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セカンドファクトリー、「ADスクエア」の内覧会を開催
イベントフロア、カフェ、PCルームなどをゲームコミュニティに提供

10月16日正式オープン

 株式会社セカンドファクトリーは、10月9日、複合カフェ施設「ADスクエア」の内覧会を開催した。正式オープンは、当初の予定では10月10日が予定されていたが、レイアウトの一部変更により、10月16日に延期となっている。内覧会には、メディアや業界関係者のほか、ゲストとしてサイカングループ会長の金正津氏も駆けつけ、プレオープンを祝福した。


■ ゲームコミュニティ専門会社のアンテナスポット「ADスクエア」

施設の紹介を行なうセカンドファクトリー代表取締役社長 前川浩史氏。「ハコは立派なのができたので、後は企画とメーカーとのリレーションシップ」という
中央通りから路地を1本入ったところにある。PCパーツショップや飲食店、DVDショップ等が並ぶ。小綺麗な雰囲気がやや異質に映る
ADスクエアのイメージキャラクタである「アキバドッグ」。ホットドッグと犬をかけたイメージになっている。ADスクエアの営業時間は11時から23時までとかなり長め
 「ADスクエア」は、サイカングループが日本で推進するゲームコミュニティに対するサポートの拠点として、孫会社セカンドファクトリーが運営を行なう複合カフェ施設。日本を代表する電脳街である東京秋葉原にあり、同社が発行しているオンラインゲームマガジン「アキバドッグ+」の頭文字を取って「ADスクエア」と命名している。ちなみに読み方は「アドスクエア」だが、アドバタイジングを目的としたイベントスペースではないということだ。

 施設は秋葉原の目抜き通りである中央通りから1本路地裏に入ったPCパーツエリアにあり、4階建ての建物すべてを使っている。1階にはキャパシティ50名ほどのイベントスペースがあり、ユーザーやメーカーイベントとして利用できるほか、常設イベントとしてネットラジオの公開収録が行なわれる。ステージ横には、ゲストの控え室兼、店内のモニタやスピーカを集中管理する小部屋があり、多目的な利用を前提とした設備投資が行なわれている。レンタル費用については現在検討中ということで、曜日、時間、利用フロア数によって、数万円から数十万円で提供していく方針だという。

 2階にはカフェがあり、喫茶スペースとしても使えるだけでなく、貸し切ってオフ会やパーティーも開くことができる。カフェの女性スタッフは、セカンドファクトリーオリジナルデザインのユニフォームに身を包んでおり、ちょっとしたウリとなっている。デザインコンセプトは、同社のイメージカラーであるオレンジを基調に、犬っぽさと格好可愛い(かっこかわいい)感じの両立を目指したという。

 カフェのメニューは、セットで1,000円弱のケーキとドリンクのセットをメインに、パスタ等の軽食、夜間はアルコールも出す。ノートPC等を持ち込むことで、無料でネットワーク(有線、無線)を利用できるところが大きなウリとなっている。

 3階はネットカフェ風のPCエリアになっており、正方形のスペースの壁側全面にネットワークに接続された20台のPCが設置されている。中央にはテーブルが配置され、こちらも個人のみならず団体での利用も可能となっている。個人利用を想定して、Neccaの管理システムを導入しているが、これ単体でのビジネスは想定していないということで、既存のネットカフェのような従量制ではなく、会員制による展開を検討しているという。具体的な価格設定は現在調整中とのことだが、1日3時間限定で、半年で数千円程度を想定。なお、3階の階段側には、B0対応の大判プリンタが置かれ、スタッフにデータを渡すことで、その場でポスターサイズの印刷も行なってくれる有料サービスも行なう。

 4階は、イベントのゲストやコスプレパーティーでの利用を想定した和式の更衣室を用意。その隣にはセカンドファクトリー代表取締役社長 前川浩史氏の部屋がある。この社長室には、大きなデスクにイス、それに丸テーブルがあり、ADスクエア関連の商談のほか、コミュニティとの直の交流を行なっていくという。

