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2008年発売予定 価格:未定 「dress」は、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの平井一夫代表取締役社長兼グループCEOが壇上に上がった「TGSフォーラム」の基調講演で発表され、同日にSCEJのクローズドシアターでプレゼンテーションも行なわれた「Home」専用のプレミアムコンテンツ。プレゼンテーションは「ツーリスト・トロフィー」のディレクターを務めたポリフォニー・デジタルの七澤崇聖氏が行なった。 「dress」に触れる前にまず「Home」のおさらいをすると、HOMEはPS3で楽しめるHD仮想現実社会のユーザーコミュニケーションサービス。MMORPGのような3D空間の中で、各自の家を持ち、室内のレイアウトを自在にカスタマイズ、PS3に取り込んだ映像や音楽を楽しめるほか、映画館やクラシカルなアーケード筐体で遊ぶこともできる。サービスは来年春を予定している。 そして「dress」は、Homeの世界にファッションという楽しみを追加する。プレミアムコンテンツならではのアバター(自分の作成したキャラクタ)のカスタマイズ機能を持ち、現実にあるファッション関連メーカーとHome内のファッションを結ぶという。 まず、ユーザーは「dress」専用のアバターを作成できる。ヘアスタイル、メイク、顔や体型をより詳細に決められる。そのクオリティは、アバターを自分に似せようとすれば、詳細に再現できるレベルにまで高めるという。それによって、ヘアスタイルを変えた自分や、衣服を変えた自分のシミュレーションにもなるということだ。衣服の面においても、パターンや構造も忠実に再現するべく、衣料現場の方々と現在深くコラボレーションしているという。 今回は撮影不許可のプレゼンテーションであったため、画面でお見せできないのだが、紹介されていたアバターと思われるキャラクタは非常に美しく、そしてリアルに仕上がっていた。日本でも他地域の世界でも受け入れられるような造形で、それがプレミアムサービスのアバターであるならば非常に期待できる。
・ファッションを楽しむ全ての人、ブランド、デザイナーが自由に楽しむ4つのテーマ
4つのテーマはそれぞれ「dress:タウン」、「dress:スタジオ」、「dress:ミュージアム」、「dress:パーク」というステージを構成する。タウンにおいては、建築物を現実に即したプロセスで内装を作っているという。現実のファッションブランドに参加を要請しており、建物全体でファッションにフォーカスした音楽やインタビューなど、ブランドからの様々な情報を得られる。将来的にはここでブランドの衣服を試着し、ダイレクトに現実の衣服を購入するという流れも考えている。 また、ストリート&カジュアルにフォーカスした場所では、普段着のオシャレを扱う。ファッションブランドの実際の店舗やWebショップに行く前に、アバターでいくらでも試着ができ、様々なブランドのコーディネートを楽しめる。ファッションブランド側としても、過去に販売した物やこれから販売する物をショールームとして見せることもできる。また、このプロジェクトを進めるなか、デザイナーのMIHARA YASUHIRO氏に企画を説明すると、「このバーチャル空間で私たちから接客することはできるのでしょうか?」という質問があったそうだ。より一段進んだバーチャルのコミュニケーションサービスとして、作り手と受け手の距離が近くなるのは面白いかもしれない。 「dress:スタジオ」は、自分で衣服を作る、というテーマ。様々に用意された色、パターン、イラストなど、スタイルなど無数の組み合わせを楽しみ、それを着てHomeの世界を楽しめる。あるオリジナルウェアを作る人にこの企画を見せると、「dress:スタジオ」のエディットツールは、リアルな製作作業に用いることも可能だと話されたそうだ。将来的にはエディットツールで作った衣服のデータを送信し、実際の衣服に仕立ててもらうようなサービスもできるという。もちろん、自分で作った衣服を友人などにアバターまたは現実でプレゼントするというコミュニケーションもありだ。 「dress:ミュージアム」は、人類と同じほどの歴史があり、地域や文化によって個性があるファッションの歴史を集め、インタラクティブに楽しめる空間になるという。失われつつある歴史的なファッションをアーカイブとなり、ファッションの未来へ意義のあるコンテンツになるという。 「dress:パーク」は、バーチャル空間でリアルタイムに伝わる、もしくは非リアルタイムに伝える、クリエイトして発信する、というコンセプト。例としては誰かと一緒に「dress」のコーディネートをし、楽しみをシェアするというところ。オフィシャルなファッションショーを開催するほか、ユーザーイベントもサポートしたいとのこと。パークは野外フェスティバルのようなイメージにし、自由にファッションを楽しむスタイルを目指したいとしている。
