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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) ブースは全体的にイベント中心の展開で、ゲームを紹介するステージイベントのほか、定期的にグッズなどのプレゼントがもらえるダーツ大会を開催。10台の試遊台では、初期の村の探索や、PvPを楽しむことができた。ルーレットイベントでは多くの来場者が列を作り、テンションの高いアナウンスに興奮した様子で回るルーレットに矢を投げていた。 会場で試遊台は設置されていたものの、「ゲームを楽しむ」というところまではいっていない部分があったと感じた。ルーレットイベントなどは定期的に行なわれたものの、このゲームの本質を凝縮したような特別バージョンや、ゲームの面白さが直感的にわかる対戦イベントなどもやって欲しかったと思う。ちょっとゲームの本質部分のアピールが足りないと感じた。
■ 重厚な世界観とアクション性の高い戦闘が魅力の「The Chronicles of Spellborn」。アジア戦略にも注目
「The Chronicles of Spellborn」は「デッドスペルストーム」と呼ばれる魔力の渦が世界全体を覆う世界が舞台となる。かつてこの世界は8人の「デーモン」に支配される古代世界が広がっていたのだが、「不滅の神殿」が破壊されると同時に強力な魔力が拡散し、世界は荒れ狂う魔力の渦に覆われてしまった。 人々が住むことができるのは古代世界の残骸である、デッドスペルストームに浮かぶ「シャード」と呼ばれる大陸。シャードは現在5つが発見されているが、まだこの世界には未発見のシャードがあるといわれている。シャード間には「シャードシップ」と呼ばれる船が行き来しているが、航海は危険に満ちているという。「指輪物語」に代表される、中世風のファンタジーではない独特の異世界の雰囲気が、この作品の最大の魅力だ。 登場する種族は「デービー」と「ヒューマン」。ヒューマンは様々な種族の奴隷として存在していたが、デービーに助けられ、奴隷階級から脱することができたという。プレーヤーはこの2種族から選択する。選択できるクラスは「ウォーリア」、「キャスター」、「ローグ」から選択し、それぞれの職業は上級職が用意されている。 「The Chronicles of Spellborn」の戦いはリアルタイムで行なわれ、FPSの様なスピード感のある駆け引きが楽しめる。足止めをして有利なポジションを取ったり、連続攻撃で相手の体勢を崩したり、敵の「反応」を見て効果的なスキルを使えばより有利に戦える。このため最初はちょっと難しく感じるかもしれないが、なれると高レベルのモンスターとも渡り合える。パーティープレイでは息のあった連携や範囲攻撃により有利な状況は大きくなる。プレーヤー間で戦い方のセオリーについて熱い議論が交わされそうだ。 本作はストーリー性の高いクエストを実装しており、プレーヤー達はクエストをクリアしていくと同時に、キャラクタを強くすると共に、ストーリーに引き込まれていく。キャラクタのレベルキャップは現在レベル50に設定されている。モンスターを倒すだけでなく、クエストを通じてキャラクタは成長していくという。クエストにはインスタンスフィールドを使う演出の凝ったクエストもあるという。 今回会場で本作を触ってみたのだが、重厚な世界観や戦いの駆け引きなどは、やはり短時間ではぱっと体験できないな、とも感じた。細かく作り込まれた街や、美しい風景、そしてアクが強いながらセンスを感じさせるキャラクタデザインなど、試遊台ではなく、自宅でしっかりとタイトルに向き合った形でプレイしたいと感じた。異質な世界観を売りにするだけに、少し最初のハードルは高いかもしれない。MMORPGの会場でのアピールはやはり難しい。 戦闘では、スキルのショートカットが攻撃ごとに配置が換わるところに興味を惹かれた。攻撃するとショートカットバーがくるくると回り、同じショートカットを押しても発動するスキルが違う。的確にコンボを組み込むための仕掛けのようだが、仕様がうまくつかめなかった。やはり1レベルからキャラクタを育てて、能力を把握してからしっかりプレイしてみたい。会場では10人のバトルロイヤルが体験できた。スキルのルールは把握しきれなかったものの、直感的に操作ができるレスポンスの良い操作感や、範囲攻撃でほかのプレーヤーも巻き込めたりと爽快だった。
「The Chronicles of Spellborn」は日本で展開する際には、基本プレイ無料のアイテム課金方式になるという。欧米産のタイトルで、最初からこのような間口の広い戦略を取る作品は少ない。導入のハードルの低さは多くのプレーヤーの関心を集めるのではないだろうか。本作最大の売りであるシナリオを日本語で楽しめるというメリットももちろん大きい。筆者は個人的に、アクの強い「The Chronicles of Spellborn」の世界観に非常に興味がある。サービス時には是非参加して「異世界」をタップリ体験したい。
■ PKや課金などで地域に合わせたシステムを選択。アジアで成功する欧米MMORPGのモデルケースを目指す
今回、Sunny氏とFrogster Interactive PicturesのCEOのChristoph Gerlinger氏に話を聞くことができたが、韓国のパブリッシャーであるSunny氏のタイトルの思い入れには驚かされた。Sunny氏は何よりもこの作品に“惚れ込み”、そしてアジアでこのコンテンツが成功するためのノウハウを考えているという。Sunny氏が熱っぽく作品の魅力を語るのをChristoph氏は微笑みながら見守り、時々助言を与える、という形で、両者の親密さを伺わせた。 パブリッシングにおける戦略にもSunny氏は深く関わっている。「The Chronicles of Spellborn」は欧米ではクライアントはパッケージ販売され、月額課金制になっている。一方アジア向けにはクライアントをダウンロード販売し、アイテム課金制によるビジネスモデルにしていく。 さらにPKシステムもチューニングが行なわれ、中国向けには1レベルからほかのプレーヤーを攻撃可能にし、台湾や韓国では制限を加える。日本では更に限定的にするかもしれないとのことだ。アイテム課金の細かい仕様はまだ未定だが、「The Chronicles of Spellborn」は防具のパーツなどが非常に細かく、アバター要素に関しては様々な可能性も持っているという。 日本のユーザーへのメッセージとしてSunny氏は「日本のプレーヤーはゲームに高い関心と、良いゲームを見分けるセンスがあると思っている。このゲームの良さも必ずわかってくれると確信しています」と語った。Christoph氏は「日本のプレーヤーに遊んでもらえるのはうれしい。ぜひ、楽しんで欲しい」と語った。
アジアでは欧米産のMMORPGは「World of Warcraft」以降、ヒットがない状況だ。この流れの中で、あえてアジアのMMORPGのビジネスモデルを取り入れ、更に各国向けにチューニングを行なおうという「The Chronicles of Spellborn」の姿勢には強く興味がひかれる。もしかしたら、本作は欧米型MMORPGのアジア展開のモデルケースになるかもしれない。アイテム課金型モデルという“挑戦”に、オランダのSpellbornN.Vがどう答えを出していくか、注目したい。
The Chronicles of Spellborn (C)copyright 2005 Spellborn International Ltd. The Chronicles of Spellborn is registered trademark of Spellborn International Ltd. All right reserved. Patent pending. Terms of Use and Privacy Policy
□G★ 2007のホームページ (2007年11月11日) [Reported by 勝田哲也]
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