【1階 イベントスペース】
1階のイベントスペースのキャパシティは立ち見で50名前後。ステージは奥行きを確保し、ミニコンサートや数人での対談なども行なえそう。ここでどういったイベントが行なわれるのか楽しみだ

【2階 カフェ】
2階は専用コスチュームを着た女性スタッフが迎えてくれる。ケーキは、毎朝、委託先から届けてもらうという。夜間にはアルコールも出してくれる


■ 当面のターゲットは「ラグナロクオンライン」ユーザー。来春にはポータル事業も展開開始

ステージで握手を行なう金氏(左)と前川氏(右)
取材に協力していただいた前川氏。手に持っているのは東京ゲームショウのサイカンブースで配られた「アキバドッグ+」創刊準備号。1号は10月30日発行予定
 内覧会の後、グループ会長の金正津氏と前川氏に話を聞く機会を得た。金氏は、「物販等がまだないが、満足している。ADスクエアで、ゲーム無しでコミュニティ活性化が成り立つかどうかチャレンジしたい」と述べると、前川氏も「ハコを提供するだけでなく、ラジオやネットを通じて情報発信していく。将来的にはCDや雑誌、キャラクタグッズ等のマーチャンダイズも手がけていきたい」と抱負を語ってくれた。

 前川氏の当面の事業目標は「ユーザーさんを集めること」だという。これを裏付けるようにADスクエアでは、1階を全面ガラス張りにして外から見えやすくし、カフェではネット無料、PCも安価で利用可能と、できる限り敷居を下げる工夫を施している。

 まずはメーカーにイベントスペースとして安価で提供し、実績と運営ノウハウを積み上げ、またセカンドファクトリーでフリーペーパー「アキバドッグ+」を出版し、ADスクエアや同人誌ショップ等を通じて配布してユーザーへの認知を進めていく。次の段階として、ユーザー主催のイベントを恒常化し、本来の狙いであるコミュニティの活性化に繋げていく。そして、3段階目として、ポータルサイトを立ち上げ、コミュニティに対するオンラインサービスを開始していく。現在内容を検討中ということだが、基本コンセプトは、ゲームコミュニティや同人コミュニティに対する会員制のコミュニティサービス。来春頃の公開を予定しているという。

 ADスクエアが想定するターゲット層は、“オンラインゲームに興味のある20代”ということだが、当面のメインターゲットは、前川氏自身が所属している「ラグナロクオンライン」のコミュニティだという。

 前川氏は、自身が主催しているRAG-FES事務局の代表を兼務しており、同人誌即売会「RAG-FES 25」をADスクエアで開催する計画を立てているという。前川氏はRAG-FES事務局の代表として、ガンホーとは長い協力関係にあるが、セカンドファクトリー代表取締役社長としての付き合いはこれからとなる。ガンホーとの新しい協力関係が築けるかどうか、また、実際にコミュニティの集まる場になりうるのかどうか。10月16日の正式サービス後の動向に注目したいところだ。

【3階 PCスペース】
3階はPCスペース。Neccaの管理システムを採用しており、ネットカフェ的な利用も可能。キーボードはSoft TradingのSteel Keys 6G等、数種類が利用されていた。ひっそりと大判プリンタがあるのが、ADスクエアらしいところである

【4階 更衣室】
和室の更衣室は、コスプレイヤーの着替えやイベント出演者の控え室として利用される。その隣に社長室があるのがユニークだ。その奥には従業員の事務スペースがある

□セカンドファクトリーのホームページ
http://www.secondfactory.co.jp/
□関連情報
【2007年9月21日】サイカンゲームズブースレポート
「PaperMan」、「R-MAN」をプレイアブル出展、ほしのあきさんも参戦
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070921/cykan.htm

(2007年10月9日)

[Reported by 中村聖司]



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