選べる。硬派でハードなアクションだけど、ただ厳しいのではなく上手い下手関係なく広く受け入れてくれる。そんなところもスタイリッシュ(?)だ。

 一度クリアしてからも、さらに高い難易度に挑みたくなるよう工夫がされている。まず、プラウドソウルの取得数は、難易度のモードなどを変えてもリセットされずに遊んだぶんだけが持ち越される。プレイしたらプレイした分だけ、失われずに「ネロ」や「ダンテ」を強化できる。繰り返し遊ぶ意欲をそがない嬉しい作りだ。

 繰り返し遊びたくなる重要なポイントとして、アクションのテンポの良さが魅力だ。キビキビとスピーディに繰り出せる技は、派手に決まるもの、テクニカルなものなどいろいろと揃っていて、どれも爽快感がある。ひとつひとつのアクションが気持ちいいのはアクションゲームにとって最も大事なことだと思うが、そこが抜群にいい。操作していて気持ちがいいというのは、飽きさせない大事な魅力だ。

 高難易度のモードでプレイすると、出現する悪魔の種類や数が変わり、強さが増して体力も多くなる。そのため難しくなる一方で、簡単な攻撃では倒れずに長く連続的にコンボし続けることができるようにもなる。高難易度に挑む頃には自分の腕前が上がっているので、様々なコンボや技を組み合わせての攻撃が自然とできるようになっていることだろう。

 その段階に到達してくると、無心に攻撃を繰り出し続け、爽快感を味わい続け、殲滅し終わったときにはコンボ表示の「スタイリッシュランク」が高くなっている、そういう感触のプレイになってくる。オンライン機能で各モードやステージのクリアスコアがランキング表示されるので、世界中のプレーヤーとスコアを競ってみるのもいいだろう。

いずれの場面でも、影の描写が特に凝られていると感じた
各所の建造物や自然物のサイズが大きくてスケールに圧倒される。アクションだけでなく、画面全体の見せかたもうまい
こちらはある謎解きの場面。中央に、太陽がどの方向にあるかはっきりとわかる影がでている。この影が謎解きのポイントだ
 高解像度で描かれているステージは、特に光と影の描写が美しく感じた。天候も様々に変化し、悪魔が潜む美しくも不気味な雰囲気がよく感じられる。必要以上にはリアルすぎず、安っぽくもない。バランスのよい画面になっている。あくまで美しさを感じさせる方向性だ。スタイリッシュアクションという本作にとても合っていると思う。

 ステージは画面切り替え式に繋がっていて、場面によって右アナログスティックで視点を回せるところと、視点が固定されているところがある。悪魔と戦う場所では視点を回せるようにし、背景が美しい場面では固定して見せているのだろうと思うが、ここには少し慣れが必要だった。画面が切り替わった途端に方向感覚を失なうような繋がり方をするところもあったためだ。とはいえ一瞬とまどうぐらいのもので基本的にはよくできている。慣れるとほとんど気にならなくなった。

 いたるところに、クリアランクにも関わってくる破壊可能なオブジェクトが豊富に置かれているほか、多量にレッドオーブが手に入る場所が隠されていたりと、やりこみプレイに向いた要素も多い。そうした全てが丁寧に作られているのが嬉しいところだ。

 またステージ中には「シークレットミッション」という本筋とは関係のないミニゲームへの入り口も隠されている。ミッションの課題をクリアできれば、体力の最大量をアップするブルーオーブの欠片などの報酬をもらえるというものだ。クリアの方法が特殊なミッションが多く、どうすればクリアできるか試行錯誤するようなちょっとしたパズル的な要素もある。「ネロ」向きのミッション、「ダンテ」向きのミッションがあるので、初チャレンジでどうしてもクリア方法が掴めないときや、課題の意味をうまく理解できないときは、後回しにしてみるのも手だ。

