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★オンラインゲームレビュー★

アクションが苦手な人にこそオススメ!
衣装替えも楽しめる“お手軽で深い”アクションRPG

「ファンタジーアース ゼロ」



 株式会社スクウェア・エニックスが発売したアクションMMORPG「ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン」(以下、「FERoD」)がサービスを開始したのは、2006年2月のこと。50人対50人の大規模RvRというテーマやFPSライクな操作、イメージイラストの可愛らしさなどに加えて、韓国発のMMORPGが主流を占める中で数少ない国産オンラインゲーム、スクウェア・エニックスの運営というブランド力も働き、「FERoD」のサービス当初の注目度はとても高かった。しかしながら、パッケージ販売と月額課金で初期費用が1万円近いという敷居の高さや不安定なクライアント、なかなかアップデートされない新要素などが重なり、残念ながらユーザー離れを招いてしまった。

 その後、2006年11月に運営を株式会社ゲームポットへ移管。「ファンタジーアース ゼロ」(以下、「FEZ」)として再出発を図ることとなった。「FERoD」時代を含めればサービス開始から間もなく2年目を迎える本タイトルだが、月額課金からクライアント・プレイ料金無料のアイテム課金制へ移行したことによる間口の広さ、さらにインターフェイスの改善、新マップ・新アイテムの追加、クラス間のバランス調整など、こまめなアップデートが実施され、現在は“ファンタジーアースらしさ”はそのままに、魅力的な要素を数多く備えたタイトルに生まれ変わっている。

 数字の話をすると、「FEZ」は9月の時点で累計登録会員数が30万人を突破。NHN Japanが運営しているゲームポータルサイト「ハンゲーム」でも提供が開始され、サーバーは現在7つ(「FERoD」では1つ)にまで増設されている。ゲームポット代表取締役社長の植田修平氏も、「現在うちで最も勢いのあるコンテンツ」と語っており、サービス開始から1年が経とうとしている今も、なお勢いは増すばかりだ。

 まだ「FEZ」を知らない読者にはもちろん、かつて「メルファリア」に降り立ったプレーヤーにも今あらためて、「FEZ」の魅力をお伝えしたい。

【スクリーンショット】
「FERoD」から大きく変化し、今もなお進化し続けている「FEZ」。戦場の様子もどんどんと様変わりしている。まだ遊んだことがない人はもちろん、以前プレイしたことがある人も、ぜひご一読いただきたい



■ 5つの国家が6つの大陸で繰り広げる熱き戦いに、“一兵卒”として参加

中央の「エスセティア大陸」だけは国の首都がない。“宣戦布告は自国領土が隣接するマップのみ”というルールがあるため、戦争の多くはこのエスセティア大陸内のマップで繰り広げられる
 まずは「FEZ」とはどんなゲームなのかを簡単に説明しよう。「FERoD」経験者には今更な内容になるが、久しぶりに復習するつもりで目を通してもらいたい。

 本タイトルのテーマは、6つの大陸と5つの国家を巡る戦争である。プレーヤーはキャラクタ作成時に、本作の舞台となる世界「メルファリア」に点在する5つの国「ゲブランド帝国」、「カセドリア連合王国」、「ホルデイン王国」、「ネツァワル王国」、「エルソード王国」から1つを選んで所属する。一般的なMMORPGにありがちな世界を救う冒険者の1人……ではなく、あくまで自分が仕える王のために戦う、一兵卒として戦場に赴くことになる。5つの国は首都マップの景色は異なるが、機能的には同等でほぼ差はない。

 インターフェイスについても簡単に触れておこう。移動はFPSで一般的なWASDキーによる前後左右移動が基本で、スペースキーでジャンプ、Q、Eキーでサイドステップとなっている。モンスターや敵プレーヤーを攻撃する際には、画面中央に固定表示されている緑の照準(十字)をあわせて、左クリックで攻撃スキル発動となる。こういった操作系統によりFPSライクと説明されがちな「FEZ」だが、実際のカメラ視点はキャラクタの背後から見るTPS(三人称視点)で、カメラをぐっと引けば一般的なMMORPGに近い俯瞰視点にもなる。

