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★PCゲームレビュー★

唯一無二・大規模合戦RTSシリーズ最新作
大型パッチリリースで完成度が大幅向上!!

メディーバル2:トータルウォー
日本語版

  • ジャンル:戦略&戦術シミュレーション
  • 開発元:CREATIVE ASSEMBLY
  • 発売元:SEGA
  • 価格:8,190円
  • 対応OS:Windows XP(Windows Vistaは動作確認済み)
  • 発売日:4月5日(発売中)



 幾千幾万もの兵士達が激突する大合戦。これが歴史好きの諸君に大きなロマンを感じさせるテーマであることに間違いはないだろう。本作「メディーバル2:トータルウォー」は、まさにこの合戦を正面からシミュレーションゲーム化したシリーズの最新作。2000年にリリースされた処女作「ショーグン:トータルウォー」から足掛け7年、完全3Dグラフィックス化でゲーマーのド肝を抜いた前作「ローマ:トータルウォー」に続き、今回は中世ヨーロッパを舞台にキンピカの鎧兜に身を包んだ封建騎士が大迫力の合戦を繰り広げる作品となっている。

 本作は今回、5月末に日本語版に対応した大規模パッチがリリースされ、初期バージョンに見られたゲームプレイ上の問題が多数解消されて大幅に完成度が向上した。これを機に本作のもつ独特の面白さをレポートしてみたい。


■ ファンから長年の支持を集める「トータルウォー」シリーズの醍醐味とは

多数の兵士がぶつかり合う合戦シーンの迫力は見事。眺めているだけでも幸せになれるゲームだ
各文化圏を代表するユニークなユニットが多数登場。象兵は強力な突破力を誇る中東の最強ユニットだ
 数千体の兵士が堂々たる布陣を敷き、敵軍と激突する。戦場には凄惨な戦闘が繰り広げられ、それが織り成す狂騒や混乱はいずれ収束へ向かい、より優れた戦術を実行した将軍に勝利が訪れる……。本作に連なる「トータルウォー」シリーズは、そんな合戦場の雰囲気をこれでもかと追求して進化を続ける、この種のゲームとしてはほぼ唯一無二の完成度を誇る存在だ。

 シリーズ最新作となる本作では、従来から続く根本のゲーム性を堅持しつつ、グラフィックスの向上やユニットの充実が図られ、封建システムの発達期にあった11世紀から大航海時代へ続く15世紀までの時代をテーマに、欧州・中東・モンゴルといった当時を象徴づける勢力が登場する。

 登場する各陣営にはそれぞれにユニークなユニットが登場し、各文化圏特有の戦場風景が描き出される。代表的なところではイングランドのロングボウ・アーチャーや、神聖ローマ帝国のゴシックナイト、スペインのコンキスタドール、トルコのイェニチェリ、ティムールの象兵、モンゴルの弓騎兵などが挙げられるだろう。また前作「ローマ:トータルウォー」と異なり、時代が進むことにより火薬時代の大砲やマスケット銃兵などが登場することも大きな特徴といえよう。

 その兵士達を描き出すグラフィックスエンジンはシェーダー2.0に対応し、封建時代の騎士達が身にまとうキンピカのプレート・アーマーを華々しくレンダリングしてくれる。また立ち並ぶ兵士達の鎧や盾や着衣にはいくつものバリエーションがあり、同種のユニットであっても各兵士のいでたちが変化に富んだ形で描き出され、すばらしい臨場感だ。戦場も北欧の雪原から中東の砂漠地帯、果ては中南米までをカバー。各文化圏の城塞や都市も的確に再現されている。

 そして本作の最大の特徴は、なんと言っても比類ない完成度を誇る合戦システムにあるといえるだろう。合戦シーンでは敵味方あわせて最大数千から1万を超える兵士が登場可能で、他のゲームでは決して見られないド迫力の戦闘が展開する。兵士一人一人の動作もよく作りこまれており、ズームしてみると兵士が敵の攻撃を剣で受け流したり、倒れた敵に剣を突き立てて止めを刺すといったアクションがしっかりと展開しており、その存在感は圧巻だ。

ピカピカの鎧に両手剣を帯びたツヴァイハンダー。神聖ローマ帝国のユニークユニットだ 騎兵のランスチャージは最強の打撃力を誇る。直撃すれば敵の隊列を粉砕できる

トレブシェット(遠投石器)は攻城戦にも野戦にも使える強力な兵器だ 火炎弾が直撃すると複数の兵士がまとめて火だるまに

火薬時代に登場するマスケット銃兵は、プレートアーマーを時代遅れにしてしまう画期的な兵種だ カノン砲は厚い城壁をあっという間に粉砕してしまう。高価だが、終盤の攻城戦では欠かせない兵器といえるだろう