 パズル的な要素はステージの先に進むために解くギミックにも多いのだが、ある場面で、すごろく的なゲームをする箇所がある。そのままサイコロを叩いて転がし、ゴールを目指すという遊びなのだが、シリアスなシーンにジョーク的なノリが交錯する独特のテイストが魅力とはいえ、すごろくという、お正月のおめでたさを感じさせてしまう遊びは、ちょっと軽すぎるなと感じる人もいるかもしれない。

【強大な力を持つボスとの戦い】
「ベリアル」、「バエル」など、各地で様々なボスが待ち受ける。ボス戦では「ネロ」の最も強烈な攻撃である「バスター」をいかに決めるかがひとつのポイントになる

【シークレットミッション】
ステージ中に隠されている「シークレットミッション」。与えられた課題を制限時間内にクリアすると報酬がもらえるのだが、なかには「攻撃せずにスタイリッシュランクを上げろ」といった達成方法に悩まされるものもある


■ 右腕を駆使した連続攻撃が魅力の「ネロ」、豊富な攻撃方法がコンボを奥深くする「ダンテ」

 「DMC4」では、使用するキャラクタが「ネロ」と「ダンテ」の2人存在する。「ダンテ」はある段階から使用可能になることもあって、あくまで主人公は「ネロ」ではある。「ネロ」と「ダンテ」は、銃と剣を扱うところ、頭髪の色や雰囲気などに共通する部分も多いが、プレイ感覚は大きく異なる。悪魔の右腕を駆使する新感覚の「ネロ」と、多彩な攻撃方法と破壊力が魅力の「ダンテ」、それぞれの魅力をピックアップしよう。

● 「ネロ」 -- 「斬れ」、「撃て」、悪魔の右腕で「掴め」! そして「投げろ」!!

悪魔化した右腕「デビルブリンガー」を駆使するアクションがネロの魅力
 魔剣教団の若き戦士「ネロ」は、厭世的な皮肉屋。周囲との協調性に欠け単独行動を好むタイプで、天涯孤独の身だということのみが語られている。若さに溢れる猛々しい青年で、強大な悪魔を前にしても挑発的かつ攻撃的な態度をみせる。白い頭髪、どことなく「ダンテ」と似通っている雰囲気と性格など興味深いキャラクタだ。

 扱う武器は「レッドクイーン」という技術局が開発した剣と、「ブルーローズ」という自ら改造を施した銃、そして、ある日の悪魔襲来事件で民間人女性をかばい右腕を負傷。それ以来、変貌したと思われる悪魔の右腕「デビルブリンガー」の3種類だ。

 「レッドクイーン」は柄の部分がバイクのアクセル状になっており、これを捻ると推進剤が放出されるのだが、ネロが持つレッドクイーンは、ネロ自らが改造し、さらに威力を増している。L2ボタンを長押しすると柄が捻られて、イクシードゲージがチャージされ、次に繰り出す技がパワーアップする。見た目が派手になり、威力が上がって攻撃範囲も広くなる。また、攻撃中の特定のタイミングでチャージすると、瞬時にゲージが貯まる。技と技を繋げる間にうまくできると、コンボはさらに派手に強力になる。独特の操作なうえにタイミングが難しいのだが、うまく成功するとコンボの気持ちよさはさらに高まる。

遠くにいる敵を掴む「スナッチ」。攻撃して距離が開いてしまった悪魔を引き戻し、さらに攻撃するといったように、とぎれのないアクションを楽しめる
近くにいる敵を右腕で投げる「バスター」。敵によって様々な動きが用意されていて、なかには画面のようにバックドロップを決めることも
 「ネロ」の最大の特徴は、悪魔の右腕を使った「デビルブリンガー」のアクションだ。まず「スナッチ」は、腕を伸ばして遠くの物を掴んで自分のそばに引き寄せる。または、掴んだ物のそばに自分を移動させる。遠くにいる敵やコンボをたたき込んで吹き飛んだ敵を、スナッチで自分の元に引き寄せて連続的に攻撃できる。

 空中からも可能で、空中に跳ね上げた敵にエアリアルコンボを入れ、スナッチをはさんでさらにコンボを繋げるといったプレイが可能だ。また、重量がある敵の場合は、スナッチで掴むと自分が敵の側へと瞬時に移動する。攻撃だけでなくステージ内を移動するのにも使う、「ネロ」の基本テクニックだ。

