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今回のアップデートでは、いよいよ「タイタニア」の世界への扉が開かれる。「SAGA7」では、タイタニアの世界に行くためには「天まで続く塔」、そしてその先にある人魚が住む島「ウォーターレイアー島」が実装される。「ウォーターレイアー島」に行くためには厳しい試練をクリアしなくてはいけないため、今回は全体的に高レベルキャラクタ向けの要素ではあるが、今までの「ECO」の世界観を大きくふくらませる魅力的なコンテンツとなっている。本稿では今回追加される新要素をスクリーンショットとともに紹介していきたい。
■ 厳しい条件を満たすことで入ることができる「天まで続く塔」。強大な守護者が立ちはだかる
正式サービスを開始してから2年たつ「ECO」ではあるが、前々回の「SAGA5」まではあまりストーリーや世界観が語られることがなかった。「SAGA6」において先史文明の遺跡である「マイマイ遺跡」が発見され、そして各国の騎士団がこれを巡って動き出すというストーリーの一端を見ることができた。 今回はここからタイタニアへの扉が開かれる。マイマイ遺跡の深奥部にたどり着くことができたプレーヤーは「鍵」を手に入れることができる。この鍵を持って今回追加された「天まで続く塔」を上ることで異世界への新しい道が開けるのだ。 塔に行くためにはモーグシティにいる「密航路の親父」の飛空庭を利用する必要がある。この塔に行くには「天の塔通行許可証」が必要なのだが、この許可証を得るためにモーグシティの町中を歩くことになる。PCの位置を覚えていたり、キャラクタの特徴を捉えていないプレーヤーは苦労することになるだろう。許可証入手イベント自体はクイズ形式になっていて、日ごとに問題が変わるという。 苦労して許可証を入手するとようやく天まで続く塔へ行けるようになる。飛空庭を降りたプレーヤーの前に現われるのは木の根とも蔓植物ともつかない巨大な植物をまとったような塔だ。マップを見るとこの塔そのものが木のようにも見える。近くには先についた冒険者もいるのだが、塔の扉がどんなことをしても開かないそうだ。 ところが、プレーヤーがマイマイ遺跡の奥で入手した鍵を使うとこの扉が開く。中は未来の文明のようなメカニックなデザインの金属性の円形のフロアになっていて。マイマイ遺跡とも関係を感じさせる。マイマイ遺跡は黒く古さも感じさせたが、こちらは新しく時の流れを感じさせない。 フロアには白くて小さいドラゴン「インフェリアドラゴン」が何匹もいる。そしてフロア中央にはインフェリアドラゴンを何倍にもしたような巨大なドラゴン「タイタニアドラゴン」がいる。インフェリアドラゴンも強いが、タイタニアドラゴンは更に強力な攻撃をプレーヤーに浴びせかける。タイタニアドラゴンはフロアの中央、空洞になっているところで浮かんでいて、通常ではプレーヤーの攻撃は届かない。 どうにかしてタイタニアドラゴンをフロア中央からおびき出す必要があるのだが、ちょっとした仕掛けを利用しなくてはならない。おびき出されたタイタニアドラゴンはプレーヤー達に向かって猛然と襲いかかってくる。タイタニアドラゴンはしばらくするとフロア中央に戻ってしまうので、幾度となくおびき出す必要がある。タイタニアドラゴンはこの塔の「守護者」であり、倒さなくては塔の先へと行くことはできない。
タイタニアドラゴンは85~90レベルの冒険者が4人以上のパーティーを組まなくては勝てないくらいの力を持っているという。インフェリアドラゴンを倒しつつ戦わなくてはならないため、その戦いはかなり厳しいものになりそうだ。タイタニアドラゴンを倒すことで新たな世界の扉が開ける。こここそが、異世界「タイタニア」へ繋がる入口なのだ。
■ 人魚が住むウォーターレイアー島。珊瑚と海草、緑が美しい神秘の島
天使族の住むタイタニア……と思って扉をくぐったプレーヤーの前に不思議な種族が現われる。下半身が魚の人魚「マーメイド」だ。見張りにそのまま捕まってしまったプレーヤーは水中ダンジョンに閉じこめられてしまう。このダンジョンの入口の部屋ではティーツリーというマーメイドが「人魚の涙」というアイテムをくれる。このアイテムは使用するとマーメイドに変身でき、水中での移動速度が上がる。 プレーヤーはダンジョンからの脱出を目指さねばならない。最初の部屋を出た後のフィールドは「水中」扱いとなる。ダンジョンは珊瑚や貝、海草などもあって非常に美しいが、いるだけで少しずつ体力が減少するので注意が必要だ。ダンジョンではマーメイド達が闊歩し、プレーヤーが逃げ出さないように見張っている。 ここからの脱出は「スニークアクション」の様な独特のルールでのミニゲームとなっている。マーメイドは視点に関係なく、一定の距離でプレーヤーを察知する。プレーヤーはこれに気をつけてマップに表示されているゴールを目指していく。水属性のダメージを減少させるアイテムなどを持っていると探索が楽になる。工夫をすることで、マーメイドの監視をすり抜ける方法もあるという。 ダンジョンから脱出するとようやくプレーヤーは外の世界を歩けるようになる。ここは「ウォーターレイアー島」と呼ばれる島で、全体マップを見てみるとタイタニア世界の左端の小さな地域であることがわかる。マップの大部分は雲に覆われている。 ウォーターレイアー島は地上も珊瑚や海草のような植物が生えている美しい場所だ。島の中心には巨大な木が生えている。モンスターはいるがアクティブなものはいない。モンスターの強さはレベル30のキャラクタでも戦える程度で、安全だが、巨大な亀の姿をしたボスモンスター「石亀様」もいるので注意して探索したい。風景が美しく、歩き回るだけで楽しい場所だ。 島の様々なところでマーメイドの姿を見ることができる。彼女(マーメイドは女性しかいないように見える)たちの多くは異邦人であるプレーヤーキャラクタを警戒しており、ほとんどしゃべってくれない。商人の名前を付けたマーメイドもいるが利用できない。
