【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

特別インタビュー

あえてリメイクしないという選択肢
PSP「テイルズ オブ デスティニー2」



 2月15日に発売されたPSP「テイルズ オブ デスティニー(以下、TOD)2」は、「テイルズ オブ」シリーズの新作ラッシュの区切りといえる作品だろう。今回はその発売を記念して、PSP版プロデューサーの樋口義人氏にインタビューを敢行。PSP「TOD2」の話題から、作り手の「テイルズ オブ」シリーズ全体に対する意識まで実に貴重なお話を伺うことができた。


■ 現在でも通用する「TOD2」のクオリティ

樋口義人氏
「ソウルキャリバー」、「鉄拳タッグトーナメント」のプロジェクトで企画調整業務を勤めた後、2002年プレイステーション 2版「TOD2」に途中参加。シリーズの魅力にとりつかれる。また、同時並行で行なっていたニンテンドーゲームキューブ版「TOS」にてディレクターを勤める。同プロジェクトにおいてシリーズ初となるワールドワイドローカライズや、PS2への移植を担当した後、2005年12月に発売となった「TOA」のチーフディレクターを担当。モバイル連動におけるゲーム側実装のプランニングも行なった。現在は同タイトルのプロデューサーを務めつつ、新企画を立案中。

――実際に「TOD2」をPSPでリリースしようと企画がまとまったのはいつごろでしょうか?

 企画が固まって、作業が始まったのが2005年の終わりくらいです。企画が立ち上がったきっかけはPSP版「テイルズ オブ エターニア(以下、TOE)」の商業的な成功が大きく、「この流れで何かPSPに作品を移植できないか?」という話があったようです。それからどのタイトルにするかという話になって、発売から大分経っているし、「TOD2」がいけるのではという話にまとまりましたね。私も全体を指揮するポジションではなかったのですが、PS2「TOD2」の開発には携わっていまして、「あいつならできそうだな」という話になったそうです(笑)。

――当然、PS2「TOD」のリリースも視野に入れてのチョイスですよね?

 私が参加してからは狙いました(笑)。ただ、投入のタイミングがPS2「TOD」の1カ月後なのか半年後なのかは、考えるところではありました。オリジナルの発売から時間が経っているということは、元祖のPS「TOD」を知らない人も当然いますよね。新規ユーザーというか「テイルズ オブ ジ アビス(以下TOA)」から「テイルズ オブ」シリーズを始めた人も多いわけです。そのお客さんがPS2「TOD」を気に入ってくれたとすれば、すぐ続編の「TOD2」がお店にあったら嬉しいはずだよね、と考えました。

――オリジナルから大幅な作り替えを施したPS2「TOD」とは異なり、PSP「TOD2」を実際にプレイしてみるとオリジナルのPS2版を忠実に再現しようという印象を受けますが?

 もともと企画を立ち上げた時点でPS2「TOD」のようにリメイクする性質のものではない、という位置づけだったんです。PS2版から内容を大きく変えなかった最大の理由は「『TOD2』は今でも充分通用するだろう」という絶対的な自信が裏付けにあったからです。私個人の考えですが、今の「テイルズ オブ」シリーズの作り方というか、流れの骨格を確立したのがPS2「TOD2」だと思っているんです。そういう意味ではプレイステーション版の「TOD」は、今の「テイルズ オブ」の流れから見れば古い構造になっているので、PS2へ移植する際は「リメイク」で正解だと思います。「TOD2」の場合は、構造上少しも古くさくない、色褪せていないと思っています。

――古くさい、古くさくないという基準を「TOD2」に置いているというのは、具体的にはどういった要素なのでしょう?

 例えば、ムービーやチャットの量や全体のボリュームなどです。戦闘システムが新作ごとに変わっていくという流れもそうですね。そういう意味ではPS「TOE」がスタンダードと言えなくもないですが、やはり初代PSという事もあって「TOE」は最終形態一歩手前と位置づけています。ですから、基準として成立したのが「TOD2」だと思っています。少なくとも私は、シリーズの新作を作るときに、まず「TOD2」を参考にしていますね。作り手として感覚として“このくらい”というのはわかるんですけど、「ダンジョンの数や出てくるNPCの数やムービーの尺などのイメージしたものを「TOD2」と比較して、「あ、こんな感じか……」という具合に調整していきます。作り手としても非常に参考になるし、ユーザーにも充分なボリュームであると評価をいただいた作品ではないかと思います。ですから、答えの1つとして、PSPで出すというスタンスは正解だったと思いますね。

――PS2版でやり残したことをPSPでやろうという希望はありましたか?

