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料金:1ダウンロード525円
ゲームでは、目的どおりに恋人を探し出すことために旅をするだけでなく、戦争で荒れ果てた世界で生きるヒロインたちの話を聞き、彼女らの願いをかなえるために時間を費やすこともできる。行動をプレーヤー自身が決定する、フリーシナリオシステムとなっている。 5日という時間の枠は、マップの移動時に消費される。例えばある地点に移動する際、徒歩なら10時間、馬車ならお金は必要だが4時間、魔法やらMPを消費するが時間消費なし、といった具合。また勇者はゲームスタート時には、ステータスや所持金が最大で、時間が経つごとに力を失い弱くなっていくという、普通のRPGとは逆のアプローチが取られている。 街やダンジョンでは、横スクロールでキャラクタを操作。ダンジョンでモンスターと接触するとコマンド式の戦闘となる。途中で出会ったキャラクタを仲間にし、最大4人パーティでの戦闘も可能。 開発スタッフは豪華な顔ぶれが揃っている。「俺の屍を越えてゆけ」などで知られる桝田省治氏がゲームデザインおよびシナリオを担当。音楽は「ロマンシング・サガ」シリーズなどを手がけた伊藤賢治氏。キャラクタデザインに「ファントム・キングダム」などでイラストを担当した山下しゅんや氏を起用している。
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シナリオ担当の桝田氏は、本作を作るきっかけについて、「うちの親父が死にました。10年位前にガンの手術をして、3年ぐらいで死ぬと医者に言われていたのに7年生きました。それを横で見ていて思いついた企画です」と語った。 携帯電話というプラットフォームで開発をしたことについては、「ハードには特にこだわりません。こういうスペックですといわれればその中で作るだけ。別のハードで作るならそれに合わせて作ると思います。ただいろんな機種が出ていて、ボタンの硬さが微妙に違ったりして、どれが心地いい操作なのか考えるのが難しかった」という。 桝田氏自身が感じている携帯電話のメリットとしては、「手ごろなサイズでできるのがいいところ。徹夜してゲームをやるような生活習慣ではないし、8時間もぶっ通しでゲームをやる根性もありません。1、2時間の細切れな時間を使って、でもRPGをやりたいというところでは、結構合っていると思います」と説明した。 音楽を担当した伊藤氏は、「DS用の曲をコンバートして、携帯電話向けに着メロを流したことはありましたが、今回初めて携帯向けにそのまま音楽作ったというのがチャレンジでした」と語った。特に苦労した部分としては、「携帯電話はモデルがいっぱいあるので、出る音を絞れないんです。ですので、どんな端末でも感動させられるように、楽曲自体のクオリティをあげよう、音楽自体で聞かせようと考えてやってみました」という。 ちなみにジー・モードと、伊藤氏が以前勤めていたスクウェア・エニックスは同じビルに入っていて、「ご縁があるのかなと思いました。お話を伺いにそのビルに行く時には、なるべくスクエニのスタッフに見つからないように……」と笑い話も披露。その後ゲームの企画を聞いて、「今まで私が携わった王道タイトルとは全く逆の視点の企画で、斬新なんだなと思いました。携われれば自分にとってもプラスになるでしょうし、盛り上げていきたいという思いもあって参加させていただきました」という。伊藤氏はトークの合間に、ピアノとヴァイオリンの合奏で、エンディングテーマ「故人を偲ぶ」の生演奏も披露した。 開発は株式会社ピラミッドが担当。本作のプロデューサーを務めるピラミッドの飯淳氏は、「面白い企画だけれど、実現するにはどうすればいいのかと考え、河上さん(ジー・モードのプロデューサー河上京子氏)に相談しました。ピラミッドで初めてコピーライトもっているタイトルなので、全社をあげて作りました」と気合の入ったところを見せた。 同じくピラミッドでプロダクトマネージメントを担当した柏木准一氏は、「スーパーファミコンやPCゲームの黎明期をやってきたスタッフが多く、そのスタッフがいろいろやってみたいと思っていたことができるハードになっていて、作っていて面白かった。チャレンジな企画も許されて、コントロールできるバランスで作れることが面白いハードだと感じました。今後も機会があれば携帯でやりたいですね」と語っており、携帯電話に対してもいい印象を持っているようだ。
ジー・モード側のプロデューサーの河上京子氏は、「人の死をテーマにしたゲームを今年作ろうと思っていたので、チャレンジしてみようと思いました」と語った。河上氏はゲームの説明も行ない、その中で本作のコンセプトとして、「勇者が魔王を倒しても、世の中はめちゃくちゃになっているはず。戦後といえる世界を描いたものがなかったので、やってみたかった」と説明。また主人公が徐々に衰弱していくという点については、「そこはドーピングしてカバーしていく。ネガティブにではなく、戦略的要素として考えて欲しい」と語った。
ちなみに内容のほうは、「私、下手みたいです。戦うとどんどん弱くなるので逃げて逃げて、いろんな人と話していたら、いつの間にか終わってしまいました。葬儀で泣いた人数は60人ぐらいでした」と弱気なコメント。その結果を聞いた桝田氏は、「困ってお姫様に頼み込みましたね? ダメということはないですけれど……」とスコアを伸ばすポイントを説明。それを聞いた長澤さんは、「リベンジしていい結果を残せるように頑張ります」と再びやる気を見せていた。 今度は逆に桝田氏のほうから、「死ぬことを深く考えたことがない若い人が、これをプレイするとどう思いますか?」と長澤さんに質問が投げられた。長澤さんは、「本当に考えないので、プレイしていても死ぬことを忘れちゃうんですよ。でもどんどん弱っていって、どんなに強い薬を使っても効かなくなってきて、そこで『あ、そうだ、死んじゃうんだ』と思い出しました」と答えていた。またゲームの感想として、「タイムリミットが決まっている分、気軽にできるので楽しかったです」とも語ってくれた。夢中になって遊んでしまうものの、短時間でも気軽に遊べるというよさがあるようだ。 発表会にはさらに、ジー・モード代表取締役社長の宮路武氏も来場。「作家性、クリエイターの顔が見えるものが最近少ない。携帯電話だからこそ、実験的で、クリエイターの個性が出たタイトルを作れると思っている。クリエイターの個性が爆発した作品なので、ゲーム業界も注目すると思う」と本作に向けた期待と自信を述べた。
なお今回の発表はiモード版となっているが、EZweb、Yahoo! モバイルにおいても、2008年のサービスに向けて準備を進めているという。またゲームのほかにも、キービジュアルを12月25日から無料で配信。さらに伊藤氏が手がけた本作の楽曲を着メロとして、2008年1月から無料で配信することも明らかにした。
(C)G-mode (C)Shoji Masuda / Pyramid Inc.
□ジー・モードのホームページ (2007年12月20日) [Reported by 石田賀津男]
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