 キャラクタの成長はレベル制度で、選べるクラスは「ウォリアー」、「スカウト」、「ソーサラー」の3種類。基本的にどのクラスもアタッカーとなり、いわゆる支援・回復クラスというのは存在しないのも、「FEZ」の大きな特徴だ。それぞれのクラスが持つ攻撃スキルは、射程距離や効果が大きく異なるので、選んだクラスによって戦場での役割や戦い方はある程度決まってくる。ただし、3つのクラスにはジャンケンのような三すくみの関係が適用されており、ウォリアーはスカウトに、スカウトはソーサラーに、ソーサラーはウォリアーに対してプラスのダメージ補正がかかる。逆に相性が悪い相手には、マイナスの補正がつく。

 この三すくみがあるために、クラスごとに戦場での役割が異なるのはもちろんだが、さらに同じクラスでも習得したスキルによって、全く違うプレイスタイルで楽しめる。例えば弓と短剣を使えるスカウトの場合、弓ならば攻撃力はさほど高くないのだが、射程距離や有効範囲の広いスキルを生かして、相手の間合いに入ることなく攻撃できる。一方の短剣を選んだ場合は、姿を消す「ハイド」を駆使して敵前線に乗り込み、毒や目潰し効果のあるスキルを撒き散らすといった撹乱、姿を消した状態から不意打ちする「パニッシングストライク」など、敵に近い距離での戦闘となる。

 レベルアップ時に入手できるスキルポイントには上限があるので、全ての系統を習得することはできない。しかし事前に割り振りをよく考えて取れば、異なる系統のスキルを組み合わせて習得することもでき、それによって戦闘スタイルのバリエーションも広がっている。1つのクラスを完成させる頃には、違う系統で育てたもう1キャラクタを作りたくなってくるはずだ。

【ウォリアー】【スカウト】【ソーサラー】
両手武器または片手武器+盾を装備可能な前衛職。攻撃を受けた際のノックバックをなくす「エンダーペイン」が代表的スキル。ほかに相手をスタンさせる片手武器スキル「シールドバッシュ」、両手武器をフルスイングする「ヘビースマッシュ」などを駆使して、接近戦で前線を切り開く役目を担う 弓と短剣を扱うクラス。「FEZ」最長の射程距離を持つ弓スキル「イーグルショット」や相手の視覚を奪う短剣スキル「ヴォイドダークネス」、敵から姿を隠す「ハイド」といったスキルを習得可能。防御力は高くないが、短剣スキルは接近戦になるため、プレーヤーのテクニックが問われる上級者向けのスタイルとなっている 氷・雷・炎の属性魔法を習得できるクラス。敵を凍結させる範囲魔法「ブリザードカレス」や、マップの高低差を無視して攻撃可能な「ジャッジメントレイ」など高い威力のスキルが多い。ただしスカウトの弓より射程距離が短く、防御力も低い。前線に出たところを狙い撃ちされないよう注意したい



■ 最大100人の大規模戦闘。だからこそ、初心者でも気軽に参戦できる

 では、実際に行なわれる50人対50人の対戦「戦争」とは一体どんな内容なのか? 戦争の勝利条件は、とにかく敵拠点にダメージを与え耐久力をゼロにすることだ。といっても拠点を攻撃する必要はなく、敵国プレーヤーを倒すことで、敵拠点にダメージを与えられる。これ以外にも、建築物「オベリスク」を建てて支配領域を拡大することで、その広さに応じたダメージを与えられるし、敵国のオベリスクなどの建築物を破壊してもダメージになる。

 戦場となるマップは起伏の激しい複雑なものから、視線を遮るものもない平坦な地形までバリエーションも豊か。各マップには制圧すべきポイントや支配領域の広げ方がユーザーによって熱心に研究されている。実は戦略性も高く、ストラテジー(戦略)的要素も兼ね備えている。

 筆者個人としては、シューティングやアクションが苦手、あるいはWASD操作やFPSライクなシステムは経験したことがないという人にこそ、「FEZ」デビューを強くお勧めしたい。なんといっても「FEZ」の楽しさは、50人対50人で行なわれる戦争に、誰でも気軽に参加できるという部分にあるからだ。