・洗練された操作性で大軍を手足のように操れる合戦システム

戦闘開始前には布陣フェーズがある。美しく整った陣容から多彩な作戦が展開されるのだ
 ゲームはシングルプレイを主眼とした構成で、欧州から中近東にまたがる大陸を舞台に勝利条件を達成する「グランド・キャンペーン」モード、陣営とユニット構成を自由に設定して合戦を行なう「カスタム・バトル」モード、歴史上の戦いを再現した「ヒストリカル・バトル」モードなどがある。いずれも、戦闘の解決は本作独自のシステムをもつ合戦シーンで行なわれる。

 合戦シーンにおいてプレーヤーが操作する最小単位は、60~150人程度の兵士からなる部隊=ユニットである。プレーヤーは同時最大20部隊までを操り、陣を敷いて敵軍を撃破すべく戦術を駆使して戦うことになる。

 部隊を操るための基本操作はじつにシンプル。左クリックで部隊を選択し、右クリックで移動先を指定することにより行軍させることができ、移動先が敵の部隊であれば攻撃を指示したことになる。ダブルクリックをすれば全力で走らせることができ、このときランスを装備した騎兵であれば強力なランスチャージを行なえる。

 複数の部隊はCTRLやSHIFTキーを使用してまとめて選択することができ、また、SHIFTキーを押しながら移動先を次々に右クリックすることで経路指定を行なえる。このあたりは典型的なRTSの作法にしたがった操作系統になっており、他のゲームである程度経験していればほとんど迷うことなく習熟できるだろう。

 さらに本作の特徴的な操作として、移動先を指定するときに右マウスボタンを離さないでドラッグすることにより部隊の布陣を指定できる点が見逃せない。部隊を分厚く配置すれば敵の攻撃に対し長く持ちこたえることができるし、細長く配置すれば戦闘正面を多く確保できるため効率的に攻撃できるほか、1部隊で敵多数を足止めすることができる。またALTキーを押しながら右ドラッグすることで部隊の方向転換が可能。さらにこれらの操作は複数部隊を選択した状態で一気に操作することもできる。このあたりの操作をマスターすれば、全軍を手足のように操れるようになっているはずだ。

 そして本作で特に優れているのはカメラの操作性だ。多くのRTSではカーソルキーでカメラを移動させるが、本作ではFPSに慣れたPCゲーマーにはありがたい、いわゆる「WASD」キーによるカメラ操作ができる。これによりカメラの移動、回転、上下運動が自由自在に操作でき、ストレスなく素早い操作が可能な点は特筆したいところだ。

 一般的なPCゲーム経験者が本作の操作に習熟するには、およそ30分から1時間プレイすれば十分だろう。それでいて複数の部隊を自在に操れる優れた操作性は他の追随を許さないレベルにあり、この点が本シリーズの最大の特徴のひとつとなっている。

複数の部隊を選択し、陣形を維持したまま移動や方向転換を指定することができる SHIFTキーを押しながら移動先を指定していくとウェイポイントを置いていくことが可能。騎兵の操作には重宝する

・弓兵射撃開始! 槍兵前進! 騎兵は側面を突破し突撃せよ!

騎兵は槍兵に弱い。もし正面から殴り合えば一方的に槍兵が勝利するだろう
 戦場で勝利を収めるためには、多様な兵種を的確に組み合わせて敵の弱点を突く、そういった的確な戦術が欠かせない。本作ではこの点が非常に強調されたつくりになっており、プレーヤーが名将となるためには各部隊の特徴を生かした作戦を組み立てる必要があるだろう。

 強い軍隊の一般的な構成としては、弓兵をはじめとする遠隔攻撃のための部隊、槍兵や剣士など敵の攻撃を受け止めて拘束するための部隊、そして敵に強烈な打撃を与えてトドメをさすための騎兵部隊、といった組み合わせが考えられる。

 このような軍隊の構成でおこなわれる野戦において、いわゆる「堅実な」戦闘の流れとしては次のようになるだろうか。

 1.弓兵を前面に配置し、その背後に歩兵、側面に騎兵を並べて布陣。
 2.前進、あるいは敵軍の接近を待ち、遠隔攻撃にて敵の正面戦力を削る。
 3.歩兵を前進させ敵に接触。敵の全体を拘束して動きを止める。
 4.騎兵の機動力を生かし側面を突破。敵側面または後背からランスチャージ。
 5.敵が敗走したら騎兵で掃討しつつ歩兵は残敵を包囲して殲滅。