 その辺りは追加要素の話とかぶりますが、当然ありました。PS2版開発の頃に不満を書き留めたメモなどを確認しながら、消化不良だったことを全部PSP版でやろうとはしていたのです。でも、私も半分忘れかけていたので、PS2を改めてプレイしなおしてみたんですよ。すると完成度は非常に高かった。特に戦闘ですね。そこで、これを変えるっていうのは生半可な気持ちじゃできないし、取ってつけたものを入れても逆効果だろうということで自制しました。アドホックとか通信周りの追加も技術的にやろうと思えばできるんですよね。でも、そのあたりは「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー(以下、マイソロジー)」もあったし。うちらはそこで勝負するんじゃないだろうと(笑)。



■ ファンの声を反映した追加要素

――移植作業自体はいかがでしたか?

 作業自体はスムーズに進み、2006年の6月には戦闘以外はほぼ移植が終わっていました。PS2からPSPへの移植ということで、今回のケースは素材の作り替えが発生していないという点を除けば、PSP「鉄拳 DARK RESURRECTION」のケースと似ている部分も多いです。画面比率を変えただけでも描画は苦しくなるし、ディスク容量の話も当然出てくる。ただ、「TOD2」の場合はオリジナルがPS2の性能をピークまでは引き出していなかったので、スムーズに移植しやすかったのかな、と思いますけど。

――16:9の画面比率はたしかに難しいところですよね。

 細かいところでは、PS2版ではジューダスが最初牢屋の中のハンモックで寝ていて画面の隅にちょっとだけ見えているんですけど、PSPの画面比率だと画面から見えなくなっちゃったんですよね(笑)。

――そういう部分が大事だったりしますよね。

 そうですね。その微妙なところを再現するのも私たちの使命だと思っています。16:9という画面サイズの話に戻るんですけど、追加要素に「イラストギャラリー」というのがありまして、これには今回描き起こした絵素材も全部入っています。それらをPSPの高繊細な液晶画面で見られるのは、ファンの方に喜んでもらえると思います。PSPを縦にすることで、縦長の絵も上下が切れることなく見せることができましたし。

――これは「称号システム」のように、ゲームを進めていくとイラストが追加されていくのですね。

 そうです。デザイナーさんのイラストを目当てに遊んでいる人も多いだけに、何で今までの「テイルズ オブ」シリーズでやってこなかったのかが不思議ですね(笑)。入れてもそんなに損はないというか、興味ない人は放置でもデメリットは無いわけで、今回入れてみました。まあ、評判がよくなかったら次は無いと思いますけど(笑)。それと、PS2「TOD2」にはムービープレーヤーを入れていなかったんですよ。PSP版では「チャット小屋」というスクリーンチャットが全部確認できるところにムービープレーヤーを入れちゃいました。ムービープレーヤーって、「TOD2」も含めてそれ以前はなくて……。でも正直見たいじゃないですか(笑)。かゆいところに手が届くようになったかな、と思います。

――システムやコントローラ周辺の変更などはいかがでしょう?

 携帯機ということで、今回は中断セーブをそのまま保持できる、どのタイミングでもロードできるという仕様を優先させています。操作周りでは、PS2版のL、Rの4ボタンを使っている部分をPSPのL、Rの2ボタンでも楽しめるように仕様を変更しています。PSP版の操作でストレスを感じることはほとんどないと思いますよ。

――闘技場に新キャラクタも登場しますね。

 そうです。賛否両論ありますが、「テイルズ オブ」シリーズはキャラ人気がとても高い。「ソーディアンマスター」などをゲームの中に登場させたいという要望が多く、闘技場で孤児院にいるはずのルーティがカイルを育てるために登場したり、フィリアやウッドロウが出てくるという要素を追加しました。ただ出すだけではなくて、自然にシナリオと絡むようにそこは特に繊細に作りましたね。

――ルーティたちが闘技場に出てくるような理由となるイベントがある、と?