 1対1、あるいは4~6人の少人数パーティで行なうオンライン対戦ゲームの場合、1人のミスがそのまま勝敗に結びつきやすいため、初心者はなかなか対戦ルームに参加しにくい敷居の高さがある。特にFPSの場合は上級者同士のチーム戦で1人だけ足を引っ張りまくると、やはり居心地が悪いもの。その点、「FEZ」は広いフィールドで最大100名のプレーヤーが入り乱れる大規模戦闘なので、慣れないうちは後方からコソコソとHit&Awayを繰り返してもよいし、「下手だから恥ずかしい」、「何度も戦闘不能になると怒られそう」といった心配は無用。“習うより慣れろ!”の精神で数を重ねるうちに、自然と戦い方がわかってくるはずだ。

 戦闘不能になった場合は、自軍拠点からHPが満タンの状態で復帰でき、装備品の耐久度が減る以外は特にペナルティもない。もちろん、自国の勝利に貢献するため死なないことを心がけるのは大事だが、初心者でもプレッシャーを感じすぎることなく前線に出られるのは、「FEZ」の大きな魅力の1つだろう。

 操作に関しても、「FEZ」は一見するとジャンプやサイドステップでタイミングよく敵の攻撃をかわすなどアクション性も高い。先述のFPSライクな操作にとまどうプレーヤーも多いと思われるが、「Counter-Strike」に代表されるような本格的FPSに比べると当たり判定も広く、それほど正確無比なエイミング(狙い)は要求されないし、逆に攻撃を受けた際にもヘッドショットで一撃死ということもない。スキルの中には範囲攻撃できるものもあり、いくら攻撃しても当てられない……ということはまずないので、安心してほしい。

 戦争を経れば経験値を入手でき、新たな武器を装備できるようになったり、スキルを覚えられたりと、キャラクタが成長していく。しかしそれは副次的なもので、プレーヤー自身も自然にテクニックを磨き、一人前の兵士として成長した、という実感を得られるはずだ。

【スクリーンショット】
現在マップは大きく分けて全19パターン。建築や召還獣の召還に必須となる「クリスタル」の配置も複数パターン用意されている。高低差が激しく見通しが利かないなど、マップごとの特徴をよくつかむことも大切だ 魔法もタイミングをきっちり見極めれば、ジャンプやサイドステップでほとんどがかわせる。上級プレーヤーになると、こんな混戦時でも敵地の真ん中をサイドステップだけで突き進み、敵に手痛い一撃をくらわしたあげくにほぼ無傷で帰ってくることも……

 それでもやっぱり、今から「FEZ」に参加して楽しめるのかどうか不安……というユーザーもいるだろう。サービス1年以上が経過したオンラインゲームの場合、既存プレーヤーとの間にあるレベルや装備アイテムの差が、そのままプレイの溝になりがちだ。

 「FEZ」は現時点でレベル40が上限に設定されている。レベル15前後まではフィールド上のモンスターを倒していれば数時間で到達可能で、それ以降もレベル30ぐらいまでは戦争にコツコツ参加していればすぐに上がる。レベル30にもなれば戦うに十分なスキルも揃い、他のプレーヤーと遜色ない戦いが可能になる。

 装備品やアイテムについても、モンスターからのドロップ品など手に入りにくいものはいくつかあるが、極端に攻撃力や防御力が高いレアアイテムは存在しない。モンスターを倒して得られるゲーム内通貨や、戦争を通じて入手できる「リング」を集めれば、誰でも買えるものばかりだ。

 ほかに有料アイテムもあるが、ゲームバランスを保つため、装備レベルの優遇などがあるだけで、ある程度で性能差がなくなり、どちらかというと見た目にこだわるユーザーのためのオシャレ装備品になっている。戦争の勝敗を決めるのは最終的にユーザー同士の連携なので、有料アイテムがあれば圧倒的有利というバランスにしていない点は高く評価したい。

【スクリーンショット】
40のレベルキャップは気長にプレイを続けていれば、いつの間にか到達できる。レベルアップ時に割り振るスキルポイントにも上限はあるので、古参と新規ユーザーの格差がいつまでたっても埋まらない、ということはない 有料のゲーム内通貨「オーブ」で購入できるアイテムは、早い段階で強い装備を使えるというメリットがあるが、これがなければ戦争に勝てないというものではない。各首都の武器・防具屋や、国の戦術目標を達成すると開店するオフィシャルショップで手に入る装備品でも十分に通用する



