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★PCゲームレビュー★

全国のお父さん・お母さん必見!!
現代日本でプリンセスを育てよう

「プリンセスメーカー5」



 '91年にPC-9801シリーズ向けにガイナックスから発売された「プリンセスメーカー(以下プリメと略)」は、戦災孤児となった少女をプレーヤーが親となって養育し、様々な人生に導く「育成ゲーム」と呼ばれるジャンルをつくりあげた日本のPCゲーム史上に冠たる名作として、特にオールドゲーマーから絶大な支持を集めている作品だ。

 本作の人気はシリーズ生みの親である「赤井 孝美」氏によるかわいいキャラクタデザインと多彩なイベント、やり込み度の高いマルチエンディングなどがプレーヤーから支持され、93年に2作目、97年に3作目、2005年に4作目(プレイステーション 2版)と進化を続け、今年の3月に、ファン待望の5作目を迎えることになった。

 「プリンセスメーカー5」では、3作目の「プリンセスメーカー 〜ゆめみる妖精〜」以来となる赤井氏によるキャラクタデザインが復活し、総監督としてゲームに携わっており、オリジナルシリーズのイメージが復活することでファンにとって要注目の一作となっている。

 早速気になるゲーム内容をご紹介する前に、1点だけ注意事項を述べておくと、本作をプレイする前に「ある特定の人物からのプロポーズを、8年目の12月17日以前に受けていると強制終了されてしまうバグ」やグラフィックスデータの一部ズレなどを修正するパッチを忘れずに適用しておきたい。現在のバージョンは1.01で、今後も逐次パッチがリリースされる可能性もあるため、こまめに公式サイトはチェックしておきたい。


■ 舞台は現代の日本、でもちょっと違う世界でのお話

執事のキューブは歴代プリメファンにとっては懐かしい存在
プレーヤーの職業を選ぶ。収入などに関わる重要な選択だ
 5作目を迎えた「プリンセスメーカー」の舞台設定は何と現代。テレビもあれば携帯電話もインターネットもある。異なる点は人類が暮らす人間界の他に天界・魔界・妖精界・星霊界という5つの世界が調和し世界の平和を保っているということ。そんな世界の調和の破壊を企む革命勢力から命を狙われている少女をプレーヤーは育てることになる。

 ゲームの主人公となる10歳になる少女は、世界の調和を象徴するプリンセス候補だが、一切の記憶を失っており、自分が誰なのか覚えていない。プレーヤーは自分の娘として少女を学校に通わせ、友達と交流させたりしながら18歳になるまでの8年間、様々な経験を積ませて育てていくことになる。

 少女が高校を卒業するまでの間に失われた記憶が戻り真実を知ることになるのか、そして見事プリンセスの地位に就くことができるかは、プレーヤーの育て方次第。様々な視点から娘を育てあげていくことで多種多様な結果がプレーヤーを待ち受けている。まさに育成ゲームの王道を行くゲーム内容だ。

 今作では新しく自分の娘の様子が手にとるようにわかる「Motion of Emotion(略してMOE)システム」が採用された。娘の様子がデフォルメ化されたキャラクタで表され、能力や性格、体調・興味などを反映した動きをする。体調が悪い場合は寝込んだりと、娘の様子が視覚的に理解できるようになった。また、プレーヤーは今作より父親以外に母親からの視点でもプレイできるようになっている点は面白い。

ゲームの進行はキューブが親切に解説してくれる 娘の部屋を見下ろせるMOEシステムは娘の様子が一目で分かる 我が子の学校生活がいよいよスタートだ
学校に入れば様々な性格の友達に出会うことができる 娘の性格や様子はプロフィールで閲覧することができる 交友関係もデータ化されているのでよく確認しておこう


■ 超多忙な娘のスケジュール管理と体調のケアが攻略の要

スキルをあげるには習い事は必要不可欠だ
毎週のスケジュールは良く吟味して組み立てよう
アルバイトはストレスもたまりやすいのでほどほどに
 ゲームは、小学校のラスト2年間、中学・高校の計8年間の間、自分の娘を育て上げることが目的で、プレーヤーには「プリンセスメーカー2」以来の人気キャラクタである執事の「キューブ」が様々なヒントやチュートリアルを授けてくれる。

