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G★(GSTAR) 2007現地レポート

NEXONブースレポート
「マビノギ英雄伝」、「バブルファイター」他、テーマのしっかりした8タイトルを出展

11月8日~11日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン)
子供3,000ウォン(前売り2,000ウォン)


 今回一番広い面積で、一番多くタイトルを出展していたのがNEXONである。ソースエンジンを使ったアクション「マビノギ英雄伝」、コミカルな対戦シューティング「バブルファイター」、物を吸い込み打ち出す「トラッシュバスター」、横スクロールのアクションシューティング「ELSWORD」、対戦型FPS「COMBAT ARMS」、ホラー色の強いMMORPG「SilentPlot 1」、最大8人で対戦する格闘アクション「The Fourth Zone」、スピード感が爽快なホッケーゲーム「Slapshot」と、全部で8本のタイトルを出展していた。


■ コンテンツのイメージ、面白さを前面に出し、「技術力とゲームの楽しさ」を大きくアピール

人気を集めていた「マビノギ英雄伝」コーナー。いつまでもプレイ待ちの人が絶えなかった
各ブースにいるコンパニオンは、カメラを構えた来場者に応えていた
 これらのタイトルをNEXONでは各タイトル8台以上の試遊台を用意してアピール。どのタイトルも人気が高く、長い行列こそできなかったものの、試遊台の周りは常にファンが囲んでいて、1台が空くとすぐに次の人がプレイするという感じで、プレイ待ちの人が画面をのぞき込んでいた。友人達と画面を見ながら興奮して話をしている人も多かった。

 特に人気が高かったのが「マビノギ英雄伝」だ。柔らかい雰囲気の「マビノギ」とは全く違う、硬派で暗いイメージのイラストが公開されただけでほとんど姿を見せていなかった「マビノギ英雄伝」は今回プレイアブルの状態で出展された。公開されていたイラスト同様「マビノギ英雄伝」は、「マビノギ」とは方向性の違うハードなアクションゲームとしてユーザーの前に現われた。

 試遊台周辺は常に黒山の人だかりで、イベントの終了時刻になっても最後まで多くのプレーヤーがいた。ユーザーは様々なことを話しながら、キャラクタを動かし、現われる敵をなぎ倒していた。

 今回出展されたタイトルの多くはクローズドβテストが行なわれているタイトルは多いものの、オープンβまではまだだというところで、ゲームとして完成しているとは言えないタイトルが多い。しかしそれでもプレーヤーが絶えないのは、どのタイトルもきちんと「遊べる」ところだ。

 各タイトルの技術の高さにも注目したいところだ。サイバーパンクの世界観を描き込まれたグラフィックスで表現する「SilentPlot 1」、必殺技を使うとコミックスのような分割画面と派手な高架線でキャラクタの必殺技が表現される「ELSWORD」など、視覚的なインパクトも大きい。

 今回の「G★2007」ではどのタイトルもゲーム的に未完成でも、きちんとボスが出るところまで遊べるダンジョンを用意したり、1つのステージでもきちんと対戦が楽しめたりと、ゲームのコンセプトをはっきり出す工夫をしていると感じさせられた。また、大きな画面ではゲームの流れをわかりやすくまとめたムービーがあって、ぱっと見ただけで興味をそそられる。後ろから見てそのまま試遊台の空きを待つユーザーが多かった。

 タイトルの魅力をアピールするためか、NEXONブースはダンスなどのイベントもほとんどなく、イベントはタイトルの紹介にとどまっていた。セクシーなコスチュームに身を包んだコンパニオンの姿は少なかったが、いくつかのタイトルの試遊台の中心にはコンパニオンが座っていて、カメラを持った来場者の人気を集めていた。

 NEXONブースは全体的にグッズ配布やダンスなど、イベント的楽しさではなく、あくまでコンテンツの面白さ、その場で体験できるコンテンツ作りといった方向を強めているように思えた。ゲームイベントへの出展方法の洗練を感じさせられた。

イベントはゲームタイトルの紹介が中心。韓国で放送される「BnB」のアニメも紹介されていた


■ 連続攻撃の爽快感と、物理エンジンを利用した仕掛けがユニークな本格アクション「マビノギ英雄伝」

終日プレイ待ちの人が絶えなかった「マビノギ英雄伝」
 前述したとおり最も人気を集めていたのが「マビノギ英雄伝」だ。MMORPGの「マビノギ」の過去の世界、という設定を持ちつつも、3Dアクションゲームとして全く方向の違う作品となっている。2008年上半期にクローズドβを行なう予定だ。課金方式は現在の所未定となっている。

 今回出展されたバージョンは1つのダンジョンをソロで進む、というものになっており、剣と盾を持った女戦士の「ビオナ」と、2本の刀を使う甲冑に実をまとった剣士「ミシータ」という2人のキャラクタを使うことができた。

