|
会場:ナムコ ワンダーパーク ヒーローズベース(神奈川)
スペシャルゲストとして、声優の古谷 徹さん、池田秀一さん、そして潘 恵子さんが登場。大会後にはトークショウも行なわれた。 ■ 名のあるプレーヤーが集まった「首都圏大会」レポート 本大会は首都圏のナムコ直営店、かつ「戦場の絆」を2セット設置している店舗8店舗にて予選を開催し、それらの予選を制した8チームが集まり、最強の座をかけて雌雄を決するというもの。予選では首都圏どころか全国的に名を馳せる有名パイロットたちがしのぎを削り、その果てに勝ち上がったチームが決勝に駒を進めただけに、8チームそれぞれの陣容だけでも十分に見応えのある大会となった。 決勝は8チームのトーナメントで、引き分けの場合にのみ再試合という、シンプルかつ一発性の高いレギュレーション。ゆえに、どのチームにもポジティブとネガティブ両面での「よもや」の可能性があり、緊迫した試合も見受けられた。なお、参加チームとメンバーは次の通り。
ホームのエリアにこだわって代表権を獲得できた「アホパン2」と、津田沼をホームとする「第3期YAO軍団」を除くと、代表権獲得店舗と各チームおよびパイロットのホームであるエリアがまるで噛み合っていないあたりが、「首都圏」大会の醍醐味といったところであろう。予選落ちのたびにメンバーが少しずつ強化されていき、最終的にはかなり強力な陣容となって予選を制したチームもあったりで、結果的に決勝の顔ぶれが豪華なものになったというのは喜ばしい。 では、1回勝てば準決勝というトーナメント戦から、印象に残った試合と、準決勝以降の試合をピックアップしていこう。
【第2試合】「消えたタイガーマスク」(連邦軍)VS「ぽ」(ジオン軍) F.Laylaとなるみの陸戦型ガンダムと、クロネコのガンダムEz-8というかなりの高コスト編成で前衛を構築した「タイガーマスク」チームに対して、「ぽ」チームはヒーサのグフ、ちょーしゅーとぽらりすのザクIIという、お手本とも言える低コスト編成。 高コストならではの安定と不安定、低コストならではの安定と不安定のどちらに軍配が上がるかが興味深かったが、ぽらりすのザクIIが陸戦型ガンダムとのタイマンを制するという大仕事をきっかけに、数的有利になったところでEz-8も撃破し、ジオン軍は1機も撃破されないうちに連邦軍側拠点のジム工場の撃破に成功という理想的な展開に。そのままジオン軍がジム工場の2落としに成功して、「ぽ」チームが勝利を収めた。高コスト機ならではの強さを活かしきれなければ、高コスト編成はただ苦しいだけ、という典型的な試合だったのではなかろうか。 【第3試合】「第3期YAO軍団(連邦軍)」VS「クールなクールなホットさん」(ジオン軍) 優勝候補の本命との下馬評も高い「クールなクールなホットさん」チームの初戦だけに、いやが上にも注目が集まる試合。連邦軍はshinewayのガンダムEz-8、カケル・ローとラリヲの陸戦型ガンダムという高コスト編成で、ジオン軍はWINGのグフ、YUDAとおれYOEEE!(たまま)のザクIIという低コスト編成。第2試合に続いての高コスト編成VS低コスト編成という対決になった。 序盤、連邦軍が高コスト編成ならではの火力を遺憾なく発揮し、ジオン軍の全MSを撃破しながらジオン軍側拠点のアッザムの撃破に成功。その時点で戦力ゲージの差は1,600vs800と圧倒的で、連邦軍は無難にひとまず拠点に引いての回復を選択。復活したジオン軍は即座にジム工場を撃破しつつ、ジム工場付近までラインを上げて耐久力が回復しきっていない連邦軍のMSを掃討し、戦力ゲージ差を詰めていく。このタイミングでの戦力ゲージはまだ連邦軍側が優勢だったが、ジオン軍は高いラインを保ったままで拠点撃破に移行し、残り時間わずかでジム工場の2落としに成功。圧倒的な戦力ゲージ差をひっくり返し、ジオン軍が劇的な逆転勝利を収めた。連邦軍としては、有利な状態で拠点まで引いたあと、どこで敵タンクの時間を奪うのか、どうやってラインを上げ直すのか、というあたりのイメージに欠けていた点が悔やまれる。 【第4試合】「HELP ME,EIRIIN!」