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価格:6,090円 (Wii版)、5,040円 (ニンテンドーDS版)
CEROレーティング:B (12歳以上対象)
映画は「デッドマンズ・チェスト」の最後を引き継ぐ形でスタート。キャプテン・ジャック・スパロウの運命は? ウィル・ターナーとエリザベス・スワン、ジャック・スパロウの恋の行方は? そして何より、窮地に立たされた海賊たちはどうなるのか? これまでちりばめられていた全ての謎に決着が付く。これまで以上のアクションに次ぐアクションに息継ぐヒマもない作品に仕上がっている。 映画の公開に合わせ、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (ディズニー・インタラクティブ・スタジオ) から同作をベースとしたゲーム「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」がWiiとニンテンドーDSで発売される。両作共にインターフェイスを活かしたゲームデザインで、Wii版では剣に見立てて海賊になりきってプレイすることが可能。ニンテンドーDSではタッチペンを使ったデュエルシステムが採用されており、こちらも楽しめる出来となっている。
今回、武道館で開催されたアジア・プレミアに出席するべく来日したプロデューサーのジェリー・ブラッカイマー氏、監督のゴア・ヴァービンスキー氏、そして主要キャスト陣(エリザベス・スワン役のキーラ・ナイトレイさんは残念ながら来日していない)。その中でも最年長の海賊“キャプテン・バルボッサ”を演じたジェフリー・ラッシュ氏にゲームについて合同インタビューを行なう機会があった。インタビューでは、日本で発売されるWii版の話題に集中した。 ジェフリー・ラッシュ氏はインタビュー会場となったホテルの一室に入るやいなやゲーム機が置かれているのを見て「Wiiだね。息子がXbox 360を持っているのでそちらのは見たことがあるのだが」とコメント。インタビュー全般において、ゲームについて非常に理解のある方で、ある意味驚かされた。 ――ゲームを見て、映画との違いは? ゲームの感想について聞かせてください ジェフリー・ラッシュ氏 :契約で、ゲームになったときに承認できるかどうかを素材を見て確認するのですが、初めてフッテージを見たときは、『(これを作った人は)本当に映画を見たのかな?』と疑問に思うほど、自分のキャラクタに似通わないところが多かったので、その時は承認できないと断わりました。そこで私は、たとえば自分の着ている衣装の長さが違ったり、剣が反対側に付いていたり、バンダナが違っていたり……そしてバルボッサはひげが特徴的なので、そこもきちんと表現して欲しいと注文をつけ、そういった細かいところを調整しました。今は素晴らしいグラフィックスを再現できる本当に素晴らしい技術があるので、今では再現されていると思います。 ――Wiiでは、インターフェイスがこれまでとは違うためこれまで以上になりきりプレイが可能となっています。Wii版ではキャプテン・バルボッサでもプレイ可能ですが、より、キャプテン・バルボッサになりきるためには、どのようにプレイすれば言いと思いますか? ジェフリー・ラッシュ氏 :ダーティ……かな(笑)。私の剣術の指導をしてくれたのが、今現在80歳くらいの剣術の達人、ボブ・アンダーソンという人なのですが、彼はオリンピックのフェンシングコーチとして7大会で指導し、「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーのライトセーバーを使ったシーンなども彼が手がけているんですね。その方の指導でバルボッサを演じるときに、ボブ・アンダーソンからは「バルボッサは戦場では一番年長者であるが、最強でなければならない」と言われたんです。また「バルボッサは士官学校のようなところで剣術を習ったわけではなく、ストリートファイターとして剣術を磨いていったので、戦っている最中は相手の顔に砂を投げつけたり、箱を投げつけたり、そういった戦い方をして相手に打ち勝つことで、バルボッサの持つ恐怖感やエネルギーなどが相手の精神面に攻撃することができるんです」といわれました。ワイドショットの戦闘シーンはスタントマンの方が演じているので、一番素早い動きで、私の動きを非常に良く見せてくれていますが (笑)。 ――どのキャラクタと戦ってみたいですか? ジェフリー・ラッシュ氏 :そうですね映画では、1作目ではジャック・スパロウとの真剣な戦闘があるのですが、3作目の「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」では東インド貿易会社の名もない人たちやデイヴィ・ジョーンズの部下のクリーチャー達と戦っています。(インタビュー前に見せてもらったデモプレイにもあったとおり) 特定の誰かと言うよりは、自分の道を進むのを邪魔する人と戦うというイメージですね。 ――ゲームをプレイする小さな子供達に対するなにかメッセージはありますか? ジェフリー・ラッシュ氏 :このゲームのレーティングがいくつか知らないのですが、私の11歳の息子もゲームをプレイします。そのゲームがどういったレーティングで、どう言った内容かについていつも厳しい目を向けています。 息子はゲームについて、「楽しくてちょっと凶暴なところがある」と言っていて、それは私も理解できるのです。私も昔のアニメが好きで、そういったアニメでもばたばたするシーンがあるので、息子の言うことは理解できます。チェスで遊んでいても頭の中で考えているのは非常に攻撃的であったりするので。ビデオゲームの世界では架空の世界での出来事が入ってきますので、ゲームで遊んでいることと現実との違いですね。実際に剣で刺されると本当にいたいですから (そう言ったことを理解しなければならないですね)。 ――息子さんはゲームをプレイされると言うことですが、ご本人はゲームをプレイされないのですか? ジェフリー・ラッシュ氏 :今はプレイしていません。WiiですとかXbox 360とかには、私はもうついて行けませんから。私の親指は息子ほど開発されていないので、あれほど素早く動かせません。わたしは「パックマン」止まりですね(笑)。 ただ、息子がゲームをプレイしているのを見るのは好きなんですね。なぜなら、現在の最新の技術が凝縮されているからです。「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」に登場する船も3Dで全て再現されていますし、水の質感や美術なども素晴らしいなと思います。ひとつ世代が上がることで、ここまで再現できるようになっているのです。 ――モーションキャプチャの技術もありますが、もし「パイレーツ・オブ・カリビアン」のゲームの次回作が出るようでしたら、自分でモーションをつけたいと思いますか? ジェフリー・ラッシュ氏 :「パイレーツ・オブ・カリビアン」のシリーズでは、今回モーションキャプチャは使用していないのです。「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」では、体にぴっちりとした特殊なスーツを着込んで演技を行なうという非常に恥ずかしい出で立ちだったのですが、私達の体の動きというものをスキャンしました。特に顔の動きをスキャンすると言うことでその方法をとりました。なぜなら幽霊となり骸骨になるときにどういった風になるかということでスキャンしたのです。 仰るとおり、ゲームでもそうした技術を使うことで、より私の肉体的な要素を反映させると言うことはおもしろいことではないかと思います。残念ながら私はゲームの中のように俊敏に動けませんので、(俊敏に動けない私を取り込んだほうが)ゲームにとっては良いのではないでしょうか(笑)。
これら一通りの質問に答え終わったジェフリー・ラッシュ氏は、今回のアジアプレミアで日本に来たことについて語り始めた。 ジェフリー・ラッシュ氏は日本に家族連れでいらしたということで、「家族で明治神宮を散策した時の話です。オーストラリアではユーカリなどが生えているのですが、日本の植生は私達が住んでいるオーストラリアとまったく違うんですね。しかし、私のまったく見知らぬ木を見て息子が名前を言い当てるんです。『なんで、その木の名前を知っているんだ?』と感心して息子に聞いたところ、『ゲームから習ったんだ』と言うのです。で、他の木についても知っているようなので、『それはどうして知っているんだい?』と聞くと、『プレイしているネットワークゲームから習ったんだ』と言うんです。ゲームってすごく教育的でしょ!」と、ゲームに対して非常に理解のあるところをみせた。 さらにジェフリー・ラッシュ氏は、「息子はネットワークゲームをよくプレイするのですが、ゲームを遊ぶことによって色々な歴史や文化、武器について学んでいるようなんです。彼にとってみればゲームは新しいタイプの百科事典のような意味合いなんじゃないのかな」と続けた。息子さんを通じ、ゲームに関する最新の動向について、氏が深い興味と関心を寄せていることが伺える。それはゲームについてだけではなく、ジェフリー・ラッシュ氏の様々なことに対する洞察力の深さの表われだろう。
いつかは、ぜひとも息子さんとゲームを一緒にプレイしてみていただきたい。 ■ 「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」Wii版