 もうひとつは「バスター」という投げ技。悪魔の右腕の強大な腕力で力任せに敵を叩きつける技だが、敵の種類によってその動きは様々に変化する。巨大な敵を振り回して周囲の建造物や敵にぶつけながら最後には遠くに投げ飛ばすもの、敵の武器を奪って貫くもの、中にはバックドロップをしたあとさらにドロップキックをくらわせるという変わった動きになる敵もいる。特にボス戦では固有のさらに派手な動きがみられる。

 これらを組み合わせると例えば、スティック前入れ斬りの「ストリーク」で一気に距離を詰めつつなぎ払い、吹き飛んだ敵を「スナッチ」で引き寄せる。そこから、斬り、斬り、斬り、スティック後ろ入れ斬りの「ハイローラー」で敵を空中に跳ね上げ、空中でさらに数回斬ったあと、空中で「バスター」を決めて地面に叩きつける。落下した敵をもう一度、スナッチで空中に引き戻してさらに斬りやバスターへ、といったコンボができる。ある程度の距離なら瞬時に詰めて連続的に攻撃していけるのが「ネロ」のアクションの魅力だ。

 バスターは殴るようなモーションをしているところから、敵の攻撃に対してカウンターパンチを当てるような使い方ができる。武器を投げつけてくるような攻撃や、体当たりをしてくるような攻撃は狙い目だ。いろいろと試してみると、「あ、こんなこともできるんだ」という発見があって楽しい。また、ある段階から「ネロ」は力を得てデビルトリガーを発動できるようになる。右腕「デビルブリンガー」の力を解放させてさらに強力な攻撃が繰り出せる。特にボスに対するデビルトリガー中のバスターは攻撃がさらに激しくなり威力が格段に上がる。掴めるシチュエーションを作るのがまずポイントになるが、狙っていきたいところだ。

一部の悪魔やボスは、簡単には「バスター」を決めさせてくれない。攻撃を加えてひるませたり、防御を解かせるのがポイントだ。特に「デビルトリガー」で右腕の力を解放してからのバスターは、派手な動きとともに大ダメージを与えられる。チャンスを逃さずに決めたい

● 「ダンテ」 -- 多彩な武器とスタイルで遊びごたえ満点、渋みを増したミスターデビル メイ クライ

余裕と自信に満ちた表情、薄いひげなど、大人の魅力に溢れる「ダンテ」。強大な悪魔と出会っても大人の余裕たっぷりのノリをみせる。なかには笑ってしまうような場面もあって、「ネロ」とのギャップが面白い
 魔帝ムンドゥスを再封印した伝説のデビルハンター「ダンテ」。父である魔剣士スパーダをも超えているとすら言われるその実力と魅力は、今作でも十二分に発揮されている。悪魔たちと攻撃的なやりとりをする「ネロ」に対して、「ダンテ」はまるで楽しんでいるかのような会話をするなど、成熟した大人の魅力と余裕に満ちていて、年期と格の違いを感じさせる。

 「ダンテ」のアクションのポイントは、豊富な攻撃方法と4種類に切り替えできる「スタイル」だ。基本となる攻撃はスパーダの形見の剣「リベリオン」や、2丁拳銃の「エボニー&アイボリー」、ショットガンの「コヨーテ・A」など。また、ストーリー中に「魔具」を手に入れると、さらに多くの武器をボタンでリアルタイムに切り替えて使用できるようになる。

 魔具「ギルガメス」では、両手両脚に金属をまとって格闘攻撃を繰り出せる。リーチは短いものの、破壊力抜群のラッシュが魅力だ。スピーディーに攻撃を繰り出すこともできるが、ボタンを長押しすればどのタイミングでも貯め攻撃にできる。ちなみに格闘モーションにはカプコンの代表的な某格闘ゲームの動きが入っていたりと、ちょっとしたファンサービスもある。