 「マビノギ英雄伝」は街ではMMOで、ダンジョンはインスタンスになっており、最大で4人でプレイできるようになるという。操作はカーソルキーで移動、QとEキーで視点を回転させ、Dキーで攻撃、Sキーでダッシュ、Wキーでものをつかむことができる。Dキーを押すことでコンボが繋がる。ばっさばっさと敵を切り裂くのは爽快だ。

 本作で強調されているのは「物理エンジン」である。「マビノギ英雄伝」はソースエンジンを利用しており、ダンジョン内の様々な物が砕け、吹っ飛ぶ。樽や石などをwキーで持ち上げ投げつけることができる。物を持ったままそれで殴ることも可能だ。ダンジョンにある柵をこわし、太い柱を軽々と持ち上げ振り回すことも可能だった。発表会のムービーでは木で組んだ砦をこわすシーンなども見られた。

 今回は魔法の変わりに、サブ武器として槍などの飛び道具を投げることができた。この他にも、鎖を投げつけて敵にからみつかせたり、手裏剣などを考えているという。ボスに二人で鎖をからみつかせ、協力して引っ張る、ということもできるようになるという。

 剣を振り回したり、盾で体当たりを仕掛けたりと、キャラクタは様々な技を繰り出すことができる。気になったのが、キー配置である。キャラクタは高速で動きながら攻撃を繰り出すため、敵と位置がずれてくる。敵を視界にとらえるために視点移動をしたいのだが、攻撃キーを連打していると、同じ左手で視点移動キーは押しにくい。今後考えてもらいたいところだ。

 今回は制作スタッフに話を聞くこともできた。「マビノギ」の様に生産はできるか、など、いくつか「マビノギ」との関連を聞いてみたのだが、「全く違うアクションゲームを作りたいんだ」という部分を特に強調していた。韓国国内でも繰り返しされている質問のようで、「マビノギ」とは出発点やコンセプトから違うゲームというところを強調していくようだ。ちなみに生産要素は、「入れるかどうかは未定」とのことだ。

 「マビノギ」は実は独自のアクション性と戦闘の駆け引きも人気がある。魔法で敵の防御を崩し、カウンターを当てるなど、いくつかのテクニックを使わなくては、初心者の壁を越えられない。独特のアクション性を持っている作品である。

 しかし、クリックしたところに移動してしまう操作性や、ゲームにおけるラグなどで、プレーヤーの思い通りにならないところがある。「もっと上手に戦って、敵を圧倒したい」と、技の繋がりを追求するコアプレーヤーも少なからずいるゲームだ。ファンとって、「マビノギ」に関わっていたスタッフが、戦闘にどのような要素を盛り込むかは気になるところだ。

 「マビノギ英雄伝」の紹介ムービーの最後にはボスとして巨大な蜘蛛が登場した。大蜘蛛は「マビノギ」プレーヤーにはおなじみの、最初のダンジョンに登場するボスだ。「マビノギ」プレーヤーは関連している部分をどうしても探す。アクションゲームファンにはもちろんだが、「マビノギ」ファンにも大いに気になるタイトルだ。どのような作品になるか、今後の動きを見守りたい。

今回はシングルプレイのみだったが終盤にボスが待っていたりと、迫力タップリな戦いが楽しめた


■ かわいいキャラクタがはちゃめちゃに撃ち合う対戦型シューティング「バブルファイター」

「バブルファイター」はカップルでプレイする姿も目立った
 「バブルファイター」は正式なタイトルは「クレイジーシューティング バブルファイター」である。水風船を使って対戦する「クレイジーアーケード BnB」、「クレージーレーシング カートライダー」と同じキャラクタが活躍する、NEXONのカジュアルゲームシリーズの最新作に当たるゲームだ。2008年にサービスを予定しており、アイテム課金を考えているという。

 「バブルファイター」は基本ルールは「カウンターストライク」などの対戦型FPSのルールを踏襲している。フィールドキャラクタなど全体的にコミカルなタッチで描かれており、キャラクタを後ろから見る3人称視点のゲームとなっている。2頭身ともいえない、巨大な頭を持つキャラクタなため、画面を大きくキャラクタの後頭部が多い、移動をするとちょこまかと短い手足を動かすのは今までの対戦型FPSにはない、ほのぼのとした雰囲気を造り出す。

 ゲームシステムもまた取っつきやすいものになっている。プレーヤーの前にある照準は大きく、敵も頭が大きいため当てやすい。キャラクタの武器が水鉄砲なためか、攻撃を数発当てられても倒れない。このため、会場でも至近距離で攻撃を当て合うというはちゃめちゃさを感じられるシーンが続出した。

