CEROレーティング：Z(18歳以上のみ対象)

主人公のトニー。つらい潜伏期間を終えてリバティーシティに再び戻ってきた

　株式会社カプコンは、プレイステーション・ポータブル用アクション「グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ」を7月26日に発売する。価格は5,229円。PSP本体のADHOC通信機能を介した最大6人までのマルチプレイに対応。CEROレーティングはZ（18歳以上のみ対象）。

　PSP「グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ」は、シリーズ累計で5,500万本以上を売り上げた「グランド・セフト・オート」シリーズ最新作。広大な市街地を舞台に、基本的には“何でもできる”といった自由度の高さが最大の魅力。シリーズ初のPSPタイトルとなった本作は「グランド・セフト・オートIII（以下：GTA3）」に登場した都市「リバティーシティ」を舞台に物語が展開される。

　主人公は、所属するレオーネファミリーのために構成員ひとりを始末し、身を潜めていた下っ端「トニー・シプリアーニ」。大仕事を終えて戻ってきたトニーは、混沌が支配するリバティーシティに帰ってきた。

　政治腐敗、組織犯罪、麻薬売買、労働組合のストライキ、さらには、それらに付け込んだマフィア同士の抗争。混乱を極めるリバティーシティ……そんな街の支配権を、敬愛するボス「サルバトーレ・レオーネ」に握らせるべく、トニーは全身全霊を捧げる。だが、そんな彼の前に、イカれた暗殺者、倫理観の欠如した大富豪、汚職政治家、さらには母親といった障害が立ちはだかる。

　やがて彼は、街の根幹を揺るがすほどの抗争へと身を投じることになる。ファミリーのため、さらには組織内における“自らの地位”向上のため、トニーはあらゆる手段を尽くして行動する。

大仕事を終えて戻ってきたトニー。愛するファミリーのため、なによりも己のために、再びこの街“リバティーシティ”でのし上がっていかなければならない

　ゲームシステムは、従来シリーズのファンにはおなじみの箱庭型3Dアクション。華やかな繁華街、ビルが立ち並ぶオフィス街、高級住宅地、危険地域、裏路地など、ポータブル機とは思えないリアルな造詣がPSPの液晶画面に投影される。その光景は、初めてプレイした人には新鮮に、「GTA3」をプレイしたことがある人には懐かしさをともなって映ることだろう。

　ゲームの流れも従来どおりで、数々のミッションをクリアすることでストーリーが進行していく。展開によって、主人公の行動範囲が広がることもある。本作は「GTA3」の外伝的な位置付けにあるため、ミッションには前作を彷彿させる要素が含まれているケースもあるという。

【処刑ミッション】
警察車両に乗り、方向キー↑を押すとミッション開始。法の番人となり犯罪者を追跡し、対象を始末する
【消火ミッション】
消防車に乗り、方向キー↑を押すとミッション開始。火災現場に急行し、炎上する事故車の消火作業を行なう
【救命ミッション】
救急車に乗り、方向キー↑を押すとミッション開始。怪我人を救助し、病院まで搬送する
【宅配ヌードルミッション】
宅配バイクに乗り、方向キー↑を押すとミッション開始。時間内に目的地までヌードルを宅配する

　交通情勢は、前作「GTA3」と異なる部分がある。というもの、今作の舞台は'90年代後半。ギャングの銃撃戦、大規模なスト、インフラ整備の怠慢などにより、この当時のリバティーシティの交通インフラにはさまざまな障害が生じているからだ。

【フェリー】
リバティーシティのフェリーは何十年もの間、この街の3つの島を繋ぐ主要な交通機関だった。のんびりかつスムーズに海を渡る方法として好評を博していたが、近年は時代遅れとされ、橋やトンネルにその役目を譲る運命にあると目されている。だが、フェリーに愛着を持つ市民、フェリー廃止によって仕事を失う労働組合員の数百名は、武器を手にフェリー廃止に抵抗している。 　労働組合を率いる「ジェーン・ホッパー」は、トンネルや橋の建設により数百ものフェリー関連職が消えるという情報に基づき、先日より市全体を巻き込むストライキを開始。無論これは組合員の将来を心配して起こしたストライキではなく、この状況を利用して“どれだけ金を巻き上げられるか”が狙い。リバティーシティは、いわば彼女の人質といったところか