 魔具「ルシフェル」は細長い赤い剣を無限に生み出す武器だ。敵に剣を突き刺して攻撃するだけでなく、空中に固定させることも可能。ある程度剣を出したあとに口にくわえたバラを投げると、剣が一斉に爆発する。他の武器にはない間接的な攻撃方法だ。その爆弾のスイッチを入れるような操作感覚が面白いだけでなく、防御をしている敵にも有効で扱いやすいのが魅力。特にプラウドソウルで修得する「ピンナップ」という技は、瞬発的に前方に多数の剣を放出できるうえ隙が少ない。多数の敵を相手にするときに頼もしい武器だ。

 遠距離武器の魔具「パンドラ」は、666もの形態に変化するという魔界の兵器だ。ふだんはアタッシュケースの形をしているが、爆発する弾を発射するボウガンやバズーカにはじまり、ガトリング砲やブーメラン、追尾性のミサイルを発射する移動砲台にまで変形する。なんでもあり感が満載の代物だ。その他の攻撃方法とはひと味もふた味も異なる近代兵器的な派手な爆発、様々な形態にガシャガシャと変形する様子は、「こんなのあり?」と感じてしまう反則的なおもしろさに満ちている。

豊富な武器が「ダンテ」の魅力。画面は左から、強烈な格闘攻撃を繰り出す「ギルガメス」、爆発する剣を無数に生む「ルシフェル」、様々な形態に変化する魔界の兵器「パンドラ」だ

「ダンテ」は使用可能になった時点からデビルトリガーで魔人化できる
 方向キーで瞬時に切り替えができる「スタイル」も重要だ。近距離武器の性能を引き出す「ソードマスター」、銃器の扱いに長ける「ガンスリンガー」、高速移動と回避が魅力の「トリックスター」、敵の攻撃を防御してロイヤルゲージを貯める「ロイヤルガード」があって、武器とスタイルを組み合わせることで攻守に動き方のバリエーションが増える。好みの武器やスタイルを使い続けるのもいいし、コンボ中に武器やスタイルを切り替えて繋げてみるなんていうテクニカルな遊び方も奥深くて面白い。

 さらに「ダンテ」は魔人化する「デビルトリガー」を最初から使える。発動すると全身が魔人の姿に変わり、攻撃力、防御力が上昇。各種の技もより強力になる。また、魔人化している間は体力が少しずつ回復するので、ピンチのときに惜しまず積極的に使いたい。もちろんコンボに魔人化を組み込んだり、ボスに大ダメージを与えるのに使うのも重要だ。

豊富な武器に加え、4種類のアクションスタイルを瞬時に切り替えられる。スタイルによってそれぞれ攻守のアクションが増えるほか、武器との組み合わせでも技が変わる。武器もスタイルも瞬時に切り替えが可能なので、コンボのバリエーションや繋ぎかたは非常に奥深くなっている


■ PS3版とXbox 360版、どちらでプレイする? それぞれの違いなど

こちらはXbox 360版のデータ読み込み中の画面。PS3版と比較すると読み込み時間が少しだけ長いときがあるためか、イラストなどが表示されるようになっている
ゲームをやりこむことで解除される「実績」。これはPS3版、Xbox 360版のどちらにもある。ただし、ユーザーアカウントにポイントとして加算されるのは、そうした仕組みがあるXbox 360だけだ
 本作はプレイステーション 3版とXbox 360版が同時発売されている。基本的なゲーム内容に違いはないが、ハード面からくる違いはある。まず、PS3版のプレイはコントローラがポイントだ。PS3用コントローラといえば純正では「SIXAXIS」か「DUALSHOCK3」になるが、振動はDUALSHOCK3のみの機能。ゲーム中はアクションやシーンに応じて頻繁に振動するほか、隠れたアイテムが近くにあるときには「ネロ」の右腕が光り、音やコントローラの振動で伝えられる。「SIXAXIS」でも不足なくプレイできるが、プレイの一体感を増す意味でも「DUALSHOCK3」を使いたい。

