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ハドソン、「桃太郎電鉄」のラッピング電車が銚子電鉄に登場
「桃太郎電鉄20周年記念車両 出発式」レポート

4月26日 運行開始

会場:銚子電鉄、銚子駅

「桃太郎電鉄」のラッピング電車のグラフィックス。桃太郎や夜叉姫……そしてもちろん (?) キングボンビーもキッチリと描かれている
 株式会社ハドソンは、同社の人気シリーズ「桃太郎電鉄」が20周年を迎えることを記念し、千葉県の銚子と外川を結ぶ「銚子電気鉄道」において、同作のキャラクタが描かれたラッピング電車を運行させる。26日の運行初日には、同シリーズの制作を手掛けてきた、ゲーム監督のさくまあきら氏、キャラクタデザインの土居孝幸氏を迎え、「桃太郎電鉄20周年記念車両 出発式」が行なわれた。

 「桃太郎電鉄」は、'88年12月2日にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されて以来、4月26日に発売となるニンテンドーDS用「桃太郎電鉄DS~TOKYO&JAPAN」まで、携帯アプリも含め実に30タイトルが発売されている。さらに来年には20周年を迎えることから この度、同企画が実現した。

 同作は、プレーヤーが鉄道会社の社長となり全国を電車に乗って移動し、物件の買収や資産管理を行ないながら進めていくスゴロクタイプのボードゲーム。プレイすればするほど奥深い戦略性やプレーヤーの性格が表われるゲーム性で、多くのファンを獲得している。

 今回ラッピング電車が走ることとなった銚子電鉄と同作との繋がりは、2003年12月に発売された「桃太郎電鉄12 西日本編もありまっせー!」において、銚子電鉄沿線内の10駅をゆっくり走ることで一番遅くゴールした人が勝利を手にするというルールの「潮風のんびり銚子電鉄レース」が採用されたところまでさかのぼる。

 現在、銚子電鉄の経営難が伝えられており、経営難を乗り切るために「ぬれ煎餅」の売店設置などが行なわれているが、ハドソンではこういった姿勢に賛同。さらに過去にゲームソフト内でのタイアップ実績があることから再度タイアップを組むことを決定した。今回のラッピング電車導入の経緯としては、整備中の車両の外壁修復費の捻出に苦労していると言うことから、修復費を負担する意味合いからラッピング電車の導入となった。銚子電鉄においてここまで本格的なラッピング電車の導入は初めて。

 「桃太郎電鉄」のラッピング電車となるのは、銚子電鉄1001号車で、以後3年間運行することが決定している。銚子電鉄1001号車は営団地下鉄銀座線の車両を使用したものだという。ラッピングの作業は25日に行なわれたが、かなり大変だったようで、8人の職人さんの手により14時から23時までかかって完成した。デザインは、明るいブルーをバックに、県花の菜の花と「桃太郎電鉄」の様々なキャラクタが描かれている。

 銚子電鉄の電車は赤が基調となっており、さくまあきら氏も「赤いの大好き」と言うことだが、明るい色調の方が良いだろうと言うことで、今回の青いカラーリングとなった。菜の花は県花であるということもあるが、「菜の花は1年中見ることはできないので、この電車で1年中見て欲しい」とさくま氏はコメントしている。デザインについては景観を乱さないようにと言うことで、何パターンかが提出され、検討が繰り返されたという。

 「出発式」では岡野俊昭銚子市長、安藤勇 銚子観光協会会長の挨拶の後、関係者によるテープカットが行なわれ、一般のお客さんを多数乗せた電車がホームを離れていった。

 さくまあきら氏は「ゲームの名前の付いた電車はどこかで走らせたいなと、ずっと思っていたのですが機会がなかなか無かったので、今回こういったお話しがあって、真っ先に飛びつきました」と今回の経緯を説明。銚子電鉄については「前も取材でここに来たことがあるのですが、駅員さんの対応も素晴らしく、凄くいい電車だなと思ったんです」と銚子電鉄の印象を語った。

