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ゲームマーレ、2DMMORPG「エコマジ!」を4月中旬より展開
独自タイトル開発や新プラットフォーム構想も発表

3月14日 発表

ゲームマーレ代表取締役社長の光澤嘉一郎氏
 株式会社ゲームマーレは、同社の事業戦略発表会を3月14日に開催した。この発表会では、同社のオンラインゲームパブリッシング事業や、新しいプラットフォーム構想について語られた。

 ゲームマーレ代表取締役社長の光澤嘉一郎氏は、「オンラインゲームはコンテンツではなく、サービスを売るビジネス。弊社の事業展開によって、オンラインゲームビジネスの裾野を広げていきたい」と挨拶し、同社における4つの事業戦略について語った。



■ オンラインゲームパブリッシング、第1弾は「エコマジ!」

 まず第1に、オンラインゲームのパブリッシング事業について語られ、同社の1つ目のタイトルとして「エコマジ! ~Ecole du magister~ (エコール ド マジステール)」が挙げられた。韓国Buddygames(LIBISOFT STUDIO)が開発したもので、魔法の学園を舞台にしたMMORPGである。

 2Dグラフィックスを採用した横スクロールアクションRPGで、低スペックなPCでも動作する。着せ替え要素や、キャラクタが3段階に成長するシステムなど、外見的な変化も楽しめるという。現在はローカライズの最終段階で、4月中旬よりクローズドβテストを開始し、6月にはオープンβテストを行ないたいとしている。運営形態は、基本料金無料のアイテム課金制を採用する。

 同社は海外タイトルのパブリッシングに際し、具体的なゲーム導入プロセスを策定したという。まず国内のオンラインゲームを様々な方向から評価してデータベース化し、ローカライズするタイトルのポジショニングを確認した上、ゲーム選定方針を決定する。

 選定後は、ゲームのビジュアルやゲーム内容の調整により、選定時のターゲット層に合わせたローカライズを行なう。「エコマジ!」においては、韓国では10代を中心とした若年層向けにデザインされていたものを、20代前半のメインストリームに向けてローカライズしているという。さらに、そのタイトルとデータベースにあるタイトルとを比較し、SWOT分析を行なうことで、長所を伸ばし、短所を補う。

 同社は「エコマジ!」のほか、年内にもう1タイトルの展開を予定している。こちらも海外タイトルのパブリッシングとなる見通しで、現在は選定の最終段階に入っているという。

ゲームマーレが独自に作り上げたゲーム導入プロセス。既存のゲームと比較することで、客観的にタイトルの長所や短所を見極める 「エコマジ!」は韓国版よりもターゲット年齢層を引き上げる形でローカライズされる

【エコマジ!】
2Dグラフィックスで、PCスペック、ゲーム内容ともにライトなもの。ローカライズに際しては、イメージイラストやアバターなどの強化を検討しているという



■ 独自タイトルをオープンプラットフォームで展開

 光澤氏は第2の展開として、オリジナルゲーム開発のためのブランドプラットフォーム展開を挙げた。オンラインゲームにおけるゲーム部分とオンライン部分を分離し、複数のタイトルで共通化できる部分を繋げていく。具体的には、チャットやメッセンジャー機能、ゲーム内キャラクタとしてのアバターの共通化などを目指すという。

 これによって、開発費を低減するとともに、それらを共通のブランドプラットフォームとして扱い、各ゲーム間のコミュニティをより密接に連動させることが可能になる。光澤氏は、共通のキャラクタを複数のゲームで使うというイメージを、Miiというキャラクタで複数のゲームが遊べる「Wii Sports」に近いと語った。また同社はこのプラットフォームをオープンに扱うとし、自社のみならず他社の参入も呼びかけていきたいという考えを示した。

トーセ代表取締役社長の齋藤茂氏
韓国BuddyBuddy社長の黄智潤氏
 オリジナルタイトルの開発においては、株式会社トーセと、韓国BuddyBuddyの2社と協力しながら進められる。