 やられたときも独自のルールがあり、キャラクタはHPが0になっても倒れるわけでなく、巨大な水玉に閉じこめられてしまう。この時敵に触れられれば倒されてしまうのだが、味方が触れると水玉から解放される。味方と一緒に行動していれば倒されるリスクは減りそうだ。水玉に包まれているときは、マウス連打で少しずつ移動できる。敵から逃れるためムキになって連打をする人もいて、画面だけでなく、プレイしている人の姿も楽しかった。

 また、障害物にくっついて方向ボタンを押すと回り込んで撃つことができる。体より大きな頭でのぞき込むといっても戦略的に有効かは微妙なところだが、ちょっとしたテクニックで勝つことができればうれしさは倍増する。テクニックとして積極的に使っていきたい。

 韓国では「スペシャルフォース」のヒット以来、どのメーカーも対戦型FPSを発表したが、この「バブルファイター」ほどにオリジナリティーを持ち、コミカルな対戦を実現したゲームはないだろう。「カートライダー」は韓国で大きな人気を誇るが、カジュアルゲーム、低年齢のユーザーが楽しめるコンテンツを作るノウハウは、NEXONに1日の長があると感じた。

パートナーが助けることができる「バブルファイター」。連携できればスムースに戦える


■ 複数を相手にするのが楽しいストリート格闘ゲーム「The Fourth Zone」

 ストリート風の屈強なキャラ達が、過激な戦いを繰り広げるのが「The Fourth Zone」だ。最大8人のバトルロイヤルと、チーム戦が楽しめる。来年初旬にオープンβテスト予定で、アイテム課金を予定している。

 この作品の一番面白いところは「多対1」を想定した駆け引き。相手を羽交い締めにしてもう1人が殴ったり、片方が足をくじき、姿勢を崩したところを更に殴ったり、倒れた相手に複数でストンピングしたりと、複数で1人をボコボコにする事ができる。

 その反対に、複数を一度で攻撃する方法も多彩に用意されている。攻撃は1つのボタンでできるため、簡単なアクションで多彩な攻撃が繰り出せる。ちょっと残酷にみえる技も、カートゥーンレンタリングの不良っぽいキャラクタがやると許せてしまう所もあり、楽しく過激に楽しめるゲームになりそうだ。

集団戦ならではの戦いが体験できる。あたり判定に関してはもう少し詰める必要を感じた


「SilentPlot 1」
ホラーと近未来の雰囲気を取り入れたMMORPG「SilentPlot 1」。キャラクタの衣装は細かく描き込まれており、武器はプラズマライフルやレーザーガンなど未来的な武器や、巨大な剣などもある。インスタンスダンジョンでは巨大なボスが待ち受けていたりと、演出も楽しい。移動にバイクなども用意されていて、どんなセンスで世界を描くかに期待したい。2008年上半期にサービス予定だ。

「トラッシュバスター」
プレーヤーが掃除機を持ち、様々なオブジェクトを吸い込み、対戦相手に当てることで勝利を目指す「トラッシュバスター」は、コミカルな雰囲気のある「3D吸入アクションだ」。対戦フィールドのほとんど全てのオブジェクトを吸い込むことができるが、物を吸い込みすぎると敵に攻撃される大きな隙になる。何を吸い、どう攻撃するか戦略性が問われる。

「ELSWORD」
かわいいキャラクタが活躍する横スクロールアクションRPG「ELSWORD」。今年中にオープンβテストを行ない、アイテム課金を予定している。街で仲間を募り、対戦では8名、協力プレイでは6名がゲームに参加できる。コンボの最後はキャラクタがアップになったり、必殺技では漫画風にコマ割りされたページが表示されるなど演出がユニークな作品だ。

「COMBAT ARMS」
2007年10月にクローズドβテストが行なわれた「COMBAT ARMS」は特に「軍隊での戦い」にテーマを置き、リアルな緊張感を体験できる。現代兵器を取りそろえ、バズーカなどまで用意されている。正式サービスはアイテム課金予定。

「Slapshot」
本誌でも取り上げた「Slapshot」は、特に“ラグ”への対策に注力し、快適な対戦を行なうことができるという。アイテム課金を予定し、3対3の対戦と、ビジターとして1人のプレーヤーを招待可能になっている。プレーヤーのアバターはへヴィメタル風のものが多く、異色な雰囲気を持つ作品となっている。

(c) 2007 NEXON Corporation All rights reserved.

□G★ 2007のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□NEXONのページ
http://www.nexon.com
□関連情報
【9月20日】新鋭Numixが放つ“乱闘あり”のアイスホッケーゲーム
オンラインアイスホッケー「Slapshot Underground」レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071019/korea_16.htm

(2007年11月9日)

[Reported by 勝田哲也]



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