敵に隙を見せないように、なるべく隊列を維持したまま移動や方向転換を行なうのがコツのひとつだ
 本作では、多くの戦闘でこのような基本戦術が通用するが、もちろん状況によってこの方法がうまくいかないこともある。自軍に騎兵が不足している場合は、敵に包囲されるのを避けるため歩兵に激しい部隊運動を要求することもあるし、敵が強力なカノン砲やカタパルトを装備している場合、堂々たる布陣は逆に巨大なマトを意味してしまうため、被害が拡大する前に遊撃用の部隊をつくり真っ先に潰しに行く必要が出てくる。また、象兵のようにきわめて突破力の強い兵種が利用できるなら、敵の集中している地点に正面から突っ込ませて隊列をかき乱すような作戦が優先されるだろう。

 こういった部隊運用に加え、戦場をコントロールするため不可欠なのは実に「タイミング」だ。敵も当然ながら自軍の弱点となる部分は硬い布陣でカバーしているし、隙あらばこちらの弱点を突こうとする。たとえば騎兵の突撃を防ぐために前面に槍兵を展開して壁を作っているような状況だ。騎兵の強みである強力なランスチャージも、待ち構えた槍兵につっこんでしまうと大量に被害が出てしまうのだ。

 そういった場面では、一部の部隊を接近させ敵の攻撃を誘いつつ撤退してみせたり、敵側面に部隊を展開して戦闘正面の転換を誘うような行動が有効だ。敵の隊列が乱れたらまたとないチャンス。そうして作り出した一瞬の隙を突いて、敵の側面、背後、弓兵など投射武器をもつ弱兵を直撃し一気に壊走に至らしめる。このとき、敵の隙を見極める眼力と、その一瞬を見逃さず攻撃を加える的確な操作が大きなファクターとなる。タイミングを誤れば複雑な部隊運動も無駄に兵士を疲れさせ被害を拡大するだけの結果に終わるだろう。タイミングを支配するものは、合戦の結末をも支配するのだ。

敵と相対して布陣する。側面をとられぬよう相手より狭く配置しないようにするのがポイントだ 敵が接近する間、遠隔攻撃でしっかりとダメージを与えておくとその後の展開が楽になるぞ 彼我の距離が縮まってきたら、早めに弓兵を下がらせ歩兵を正面に展開させよう

敵部隊と歩兵が接触したら今度は騎兵を動かす番だ。側面から迂回させ、背後にまわらせよう 交戦中の敵部隊に背後からランスチャージ。たいていは一撃で敗走させることができるはず 敵が混乱しているうちに多数を討ち取り、包囲して完全に殲滅。これで勝ちが確定だ


■ 歴史シミュレーションゲームとしての楽しみが充実したキャンペーンモード

グランド・キャンペーンでは歴史上大きな勢力を誇った陣営から任意に選択してプレイできる
ほとんどの場面で解説テキストが流れるので、ゲーム内容はすぐに理解できるだろう
 さて本作のシングルプレイでは多くの時間を「グランド・キャンペーン」モードで楽しむことができる。このモードでは、プレーヤーは任意の1陣営を選び、勝利条件の達成を目指して11世紀から15世紀までの時代を駆け抜けることになる。初回選択できる陣営は「イングランド」、「フランス」、「神聖ローマ帝国」、「スペイン」、「ヴェネツィア」の5陣営だが、キャンペーン内で滅ぼした陣営を次回以降のプレーで使用可能になるので、2回目以降のプレーではオスマントルコ帝国やエジプトといった中近東の陣営などでも楽しむことができる。

 キャンペーンは西暦1080年、中世封建社会が成熟期に達し、ノルマン・コンクエストによりイングランド王国が成立した時代から始まる。キャンペーンモードはターンベースの戦略ゲームであり、プレーヤーは、戦略マップ上で各属州の都市に施設を建設したり、軍隊を徴兵することにより自陣営を徐々に強力にしていくことでゲームを進めていくのだ。

 戦略マップ上の都市は時間とともに徐々に人口を増やし、村落から巨大都市まで成長していく。施設の建設や軍隊の徴兵には金銭が必要で、これは都市の税収によって賄われる。限られた金銭をうまく使い、適切な施設を建設して都市をうまく発展させることが何よりも重要だ。このあたりのゲームプレイはコーエーの歴史シミュレーションゲームと同系統のテイストになっている。