(連邦軍)VS「アホパン2」(ジオン軍) 「アホパン2」の本来の大会メンバーである884が大会当日に急性盲腸炎で入院というハプニングが発生し、急遽JIVEを加えての出場となったというのが焦点に。結果、ジオン軍はカバパン2とJIVEのグフ、YoneのザクII、GOGOライダーのザクタンクという格2近1編成。対する連邦軍はばるのジム・ライトアーマー、こうき・はせがわの陸戦型ガンダム、くらんのジム、えぃりの量産型ガンタンクという編成。 拠点の落とし合いでジオン軍が後手に回り、最終的にはジオン軍がジム工場の2落としめにかかっている間にジオン軍の戦力ゲージが消滅。陸戦型ガンダムの被撃破を0のまま凌ぎきった「HELP ME,EIRIIN!」チームが勝利を収めた。 【準決勝第1試合】「助けてレイーセン」(連邦軍)VS「ぽ」(ジオン軍) 連邦軍は???の陸戦型ジム、サヤエンドウの陸戦型ガンダム、おじぃのジム、レイセン・U・Iの量産型ガンタンクという編成。対するジオン軍は、第2試合と同様にヒーサのグフ、ぽらりすとちょーしゅーのザクII、HEI$TAIのザクタンク。連邦軍のお手本的な編成と、ジオン軍が誇る低コスト編成というがっぷり四つの図式。 開始直後、連邦軍は全員が左ルートから進軍するという奇襲作戦を展開。連邦軍の陣形にうまく対応できなかったジオン軍は、アンチタンクに回った部隊が総崩れとなる。一方でザクタンクの護衛に回ったちょーしゅーのザクが陸戦型ガンダムを抑え込むという働きを見せるも、中盤になって???の陸戦型ジムが覚醒し、被撃破1から戦線に復帰したばかりのちょーしゅーザクに連撃ループを見舞うなどの活躍。サヤエンドウの陸戦型ガンダムも5機もの撃破数を叩き出し、最終的なジオン軍の被撃破数はグフが3回、ザクIIがそれぞれ2回ずつ、ザクタンクが2回と、MSで失ったコストが1,240。アッザムが2落としされるまでもなく、MSで失った多大なコストによってジオン軍のゲージが消滅。「助けてレイーセン」チームが決勝に駒を進めた。 【準決勝第2試合】「クールなクールなホットさん」(連邦軍)VS「HELP ME,EIRIIN!」(ジオン軍) WINGのジム・ライトアーマー、R・LOVE・Y(YUDA)の陸戦型ガンダム、たままのジム、クールさんの量産型ガンタンクというスタンダードな編成の連邦軍に対し、ジオン軍はビッキー(ばる)のギャン、こうき・はせがわのザクII(F2)、くらんのザクII、えぃりのザクタンクという強気な編成。 ギャンの機動力と爆発力が生かされるのかが注目されたが、前半のうちにギャンが撃破されてしまうというまずい展開に。こうき・はせがわのザクII(F2)がジム・ライトアーマーを撃破し、ジムにも満足な仕事をさせないという粘りを発揮して悪い流れを支えるも、ギャンに2度目の被撃破が訪れて手詰まり。ギャンをサポートしつつも手薄な場面を作らない、というミッションの難しさを感じさせる試合だったと言えるだろう。
というわけで、決勝に駒を進めたのは、ヒーローズベース代表の「助けてレイーセン」チームと、ナムコランド王子代表の「クールなクールなホットさん」チーム。予選敗退のたびにメンバーを入れ替えてチームを強化していき、最後の最後に滑り込みで代表権を勝ち取ったチームと、優勝候補の大本命と目される横綱チームという、対照的な2チームが決勝で顔を合わせることに。なお、準決勝から決勝の合間にはたっぷり1時間の休憩が用意されていたのだが、これほど長い休憩を挟んでの決勝というのは異例ではなかろうか。併設のナムコランドで暇つぶしのゲームに興じつつ、決勝に進出したチームの勢いや集中力を心配していたのだが、その結果やいかに。 【決勝】「クールなクールなホットさん」(連邦軍)」VS「助けてレイーセン」(ジオン軍) 連邦軍は準決勝と同じ役割でのジム・ライトアーマー、ジム、陸戦ガンダム、量産型ガンタンクという編成で、ジオン軍はUNKNOUN(???)のグフ、Mr.かわしま(おじぃ)のザクII(F2)、サヤエンドウのザクII、MORASIMU(レイセン・U・I)のザクタンクという編成。ファーストアタックでジム工場を撃破するまでにグフが落ちてジオン軍劣勢の展開となるも、なんとか踏みとどまってお互いに敵拠点の2落としに取りかかる展開に。しかし、その段階でザクタンクを2回撃破した上に、ザクII、ザクII(F2)も撃破し、さらには被撃破数がジム・ライトアーマーと量産型ガンタンクの1回ずつという連邦軍の優位は動かず、連邦軍がアッザムの2落としめを成功させた時点でジオン軍のゲージが消滅。優勝候補の大本命が、危なげなく(1回戦を除いて)優勝を決めることとなった。