 トーセは古くからゲーム開発を行なっている企業で、あまり表に名前は出さないものの、累計で1,450本のゲームソフトを開発するベテラン企業。数年前からオンラインゲームも手がけ始め、現在はゲームエンジンの開発や、中国のゲームのライセンシングおよびローカライズのサポートも行なっている。トーセ代表取締役社長の齋藤茂氏は、「縁の下の力持ちとして協力していきたい」と挨拶した。

 韓国BuddyBuddyは、韓国でメッセンジャーサービス「バディーバディーメッセンジャー」を立ち上げ、累計1,900万人の会員を集めているネットワーク企業。2006年10月にはゲームポータルサイト「バディーゲーム」を開設し、「エコマジ!」の元となった「Master of Fantasy」を始め、「FantaTennis」、「LaTale」など6タイトルをサービスしている。同社社長の黄智潤氏は、メッセンジャーで培ったネットワーク技術の高さと、特に若年層に強いコンテンツをアピールした。

 光澤氏は事業の説明において、「日本のゲーム開発力と、韓国のネットワーク技術やノウハウの組み合わせが、最も高い競争力を持っている」と語っている。その代表格ともいえる2社のバックアップを受けて、オリジナルのオンラインゲームと、ブランドプラットフォーム戦略を進めていきたいという考えのようだ。

スライドで示されたブランドプラットフォームの方向性。キャラクタの統一やネットワークシステム面の共通化は、ユーザビリティの向上も期待できる



■ IPのオンライン化やグローバル展開など

SIDUS代表取締役副社長の崔七圭氏。ゲームマーレの副社長も務める
 3つ目の柱は、IP(知的財産)のオンラインゲーム化。既存のゲームタイトルをオンラインゲーム化するための体制を、トーセ、BuddyBuddy、そして韓国SIDUSとの協力により構築したという。

 具体的には、ゲームマーレが中核となってゲームメーカーとの直接対話を行ない、ゲームの開発をトーセのオンライン開発チームと共同で行なう。また韓国の2社からは、ゲームエンジンやノウハウの提供と、韓国でのパブリッシングといったサポートを受ける。そしてゲームマーレは、ゲームをグローバルに展開していく。

 ゲームメーカーは収益をシェアする形で、リスクを減らしながらオンラインゲーム化を進められる。ゲームマーレは既に数社と協議を進めているという。

 最後はグローバル展開について。先程名前が挙がったSIDUSは、韓国で映画や放送を扱う企業として知られているが、2005年からはオンラインゲームのパブリッシング事業を始めている。同社代表取締役副社長の崔七圭氏は、「ゲームマーレを通じて、日本企業との協力関係を作っていきたい」と、日本の企業にも強い関心を示している。ちなみに同社は、既にタイトーのプレイステーション 2用ソフト「武刃街」のライセンスを取り、オンラインゲーム化を進めている。

 ゲームマーレはSIDUSと協力することで、韓国を始めとしたグローバルなパブリッシング事業を展開するという狙いがあるようだ。これは2つ目の自社開発タイトル、および3つ目のIPのオンラインゲーム化にもかかる展開といえる。



 共通のプラットフォームを展開するという発想は既に他社にもあるが、ただのブランド名や囲いとしてではなく、メッセンジャーなどのコミュニティ機能を含め、システムにより深く浸透したものを展開していきたいという考えのようだ。現時点では「エコマジ!」以外に目に見えるものがなく、ユーザーが具体的な展開を感じられるまでにはまだ時間がかかりそうだが、今後の展開に期待したい。

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(C)2007 GAMEMARE Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

□ゲームマーレのホームページ
http://www.gamemare.jp/
□トーセのホームページ
http://www.tose.co.jp/
□BuddyBuddyのホームページ
http://www.buddybuddy.co.kr/
□Sidusのホームページ
http://www.sidus.co.kr/
□「エコマジ! ~Ecole de Magister~」のページ
http://www.ecomagi.jp/

(2007年3月14日)

[Reported by 石田賀津男]



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