 プレーヤーはまず、自分と娘の名前・苗字・誕生日や自分の職業などを決めていく。職業は特にゲーム中の月収に関わってくるため、初心者プレーヤーはとりあえず収入の多い業種を選んだ方が良いかもしれない。娘を育てるにあたり育て方の大方針は毎月1日に、習い事や遊びなどの細かいスケジュールは週単位で決めることができる。

 自分の娘に様々な経験を積ませるには大きくわけて「習い事」と「アルバイト」の2種類がある。習い事は空手・お茶・バレエ・ピアノ・学習塾など内容に応じたスキルとパラメーターが上昇する。アルバイトも同じく本屋・引越し屋など職種にちなんだパラメーター(例えば肉体労働であれば体力など)がアップし、時給を得ることができる。

 学校や習い事・アルバイトなどの各種行動は大きく分けて「大変よくできました」、「よくできました」、「がんばりましょう」と3段階に成功レベルが区分されており、毎行動ごとに判定され、パラメーターの上昇率が変化する。各行動をするとストレスが発生し、行動結果が思わしくないとストレスが上昇する。

 ストレスがたまりすぎると娘の体調が悪くなるため「体調が優れない……」と娘が言い出したら早めにストレスを下げることが重要だ。季節の変わり目などで適切に衣替えをしておかないと、これも体調を崩す原因となる。ストレスをためすぎると娘の性格に影響を与えるため、ストレス対策は本作において非常に重要な要素だ。

 小学校・中学校・高校と進学するに連れてクラスメートのうち友達になれる子が何人か出てくる。彼ら(彼女ら)と一緒に交友を暖めていくのもゲームの重要な要素だ。新密度が高まれば様々なイベントに遭遇し、娘の将来にも関わってくることになる。積極的に話しかけたり、遊びに行ったりすることで、友達との友好度を上げることができる。

 友達との信頼醸造は時間がかかり、中学生期以上でないと親友レベルまで上げる事はできない。親友のうち何人かは「無二の友」と呼べるレベルまで親密になることが可能だ。交際も複雑なもので、あの子と仲良くなると、この子と疎遠になると言った付き合い関係も存在あり、親役のプレーヤーの悩みどころでもある。

 中学生期以降に登場する友人は、進学すれば自動的に出会える場合もあれば、特定の条件を満たしていないと登場しないキャラクタもいる。この点は友人達の休日行動パターンを洗い出して全方位的に新密度を上げてみるほうが良さそうだ。中には特定アイテムをもっていないと登場しない、という場合もあるらしい。

巫女のような期間限定のアルバイトもある 習い事やアルバイトの成果はその都度異なる 果たして娘はどのような交友関係をつくっていけるのだろうか?
友達との付き合いはなるべく優先させるようにしよう 進学をすれば新しい友達も登場する 今川エミリとのイベント。果たして生涯の友になれるか?
朝倉ケンイチとのイベント。親密な交際のきっかけに 榊原博子とのイベント。何か娘が男っぽく感じる? 交友関係はキューブに尋ねると、こっそりと教えてくれる


■ 親子の交流から異世界への冒険まで、休日はイベントが盛りだくさん!

スキルをあげるには習い事は必要不可欠だ
毎週のスケジュールは良く吟味して組み立てよう
 娘の週間スケジュールは、月曜から土曜日が学校や習い事、アルバイトにあてる時間になっている。夏休みなど学校が休みとなる時期も平日はプレーヤーが決めた週間スケジュールに沿ってゲームが進行することになる。1日中完全に自由な時間は基本的に日曜日のみで、プレーヤーと一緒に外へ出かけたり、ゆっくり休ませることができる。

 休日にプレーヤーと一緒に「お出かけ」をすると、地元である「姫宮町」と隣町の「浜崎市」の各スポットへ出かけることができる。行動できる時間が朝10時〜夜7時に限られており、どこかに移動すると1時間の時間をとられてしまうため、計画的に動かないとあっというまに貴重な休日を消費してしまう。