 また、PS3版ではモーションセンサー機能を使って、コントローラを傾かせたり振ったりすることで視点操作が可能だ。無理に使わずともいい機能ではあるが、ボタン操作で右手がふさがり、右スティックでの視点操作ができないときに、モーションセンサーを使えば同時にできるという利点がある。

 一方Xbox 360ならではのポイントは、Xbox Liveとの連携による「実績」機能だろう。あらかじめ設定されたゲームの条件、例えば各難易度でのオールステージクリアなどを達成すると、Xbox Liveのアカウントに実績としてポイントが加算される。いろいろなゲームをやりこんでいる証明のようなもので、特別な“何か”が起きるわけではないが、ゲーマーとしての一種のステータスになる。

 この実績のシステムはPS3版にも同様に設定されているのだが、PS3にはユーザーアカウントにスコアが直結するような作りはないため、ゲーム内スコアにのみ影響されるものになっている。

 PS3版はPS3の全モデルがHDD搭載ということもあり、ゲームデータをインストールしてデータの読み込み時間を短縮できる。Xbox 360はHDDなしのモデルも用意されていることからか、このインストール機能はない。

 両方をプレイしくらべてみると、Xbox 360版のほうがムービーの前などの読み込み時間が少し長いところがあった。だが、ストレスを感じるほどではない。読み込みのタイミングやデータ量などをもとから上手く工夫しているのだろうと思う。なおXbox 360版では、一部の読み込み時間中にイラストが表示される配慮がされていた。

 グラフィックスの質などはハード面からの違いから、発色の違いなどをうっすらと感じるものの、これも2画面並べて比較しなければわからない、もしくは並べたとしてもわからない程度のものだ。唯一気になったのはムービー再生のときで、一部PS3版のほうが滑らかに再生されているな、と感じた瞬間があった。とはいえここも大きな差とは思わない程度だ。

 相違点を挙げていったが、決定的な優劣があるようなものではなくて、いずれもほとんど差を感じさせない程度のもの。言うまでもなくゲーム自体の魅力は遜色なく楽しめる。両ハードを所有している場合に限っては、どちらを購入するか選択をすることになってくるが、PS3版は別売りの「DUALSHOCK3」を所有しているかどうかが大きなポイントになる。そこも問題でなければ、あとはコントローラの好みなどで選んでいって構わないと感じた。


■ アクションの“気持ちよさ”を存分に味わえる。やりこみたくなる良作

一度手に入れた能力はストーリーの流れに関係なく使えるようになる。画面のように最初の「ダンテ」との戦闘でデビルトリガーを使うことも可能だ
 高解像度時代のハードに登場したスタイリッシュアクション最新作は、アクションゲームの気持ちよさを存分に感じられる良作。多彩なステージや敵、スピーディで動きのぎこちなさなどは一切感じさせないアクションの数々、いずれも丁寧に作り込まれていると感じた。ゲーム全体のボリュームもよく、ある段階から「ダンテ」が使用可能になるところもプレイする意欲を新たにしてくれる。

 アクション自体の気持ちよさやコンボの組み合わせを追求する楽しみ、豊富な難易度やクリア後の要素など、やりこみプレイにも充分に耐えるのは本稿で書いてきたとおり。シリーズを楽しんできた人や、アクションゲームが好きな人はもちろん、シリーズ未体験の人にもこの魅力を味わってもらいたいところだ。

 本稿では画像と文章で魅力を紹介してきたが、公式サイトの「モノグラフ」では、動画で各種要素やアクションを見られる。本作の魅力がとてもよくわかるので、そちらもぜひご覧頂きたい。また、PS3、Xbox 360どちらにも体験版が配信されているので、そちらをまずプレイするのもオススメだ。


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□ カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□ 「デビル メイ クライ 4」のページ
http://www.capcom.co.jp/devil4/
□関連情報
【2月20日】カプコン、PS3/Xbox 360「デビル メイ クライ 4」
全世界での累計出荷本数が200万本を突破
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(2008年2月29日)

[Reported by 山村智美]



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