■ コアユーザーへのケアも欠かさない、充実したアップデート内容

 しばらく「FEZ」や「FERoD」をお休みしていたユーザーには、スクリーンショット内に何やら見慣れないものが写っているのではないだろうか。ゲームポットへ運営移管後、マップの改変やアイテムの追加、新たな召還獣の実装、クラス間の細かなバランス調整といったアップデートがかなり頻繁に実施されている。特に戦争周りのシステムは「FERoD」時代に比べるとかなり洗練されており、久しぶりに復帰するユーザーには、ちょっと新鮮に感じられるかもしれない。

 「FERoD」からの変更点を全て紹介することはとても無理だが、ここ最近行なわれた大きなアップデートの中でも特に影響が大きかったものや、ユーザーが以前から要望しており取り入れられたシステムなど、一部を紹介しておこう。

 戦略・戦術にもっとも影響を与えたのは、4月に実装された「スカフォード」と「ブルワーク」、そして8月に実装された「エクリプス」の3つの建築物である。スカフォードは「足場」として機能する建築物で、従来はジャンプしても絶対に乗り越えられなかった崖や高台が一部通行可能になった。ブルワークは巨大な防壁で、狭い道や橋の真ん中に建築することで敵の侵攻ルートを塞ぐことが可能だ。

 エクリプスは自軍の領域を広げるオベリスクと同じ効果を持つ建築物だが、最大の特徴は敵軍の支配領域を無視して建築可能というところ。同時に5本までしか建築できないが、建築に必要なクリスタル数が11個と少ない(オベリスクは15個)上に、破壊された際に自軍拠点に与えるダメージもオベリスクより低い。敵陣に刺し込むように設置し、敵に新たな建築物を建てさせない妨害としても有効に働く。

 これら新たな建築物の登場は、クリスタルの確保と運搬の重要性を高め、攻守のセオリーのようなものができあがってマンネリ化していた「FEZ」の戦争に刺激を与えてくれた。エクリプスによる領域のせめぎあい、クリスタルを巡る攻防はぜひとも体験してほしい。

【スクリーンショット】
ブルワークの耐久度は非常に高いので、一時的に敵の侵攻を食い止め時間を稼ぐ手段としては最適。スカフォードと組み合わせることで、高台へ登るための足場として使われることもある 画面左上のミニマップ上に、白い◆で表示されているのがクリスタルの位置だ。自軍の支配領域以外は、プレーヤーおよび建築物の位置が把握できないので、ここでも軍団チャットによる前線からの報告は大切な判断材料となる

 「FEZ」以降のアップデートの中でも古参ユーザーが一番歓迎したのは、実は「参戦予約」システムではないだろうか。「FEZ」では戦争のバランスを保つために、両国の参加人数差は最大5名までの制限を設けている。定員の50人にはまだ達していないのに、この制限によってなかなか戦争に参加できない場合、かつての解決方法は「ひたすら参加ボタンを連打」するという、何とも情けないもの。参加枠に空きができる瞬間にボタンを押せるかどうかは運次第で、10分近く粘った結果どこの戦争にも参加できなかった……というストレスのたまる経験をしたのは、1度や2度ではないはず。現在は参戦予約システムにより、戦争準備中に自国民限定で先着順の参加予約が可能になった。

 この他、レベル40に達してしまい新鮮味が感じられない、という上級ユーザー向けに、8月に「クラスチェンジ」システムが実装された。400円相当の有料アイテムが必要になるが、以前のクラスは「サブクラス」としてダメージ補正にボーナスが付く。とは言え、従来のゲームバランスを壊すほどの補正値ではなく、あくまでオマケ要素にとどまっている。どちらかといえば、自分が苦手とするクラスの動きや射程距離を把握するなど、対策を練るためにもクラスチェンジは有効だ。

 「FEZ」はジャンルとしてはMMORPGにカテゴリされているが、壮大なバックグラウンドストーリーと豊富なクエスト、生産スキルや仲間と共に挑戦するボスモンスターといったRPGらしさは実は持ち合わせていない。純粋に、そして気軽に国家間の戦争を楽しめるのが魅力というのは先述の通りだが、その分どこの戦争も満員となると、やれることが何もない……というのが従来の「FEZ」の欠点でもあった。

 現在は他国への援軍が可能になったほか、同国のプレーヤー同士が戦争を行なうことができる「訓練所」、ミニゲームが楽しめる「カジノ」と特殊なルールでの戦闘が楽しめる「闘技場」がある「ヴィネル島」が追加実装されている。訓練場は仲間内での模擬戦や上級者がビギナーに戦い方を指導するなど、使い方も人それぞれ。次の戦争までのちょっとした時間つぶしにも利用できるうれしいシステムだ。