 お出かけスポットは商店街、デパートなど各種アイテムが購入できる所や、映画館や水族館、遊園地など主にストレスを解消するところ、公園や山、友達の家など出会いと交友を育む場所など、色々な場所が用意されている。娘の友達の一人「今川エミリ」のつくる「エミりんニュース」は、各スポットの主要な行事や出来事を教えてくれるので、お出かけ前には一通り目を通しておくことをオススメしたい。

 娘が中学入学を過ぎると、ストーリーが進展し、娘の素性が判明すると他の世界へ出かける「冒険」が新たに休日のコマンドに追加される。歴代「プリメ」の冒険は実際にフィールドを歩いてまわるRPGライクな内容だったが、今作では横スクロールするフィールドを自動的に歩いて遭遇するイベントに対応するという方式に変わっている。

 冒険が可能な世界はゲームを進めて行くことで徐々に広がっていく。装備する武器や防具は浜崎町のお店などで購入することができる。遭遇するイベントは宝箱を発見することもあれば、敵と遭遇することもある。人型の敵であれば「言霊」スキルが高ければ、話しかけることで戦闘回避が可能だ。基本的に冒険の最後に登場するボス格の敵以外は戦闘をしてもあまり意味がないため、逃げたり交渉で可能な限り回避したほうがいい。

 最後に登場するボスキャラクタを倒すことで、多額のお金とアイテムをもらうことができるため、ゲーム中盤以降にはちょくちょく娘を冒険に出して稼がせる必要がある。無論パラメーターもアップするため、娘を鍛える上でも冒険は必要な要素だが、休日をまる一日消費するため、ストレスなどがたまってる時などはオススメできない。ただ冒険できる世界のクリアは娘の将来も大きく左右する要素であるため、積極的に冒険に出したいところだ。

様々な場所へ移動するだけで時間を消費する。行動は計画的に 街のイベントは季刊エミりんニュースでチェック! 季節の特定イベントは要チェックだ
あるイベントを境に娘が記憶を取り戻してしまう。選択の時だ 冒険に出る娘。敵に倒されてもキューブが救ってくれるので安心 ゲームが進めば様々な世界へ冒険に出ることができるだろう


■ 世界観とストーリーは見事だが、長いプレイ時間はやや疲れるかも?

プレーヤーと娘の宿敵となるガトー
娘を襲撃したガトーを追い払うプレーヤー
 ゲームのストーリー展開は比較的ゆっくりで、筆者がコツを十分掴んでいないこともあるのだろうが、中学進学前の春休みまではほとんど何も話が進展しない。ガトーと呼ばれるプリンセスの命を狙う革命勢力が娘とプレーヤーの前に現われ、失われていた記憶が戻ると徐々に今いる人間界以外の外の世界との接点がゲーム中にちらほらとゲームの進行にからむようになる。

 思春期になると娘が反抗的になりやすくなる。道徳心が低いとより反抗的になる傾向にあるため、門限を早くして自由な時間を減らして道徳心を上げるといった工夫が必要だろう。休日の親子の会話もストレスになる場合が多くなるが重要なフラグ立てになるため、欠かさずコミュニケーションを取り続けることがゲームの進行には欠かせない。

 進学する度に娘が成長していく。姿だけではなく声もだんだんと大人っぽくなっていく様子は、プレイしていて感慨深いものがある。娘だけではなくて周りの友達も合わせて成長するため、その都度新鮮な気持ちでゲームをプレイできる点は見事だ。起用している声優もキャラクタとかなりマッチしており、一層ゲームへの思い入れを強くさせる。

 ただ、娘を育てる8年間は、実際にプレイしてみるとかなり長く感じられ、慣れてくるとプレイ時間の多くは週間スケジュールを消化するために画面とにらめっこしてパラメーターの増減をチェックするだけのルーチンワークになってしまうのが正直言って辛かった。プリメの特徴であるマルチエンディングも、これでは2週目以降が持たない気がする。もう少し効率的に娘を育てるゲームデザインが欲しかったところだ。

 初期の小学校にいる2年間〜中学校以降の絶妙な難易度バランスはなかなか見事で、中学校期以降は慢性的な金欠と娘のストレス過多に苦しめられるが、それをいかにうまく対応するかがプレーヤーの腕の見せ所になる。冒険の追加やストーリー本編の進展など、プレイしていて盛り上がるのは中学校期以降となる。

