|
会場:ライブハウス ザ・ドアーズ
このイベントは12月9日でサービス開始より2周年を記念したもので、「ECO」のブログや情報ページ管理者から抽選で選ばれた72名のユーザーが招かれた。ファンイベントという側面以上に、「2008年のECO」を提示するイベントとなっていた。来年の「ECO」は“世界観”、“ストーリー性”がより強くなる、これまでと違った展開を見せそうである。
■ ファンにはおなじみの声優とスタッフが登場したイベント。ネコマタ一番人気など、「ECO」プレーヤーの傾向も明らかに
「生でECO放送局」に登場したのはパーソナリティーを務める声優の松来未祐さんと、原田ひとみさん、そして「ECO」制作担当の淺間達雄氏、水落貴嗣氏、宣伝担当の平原智子氏と、塩島百合氏、マスコットキャラクタのタイニーである。「ECO放送局」は2005年の9月から続いている。「ネコマタが大好きな淺間氏」、「ぶっちゃけトークの原田さん」などなど、長く番組を続けているスタッフならではの進行に、会場は大きく盛り上がった。 スケッチブックに今年の感想や来年の目標を書きアピールする“スケブトーク”では原田さんと松来さんは短い時間で独特のイラストを披露、対してスピード第一の平原氏は「一(今年1年でレベルが上がったから。来年の目標は“二”)」という非常にシンプルな答えを出すなど、対比が面白かった。 淺間氏が書いたのは「人」。人と関わったのが今年一番印象に残ったとまじめな答え。原田さんは来年の「ECO」での目標として「ムキムキになってモテモテになりたい」と、日焼けした屈強な男性とその両手にぶら下がる2人の女の子のイラストを披露。松来さんは原田さんと2人のキャラクタイラストを描き、「来年は自分の飛空庭を持ちたい」と語った。 “ECO白書2007”というコーナーではユーザーのキャラクタデータから調査した様々なデータを紹介した。「上位3位をしめる職業は?」といった一般的なものだけではなく、「髪型で一番人気があるのは?」、「オーバーニー(ソックス)で一番人気は?」など、「ECO」らしい細かいこだわりを活かしたデータが明らかになった。会場のユーザー達は自分のキャラクタやプレイスタイルと照らし合わせて考えたり、話をしていた。 第一部の最後では“シナモンしおじー”こと塩島氏と、“ローパーまっつん”こと松田正紀氏の2人が都内の「六地蔵」を巡り、「ECO」ユーザーの幸せを願う“ECO六地蔵巡りの旅”と題されたムービーが流された。11時間、移動距離34Kmを徒歩で巡る旅を塩島氏は元気にこなし、松田氏は彼女の姿をカメラで追っていく。後半はかなりきつそうで、2人のがんばりにちょっと感動させられるムービーとなっていた。彼女たちの旅の成果は、ゲーム内アイテム「ECO六地蔵御守」となり、会場のユーザーに配られた。 がんばりといえば、タイニーの活躍も特筆したいところだ。出演者がコメントしている間、細かく、そして様々なリアクションをするタイニーはかわいらしく、会場のユーザーだけでなく、出演者も楽しませていて、出演者達は時々タイニーに目を向け、笑顔を見せていた。 第2部では「ECO特別発表会」として、今後の施策と方針が語られた。こちらの内容は別項で紹介したい。ゲーム内の限定アイテムなどをジャンケンに勝ったユーザーがゲットできる「ジャンケンタイニー」の後は、ガンホー代表取締役社長の森下一喜氏が会場に向かってこれまでの「ECO」の想いを語った。 「初台はガンホー創業の地なんです。ここに再び来た、というのは感慨深いものがあります。『ECO』ですが2年がたち、最初の立ち上げの企画に携わったのですが、ようやくタイタニア、ドミニオンのパラレルワールドの実装まで行くようです。プレイしていただき、待っていただいていたみなさんには本当に感謝しています」。 森下氏に続いてステージに上がったのはProduction I.G代表取締役社長の石川光久氏と、トランスコスモス専務取締役の森山雅勝氏。新ブログサービス「デコブログ」で3社のコラボレーションを発表した。デコブログは「デコレーションブログ」の意味で、劇団イヌカレーがデザインした「ちいさなあくま」と会話を楽しみつつ、ブログを執筆できる。ブログの内容が充実してくることによりあくまは様々な反応を見せるという。 このブログサービスで「タイニー」や「ネコマタ」などの「ECO」のキャラクタがブログパーツとなって登場する。石川氏は特にタイニーがお気に入りのようで、TVアニメーションの「攻殻機動隊」で次のシリーズが作られるときは、タイニーを登場させてもらえるように頼んでみたい、と思い入れを語った。 森下氏は今後の「ECO」に関して、「オンラインゲームに関しては、コンシューマと違ってストーリーを乗せていく、ストーリーで感動させるというのは手法として難しい部分もあります。しかし、国産であり、オリジナルタイトルということで、ユーザーの期待に応えられる方法でストーリーも伝えて行ければと思っています」と語った。