最後に七澤氏は、「Homeにファッションを楽しむ世界中の人々が集い、表現を自由に交換できる未来を実現したい。PS3のネットワークにはそれを実現する力がある。」と締めくくった。 ■ 出展タイトルレポートその2
今回は、前回紹介し切れなかったSCEJ販売のプレイステーション 3用ソフトのプレイアブル出展タイトルと、サードパーティが開発および販売するソフトの中でも筆者が特におすすめしたい作品1本をピックアップして紹介していこう。なお、以下に取り上げたタイトルはいずれもPLAYSTATION Networkによるオンライン販売専用のソフトとなっているため、店頭では発売されないことをあらかじめご注意いただきたい。 3D視点による多人数参加型の対戦アクションゲーム。各プレーヤーとも開始時は歩行状態でスタートするが、フィールド上にあるジープや戦車、さらにはその場で垂直離陸ができる飛行機に乗り込んで戦うことも可能。モーションセンサーにも対応しており、乗り物を操作する際はコントローラーを左右に傾けながらステアリングを動かし、R2ボタンを押すと前進、L2ボタンでバックができる。戦車使用時はアナログスティックで砲塔だけを動かすことも可能で、飛行機の場合は△ボタンで加速、減速を行なうようになっている。歩行中は銃(R1ボタン使用)および手榴弾(L1ボタン)で攻撃する。 乗り物にはいつでも好きなときに乗れると言ってもいいほど、フィールド上のあちこちに置いてあるのでプレーヤーの選択の幅が非常に広くなっているというのが筆者の印象。また、途中でやられてしまってもすぐに復活して戦場に復帰できるので、ミスをした後に待たされたりしてストレスを感じることがまったくない。
会場には全部で5台設置されていたが、いずれもオンライン対戦ができるように設定され、他のプレーヤー同士でランダムに敵と味方に別れて対戦することができるようになっていた。製品版においては、最大32人までが参加できるオンライン対戦が楽しめるようになるとのことだ。発売は10月4日の予定。
(C)Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved. ■「まいにちいっしょ」 トロやリッキーなどのおなじみのキャラクタが楽しいアクションを見せてくれる、「どこでもいっしょ」シリーズの最新作。トロの部屋を「もようがえ」して楽しんだり、右脳を鍛えるミニゲームや友人にプレゼントを送る「フレンド」と呼ばれる機能などが搭載されている。
すでに発売中の作品であるが、今回出展されていたものではトロ・ステーションモードにおいて特別メニュー“TGS2007出張版”を見ることができるようになっていた。早速選んでみたところ、トロとクロのコンビが楽しい会話を交えつつ、プレーヤーに対してTGSに関する簡単なアンケート(年齢や性別、今回のショーは楽しかったかなどと聞かれる)を求めてくるという内容であった。ちなみに、今回のアンケートで集めたデータは「後日オンライン上で公開予定」(トロ&クロ談)だそうだ。興味のある方は、アップデートされた際にぜひのぞいて見ていただきたい。
(C)2006 Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved. ■「TOY HOME(トイホーム)」 制限時間内に指定されたコース上のポイント通過し、フィールド上に落ちているメダルなどを回収してスコアをアップさせていくという3Dドライブアクションゲーム。マイカーはレトロなデザインのミニカーで、ゲーム中はこの車と同じ視点でプレーするため、周りのものがとにかく巨大に見えてしまう。今回プレーできたのはキッチンテーブルの上とおもちゃが散らばる子ども部屋のステージの2種類であったが、いずれも食器や絵本、ボーリングのピンなどのオブジェクトが異様に大きく感じられるので、なんだか巨人の国に迷い込んだかのような不思議な気持ちになってしまう。 フィールド内は自由に走り回ることが可能で、決まったコース上を走る必要はまったくない。周囲に散在する障害物には何回当たってもクラッシュしたりすることはなく、逆にスピードをつけて体当たりをすればどんどんなぎ倒すことができる。連続して障害物を倒すと、ボーナス得点や追加タイムなおが加算されることもある。マイカーよりもはるかに大きな物体にぶつかってもまったく平気なので、フィールド上のありとあらゆるものに体当たりするだけでも爽快感が非常に高い。