 ゲームバランスはなかなか良いだけに、特に平日のスケジュールをこなす際のプレーヤーを盛り上げる要素が薄い点はもったいないと感じた。この手のゲームはプレーヤーが混乱する位のイベント攻めの方がプレーヤーのやる気を掻き立てるものがあると思う。だからこそ無数に用意されたマルチエンディングも生きてくるはずで、その点が残念だ。

不気味な言葉を残して去るガトーは今後冒険で度々戦うことになる プリンセスになってほしいか? プレーヤーに運命の決断を迫る 娘も成長に伴って段々と大人びてくるのだ
娘が思春期に入ると反抗的になりがちだ お父さんの洗濯物と一緒に洗うなというありがちな? 一シーン 8年間の時間は以外に長い。娘の成長を見届けるのも大変だ


■ 歴代プリメシリーズファン以外にも訴求できる内容が今後の課題

MOEシステムは確かに楽しいが、システムとしてはやや古い
肝試しで遭遇するイベント。スキルが関連する
 「プリンセスメーカー5」は、育成ゲームの元祖としてシリーズのファンの期待に応える一作だ。世界観のつくりやストーリーのつくりはさすが多数のアニメを実際に手がけているスタッフならではの見事さがある。ビジュアルに関しては好みが分かれる所だが「プリメ」であれば赤井孝美氏のキャラクタは欠かせない。本作での復帰を歓迎したい。

 バンダイナムコゲームズの「アイドルマスター」を筆頭に、21世紀の育成ゲームが台頭している中、このジャンルでは老舗にあたる「プリメ」の最新作としては表現力と訴求性に今ひとつ欠けている点は否めない。せめて全編フルボイス位は採用して欲しかった所で、一言でいうと非常に地味な印象を受けてしまった。

 ゲームその物の面白さと見た目のインタラクティブ性は別かもしれないが、その点がプレーヤーをよりゲームに没頭させる欠かせない要素になっているのは前述の「アイドルマスター」の盛り上がりを見れば一目瞭然だ。パラメーターの増減に一喜一憂するよりも、自分の娘の様子が視覚的に理解できる方がプレーヤーは楽しめるはずだ。

 本作で導入された「MOEシステム」は古くは「ポストペット」などのUIに共通するもので、視覚的にデフォルメキャラクタが動く様子はキュートだが、システム的には古いと思う。育成ゲームはどうしても見ているだけの時間が総プレイ時間中の割合で大きい。どうせなら楽しく娘の成長を見守れるシステムを積極的に採用して欲しかった。

 「プリンセスメーカー5」の保守的なゲームデザインは、PC-9801時代からの歴代「プリメ」ファンには好意的に受け入れられるかもしれないが、懐かしさと伝統だけではシリーズの発展はむずかしい。次回作以降ではもっと訴求性に富んだドラスティックなシステム改革を行ない、「新しいユーザー」も取り込む努力が必要不可欠ではないかと思う。

 蛇足だが本作を含めた歴代プリンセスメーカー全作を一挙収録した「プリンセスメーカー メモリアルボックス」が同時発売されている。ファンブックや特製子育て手帳などのオマケも充実しており、プリメファンにとっては欠かせないファンアイテムだ。価格も15,040円であり、内容を考えるとお買い得感が強い。根っからのプリメファンであればこちらのパッケージ購入を検討してみるのも楽しいだろう。

人魚と遭遇!? これも娘の持つスキルによって発生する 突然送られてきた人形は実は娘を狙う刺客だった!? 不気味な館に住むらしい外国人。娘との関係は?
プレーヤーのツボをつくイベントはしっかりサポート 春休みは親子旅行の機会となる。様々な所に連れて行こう プレーヤーの数だけ娘の人生がある。しっかりと育てよう!

(C)GAINAX (C)CYBERFRONT


【プリンセスメーカー5】
  • CPU:Pentium4 2GHz以上
  • HDD:5GB以上
  • メモリ:512MB以上
  • VGA:DirectX 9Cに対応したメモリ64MB以上のビデオカード


□「プリンセスメーカー5」のページ
http://www.princessmaker5.com/

(2007年3月30日)

[Reported by GameDude]



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