 土居孝幸氏も自身のキャラクタが描かれたラッピング電車が実際に走っていることについて「嬉しいです。ゲームではたくさん電車を走らせていますが、実際に走ることになり夢のようです」とその喜びを語った。これまでに高知においてラッピングを施した路面電車が走ったことはあるが、土居氏によれば「ちゃんとしたのは初めて」だという。

 両者のコラボはこれで終わりではなく、今後様々なことが計画されているのだという。銚子電鉄と言えば「ぬれ煎餅」が有名だが、「桃太郎電鉄」のキャラクタが描かれた「ぬれ煎餅」の発売が予定されているという。また、CDの発売も計画され、この夏には銚子電鉄の3つの駅で「貧乏が去る像」が設置される予定となっている。さくまあきら氏は「絶対にこのラッピング電車に乗って欲しいです。そしてぜひ『ぬれ煎餅』を購入してください」とアピールした。

 さくまさんは本当に嬉しいらしく、「『桃太郎電鉄』は町作りがテーマなので、こういった実際の町作りに参加できるようになって嬉しい。これからも町作りに参加したい」と、今後もこういったお話しがあれば積極的に参加していきたい意向のようだ。ゲームからスタートし、キャラクタが描かれた本物の電車が実際の線路の上を走るところまできた。逆にゲームにフィードバックされるのか伺ったところ、さくま氏は「あると思う。5月1日には携帯アプリで『桃太郎電鉄 KANTO』がはじまるが、そこに1マスだけ登場します。そこに止まれば臨時収入が入るようになっています。(ゲームには) 好きな駅を登場させるので、(銚子駅も好きなので) えこひいきです(笑)」とコメント。「色々なところに反映されると思う」と語り締めくくった。今後のコラボも色々と予定されているようだし、ゲームも3本同時に制作が進行中だと言うことで、非常に楽しみだ。ぜひとも一度、銚子電鉄でラッピング電車をはじめとした電車に乗車いただきたい。

銚子電鉄でこれから3年間運行する予定の「桃太郎電鉄」のラッピング電車。正面向かって右側面。千葉の県花である菜の花をバックにキャラクタが描かれている 正面向かって左側面。バックの青は“青空”を意味している。銚子電鉄は赤い電車だが、今回は明るいカラーリングを心がけたという 正面は真っ青でシンプル。銚子電鉄1001号車は、都営地下鉄銀座線をベースに改装したものだという
ラッピング電車のあちらこちらには様々なキャラクタが描かれている。ゲームの中では正直あまり出会いたくないキャラクタもいるが(笑)、どのキャラクタも楽しそうで、明るい表情だ
キャラクタと共に、サイコロが大きくフィーチャーされ、たくさんデザインされている 現在は車内もほぼ「桃鉄」一色状態。特に「桃太郎電鉄は銚子電鉄を応援します。」という吊り広告が嬉しい 初めてのラッピング電車に乗り込む乗客の皆さん。非常に多くの皆さんが利用されていた
テープカットに参加したさくまあきら氏、土居孝幸氏両氏ともに嬉しそうだった。土居氏は自分のキャラクタが描かれた電車が実際に走るのを「夢のようだ」と表現した テープカットには、(写真左より) 銚子電鉄サポーターズ副代表・坂本雅信氏、銚子観光協会・安藤勇会長、岡野俊昭銚子市長、ハドソン執行役員常務・香月薫児氏、銚子電気鉄道・小川文雄社長、白井和夫JR東日本旅客鉄道銚子駅駅長、さくまあきら氏、土居孝幸氏が参加 発車し、ホームを離れていく「桃太郎電鉄」ラッピング電車。さくま氏は「ファンの皆さんにはぜひとも乗りに来て欲しい」とアピールしていた


□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.hudson.co.jp/corp/news/bn2007/070424_2.pdf
□「桃太郎電鉄」のサイト
http://momotetsu.com/
□「桃太郎電鉄DS~TOKYO&JAPAN」のサイト
http://momotetsu.com/momo_ds/

(2007年4月26日)

[Reported by 船津稔]



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