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マイクロソフト、ハードウェア新製品プレスプレビューを開催
「SideWinder」シリーズがハイエンドゲーミングマウスとして復活

9月14日開催

会場:新宿マインズタワー



 マイクロソフト株式会社は、9月14日、都内セミナールームにて、今秋以降に発売を予定している新作ハードウェア製品を紹介する「新製品プレスプレビュー」を開催した。プレスプレビューでは、8月ドイツで開催されたGame Conventionに合わせて発表されたゲーミングマウス「SideWinder Mouse」を筆頭に、マウス、キーボード、Webカメラなど発売済みのプロダクトを含めて10製品がお披露目された。発売時期はいずれも今秋を予定し、価格は後日発表するとしている。


■ ゲームデバイスブランド「SideWinder」がゲーミングマウスブランドとして復活

「Microsoft SideWinder Mouse」の商品説明を行なう米Microsoftエンターテイメント&デバイス事業部ハードウェアグループプロダクトラインマネージャのKelly Kimura氏
「Microsoft SideWinder Mouse」の発想の原点は、「Halo 2」や「Shadowrun」の発売により、XboxからPCに流れてくるゲームユーザーに対して、コンシューマーと同等の容易なカスタマイズ性をサポートすることにあるようだ
「Microsoft SideWinder Mouse」は、Gamingとは謳っていないものの、ターゲットは明確にゲーマー向けだ
マイクロソフトハードウェア製品25周年を記念して展示された過去の製品たち。右端にあるのが、シリーズ初のプロダクトである「SideWinder Game Pad」
 今回のプレスプレビューの一番大きなトピックは、'95年に誕生し、2000年に撤退したゲームデバイスブランド「SideWinder」シリーズが、7年ぶりにハイエンドマウスブランドとして復活したことだ。今年マイクロソフトは、ハードウェア部門が創設25周年を迎えており、「SideWinder」の復活は、ハードウェア部門の躍進のための旗頭的なニュアンスが含まれている。

 「SideWinder」シリーズは、'83年にワープロソフト「Word」に対する有効なソリューションとして「Microsoft Mouse」を誕生させたのと同じアプローチで、「Flight Simulator」シリーズを筆頭としたDirectX対応タイトルに対する有効なソリューションとして、'95年に誕生した。米国産らしい黒一色のシンプルで大ぶりなゲームパッドを皮切りに、フォースフィードバック機能を付けたCPU内蔵のジョイスティックやステアリングホイール、FPSやRTSに特化したユニークな形状のゲームデバイスなど、技術力に裏打ちされた独創的な製品を連発し、ゲームデバイスのトップブランドとしてその名を刻んだ。

 2000年にファブや金型まで含めて売却してゲームデバイス事業から完全撤退した後は、その後立ち上がったXbox事業でそのノウハウを活かし、一時はマイクロソフトのPC向けゲームハードウェアがない時代も存在したものの、現在では、Xbox 360のハードウェア製品によって、「SideWinder」シリーズが提供してきたほとんどのゲームデバイスを網羅するまでに至っている。その意味では「SideWinder」シリーズの役目はすでに終わっているが、最後の聖域であるマウスにその名を復活させたところに、PCゲーマーに対する心憎い配慮が感じられる。

 さて、今回正式発表された「Microsoft SideWinder Mouse」は、ゲーマーのためのあらゆるカスタマイズ機能を備えたハイエンドゲーミングマウスだ。漆黒のボディと、シルバーカラーのボタンは、いかにも往年のSideWinderシリーズを彷彿とさせる。

 最大解像度2,000dpi、読み取り速度7,080fpsというゲーミングに必要十分な性能を確保したレーザーマウスで、USB接続の有線型のみとなっている。参考までに米国の価格は79.95ドル。現行最上位の「Habu」の米国価格が10ドル安い69.95ドルで、日本で8,200円で提供されていることを考えると、日本での価格は1万円弱ということになりそうだ。

 その特徴は、優秀な基本性能にプラスオンする形で、多彩なカスタマイズ性を有しているところにある。ボディには10つのボタンとLCDディスプレイを備え、解像度の切り替えやコマンドマクロの記録/使用、Game Explorerの起動、その他自由にキーカスタマイズ可能なボタンとして活用することができる。LCDディスプレイには、現在のマウスの解像度が表示され、ゲームプレイを中断することなく、ワンボタンで好みのマウス解像度に切り替えることができる。

 また、オプションパーツとして、4つのウェイト(重り)と、3種類のソールが付属し、専用のボックスに入れられている。ちなみにこの専用ボックスはケーブルアンカーとしても利用することが可能だ。ウェイトは10グラムが3つに5グラムが1つ。5グラム刻みで最大35グラムのウェイトをマウス内部に埋め込むことができる。

 外見はいささかデコラティブだが、有線型ということもあってウェイトのない状態ではかなり軽い。素早いマウス操作を要求されるFPSでは軽めに、じっくり正確な操作が求められるRTSでは重めにと言った具合に、TPOに応じて使い分けられる仕組みだ。