【バイク】
かつてはバイキング気取りのバイカー達や若いチンピラのオモチャでしかなかったバイクだが、'90年代後半のリバティーシティでは、急激にその人気を伸ばしている。タトゥーを入れたイカツイ野郎から真面目そうなサラリーマンまで、チョッパー、スポーツ、モトクロス、スクーターなど、さまざまなバイクが街にあふれている。 　ただし、他の流行と同じく、リバティーシティではバイクに対する誤解も生まれている。他に目立った標的も見当たらないことから抗議運動の格好の餌食となっており、かつてリバティーシティ内の自転車使用を禁じたA.R.S.E.（American Road Safety for Everybody＝全米道路の安全を守る会）は、ここ数週間、バイクを初めとする二輪車を全面的に禁止するよう市へ圧力をかけている。彼らは衝撃的なデータを禁止すべき根拠にあげているが、そのデータ自体が捏造であるという反論も少なからず存在する模様。A.R.S.E.は、さらに市民を巻き込むべく、路上のバイク追放運動を活発化。その裏には、彼らのスポンサーの利益につながる構図が見え隠れしている。

【自動車】
'98年に新型モデルの発売が集中したことと、新しい物好きなリバティーシティ市民のおかげで、市内の交通渋滞は過去最悪の状況。市内の路上では新型のコンバーチブル小型車「Mananas」、流線型のフォルムが美しい「Deimos」を見る事ができる。 　「警官の人数を増やすための予算を削減した」と言われている市議会だが、なぜか巨大ゴミ収集車「Trash Master」導入予算は捻出できた模様。ゴミ収集車は、街中のゴミならびにギャングにボロクズにされてしまった人を回収すべく、日々街を巡回している

【高架列車・地下鉄】	【ボート】
リバティーシティの電車と地下鉄は、今でも市内においては最も早い移動手段のひとつ。ポートランドの高架列車は、危険と犯罪に満ちたリバティーシティの地上を離れ、かつての栄光ある街並を上から楽しむことができる。ただし、安価な移動手段ゆえに車内での犯罪件数も近年増加傾向にある。電車に乗る際は、スリ、ギャング、そしておかしくなってしまった市民から身を守る準備はしておくべきだ	ボートの所有は、リバティーシティに住む人間たちの“限りなく肥大する物欲”を象徴している。埠頭からは、高級スピードボートに乗ってセクシーな女性と談笑するマフィアのドン、市民の血税で釣り用のボートを購入する汚職政治家の姿が眺められる。一般市民には手が届かない高級品のため、川に浮かぶ船上は、マフィアや政治家にとって人目につかない絶好の暗殺場所や談合会場となりうる

　本作では、武器のロックオン機能がさらに進化。武器で攻撃する場合“相手との距離”だけではなく、プログラム上で定められた“優先度”を重視するようになった。たとえば、Rボタンを押した際は、もっとも近くにいる歩行者ではなく“敵”をロックオンしてくれる。一度ロックオンすれば、あとは方向キー左右でターゲットの選択が可能。複数の敵を素早く倒すのも容易というわけだ。

　ターゲットをピンポイントで狙える“照準モード”も実装された。Rボタンでロックオンしたまま方向キー↓を入力すると、どんなターゲットでも自由に狙える照準モードに切り替わる。走っている車のタイヤをパンクさせたり、燃料が詰まったドラムカンを爆発させるなど、役立つ場面は多い。

　この他、特殊な同時押し機能により、アナログパッドでカーソルの移動速度を抑えたまま攻撃することが可能になった。照準モードでアナログスティック操作中にLボタンを押したままにすると、カーソルの移動速度が抑えられ、そのぶん正確にターゲットを捉えることができる。