「ECO祭 2007」は特に「ECO放送局」と、ガンホーのイベント運営のノウハウが活かされた、参加して楽しい、ユーザーにとっても新情報の多いイベントとなっていた。一方で、抽選で選ばれたユーザーは面識のない人も多かったようで、もうすこし「ユーザー同士の交流」も後押しして欲しかったようにも感じた。今後の「ECO」の展開と共に、ガンホーのオフラインイベントのこれからにも大きく期待したいところだ。
■ 2008年のECOは、3つの世界に加え、新たな種族の存在も。盛り込まれるゲーム要素にも注目
タイタニアは、「ECO」の天使族が住む世界。「ECO」は天使族、悪魔族、人間族の3つの世界が存在しており、パラレルワールドとして存在している。3つの世界はある事件で混じり合った部分が存在しているのだ。「ECO」では世界観としてこの情報は提示されていたが、これに言及されることはほとんどなかった。2008年はここに目を向けていく。 天使族が住む「タイタニア」は、「SAGA7」ではほんの入口のみが提示されるに留まったが、今後タイタニア世界での「アクロニア大陸(エミル世界でも世界の呼び名は同じ)」が明らかになっていく。安らかな美しい世界であるタイタニアだが、ここにも争いの種があるという。コンテンツとしては、温泉地のようなフィールド、麻雀や釣りといったミニゲームが入るということだが、知的でクールで、広い視野を持つ天使族の世界を探索し、その世界の問題を発見していくようなストーリーが展開するようだ。 さらに悪魔族の世界「ドミニオン」にもプレーヤーは行けるようになるという。悪魔族達が作るのは「戦いと闘争の世界」。今まで以上に凶悪なモンスター、さらにPvP要素が“標準”で盛り込まれるなど(現在は競技のような限定的なものが入っている)ゲーム性でも「過酷な世界」を演出していく。闘争の果てには、プレーヤーが目標とするような「栄冠」も用意される。また、争いが中心のドミニオンにも、「安らぎ」を求める要素があるという。 「ECO」は“ハートフル”をキーワードにしている。ゲームの展開はモンスターとの戦いが中心ながらも、生産要素やコミュニティ要素、たくさんのアバターアイテムによるおしゃれなど、ユーザーはゲームの中でほのぼのとした雰囲気を作り出している。天使族の安らぎの中の争い、悪魔族の闘争の中の安らぎ、次元を越えたハードなストーリーが展開しそうな予感の中で、心を温かくする要素をどう提示していくか、「RPG」としての側面が今後強くなっていくようで、期待したいところだ。プレーヤーの反応も楽しみである。 パラレルワールドを使い、「次元転生(仮名)」という要素まで盛り込まれる。キャラクタが新しい力、新しい姿を得られるとのこと。さらに「第4の種族」も2008年の「ECO」では登場するという。3つの次元を重ならさせた、歴史で語られていない第4の種族、彼等の思惑は何なのか、冒険者達は彼等の存在をどう知っていくか、想像力の掻き立てられる要素である。 今回のイベントではこの他にも「ECO」らしい、新要素が多数発表された。「SAGA7」では現在発表されている要素に加え、水中でダメージを受けない「マリオネット・マーメード」、メールアドレスだけで登録でき、7日間お試しで楽しめる「ゲストID」、そして「H.E.ARTシステム」、双子のネコマタ「胡桃と若菜」、2周年を記念したアニバーサリーイベント、さらに季節イベントやお化け屋敷など様々な要素が追加される。 特にH.E.ARTシステムはまだ詳細は明らかになっていないものの、「誰かと出会うことが新たな力になる」をキーワードに様々な効果を発動させるシステムとのことで、プレーヤーの今後の行動が大きく変わってきそうなシステムである。ゲーム内で様々なコミュニケーションをとることでポイントがたまり、このポイントを使うことで様々な「H.E.ARTスキル」を使うことができる。スキルには役立つものから「ネタスキル」の様なユニークなものも盛り込まれる。続報に期待したい。 今後の要素に関して、タイタニアだけでなく、ドミニオンの世界、そして第4の種族まで言及されたことには驚かされた。「ECO」の世界は様々なバックストーリーを感じさせ、開発スタッフも隠された要素を共通認識として持っていながらも、これまでは設定をユーザーに提示できていないという傾向があり、個人的には歯がゆい部分もあった。アップデートレポートでもそういった論調で書いたのだが、今回、淺間氏から「今後はストーリー要素にも期待してください」とメッセージをもらった。
2年を経て、「ECO」は独特のプレーヤー社会を作り出した。価値観の異なる3つの種族、対立する騎士団、滅びてしまった文明、さらに4つの目の種族……濃密な設定に、「ハートフル」というキーワードと、ほのぼのとした雰囲気を好む「ECO」ユーザーがどのようなストーリーを体験し、受け止め、そして世界を作っていくか、注目したいところだ。
(C)2007 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2007年12月3日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|