マーメイド達の警戒心を解くには様々な行動が必要なようだ。巨大樹の周りには特別な名前のついたマーメイドがいて、最初は彼女たちが鍵となる。彼女たちに話しかけることで、今後はタイタニアドラゴンを倒さなくてもこの島を訪れることができるようになる。そして他のマーメイド達と仲良くなるきっかけとしては、最初は「真珠」が必要となるようだ。
■ 海流によって変わる海底ダンジョン。島の秘密を解き明かすため、冒険は続いていく
ウォーターレイアー島にはダンジョンもある。最初に閉じこめられた地底ダンジョンがそれで、2度目にはいると全く違うモンスターがひしめく場所になっている。対象レベルは50以上といったところだが、強力なモンスターもいるので注意が必要だ。 このダンジョンは「海流」によって登場するモンスターが大きく異なるのが最大の特徴である。海流には「暖流」と「寒流」の2種類があり、一定の周期で変化するという。全体的に暖流の方がモンスターが強力になっている。寒流では「エンジェルフィッシュ」が群れをなし、巨大なクラゲ「バルーンジェル」がプカプカと海中を漂っている。 注意が必要なのが「シーサーペント」だ。寒流ダンジョンの中ボスといった存在で、周囲に水柱を上げさせて大ダメージを与える「ウォーターバーン」やプレーヤーキャラクタを押し流す「アクアウェーブ」などを使ってくる。HPも高く、手強いモンスターである。 暖流ダンジョンではクラゲモンスターが「ポイズンジェル」になり毒の攻撃もしてくる。好戦的な「ハーミットクラブ」にも注意が必要だ。恐ろしいのが「エレメンタル」である。普段はスライムのような姿をしているが、攻撃されると人型になってシーサーペントに劣らない激しい攻撃をしてくる。 群れになっていたり、範囲攻撃をしてきたりと海底ダンジョンは全体的に手強いものになっている。それでもモンスターの配置には余裕がある上、探知範囲もそれほど広くはないようで、キツイ戦闘をひたすら繰り返すというよりも、探索と海の景色を楽しむバランスという感じだった。ダンジョンの奥には宝物が眠っていた。触って報酬を得ることはできなかった。何かしらの意味を持つ場所となるのだろうか。 ウォーターレイアー島は島に入ってしまえばレベル50より上の中級プレーヤーでも楽しめる要素は多いが、ここに来るための条件、マイマイ遺跡奥地での鍵の入手と、タイタニアドラゴンとの戦いが一気に難易度を上げている印象だ。タイタニアドラゴンを倒し、先へ進むという“フラグ”はアカウントで管理されるので、戦闘キャラクタでウォーターレイアー島に到達し、生産キャラクタで様々なアイテムを採取する、という方法もある。 まだキャラクタを育てきっていないプレーヤーはリング(ギルド)の仲間の助けが必須になるだろう。仲間をいかに守りタイタニアドラゴンを倒すか、というのも挑戦しがいのあるテーマだ。今回実装されるのはこの関門のためかなり上級者向けになっているが、このコンテンツをどのようにユーザーが楽しむかは、興味のあるところである。
最後に、ちょっと個人的な意見を言わせてもらいたい。今回天界が実装されると言うことで、どれだけ壮大な要素が明らかになるのかな、と思ったのだが、ちょっとだけ肩すかしを食らったという気持ちがある。確かに、マーメイドとの出会いというのは面白いコンテンツではあるが、「大型アップデート」という言葉からの期待としては、ちょっとスケールが小さいかな、という印象を持った。こういったところは今後段階を踏んでアップデートされると言うことなので、期待したい。 これまでも「ECO」はストーリー要素や、世界観に関して、ちょっと「出し惜しみ」が強すぎるのではないか、という気持ちがある。「ECO」はドミニオン(悪魔族)やタイタニア(天使族)という世界全体に関わる要素、古代に栄えていたという文明、さらに各国の騎士団の思惑が混じり合うという非常に重厚で、興味をそそられる設定があり、魅力的なストーリーが展開するだけの下地があるのに、2年たっているのにストーリーが少ししか進んでいない。 現在すでに実装されているマイマイ遺跡も残りの地域はまだ明らかになっていないし、展開していくストーリー要素もたくさんある。ゲームのバランスはもちろん大事だが、やはり「時代のうねり」の様なものをそろそろ体験したい。今後、ちょっとずつ天界のマップが実装されるという展開も見えるが、それと共に、のめり込むようなストーリーの実装にも期待したいところだ。「ECO」はこれからもっとゲーム性とストーリーを充実させられるポテンシャルがある。これからの動きに注目したい。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2007年11月29日) [Reported by 勝田哲也]
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