　射撃は、車内から実行することも可能。コントローラーのボタン配置パターンを変更すれば、LボタンやRボタンで走行中の射撃も可能。さらには、乗り物を使いながらアナログパッドで左右を確認するといったことも可能になる。

Rボタンで武器を構えた直後のサイトは、距離ではなく優先度で決定される。従来シリーズ以上に戦いやすくなった	特定の部位、人物などを狙撃するときは、どんなターゲットでも自由に狙える照準モードにいつでも切り替えられる	コントローラーのボタン配置を変更できるので、車内から外部のターゲットを攻撃することも自分好みの操作で可能だ

【のみ】	【日本刀】	【軍用ショットガン】
【ホッケースティック】	【なた】	【M4】
【ピストル】	【ミニガン】	【火炎放射器】
【カメラ】	【.357マグナム】	【AK47】
【ロケットランチャー】	【チェーンソー】	【レーザースコープ付きライフル】
近年リバティーシティを支配する暴力のおかげで、警察はさまざまな種類と数の武器に対抗しなければならなくなった。スナイパーライフル、ロケットランチャー、接近戦用の武器など、警察内ではもはや犯罪とイコールの存在となった30種類以上の武器を押収している

　PSP本体のADHOC通信機能を介したマルチプレイモードは、全部で7つが用意される。今回は、そのうち6種類をご紹介する。いずれも最大6人までの同時プレイに対応しており、それぞれ対戦および協力プレイを楽しむことができる。(ただし「ゲームシェアリング機能」には対応していないため、マルチプレイにはPSP本体とソフトが人数分必要となる。)

【ゲット・リムジン】	【ストリート・レイジ】	【リバティーシティ・サバイバー】
リムジンを奪い合うチーム戦。自陣営のリムジンを守りながら、敵陣営のリムジンを奪取。2台のリムジンを揃えた側が勝者となる	車や周回数が自由に設定できるレースモード。コース上には、ダメージ回復、ハンドリングがよくなるなど、さまざまなアイテムが出現する	倒した相手が一定数を超える、もしくはタイムアウトの時点でもっとも得点が高いプレーヤーが勝者。個人のほかチーム戦も可能

【タンクス・フォー・ザ・メモリーズ】
各ラウンドごとに1台の戦車が登場。どれだけ長く運転しつづけられるかを競う。乗れなかったプレーヤーは戦車を攻撃。もっともダメージを与えたプレーヤーに、次のラウンドで戦車に搭乗できる権利が与えられる。戦車が破壊されるごとにラウンドが進行。トータルの搭乗時間が設定値に到達したプレーヤーの勝ちとなる
【ザ・ヒットリスト】
ターゲットにされたプレーヤーを、どれだけ早く倒すかを競うゲーム。ターゲットはランダムで決定される。ターゲット側は、逃げ延びた時間でボーナス獲得。車で逃げてもいいが、乗り物は自動的に損耗する。ターゲットが倒されたら、すぐに次ターゲットが確定。これを繰り返し、最も生存時間が長かったプレーヤーが勝者となる
【プロテクション・ラケット】
2ラウンド制のチーム対戦。各ラウンドごとに「攻撃」と「防御」が入れ替わり、攻撃側は相手チームの陣地内にあるリムジン4台の破壊、防御側はリムジンをどれだけ長く守っていられるかを競う。1ラウンド目で攻撃側が要したトータル破壊タイムをもとに、どちらのチームがより早く4台のリムジンが破壊できたかを競う

【スクリーンショット】

(C) 2007 Rockstar Games, Inc.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ」のページ
http://www.gtalcs.jp/
□関連情報
【5月21日】カプコン、PS2「グランド・セフト・オート」シリーズ
「III」、「バイスシティ」、「サンアンドレアス」の廉価版を発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070521/gta.htm

(2007年6月21日)

[Reported by 豊臣和孝]