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11月26日より 順次発売予定
会場では、11月26日以降に順次発売とされた、905iシリーズのタッチ&トライコーナーも設けられた。705iシリーズは発売が2008年以降と少し先になるためか、いずれも展示のみとなった。
■ 905iシリーズの“ゲーム機”としての拡張 905iシリーズは、ゲーム機として見ても、いくつかの点で機能が向上している。まず1点目は、全ての端末のメインディスプレイが、ワイドVGA(480×854ドット)となっていること。これまでにもワイドVGA搭載機種はあったが、905iで全機種一律となったことで、今後はワイドVGAに対応したゲームアプリが増えてきそうだ。905iシリーズの端末には、ワイドVGA対応アプリをプリインストールしているものも見られる。詳しくは後ほど、端末ごとに紹介していきたい。 2点目は、全機種でFOMAハイスピード(HSDPA)に対応したこと。通常のFOMA端末では、データ受信速度は最大384Kbpsとなっているが、FOMAハイスピード端末をFOMAハイスピードエリア内で使えば、約10倍の最大3.6Mbpsで通信できる。メガゲームにより大容量化が進んでいるアプリのダウンロードも素早くなるとともに、通信対応ゲームもより快適にプレイできるだろう。 3点目は、「直感ゲーム」の拡張。「直感ゲーム」は、端末に内蔵されたモーションセンサーや、内蔵カメラの映像解析により、端末の動きを認識し、それをゲームに取り入れたもの。従来は数機種のみの対応だったが、905iシリーズでは「P905iTV」を除く9機種で対応。またこのうち6機種では、新たに音声入力にも対応し、動きだけでなく声もゲームのインターフェイスとして取り入れている。
では、会場に展示された905iシリーズにプリインストールされていたアプリを、各端末ごとに紹介していく。
■ P905i 折りたたみ携帯端末では一般的な縦方向への開き方に加え、本を開くように横向きに開けることもできる「Wオープンスタイル」を採用している。ワンセグの視聴の際には安定感があり、見た目にもいい意味で「携帯らしからぬ雰囲気」を見せる。そしてこのスタイルが、ゲームにも非常にマッチしている。 プリインストールされているアプリは、「リッジレーサーズモバイル」。ワイドVGA対応の3Dレースゲームで、横開きの状態にしてプレイする。実際に持ってみると、上方にワイド画面、下方にボタンという形。方向キーで車体を左右に動かし、8ボタンでアクセル、5ボタンでブレーキ。ゲームボーイなどの携帯型ゲーム機と非常に似たスタイルで、両手を使った操作にも無理がなく、かなり快適にプレイできた。 「リッジレーサーズモバイル」自体も非常にクオリティが高い。ワイドVGA対応だけあってグラフィックスはかなり繊細で、かつフレームレートも高い。「リッジレーサーズ」本家本元のPSP版にかなり近いレベルまで達している。ゲーム内容も、シリーズならではのドリフト操作はもちろん、ニトロもきちんと用意されている。
P905i以外の端末にも配信される予定。縦方向にのみ開けられる端末では、端末を横にして、左に画面を見つつ、右のキーで操作するというスタイルになるという。
■ D905i
ゲームアプリは「タマラン」をプリインストール。マップの上に乗った液体のように柔らかい球体を、マップ自体を傾けることで転がし、途中の条件をクリアしながらゴールを目指す。パズル的な要素も楽しめるアクションゲームとなっている。
マップの傾きを動かすには、もちろん端末そのものを傾ければいい。センサーの感度も「モーションコントロール」を搭載しているだけあって、何ら違和感がない。元々はPSP用のゲームだが、直感ゲームにとてもマッチした作品に仕上がっている。
■ F905i
プリインストールのアプリでは、「チャクレンジャーカート ネオ」が用意されている。戦隊もののヒーローにしては少々個性的なキャラクタたち(チャクレンジャー)がカートで競うという3Dレースゲーム。横向きのワイド画面でプレイできる。
見た目のライトさにたがわず、ゲーム内容も比較的ライトに作られている。まずアクセルがなく、常に全速力で加速するので、基本は方向キーで左右に操作するだけでいい。マップ上に落ちているアイテムを拾うと、カートをさらに加速させたり、相手を妨害したりできる。またコース上にも乗ると加速するパネルがあったり、水中を走るコースがあったりと、ゲーム的にもなかなか凝ったつくりになっている。
■ N905i カメラ機能を重視した、スタンダードなタイプの端末。ゲームと関係しそうな機能では、「ヤマハサウンド」を搭載したことで、高音質を実現しているという。 プリインストールのアプリは、直感ゲームの2タイトル。D905iの「モーションコントロール」とは異なり、端末に内蔵されたカメラの動きを分析することで、端末の動きを認識する。今回は会場が明るかったこともあってか、操作感は上々。ただし、指でカメラ部分を塞ぐようにしてしまうと、当然全く動きを認識できなくなるので注意が必要。