「消えたタイガーマスク」と「第3期YAO軍団」の高火力高コスト編成、「アホパン2」の格2近1、「HELP ME,EIRIIN!」のギャン入り編成と、近接格闘型MSの火力が生きるジャブロー地下ならではの高火力編成もあったが、この日はほとんどツボにハマらず、典型的な負けパターンを露呈することになったのは残念。 また、引き分けの場合は再試合というレギュレーションにも関わらず、アンチタンク編成や、オール格近といった編成を取り入れるチームが存在しなかったのも特徴的。単純な勝ち負けではなく、互いに攻め合うという姿勢を貫くプレーヤーが集まった大会だったとも言えるだろう。
・優勝チームのWING氏にインタビュー さて、WING、たまま、YUDAという近距離戦型MSのエースを揃えたチームが、マップの特性に合わせて、近接格闘型のジム・ライトアーマー、近距離戦型に陸戦型ガンダムとジムという、バランスを重視した編成であったことは見逃せない。なぜ陸戦型ガンダムが2枚なのではなくジムなのか、やはり戦場が狭ければ近接格闘型MSが入っているほうが安定するのかなど、マップごとの編成に頭を悩ませるプレーヤーにとっては疑問も多いはず。飽くなき向上心を持ち続けるプレーヤーのために、優勝チームのWING氏へのインタビューでレポートを締めくくろう。 ――当初、決勝大会のマップはジャブロー地上が予定されていて、その場合には陸ガン×3、タンク×1の編成だという噂がありましたが、それは本当ですか(笑)? WING氏(以下敬称略):ジャブロー地上であれば、その編成でした(笑)。 ――決勝大会のマップはジャブロー地下へと変更されたわけですが、編成に近接格闘型が入っているのは、やはりマップの特性を考えての判断ですか? WING:そうですね。なにしろ主戦場となるエリアが狭いマップなので、近接格闘型の火力を生かせるだろうと思いました。 ――そこで陸戦型ジムではなく、ジム・ライトアーマーを選択した理由を教えてください WING:やはり機動力です。味方のタンク護衛をやったり、アンチタンク側に回ったりという切り替えが容易なので。陸戦型ジムだと、その仕事をするにはちょっと重いかな、と。 ――全試合を通して、連邦軍であればジム・ライトアーマー、陸戦型ガンダム、ジム、量産型ガンタンクという編成でしたが、なぜこの編成に落ち着いたのでしょうか? 近距離のエキスパートが3人も揃っているチームなので、ジムではなく陸戦型ガンダム×2というバリエーションもあったのでは? WING:もちろん、どの編成が最強、と決まっているわけではないので、陸戦型ガンダム×2で勝つこともできるとは思います。ただ、ジムがいたほうがラインを上げやすいというのと、うちのチームの場合、たままが攻撃的でYUDAが守備的という特徴があるので、その特徴に応じて、たままがジム、YUDAが陸戦型ガンダムという形に役割を振り分けたというのもあります。また、この編成は王子の大会でもやったことがあるので、その時の感触を思い出しながらやろう、というのもありました。 ――連邦軍の編成でのコスト計算はどんな感じで行なっていましたか? WING:とりあえず、拠点を2回落とされて、全部のMSが1回ずつ撃破された状態から、ジム・ライトアーマーかジム、または量産型ガンタンクが撃破されても、こちら側の戦力ゲージがギリギリ残るようにと。量産型ガンタンクにボップ・ミサイルBを装備してしまうと、ジム・ライトアーマーと量産型ガンタンクのどちらも2落ちできなくなるので、ボップ・ミサイルBは選択から外しました。 ――ジオン軍では一貫してグフ、ザクII×2、ザクタンクという編成でしたが、ザクII(F2)という選択肢はなかったのでしょうか? WING:ザクII(F2)を入れるというのは考えましたが、その編成を練習する機会がなかったんですよね(笑)。