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価格:7,140円
PS2「俺の下でAGAKE」は、2002年11月にアリスソフトが発売したPC用ボーイズラブ(BL)ゲーム「俺の下であがけ」をPS2向けにアレンジ移植したもの。プレーヤーは金融会社の社長となり、3人の攻略ターゲットに罠を仕掛け借金を背負わせていく。借金が増えることでさまざまなイベントが発生。奇抜な設定とシステムが多くのBLファンに支持され、2006年11月の時点で累計販売が14,000本を超えるヒットとなっている。 ストーリーは、ひとりの男が突然死したところから始まる。金融会社社長「黒崎壱哉(主人公)」は、ふとしたきまぐれから故郷の街を訪れ、そこで出会った3人の男性それぞれに深い印象と興味を抱く。だが、視察の最中「悪魔」の介入によって主人公は突然の発作で倒れこみ、摩訶不思議な空間にいざなわれる。 異空間で目覚める主人公のかたわらに、ひとりの美青年がたたずんでいた。青年は「悪魔ネピリム」を名乗り、己が魔界からの使いであり、死んだ黒崎を悪魔として復活させられると語る。ただし、その代償(悪魔になるための試験)として「不幸の魔符」を使い、人間ひとりを不幸にし“魂”を奪わねばならないという。 黒崎は「まだ俺は死ぬ気はなかった。好みの人間の絶望した表情を見るのは、嫌いじゃないしな」と、ネピリムの申し出を快諾し契約をかわす。倒れた黒崎の横で蒼白になっていた秘書もなぜか異空間に呼び出され、ターゲットから奪ったエナジー(単位:en)の帳簿管理を任されることとなる。
こうして、好みの人間を不幸へといざなう社長秘書コンビが誕生。秘書は会計役兼小間使い補助キャラに変身。黒崎が不幸の魔符を使う相手は、倒れる前までに違う意味で目をつけた“あの3人”。かりそめの命を得て復活した黒崎は、高層マンションの最上階から下界を睥睨し、ひとり「ふっ……俺の下であがくがいい」と呟く。
ゲームの流れは、まずアドベンチャーパートでストーリーが展開。街中を詮索すべく1日の行き先を決定し、ターゲットを発見したら不幸を与える「不幸カードパート」に移行。不幸の魔符で相手のエナジーを削り取り一定以上のダメージを与え、主人公が契約のキスを行なうと“魂”を得たことになる。ただし、そこはBLタイトルだけに黒崎(主人公)は倫理的な範囲内で、魂を取るついでにキスだけではなく色々な欲望を果たすというわけだ。 不幸の魔符は、目押しで不幸の内容を決定するという、いわば“悪魔のCR機”のようなもの。大津波に襲われる「水難」、平原に隕石が振ってくる「落下物」、国宝の塔やビルが倒壊する「破損」、山火事が起こる「火難」、突如可愛らしい小動物に襲われる「動物難」、宇宙人や知らない人に因縁をふっかけられる「人難」、犬猫からライオンまで様々な動物に襲われる「動物難」などが存在。レベルは1~4まであり、いずれにしても原因はターゲットにあると一方的に非難されることになる。 本作は、コンシューマ向けにさまざまなアレンジが加えられている。PC版ではあらかさまだった「借金」を背負わせるという鬼畜なアプローチが「不幸の魔符」を使ったダメージ(単位のenは円ではなくエナジーの略。念のため)に変更されている。また、ゲーム開始直後に一度は死ぬが、悪魔の素養があるということで1カ月の猶予を与えられ、その間にひとり以上の人間の魂を奪わなければならない主人公(PC版では鬼畜な男色社長)、共謀ではなく忠実かつ苦労性という設定になった個人秘書、PS2版オリジナルキャラクタの絶世の美貌を持つ悪魔「ネピリム」、3人以外の隠し攻略要素など、シチュエーションやキャラクタにもさまざまな変更が施されている。
2DグラフィックもPS2用に一身されるなど、PC版をやり尽くした人も新鮮な気持ちでプレイできる本作。BLゲームが好きな人は、この機会にチェックしてみてはいかがだろうか。
(C)2007 ALICESOFT / Alice Blue (C)2007 HuneX (C)2007 D3 PUBLISHER
□ディースリー・パブリッシャーのホームページ (2007年4月9日) [Reported by 豊臣和孝]
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