操作はR2ボタンを押すと前進、L2でバック走行となり、モーションセンサーを使用すればコントローラーを左右に傾けることで車のステアリングを操作することができる。DUALSHOCK3にも対応しており、障害物にぶつかったり高いところから落ちたときなどにコントローラーが振動するようになっていた。今冬発売予定。
(C)Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved. ■「おいでよロコロコ!! BuuBuu Cocoreccho!」 昨年PSP用ソフトとして発売された「ロコロコ」の番外編にあたる作品。プレーヤーは不思議な生物のロコロコたち……ではなくココレッチョという名前の小さな蝶をアナログスティックで操り、画面内のあちこちで眠っているロコロコを起こして出口へ誘導させるというゲーム内容になっている。 ココレッチョは○ボタンを押すとブーブーと鳴き、このとき近くにいたロコロコは音の鳴る方に向かって動き出す性質があるので、これを利用してロコロコたちをゴール地点へと導いていくのが基本となるアクション。場所によってはココレッチョではなく、モーションセンサーを利用してコントローラーを上下に揺らすことで歯車などのギミックを動かしたり、水面に水しぶきを発生させてロコロコたちを遠くへ飛ばし、新たな道を作るなどといった楽しい仕掛けが用意されている。また、一見ただの地面にしか見えないようなところに特定の条件を満たすと出現するロコロコが隠されていることもあるので、ちょっとした謎解きの要素も含まれている。
集めたロコロコの数やスコアでオンライン対応のプレーヤーランキングで腕を競うことも可能だが、ゲーム中は特に時間制限などが設定されていないので、いつでも自分の好きなペースでのんびりとゲームが楽しめるのも嬉しいところ。本日21日より発売開始となっているので、ショーの会場に行けない方もぜひネットワークにアクセスしてみていただきたい。
(C)Sony Computer Entertainment Inc. ■「GO! Sports(TM) Ski(ゴースポーツ スキー)」 スキーのスラローム競技をモチーフにした、3D視点のアクション・レースゲーム。各コースとも一本道ではなく、コースの途中でルートが分岐したり×ボタンでジャンプして高い段差を一気に飛び降りる地点がしばしば存在するので、いかに最短ルートを見つけ出し、ジャンプのタイミングを見極めるかもタイムおよび対戦相手との順位を縮める大きなポイントとなってくる。 従来のアナログスティックだけを使うのであればごくごく普通のスキーゲームであるが、本作品はモーションセンサー専用ソフトとして開発されているのが他のタイトルとはひと味違うところ。コントローラーをモニター方向に素早く動かすと主人公のキャラクタが重心を前に傾けて加速がつき、逆に手前に引くとエッジングになる。左右にコントローラーを傾けると、これに合わせて主人公の体も傾くようになっているので、これを利用して高速のままカーブを攻めたりするのがとても楽しい。
さらにキャラクタのウェアやスキー板などをカスタマイズしたり、最大4人までが参加できるオンライン対戦にも対応している(※今回出展されているのは1台のみなので通信対戦はできない)。発売日は9月28日の予定。
(C)Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved. ■「PixelJunk RACERS(ピクセルジャンク レーサーズ)」 サードパーティ開発/販売の出展タイトルで特に筆者の目を引いたのは、有限会社キュー・ゲームスより発売されたこのドライブゲームである。十字キーによる左右移動とアクセルの○ボタンだけで簡単にマイカーを動かせるのが特徴で、カーブを曲がる際には遠心力も一切発生しない。なおかつコースアウトの心配もないので、初心者でもすぐに楽しむことができる。 本作品一番のウリは、通常のレースとはまったく異なるルールで遊ぶモードが多数搭載されていること。あるレースでは他の車を抜くたびにマイカーの速度がどんどんアップするシステムになっていたり、また別のモードでは相手の車に何台ぶつかったのかを競ったりするなど、遊び方は多岐にわたる。ほかにも2人プレー時にお互いのマイカー同士が近づくほどスピードがアップするという実にユニークなモードもあり、今までのドライブゲームにはない斬新なアイデアが満載の作品に仕上がっている。
オンライン対戦には対応していないのが少々残念だが、昨日20日より配信を開始しているのでぜひ興味のある方は自分のPS3または会場に足を運んで遊んでみてほしい。
(C)Q-games
□CESAのホームページ (2007年9月21日) [Reported by 山村智美/鴫原盛之]
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