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UTDは、10月31日に停止したゲームポータル「ムポー」に続き、これですべてのオンラインコンテンツのサービスを終了することになる。2月以降の動向については未確定ながら、親会社のインデックスグループ傘下のゲームパブリッシャーいずれかに吸収統合される見込み。
運営終了の理由については、「M2~神甲演義~」そのものというより、UTDの親会社であるインデックスホールディングスの07年8月期決算が150億超の大幅な赤字決算となったことによる、グループ事業再編の一環というニュアンスが強い。 UTDによれば、「M2~神甲演義~」のサービスは「決して赤字運営ではない」としているが、ゲームポータル「ムポー」の失敗、「超学校」、「天晴! からくりボウリング」といったガイアックスから引き継いできた自社タイトルの開発遅延等のマイナス要因が重なり、事業全体としては赤字であることが予想される。 UTDでは、9月27日に「ムポー」の終了が発表された際はもちろんこと、11月1日のユーザー向けの案内でも「M2~神甲演義~」の運営継続を強調していた。親会社の意向が強く働いたことが予想されるが、仮想通貨「お買い物券」の返金には応じるものの、他社やグループ会社への運営移管については、「その計画はない」としている。運営4年の実績を持つタイトルとしては、非常にあっけなく、ユーザーに取ってはもっとも厳しい終わり方といえる。 UTDの「M2~神甲演義~」のサービス終了後の動向については「未定」としているが、基本路線として会社組織としては無くなる見込み。インデックスホールディングスのゲーム関連子会社としては、アトラスを筆頭に、シーアンドシーメディアやデックスエンターテインメントなどが存在するが、UTDはいずれかに吸収統合されることとなる。 ただし、「M2~神甲演義~」以外のタイトルについても、「ムポー」、「とぃんくる」はすでにサービスを終了しており、「超学校」、「天晴! からくりボウリング」という2本の新規タイトルについても、開発凍結状態であり、実質的に人的リソースの統合のみとなる可能性が高い。9月1日に、デジパークに運営移管された「ストーンエイジ」、「ストーンエイジ2」がまだ運営を継続しているところが唯一の救いと言える。
UTDで代表取締役社長を務めた越知雄一氏は、元日本放送というキャリアを活かして、オンラインゲーム市場初期にエヌ・シー・ジャパンで、「リネージュ」のネットカフェ展開やオフラインイベントの普及に尽力し、「リネージュ II」ではチームマネージャとして運営の陣頭指揮をとったことで知られる。アジア市場やゲームポータル事業にも独自の見識を持ち、UTDでは独立系パブリッシャーとして発展が期待されたが、今回その施策のほとんどが無に帰する結果となり、非常に残念である。ぜひ捲土重来を期待したいところだ。 (2007年12月3日) [Reported by 中村聖司]
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