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テクモ株式会社は、7月3日、中国北京にて中国最大手のゲームメーカー盛大と共同で記者発表会を開催し、「DEAD OR ALIVE」シリーズをモチーフにしたオンラインゲーム「DOA ONLINE」を正式発表した。2008年の北京オリンピック(8月8日~24日)の開催に先駆けて、中国市場で最初に正式サービスを展開する予定としている。中国展開のユーザー見込みは500万人。ビジネスモデルや日本を含む他地域の展開スケジュールについては未定となっている。
「DOA ONLINE」の発表に合わせて、中国最大手のゲームメーカー盛大との事業提携も発表され、テクモとSeedCが共同で展開しているオンラインゲームプラットフォーム「LieVo」の中国地域におけるパートナーとして、盛大を迎え入れたことを発表。盛大は、中国地域での運営を担当するだけでなく、同社のオンラインゲーム開発におけるネットワーク技術やセキュリティ技術を「DOA ONLINE」に取り入れていくことを明らかにしている。中国市場先行投入、技術供与など、LieVoプロジェクトとしてはこれまでない規模の大がかりなビジネスとなる。 「DOA ONLINE」は、“カジュアルオンライン格闘ゲーム”と位置づけ、常時接続型のオンラインゲームとして、既存の「DEAD OR ALIVE」シリーズとは異なるゲームデザインを採用する方針を明らかにしている。具体的な内容は不明だが、「Webで進化するDOA」をキーワードに、中国ならではのユニークな展開を検討しているようだ。 まず、プレーヤーの分身として、KIN(カイン)と呼ばれるキャラクタを作成してゲームに参加する。ユーザーはWebを通じて、各種大会に参加でき、勝利を重ねることで強さの証となるランキングを上げることができる。トップランカーともなれば、大会の主催者から招待状が届き、大舞台での格闘大会に出場できるようだ。 大会には、定期的に開催される公の大会や、突発的に開催される大会、特定の人物だけが参加できる闇の大会など複数の形態があり、さらにユーザー自身がプロモーターとして大会を開催することも可能だという。果てはプロモーターとして、スタープレーヤーを発掘して育て上げ、興行収入で金を稼ぐといった“闘わない”プレイスタイルも可能になるようだ。 オンラインゲームならではのコミュニティ機能も用意。ユーザー同士で集まり「ユニティ(結束)」と呼ばれるグループを結成できる。複数のメンバーで構成されるユニティに所属することで、作戦やチームワークが必要となる「コミュニティバトル」が楽しめるという。また、ゲーム内で闘いを繰り返すことにより、ライバルや仲間、弟子といったさまざまな関係性を生み出される。同作ではこれを“バトルコミュニケーション”と呼び、誰もが気軽に参加でき、その中で様々な自己表現を行なっていけるような世界観を目指していくということだ。 現時点では、実際のゲーム画面は公開されず、イメージスケッチのみに留まり、今回の発表内容だけではゲーム内容が想像しにくいが、中国市場で500万人を集めるということを想定すると、PCの要求スペックはかなり控えめでなくてはならない。だとすれば、2006年6月にXbox 360向けに発売されたシリーズ最新作「DEAD OR ALIVE 4」の水準、もしくはそれに勝る3Dグラフィックスやゲームプレイを「DOA ONLINE」上で実現することはもともと想定しておらず、PCオンライン化に際し、思い切った簡略化が図られることが予想される。
いずれにせよ“格闘ゲーム”と称するからには、リアルタイムアクションが必要不可欠であり、PCオンライン上でどこまで「DOA」シリーズらしさが再現されるのかが注目される。同社では、7月12日より上海で開催される中国最大のゲームショウChinaJoyにおいて、中国ユーザーに向けて何らかの形で初披露を予定している。その際に、弊誌でも続報として同作の詳しい情報をお伝えするつもりだ。
(C)TECMO,LTD. 2007
□テクモのホームページ (2007年7月3日) [Reported by 中村聖司]
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