 ソールは、それぞれ摩擦抵抗が異なる白、グレー、黒の3色が用意されている。ソールの付け替えは、これまでにも限りなく摩擦係数をゼロに近づけたいプロゲーマーや一部のコアゲーマーによってサードパーティー製のソールを利用する形で行なわれていたが、マウスベンダー自らがソールを標準装備する例は珍しい。マウスを置く環境やプレイするゲームの適正によって使いわけたいところだ。

 なお、SideWinderの今後の事業展開については、ゲーミングキーボードや、マイクロソフトのゲームデバイス製品で唯一欠けているジョイスティックなどの展開は、可能性としては十分あり得るものの、確定はしていないという玉虫色の回答に留まった。「Microsoft SideWinder Mouse」の反応次第ということになるのだろうが、ぜひともマウスに続く製品展開に期待したいところだ。

【Microsoft SideWinder Mouse】
マイクロソフトらしいエルゴノミクスデザインに機能性をミックスさせたオリジナリティのある外観をしている。ボタンが10個も点在しているが、操作時に誤動作は発生しないように工夫されている。米国価格は79.95ドル

【Microsoft Mobile Memory Mouse 8000】
携帯性を重視したレーザーマウス。USB接続のワイヤレスレシーバに、充電器の機能と、1GBのフラッシュメモリの機能を持たせたユニークな製品。Bluetooth接続にも対応している。米国価格は99.95ドル

【Microsoft Wireless Entertainment Desktop 8000】
ワイヤレスキーボード、レーザーマウス、4ポートUSBハブをセットにしたマイクロソフトハードウェア製品の最上位モデル。接続はBluetoothで、有線型のUSBハブがキーボードとマウスの充電器になっている。キーボード本体にもマウス機能が搭載され、暗いところでも使いやすいようにキーボードの各キーにはバックライト機能まで付いている。ゴージャスな機能の数々に思わず手が伸びるが、米国価格は299.95ドルと価格もゴージャスだ


■ Windows Liveメッセンジャーに最適化した新Webカメラ

Webカメラの紹介を行なったMicrosoftエンターテイメント&デバイス事業部ハードウェアグループシニアプロダクトラインマネージャのElaine Ansell氏。向かって右が「VX-7000」で右が「NX-3000」
「VX-7000」の外観。優秀なカメラ機能に加えて、180cmもの長いケーブルが特徴的だ
 もうひとつ、今回発表されたハードウェア製品でユニークな存在だったのが、Webカメラ「LifeCam」シリーズの新製品「VX-7000」と「NX-3000」だ。マイクロソフトのWebカメラへの参入は約1年前の2006年10月からと比較的浅いが、プレスプレビューではこの1年で300万台もの出荷を記録し、インターネットコミュニケーションビジネスの一環として、今後もこの分野に力を入れていくことがアピールされた。

 デスクトップPC向けのフラッグシップモデル「VX-7000」は、あくまでWebカメラというカテゴリの製品ながら、静止画760万画素、動画200万画素、5倍デジタルズーム機能、71度の広角レンズというデジタルカメラレベルのCMOSセンサーを搭載し、ノイズキャンセル機能付きマイクに、180cmのケーブル、様々な場所に配置できるユニバーサルアタッチベース付きと、単に自分の顔を写すに留まらない多彩な活用が可能な多機能Webカメラとなっている。米国価格は99.95ドルで、接続はUSB2.0となっている。

 「NX-3000」は、ノートPCの液晶の上部に取り付けるタイプのコンパクトWebカメラで、動画30万画素、静止画130万画素、デジタルズーム機能を備える。ケーブル長は73cmで、携帯用のケースが同梱される。米国価格は59.95ドルで、接続はUSB(1.0)。

 両モデルに共通した新機能としては、Windows Liveメッセンジャーを利用することで、写真や画像データをリアルタイムで共有/交換が可能なところ。この機能を利用することで、お互いの画面に同じ画像を表示しながら、ビデオチャットを楽しむことができる。

 そのほか、前モデルからサポートされている機能として、Webカメラ上部のボタンを押すだけでフレンドとボイスチャットが開始できるWindows Live Callボタン、カメラの操作やズーム機能を行なうLifeCamダッシュボード、ワンクリックで画像をマイクロソフトのブログサービスWindows Liveスペースにアップロードできる「ワンタッチブログ投稿」機能などを利用することができる。

 「LifeCam」シリーズは、Xbox Live ビジョンカメラと異なり、Xbox 360とWindows PCの相互互換性は備えていないが、Windows Liveメッセンジャーとの連携機能や、カメラ部分の高機能化など、PC向けならでは独自の発展を遂げつつある。Windows Liveメッセンジャーを愛用しているユーザーには注目の製品といえるだろう。

【Microsoft LifeCam VX-7000/NX-3000】
2006年から参入したWebカメラシリーズの最新モデル。両モデルともデザインを一新し、より使い勝手が向上している。米国価格はVX-7000が99.95ドル、NX-3000が59.95ドル

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ハードウェア製品のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/hardware/default.mspx

(2007年9月14日)

[Reported by 中村聖司]



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