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会場:池袋サンシャインシティ 文化会館 展示ホールB
イベントでは豊富な出展物もさることながら、ステージイベントも開幕直後からイベント終了間際まで数多く企画され、それぞれが人気を集めていた。中でも注目度が高く、多くのファンで会場が埋め尽くされたのが「ロックマン20周年記念スペシャルステージ」。出演者は、生みの親の稲船敬二氏を筆頭に、漫画家の岩本佳宏氏、有賀ヒトシ氏、出月こーじ氏が登壇。多くの拍手に迎えられた。 稲船氏は「感無量ですね」と切り出し、「新人で入ってすぐ作った作品で、とにかく頑張った。念願叶ってゲームを作れて嬉しかった」と振り返りながらも、「苦労話と言えば家に帰れなかったこと。社会人なんだからそうなんだろうと思ったが、後から聞いたら、家に帰れないのはゲーム制作かアニメーション制作くらいと聞いた。僕はカプコン一筋で外を知らないけど、それが良いこともある」と続けた。 「ロックマン20周年記念スペシャルステージ」ではまずは漫画家の皆さんがどのキャラクタが好きかというトークからスタート。まずは有賀氏が「スカルマン」と「コピーロックマン」をあげた。スカルマンは「ロックマン4」のボスキャラとして登場。有賀氏は「こちらが何もしないでいると、何もしてこない。何かドラマ性を感じた」という。コピーロックマンについても漫画化する際に「好き勝手やらせてもらった」というのが印象深いようだった。これについて稲船氏は「有賀さんが描くならOK。愛のある作品だから。そのうちゲーム制作側がインスパイアされて、逆輸入された」とコミックから影響を受けた部分もあると明かした。 一方、出月氏は「テングマ」と「フォルテ」を挙げた。両方とも高飛車なキャラだが……と断わりを入れ、「身勝手なキャラは勝手に動いてくれる。ロックマンは優等生キャラですから、身勝手なキャラに引っ張られて最後に打ち負かすという、そういった展開が好き」と説明。稲船氏はテングマンについて「チェックがまわってきたとき、『テング』はないだろうと思った。そのままだし」と否定的だったという。抵抗はあったとしながらも、「デザインが格好良かったのでこのまま行こう」とゴーサインが出たのだという。 そして岩本氏。「『ロックマンX』は初めての連載で、ずいぶんと鍛えられた。最初はそれまでの連載とは違わないとということでスリムなロックマンにしたら『これは違う』と言われた。しかしその後スリムなロックマンが登場して、『俺、時代を先取りしてた!』と思った」と振り返った。稲船氏は岩本氏のコミックについて「とにかくアツイ! これはちょっと違うだろうと思った」というしかし岩本氏のアツイ展開が気に入り「これもアリだな」と思ったとか。最終的には「どういう展開になるんだろうとチェックを楽しみにしていた」という。 稲船氏はこのほかにも「ロックマンX」の思い出を振り返り裏話をコメント。「『X』はいろんな意味で辛かった。スーパーファミコンということで新しいバージョンにしたかったがなかなか上からOKが出ない。シリーズを作っていると新しいことがしたくなり、これまでのものを打破したいと思うようになる」とし、「青いキャラクタをやめようと思い、新しいロックマンとしてゼロを作ったが認められず、ゼロをサブキャラクタにしてそれ主役級にしてファンがゼロを支持するようにしてやろうと思った」と経緯を明かした。 続けて「ロックマンX」の回収問題にも触れ、「回収前の『ロックマンX』を持っている人?」というと、かなりの人が持っていると手が上がった。有賀氏もそのひとりで、「これは持っていたい!!」と強く語った。稲船氏は「会社としては汚点で、ユーザーには迷惑をかけた」としながら「こうやってファンに支えられてきた」と感慨深げだった。 ここで話は戻り岩本氏の好きなキャラクタの話題に。岩本氏はドクタードップラーが好きだという。このキャラは自身の作品中でも描かれ、強烈なインパクトを残している。その背景には、他のマンガ家さんとの競い合いもあるという。稲船氏は「ゲームで表現できない部分を漫画で書いてもらえて良かった」と岩本氏に語った。これもゲームだけに完結せず、コンテンツパワーで全体が底上げされた霊と言えるだろう。 そして、岩本氏の好きなもうひとりのキャラはヴァヴァ (VAVA) 。岩本氏はキャラを広げる幅がゲームの中にあるとし、ここでも「カプコンが好きかってさせてくれた」と感謝の意を延べた。ここで稲船氏はこのキャラクタの名前の由来をはじめて明かした。「『マッドマックス』という映画にすごく感動して。金髪のカッコイイキャラクタが出てくるんです。