ゲームの大きな特徴のひとつはWiiリモコンによる、より感覚的なインターフェイスにある。実際に剣を振っているかのようなアクションが可能。プレーヤーキャラと敵との距離によって自動的に攻撃 (剣の出方) が変わる。 基本的には、Wiiリモコンを横に振ると威力は弱いが素早い攻撃「ライト・アタック」が出る。Wiiリモコンを縦に振ると逆に渾身の一撃となる「ヘビー・アタック」が出る。「ヘビー・アタック」は威力は強いが隙が大きい。このふたつの攻撃を使い分け、「ライト・アタック」で体勢を崩して、「ヘビー・アタック」でダメージを与えるという頭脳的なプレイが効果的だ。このほかにもWiiリモコンを突き出すことで至近距離の敵を蹴ったり掴んだりといった攻撃を出す「クローズ・アタック」も用意されている。 アクションアドベンチャーと言うことで、アドベンチャー要素も充実している。デュエルのシーンや剣を使ってロープをわたる、障害物を越えていくといったアクロバティックなアクションが手軽に体験できる。 さらに映画のシリーズを観た人はわかると思うが、海賊なのでずる賢く振る舞う事がある。ゲームでもずる賢い方法でピンチをクリアするシーンがある。これは主役のジャック・スパロウにちなみ「ジャッカニズム」と呼ばれるもので、画面上にコントローラのボタンが点滅して表示され、その通りに素早く入力し成功すると、戦闘が有利に進み、失敗すると逆にさらなる窮地が訪れることになる。 また、ゲームには「海賊度」と呼ばれるものが設定されている。海賊の地位を示すランクで、敵を倒したり剣技を上達させると言った基本的なところから、特定のイベントをクリアする、「ジャッカニズム」を成功させる……などすることで海賊度は広まっていく。用意されているランクは「Wastrel (役立たず)」から「Legendary Pirate (伝説の海賊)」まで10種類。
マルチプレーヤーモードとしては、1人から2人で楽しめる「チャレンジ・モード」や2人での決闘モード「デュエル・モード」がある。「チャレンジ・モード」は“制限時間内に敵を何人倒すことができるか”など出されたクリア条件を競い合う内容となっている。このほかにも敵のいかさまをうまく見分けることができるかどうかが重要な、「ライヤーズ・ダイス」、「ライヤーズ・ポーカー」も楽しめる。
■ 「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」ニンテンドーDS版
前作では比較的アクション要素が大きいゲームだったが、今作ではDSのインターフェイスを利用したアドベンチャー要素の重要度が増している。下画面に舵が表示され船の行き先を選択したり、宝箱を開けたり、パズル要素のちりばめられた仕掛けや、ストーリーを進めていく課程で様々なミニゲームにも挑戦していかなければならない。 ゲームをクリアしていくと、探索できるエリアがどんどん広がっていき、隠しステージへの地図などが手に入り、さらに多くの冒険に挑戦できる。このほかにボーナスアイテムなども用意されており、やり込み要素も充実している。 DSのインターフェイスといえば、タッチペンで剣の軌跡を描いて敵と戦う「タッチスクリーン・デュエル」も新しく搭載されている。これは中ボスとの戦闘シーンで使うことができ、タッチペンで剣の軌跡を描くという直感的な操作を実現。最初は上下左右程度の入力しかできないが、ストーリーを進めていくとZ斬りなど派手な攻撃が可能となる。 また、真っ正面から攻撃するよりも後ろから忍び寄って攻撃したほうがダメージが大きいのは当然のこと。このゲームでは「スニーク・アタック」といい背後から忍び寄り攻撃がうまく決まれば一撃で倒すことができる。
ニンテンドーDS版にも、ワイヤレス通信を使い、1人から2人で楽しめる「ライヤーズ・ダイス」と2人による決闘モード「デュエル」が収録されている。さらに細かいところでは、前作から3Dエンジンが改良され、キャラクタが小気味よく動き、レスポンスが改善されるなど調整されている。
■ 公開に先駆けて行なわれたアジア・プレミアは大盛況 5月25日の公開に先駆け、23日に武道館で行なわれたアジア・プレミアは、キャプテン・ジャック・スパロウ役のジョニー・デップ、ウィル・ターナー役のオーランド・ブルーム、キャプテン・サオ・フェン役のチョウ・ユンファ、キャプテン・バルボッサ役のジェフリー・ラッシュ、デイヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイ、監督のゴア・ヴァービンスキー、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーを招いて豪華に開催された。 レッドカーペットに登場した出演者達はテレビのインタビューなどに答えたほか、会場のファン達とも握手を交わしたりサインをするなどサービスに努めたいた。また、舞台挨拶では日本語で挨拶したり、ラインダンスを踊るなど終始リラックスして和気藹々とイベントは行なわれた。
そして最後に、日本で初めての上映となる「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」の上映に会場は大いに盛り上がった。ちなみに会場でもアナウンスがあったのだが、ぜひともスタッフロールに入っても席を立たないでいただきたい。最後の最後まで楽しませてくれる映画に仕上がっているのだから。
(C)2007 Disney Enterprises, Inc. (C) Disney
□ディズニーのホームページ (2007年6月1日) [Reported by 船津稔]
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