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「DSvision」は、インターネット経由で、ニンテンドーDS及びニンテンドーDS Liteの端末に、コミック、書籍、情報誌などの出版物、およびアニメ、映画、ドラマなどの映像、音楽などのコンテンツをダウンロードできるサービス。専用のmicroSDと、microSDを格納してDSで読み込めるようにするDSカード型専用アダプタ、専用microSDをパソコンに接続するためのUSBリーダーライターが必要となる。開発には任天堂の協力も仰ぎ、ニンテンドーDSに正式対応している。 am3はゲームボーイアドバンスをプラットフォームとした動画販売システム「アドバンスムービー」、「アドバンスガシャポン」を展開してきた経緯がある。「アドバンスムービー」は専用スマートメディアでのコンテンツ提供だったが、時代の流れとともに、ネットワークとmicroSDを連携させたサービスへと進化させた格好となる。
なお、この専用アダプター、専用microSD(512MB)、USBリーダーライターのセットを、2008年1月より、3,980円でテスト販売する予定。このセットには、microSDにあらかじめコンテンツが格納された状態で販売されるという。
■ 専用microSDとPCによる連携で著作権保護機能を実現
今回の発表会では、小説、コミックといった多数のコンテンツを持つ出版社向けをメインとしたこともあり、壇上に上がったDNPの西村達也常務、am3の竹内祐司社長、澤居大介専務のいずれもが「高度な著作権保護機能を搭載し、安心してコンテンツを提供していただけるようにした。この事業はコンテンツありきの話。ぜひみなさんのコンテンツをご提供いただきたい」とアピールしていた。
素材さえ提供できれば、あとはam3側でコンテンツの企画からオーサリング、課金処理関連や任天堂へのロイヤリティの支払い、管理までをトータルで手がけられるよう、オーサリングプログラムなどはすでに準備しているという。
「DSvision」の特徴としては、2GBのmicroSDの場合、書籍であれば400冊、コミックであれば200冊、映画であれば16本分を格納でき、さらに、DSのタッチパネルを使ったインタラクティブかつ直感的な操作でコンテンツの閲覧が可能という点。また、DSの縦持ちスタイルにも対応し、縦書きの書籍も読みやすい形で提供。テスト制作された夏目漱石の「坊ちゃん」では、テキストを表示するだけでなく、読み上げ音声も同時に制作され、オーディオブックといえる体裁となっていた。 ほかにも、美術館閲覧タイトルでは、ルーブル美術館の内面図にあわせて移動、見たい絵画をアップで見るなどといった閲覧機能だけでなく、絵画をバラバラにしてパズルが楽しめたり、その美術館にちなんだ選択式クイズといったゲーム的要素まで導入されていた。なお、動画や音声のコーデックは不明。 会場では、microSDに保存した画像を閲覧できる「Photo Viewer」をデモ。携帯電話に使用しているmicroSDをそのままDSカードアダプタに差し込むことで、使い勝手のよいビューワーとしての利用だけでなく、タッチペンによる落書き、そして加工した画像の配布なども視野に入れている。専用microSDはコンテンツのダウンロード時には必須だが、一般的microSDの読み込みにも対応しているということだろう。
ちなみに、コンテンツ1つあたりの単価は、「携帯電話のコンテンツと同額を目指したい。最高でも1,000円。ある程度のダウンロード数で採算が取れるようなビジネスモデルを目指す(澤居氏)」という。課金に関しては、クレジットカードをメインに、ほかにも手段が検討されているようだ。
DSの2,000万台(国内)という普及台数、メモリーカードトップシェアを誇るmicroSDと、普及率の高い2つの要素を背景にした戦略がどう受け入れられるのか、注目したいプロジェクトといえるだろう。 (2007年11月29日) [Reported by 佐伯憲司]
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