遠征に行ったときに岐阜のビシャスのザクII(F2)を見たりもして、アリだなとは思ったんですが、練習の日にメンバーが集まらなかったり、メンバーが集まっても、運悪くお店の都合でオフライン対戦ができなかったり……。結局、このゲームって連携力じゃないですか。しっかり練習できなくて自分たちが完全にモノにできていない機体や編成で勝負するよりも、ちゃんと自分たちのモノになっている形で勝負したほうがいいんじゃないかと。そういうわけで、いちばんやり慣れているグフ、ザクII×2という編成に決めました。 ――ところで、1回戦(第3試合)の話ですが、慌てましたか(笑)? WING:めちゃくちゃ慌てました(笑)。連邦軍のタンクの中途半端な立ち回りに救われた感じはありましたね。ただ、終盤は拠点を落とせなくてもタンクか陸戦型ガンダムのどっちかは取れる状態だったので、最終的に勝てる形にはなっていたということで落ち着いてはいました。 ――このマップであればギャンやガンダムEz-8といった高火力格闘機も活躍できるのではないかと思いましたが、大会ではうまくハマりませんでしたね WING:確かにそういった機体の選択もアリだとは思います。でも、どこかで高コストということを意識してしまうというか、そのせいで行くべきところで行けなかったり、という部分があったんじゃないかと。基本的にはみんなお手本とかスタンダードとか呼ばれてる編成での戦い方に慣れてるわけじゃないですか。高コスト編成は、そういうやり慣れた編成を試したあとに、数回やってみただけでなんとなくいけるような感触を掴めた気になってしまうというか。要するに、まだ完全にモノにはできていないんじゃないかと。大会で安定した実力を発揮するには、現状だとまだ少し練習不足なんじゃないかという気がします。 ――可能性がないわけではないと? WING:これがだいたい正解というか、安定感が高い編成というのはあると思います。ただ、その先の可能性というものを考えないと、ゲームはそこで止まってしまう。マップの特性と相性がいいと思える機体が存在するのであれば、その可能性や編成のバリエーションを模索してみるべきだと思います。このゲームに限らず、考え続けて試し続けることこそが、ゲームをやるということの意義だと思うので。 ――ありがとうございました。 (Reported by トバ・ルマン Special thanks to ぽらりす、ω@ド厨様)
■ 新機体に「エルメス」も追加!? 潘さんのお願いに馬場、小山氏もタジタジ
株式会社バンプレストの馬場龍一郎プロデューサーと株式会社バンダイナムコゲームスの小山順一朗プロデューサーも登壇、5人がステージ上で決勝戦を見守る構図となった。古谷さんが連邦軍、池田さんがジオン軍と、アムロとシャアが生で応援するという恵まれたシチュエーションでの大会となったが、結果はレポートの通り。
大会を見ていた潘さんは、「小学校のころから『パイロットになりたかった』」と告白。実際にA-300の操縦席に座って、操縦桿を握ったこともあるというほどの乗り物好きで、「私も(戦場の絆に)乗ってみたい」と興奮気味。
馬場氏からは、11月3日から開催される「2007オフィシャル全国大会ver.0.1」の開催が決定したことが改めて報告された。「レギュレーションはまだ検討中」とのことだが、12月22日にはヒーローズベースで全国決勝大会が行なわれる。その前日には、オリジナル音声を収録したHDプレミアムマスターによる再DVD化が行なわれたDVD「機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス」が発売される……ということは、賞品にも期待が膨らむところだ。ぜひ今回の大会のノウハウを生かし、参加プレーヤーにももっと楽しめる大会運営をお願いしたい。
(C) 創通・サンライズ
□ナムコのホームページ (2007年10月1日) [Reported by 三番町第20小隊]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|