【スクリーンショット】
以前は「連打ゲー」といわれた戦争への参加も、参加予約システムのおかげで、最も混みあう時間帯でもスムーズに入れるようになった。予約待ちだけで50番目を越えている時には、さっさとあきらめて次の戦場を探せるのもメリットだ どこの戦争も満員で参加できずあぶれてしまった時には、カジノでレアアイテムを狙うもよし。参加人数や制限時間を設定できる訓練場は、中途半端な待ち時間にも利用できる



■ アバター的な楽しみ方も! 妙に気になる装備品たち

 スーパーモデル並みの8頭身で美男美女ばかりのキャラクタが、繊細かつ優美なアイテムを身にまとう。そんな見た目重視のタイトルが珍しくないMMORPG市場の中で、「FEZ」のキャラクタはカスタマイズできる部分もパターンも少なく、顔立ちもいわゆる美形キャラクタではない。しかしクセがなくどこか愛嬌のあるキャラクタは、どうやら性別を問わず好まれているようで、装備品を変えることで外見を変えて自己主張するプレーヤーが多い。

 「FERoD」の頃は装備品の選択の幅が少なく、アバターとしての要素はほとんど見られなかったのだが、運営移管後に有料アイテムが登場したことで、バリエーションが一気に増えた。能力値としてはゲーム内通貨で購入できるアイテムと、さほど変わらない物が多いにもかかわらず、デザインは秀逸、というかツボを心得ているというべきか……マイキャラ可愛さに有料アイテムを購入せずにはいられないという人が多いようだ。また、過去の期間限定イベント用に作られた報酬アイテムも「ティアラ/クラウン」、「エルフ耳」、タイプ別犬耳/猫耳など、やや子供っぽい「FEZ」のキャラクタにはよく似合う絶妙なデザインが揃っている。

 装備品には基本的にレベル制限に比例した能力値があり、実用性を考えると着せ替え要素はほとんどないはずなのだが、実際には街中をざっと見渡しても上から下まで同じ装備を身に付けているキャラクタを探すほうが難しい。11月7日に発表された「第2回デザインコンテスト」の応募総数が900点以上というのを見ても、プレーヤーのオシャレ装備にかける熱意がわかるだろう。ただ、魅力的なアイテムが次々出てくるのは大歓迎だが、同時にアイテムを保管してくれる銀行スロットが、初期値ではすぐに足りなくなるのが目下の悩みどころだ。

【スクリーンショット】
戦争中は、お洒落装備から戦闘装備に取り替えるユーザーも多く、わざわざ着替えアイテムを常に携帯してるのがポイント。以前は外見だけでパっと相手のレベルを判断できたが、最近はそれも難しくなった 期間限定イベント「もっと勝利を掴め!」で、手に入れた念願の「プードルイヤー(桃)」をソーサラーにコーディネイト。個人的には、そろそろ尻尾アイテムの実装を期待したい



■ まだまだ先のアップデートが楽しみなタイトル

 「FEZ」として再スタートを切ってから1年が経過し、安定したクライアントやインターフェイスの改善など、ようやくプレイ環境が整ってきた。レベルキャップに到達した古参ユーザーにはクラスチェンジを用意したり、レアアイテム入手のチャンスがあるカジノを実装するなど、遊び方の幅も少しずつではあるが増えてきている。「東京ゲームショウ2007」と同時に行なわれたオフラインイベント「FESTA Autumn Festival 2007」では、開発予定として支援系スキルを持つものなど、3種類の新クラスの開発を進めていることを明らかにするなど、今後の展開にもまだまだ期待できそうだ。

 「FEZ」をプレイするのに遅すぎるタイミングというものはない。ぜひとも気軽にメルファリアに遊びにきてほしい。

【スクリーンショット】
「後から始めてもレベルや装備で追いつけない」といったMMORPG的な不安や、「アクションは苦手だから難しそう」というアクション面での不安は、本作においては不要。PCさえあれば無料で遊べるので、ぜひ一度試してみていただきたい