 開始段階の時代では各陣営とも非常に限られた初期のユニットしか使用することができず、多くの場合軍隊の構成は「農民弓兵」、「市民槍兵」といった兵種が中核になるだろう。そして時代が進み、都市の施設が拡充されるにつれて新しいユニットを解禁していくことができる。ライバルに先駆けて新種のユニットを実戦投入することができれば、合戦モードで大きな優位を確保できるのだ。

始めのうちは唯一の騎兵である将軍の近衛部隊。貴重な戦力だ。大事に活用しよう 序盤は城壁も整備されていない拠点が多く、攻略しやすい。はやめの勢力拡張がカギだ

・適切に戦場を選択し、さまざまな歴史イベントを乗り越えて勝利を目指そう

戦略マップでのコマの配置が合戦モードでの配置に反映する。挟撃できれば大いに有利だ
 キャンペーンモードでの軍隊は、戦略マップ上に置かれたチェスの駒ふうのトークンとして表現される。1つの軍隊には20部隊までの兵士が編入可能で、プレーヤーは国家予算が許す限り多くの軍隊を維持できる。戦略マップ上で軍隊を移動させ、敵の軍隊と接触すれば合戦モードでの戦闘に移行だ。ここでは戦略マップ上の地形がそのまま合戦モードにおける戦場の地形に反映される。山岳地であれば起伏の激しい戦場になるし、橋の上で接触すれば川を挟んで陣を敷くような形になるため、いかに戦闘を有利に運べる地形を選ぶかが、戦略マップでの重要な要素になってくるのだ。

 また、軍隊を都市や城塞といった拠点に接触させると攻囲状態となる。攻囲中の拠点は外部との連絡が遮断され、ユニットの生産や都市施設の建設、また貿易による税収の計上がストップする。攻撃側は攻囲状態を維持したまま数ターンをかけて攻城兵器を作り、攻城戦に移ることができる。防御側は、攻囲中の敵軍に対し打って出ることもできるが、多くの場合、敵の強襲を待ち、城壁を使った防御戦を展開するほうが有利に戦闘を運ぶことができるだろう。あるいは、別の拠点から軍隊を派遣して攻囲中の敵軍を挟み撃ちにすることも可能。こういった戦闘の状況演出はキャンペーンモードならではの醍醐味だ。

橋を挟んで対面するタイプの戦場は、防御側ならやりやすいが攻撃側には厳しい地形だ 攻城戦には攻城兵器が必要になる。敵の火矢などの反撃に注意したい

防御側にまわる場合、騎兵で打って出て敵の攻城塔を放棄させ、城門を開いて誘い込む手が面白い 敵の侵攻路を城門に限定でき、全軍集中で迎え撃てるため有利なのだ。2倍の敵までなら撃退可能

 キャンペーンモードならではの要素として、時代背景を演出する多様な歴史イベントが発生するのも重要なファクターだ。時代が進むことにより、科学技術の発展、疫病の流行、そして新大陸航路の発見といった事件が発生する。特に13世紀に発生するモンゴルの大侵攻は、ロシアやハンガリーといった東欧地域をプレイするプレーヤーにとっては致命的な大事件だ。時には西欧までその勢力が波及することもあるので、モンゴル帝国に接触したならば全力でこれを阻止したい。

 またローマ法皇の庇護下にあるキリスト教圏の勢力にとって、時折発生する十字軍イベントはプレーヤーの基本戦略にも関係してくる。このイベントではイスラム教圏の都市が十字軍の目標として設定され、うまく立ち回ってその都市を落とすことができれば法皇庁の自陣営に対する評価を大幅に高めることができ、また参加した将軍の特性を大幅に向上させることができる。

 さらに、法皇庁の覚えめでたき陣営になることができれば、法皇に働きかけて任意の都市に対する十字軍を召集させることも可能。これを利用して破門された陣営に対して懲罰十字軍を召集し、自陣営の勢力拡張に有効利用してしまおう。逆に法皇の命にさからうなどして破門されてしまうと、都市の運営に支障をきたしたり、十字軍の標的にされてしまうこともある。法王庁は戦争中の陣営に対する敵対行為を中止せよなどとやかましい命令を乱発してくるが、いかに面倒でもうやうやしく従うことが上策だ。

拠点の奪取時、普通に占領するか、金銭を略奪するか、住民を虐殺するかを選択できる 施設の建設は都市を発展させ税収を向上させるための重要ポイント。ユニットの生産にも影響する 外交官を通したライバルとの取引も戦略の一大要素だ。なかなか思うようにはいかないが……