 そうです、イベントが追加されています。ただし、軸になるシナリオには一切手を加えていません。PS2版の頃もシナリオには疑問に思うところがあったんですけど、特にジューダスの周りなんてお客様が様々な解釈をしてくれていまして、「納得いかない!」という声もやっぱりあるんです。でも、これは私たちの出した答えですよ、ということを提示するためにも、今回はシナリオに手を加えていないんです。

――「TOD」と「TOD2」の間には様々な憶測や解釈があるのですが、解釈の隙間を作るというのは狙ってやっているんでしょうか?

 いい質問ですね(笑)。例えば、私たちが新しい「テイルズ オブ」を作ろうとするときにシナリオプロットから初めて肉付けをします。その過程で気をつけることの1つに“隙間を残す”というのがありますね。商品展開やディストリビュートやお客様の解釈も含めて、そういう“解釈の余地が残っている”というのが「テイルズ オブ」の魅力だろうと。「テイルズ オブ シンフォニア(以後、TOS)」くらいからはこういった要素を残すようにしています。市場に出してみると、設定の隙間がフックとなって、お客様にいろいろな想像をしてもらえる。気をつけていますよ。特に「テイルズ オブ」シリーズの場合は、皆まで語りすぎないほうがいいですよ。

――戦闘関連の話になりますが、「TOD2」は移動中に遊ぶことも考えると戦闘のオート機能が充実しているのも大きいですよね。

 PS2版の戦闘をオートでプレイしている人が多い、と聞いたときはすごくショックだったんですけどね(笑)。

――意外という意味ですか?(笑)

 「テイルズ オブ」シリーズのユーザーさんのタイプは2種類に大別できまして、キャラクタやシナリオ重視の人と戦闘重視の人。実は、この間のPS2「TOD」も含めて、私は「TOD2」の戦闘が一番高い完成度だと思っているのですが、ゲーム性が高すぎるがゆえにプレーヤーのスキルによって差が出すぎたんです。だから「ザコ戦とかはオートでしのいだけど、ボス戦ではアイテムを使い尽くしても勝てない!」という声がPS2版発売直後は非常に多かったですね。そういうことも受けまして、PSP版の一部のボスは今回調整をかけています。

――具体的にはどのような調整なのでしょう?

 第一にパラメータですね。たとえばラスボスはそれほど強くもないのに10分も20分も戦闘時間がかかってしまっていたのですが、それだけ時間がかかるとテンションが下がっちゃいますよね。ですから、行動ルーチンに調整を加えたりしました。この変更で納得のいく戦闘ができると思います。新しく追加したボスキャラは逆に強くしてありますので、戦闘マニアにとってはかなり手応えを感じるはずです。昔からエクストラダンジョンのボスとかは非常に好評で、そういうところはそのままにしてあります。……もうちょっと強くしてもよかったかな(笑)。

――スピリッツポイントの利便性にユーザーが気づかないから、戦闘に時間がかかるというケースもありますよね。

 そうですね。スピリッツポイントは内部的に命中と回避によった仕様で、敵に当たらなければどうしようもないというシビアなパラメータの計算なんです。命中の高いリファイン武器を作成したり、称号も命中が上がるものをつけたほうが有利なんですね。当時、私がインタビューなどでしゃべる機会があったら「このゲームは命中ゲーですよ」と発言して誘導してもよかったほどです(笑)。“気をつけて遊んでいると、スピリッツゲージは本当に減ることなくずっと行動できる。こういった戦闘のコツを理解できれば、ぐっと楽しくなるよ、ということをどうお客様にわかってもらうのかが、当時から課題でしたね。不自然に街中で戦闘のコツの談義をしている2人組がいるんですけど。誰もきちんと読んでくれないんですよね(笑)。