影響を受けたので、それをいつかどうしても出したいと思っていた」と語った。さらにゼロについても命名の由来を語った。稲船氏が入社した当時、となりで「ストライダー飛竜」が製作されていたのだという。稲船氏はこの作品の世界観が好きで、その中かkらちょっと似た名前ということで採用したのだという。 ここで開発者への質問として、「ボスキャラの募集はいつから」といった質問が寄せられた。この点について「1作目の『ロックマン』は1週間で売り切れてしまって、当時はファミコンのロムで売り切れになると再生産に1カ月近くかかった。それで売れたんだけど売れなかったという事だったんです。会社としては売るために営業にプレゼンテーションをしなければならない。そこで、キャラクタの募集を行ないユーザーを巻き込みますと言うことにしたんです。そうしたら思いの外に応募のはがきが来て、(ソフトが)売れるんじゃないかと思った」という。このほかにも海外で放送されたアニメは日本で放送されますかという問いには、「日本では受け入れられにくいと思うので、現時点では放送されないんじゃないでしょうか」と稲船氏は語った。 最後に稲船氏は、「20年目なので、閑散としているかもと思った。本当にたくさんの人たちに来ていただき、すごくありがたいと思っている」と語り、さらに「僕も『ロックマン』をやめたわけではない。“流星”とは違ったロックマンを作りたいという気持ちがある。常に現役でやっていく。早い段階で出せるかもしれない」と新作の製作を示唆した。 この後行なわれた「ロックマンバースディパーティ」では、多くの歴代キャラクタに囲まれ、会場の来場者の「ハッピーバースデー」の大合唱を受け、稲船氏が特製のケーキの上に立てられたろうそくの火を吹き消した。
稲船氏は「歴史を感じる。みんなが応援してくれてすごくありがたい。期待に応えるべく仕事をしっかりしていく」と力強く言い切った。さらに「10周年、15周年、20周年と本当に大丈夫かなと思ってやってきた。でも、今回は25周年に繋げられる確信を持った。25周年では5歳年を取った皆さんとお会いしましょう。子供さん連れてきてもらってもイイ。ロックマンを新しい世代に繋げたい」と語り締めくくった。 会場には、22日発売のニンテンドーDS用「流星のロックマン2」の試遊台が比較的潤沢に置かれていた。対戦コーナー、バトル体験コーナー、ストーリー体験コーナーがそれぞれ用意されており、15時頃の状況ではストーリー体験コーナーが一番人気で40分待ち、またバトル体験コーナーが30分待ちとなっていた。それぞれ体験するとちがうタイプのトライプステッカーがプレゼンとされた。 ステージではレジェンドマスター情報局のイベントが行なわれ、「スカイハイ編」のステージでは新要素の「スカイハイコロシアム」の実機プレイが初公開となった。スカイハイコロシアムはワイヤレス通信を使って遊ぶもので、2人から最大7人まで参加することができる。ルールは簡単で、星をより多く持っている人が勝ちというもの。 星は最初3つもってスタート、フィールド上にも星がありそれを集めることとなる。しかし、フィールドで他のプレーヤーと接触するとそこで戦闘開始。勝てば相手の星が全てもらえるし、決着が付かない場合は少しもらうことができる。他のプレーヤーとの戦いは非常にスピーディで10秒で決めなければならない。 さらに面白くしているようその一つが爆弾。星の中に爆弾が仕掛けられている場合があり、この爆弾を録ると一定時間後に爆弾は爆発する。爆弾を取ってしまうと他のプレーヤーと戦い。勝てば爆弾を相手に渡すことができるため、何とか誰かに爆弾をなすりつけなければならない。ちなみに爆弾が爆発すると集めた星は全て無くなってしまう。 今回行なわれた来場者参加の「スカイハイコロシアム」を見ていると、爆弾を持ってしまうと急に鬼ごっこになってしまい、そこが楽しい。ちなみに誰かと戦おうと思っても、他のプレーヤー同士で戦闘になってしまうとどうしようもなくなる。逆に爆弾をなすりつけられそうになったら、他のプレーヤーとの戦闘にわざと突入してしまうという手もある。
また、戦闘するだけが作戦ではなく、他のプレーヤーが戦っている打ちにこっそりとフィールドの星を集めるという作戦もある。イベントの大会ではこの作戦を使った来場者が優勝していた。「スカイハイコロシアム」は、対戦ツールとしてなかなか面白いシステムのようだ。
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□カプコンのホームページ (2007年11月18日) [Reported by 船津稔]
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