法皇選挙で自陣営から法皇を出すことができれば、法王庁との関係が大幅に改善する 十字軍に勝利することができれば、法皇との関係改善のほかいくつかのボーナスを得ることができる 将軍の育成も大きな楽しみの一つだ。強い将軍が率いる軍隊は、通常よりも粘り強く、強力になる

キャンペーン中盤を過ぎると都市や城塞も巨大化し、攻略にはそれなりの苦労が伴うように 時代が進むと火薬兵器が登場。野戦はもちろん、特に大砲の利用により攻城戦の模様が一変する 大砲を城壁の中まで持ち込んで、引きこもる敵の守備隊を吹っ飛ばしてやろう。直撃すれば爽快の一言だ


■ 合戦ゲームとして完成度は業界随一。PCゲームファンなら外せない一本だ

カスタム・バトルモードでは自由な編成で戦闘を楽しめる。いろいろ試してみよう
 以上駆け足でゲーム内容をご紹介してきたが、確実にいえるのは、合戦をテーマにしたゲームというものがそもそも類似品のすくないジャンルであるため、PCゲーム全体の中でも本作のゲームプレイは際立ってユニークであるということだろう。しかもライバル不在といえるほど高い完成度に練り上げられたシリーズの最新作ということで、プレイ満足度は非常に高い。

 しかし、船舶による海戦についてはゲーム化されておらず自動解決のみである点や、キャンペーンのAIプレーヤーのとる戦略が少々硬直しすぎている点などに改良の余地を感じることは確かだが、これらの点はゲームの本筋を考えればささいな事だろう。

 本作はそれだけでもプレイする価値があるゲームなのだが、最近リリースされた大規模パッチにより、初期バージョンに見られたいくつかの不具合がキチンと解決されたのは非常にありがたいことだ。特に合戦中におけるAIの動きが大幅に改良され、プレーヤーが隙を見せればアグレッシブに攻め込んでくるようになり、戦闘のおもしろさがはっきりと向上した。また初期版にあった一部のユニットがちゃんと機能しないといった問題も解決されているため、パッチ容量は400MBオーバーという巨大なものだが、本作のユーザーの方はぜひともパッチを適用した状態でプレイしていただきたいと思う。

 また、最近ではユーザー製作による完成度の高いMODも多数登場し、通常のキャンペーンモードを一通りプレイしたあとも、戦場に変化を加えて楽しむことができるあたりも評価のポイントだ。MODについてはまた別の機会にご紹介してみたいと思うが、それらも含めてボリュームたっぷりに楽しめる本作、ゲームソフトとしての費用対効果はきわめて高いので、PCゲームファンなら外せない一本だろう。多少なりとも興味をお持ちになった方にはぜひプレイしてほしいと思う。

時には圧倒的な劣勢を強いられることもある。特に防衛戦闘では しかし、山岳地帯の地の利とユニットの種類がうまくかみ合えば、兵力の差を覆せる この戦闘では急峻な斜面を利用し、まずはボウガン部隊で敵戦力を思うさまに削り取った

限られた通行可能地点を槍兵で固め、敵騎兵を拘束・撃退 その安全な背後からボウガン部隊が一方的な射撃を浴びせ続ける。矢種の尽きるまで そして一方的な勝利。地形と兵種の組み合わせにより勝ちを掴む例だ

2006 The Creative Assembly Limited. Total War, Medieval: Total War, and the Total War logo are either registered trademarks or trademarks of The Creative Assembly Limited. SEGA and the SEGA logo are registered trademarks of SEGA Corporation. All rights reserved.


【メディーバル2 トータルウォー日本語版】
  • CPU:Pentium 4 1.5GHz以上(同 1.8GHz以上を推奨)
  • HDD:11GB以上
  • メモリ:512MB以上
  • ビデオメモリ:128MB以上


□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「メディーバル2 トータルウォー日本語版」のページ
http://sega.jp/pc/medieval2/
□「メディーバル2 トータルウォー日本語版」パッチダウンロードのページ
http://www.sega.co.jp/pc/soft/medieval2/support/patch.html
□関連情報
【2007年2月28日】サイバーフロント、「シヴィライゼーション」のシド・マイヤー氏による鉄道経営SLG
WIN「シド・マイヤー レイルロード! 【完全日本語版】」
http://www.cyberfront.co.jp/title/railroads/

(2007年6月25日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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