■ おまけ ~ これから遊ぶプレーヤーに裏方仕事のアドバイス

 レベル15前後になれば、そろそろ実戦に参加してもよいお年頃。しかし装備やスキルがまだ整わないうちは、満足な戦果をあげるのは難しい。そこで、敵を倒さなくても経験値を得られてみんなの役にも立てる、裏方の仕事を紹介しよう。少しでも戦争に貢献したいという人は、ぜひともマスターしてほしい。

低レベルなキャラクタにも、ちゃんと戦争で役立てる仕事がある。クリスタルの採集と保管を行なう「銀行」役は、地味だがなくてはならない存在だ。高レベルユーザーが安心して前線へおもむけるよう、積極的に引き受けよう。もちろん経験値はちゃんと入手できる
・クリスタル採集と銀行を努める

 フィールド上には、青い半透明の結晶「クリスタル」がいくつか配置されており、近くで座るとクリスタルを採取できる。これは戦争中の建築、召喚獣の召喚に必須となる触媒アイテムだ。前線になるべく高レベルのプレーヤーを送り出すためにも、低レベルのうちはこのクリスタルを採集する仕事に従事するといい。

 クリスタルは1人最大50個まで所持できる。プレーヤー間のクリスタルの受け渡しをスムーズにするため、他のプレーヤーからクリスタルの受け渡しを行なう、通称「銀行」と呼ばれる仕事がある。これはシステム上用意されたものではなく、ユーザー側から自然に生まれたもの。銀行役はクリスタルを効率的に回すだけでも大きく貢献できるが、ミニマップを常時見つつ召喚獣の状況を把握し、軍団チャットで自軍全体にお知らせする役目も兼ねられる。難しそうに見えるかもしれないが、戦争の流れを学ぶには最も効果的な仕事だ。

・召喚は積極的に体験すべし

 戦争中、プレーヤーはクリスタルを消費して特殊なパワーを秘めた召喚獣を、自らの体に召喚できる。やや条件が特殊な「ドラゴン」、「キマイラ」以外の召喚獣、「ナイト」、「レイス」、「ジャイアント」の3種については銀行役のプレーヤーに申し出て、積極的に体験しよう。

 というのも、召喚獣はプレーヤーのレベルを問わず、召喚した時点で高いHPを持ち特殊なスキルを使いこなせる。上記と同じく、高レベルプレーヤーが安心して戦える戦場を作り出すためという理由で、レベルが低いプレーヤーにこそおすすめしたいお仕事だ。

【ジャイアント】【レイス】【ナイト】
対建築物に強い召喚獣で、スキル「ストロングキャノン」は長い射程距離を持つ対建築物用の攻撃。弱点は動きが鈍く、ジャンプ力も弱いので、移動に制限がかかることと、対人の戦闘力がほぼないこと 周囲の敵の視界を奪う「ダークミスト」、対人戦で効果の高い「アイスバインド」、「ギロチンソード」を使える対歩兵用召喚獣。ただし各軍同時に1体しか召喚できない 機動力に優れ、対召喚獣の攻撃力が高いナイトは、戦場には必須の存在。ナイトが少ないと敵ジャイアントやレイスが好きなように暴れまくるので、ナイト募集の声がかかったら、真っ先に手を上げるべし


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【ファンタジーアース ゼロ】
  • CPU:Pentium 4 2GHz以上(3GHz以上推奨)
  • メインメモリ:1GB以上(2GB以上推奨)
  • HDD:3GB以上の空き容量
  • ビデオカード:GeForce 6600シリーズまたはRadeon X700シリーズ以上(GeForce 7600GT以上またはRadeon X1600シリーズ以上推奨)


□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□「ファンタジーアース ゼロ」のページ
http://www.fezero.jp/
□関連情報
【11月20日】ゲームポット、「Gamepot Festa 2007」
来場者特典の一部を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071120/gp.htm
【11月14日】ゲームポット、「ゲームポットフェスタ2007」発表会を開催
全10タイトルの最新情報と、新作「Wizardry Online」を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071114/gp.htm
【10月31日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」
全国大会開催決定。12月16日にオフラインで決勝戦を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071031/fez.htm
【10月26日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」
武具の能力を向上させる「装備強化システム」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071026/fez.htm
【10月23日】ゲームポット、WIN「ファンタジーアース ゼロ」
武具の能力を向上させる「装備強化システム」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071023/fez.htm

(2007年11月27日)

[Reported by 神足聡]



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