アプリの1つ目「直感!! コロリンパ」は、Wii用に発売された「コロリンパ」の携帯バージョン。マップを傾けてタマを転がし、ゴールに導く。マップの傾きは、本体の動きで認識する。もう1つは「絶対視覚」という、錯視(目の錯覚)をクイズにしたゲーム。4択の問題を答える際、ボタンを押すのではなく、4隅にある答えの番号の角度に本体を傾ける。
■ SH905i
ゲームは「デビルメイクライ for SH」をプリインストール。縦に開く端末ではあるが、ディスプレイ全面を使用した3Dアクションとなっている。剣と銃はそれぞれ1ボタンで使い分けができ、特に剣は連打していれば近くの敵を攻撃してくれる。深く考えなくても遊べる、シンプルな爽快感がある。
さらに方向キーと攻撃ボタンを組み合わせれば、敵を空中に切り上げて銃で撃ちまくる、といったことも可能。「デビルメイクライ」らしいスタイリッシュなアクションも、きちんと実現されている。
■ SO905i
プリインストールは、直感ゲームの「スーパーモンキーボール for SO」。サルの入ったボールを、マップの縁から落ちないように転がしてゴールを目指す。携帯電話を傾けると、その方向にボールが転がっていく。画面下には傾きがどちらになっているかがグラフィカルに示されており、そのおかげもあってか操作感はかなり良好だった。
ライトなゲームながら、フル3DのグラフィックスはVGA対応でかなりクオリティが高い。派手さはないが、ゲームとしてきちんと考えて作られているのが感じられる。
■ N905iμ
プリインストールは、N905iと同じ「絶対視覚」と、「PLATINUM SURIKI」。こちらはいわゆる「数独」のアプリで、モノトーンな配色がソリッドな印象を与えている。ゲームは難易度が3段階あり、ゲームをスタートすると、「No.~~の問題です」と番号が示される。試しにプレイしたときには、1万番以上の数字が出てきた。問題のバリエーションもかなり多いようで、プリインストールながら長く遊べそうだ。
このほかの端末では、「Cyber-shotケータイ」としてデジカメ機能を特に強調した「SO905iCS」と、液晶が横向きになるサイクロイドスタイルを採用した「SH905iTV」、ワンセグ映像を倍速の30コマに変換する機能を搭載し「VIERAケータイ」と銘打った「P905iTV」の3機種がある。
このうち、「SO905iCS」のゲーム関連のプリインストールアプリは「SO905i」と同様。「SH905i」はゲームのプリインストールがなかった。「P905iTV」は今回はモックアップのみで、実機は触れなかった。
■ その他のゲームアプリ 新端末のタッチ&トライのほか、新機能を紹介するコーナーも設けられており、いくつかのゲームアプリが展示されていた。 バンダイネットワークスの「機動戦士ガンダム U.C.0079」は、ワイドVGA対応の3Dアクションゲーム。「機動戦士ガンダム」を題材にしたアプリは、これまでにもいくつもあったが、本作はその中でも飛びぬけて高画質。3Dモデルの繊細さに加え、サーベルの軌跡、モビルスーツの挙動など、どこを取っても非常によくできている。
プレイした端末はP905iだったのだが、こちらも操作感が非常に良好。携帯アプリでありながら、ブーストで高速移動しながら斬りつけるといった複雑な操作もできるのが嬉しい。またアムロやシャアの登場シーンでは、キャラクタのカットインとともにボイスも流れる。こういう言い方もどうかとは思うが、インターフェイスを含め、「普通のゲーム」として楽しめるレベルになっている。配信は年末から年明けにかけてを予定しているという。
ただ現状では、ワイドVGAやFOMAハイスピードといった機能に対応したアプリはまだ少ない。プリインストールのアプリも直感ゲームが主流となっていたが、その中にも音声入力に対応したものは見当たらなかった。ただ音声入力自体は、翻訳ソフトなど、ゲーム以外の分野に生かされていたようだ。今後はおそらく905iシリーズ専用となるようなハイエンドなアプリも登場するはず。どういった展開を見せるのか、期待して見守りたい。
ゲーム用端末としては、P905iが好印象。やはりゲームユーザーに慣れ親しんだスタイルに近いというのは、大きなメリットだ。もちろん、アプリ側が横開きのスタイルに対応する必要はあるが、ダメなら縦開きで従来どおりのスタイルでもプレイできる。片手で遊ぶか、両手を使うかというスタイルの違いもあるので、必ずしも横開きが優れているとは言わないが、選択肢の幅が広がるのは歓迎してもいいだろう。
(2007年11月1日) [Reported by 石田賀津男]
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