――だって、デフォルトでカーソルが「聞かない」に合ってるじゃないですか(笑)。

 そうそう、当時を思い出しました(笑)。担当者に「何でそうなってるの?」って聞いたら、間違えて「聞く」にしてしまって長い話を聞かされるのがいやだ、という声が多くて「聞かない」に変更したと。確かに読めば意味があるんだけど、どうしても取って付けた感があるので、その時は読みたい人だけが読めばいいか、と思ってあれで良しとしたんです。その後「TOA」なんかでは戦闘のコツをシナリオに入れ込んで不自然感をなくしています。

 PSP版では「リファイン」に調整を加えてリファイン武器をもうちょっとわかりやすくしようと考えていたのですけど、やはり止めました。それくらいゲームバランスをぶっ壊しかねない変更でしたから。その代わり、「称号」のステータス増減の方で調整しようと。地道というか、適当にやっても当たる可能性がある。

――属性攻撃なども使わないと厳しいですが、そこも調整は難しそうですよね。

 キャラクタが戦闘中にしゃべって教えるようにはしてありますけど、教えてくれないときもありますからね(笑)。シリーズの取り決めとして、基本的な方針としては「弱点などがわかった人は楽に気持ちよく進める」、「弱点がわからないと勝てないというのはナシ」というようにはしています。まあ、バルバトスがそのルールを破っちゃっていますけど。スピリッツポイントシステムや属性も含めて、やっぱり今でも「TOD2」の戦闘は絶妙だなと思うんですよね。



■ 隠しテーマは「カイルの魅力をわかってもらう」

――今回のキービジュアルイラストはカイルが精かんに描かれていますね。

 私は「TOD2」はキャラクタの魅力がわりと浸透していない方と思うんですよ。特に主人公のカイルはバカっぽいところしか取り上げられないというか、私の被害妄想だったら申し訳ないですけど(笑)。シリーズの中でも特にそう捉えられがちだと思うんです。まあ、バカっぽく見えるようにこちら側が演出しているというのはあるんですけど。もし、「『TOD2』の主人公は嫌いだからやらない」という人が仮にいたとしたら、「TOD2」はカイルの成長物語であって、後半のカイルはきちんとかっこいいですよ、というのを伝えたくてイラストに反映しました。いのまた(むつみ)先生に「ラグナ遺跡でリアラにダメだしされた後のカイル君を描いてください」と伝えたら、その意図を汲んでいただけました。

 その一方で、メインイラストではリアラをわざと描かないようにしようかな、という気持ちがありました。リアラとセットになって情けないカイルが描かれていくから、リアラを外したほうがカイルの魅力を伝えやすいのかな、と。でも、「カイルの背中を見つめるリアラでどう?」という風に、いのまた先生から提案がありまして、その提案通りにお願いしました。カイルのイメージのように、我々がPS2で伝え切れなかった部分がPSP版で伝わっていくといいですね。カイルは前半と後半では声優さんの演技がどんどん変わっていくのに、結局今でも捉えられ方はあまり変わってないんですよ。これってやはり前半のインパクトが強すぎるのが原因なんですかね?

――まあ、「テイルズ オブ」シリーズの男の主人公は基本的に最初バカっていうか、世間知らずというイメージがついてまわるような(笑)。

 それは褒められているのか、けなされているのか(笑)。でも、印象としてそうですよね。例えば「TOA」のルークも、味付け次第ではカイルになってしまうんです。もちろんそれは、ほとんどのキャラクタ要素をそぎ落とした場合の話ですが。カイルはゲーム後半に重要な選択を迫られるわけじゃないですか。それを選んだというカイルの魅力を見せたくて、テレビCMとかも後半のパートを使っていたりします。PS2版を遊んだとき、前半のカイルが気に入らなかったユーザーさんもぜひ最後までやって欲しいというのが本音ですね。

――まあ、前半のカイルもかわいくて好きなんですけどね(笑)

 逆に「主人公がバカっぽくないと『テイルズ オブ』じゃない!」とアンケートに書いてあったりして、「じゃあ俺たちはどうすればいいんだよ」って思うときもあるんですけど(笑)。まあ、イントロのイメージだけで作品全体を倦厭されると……。そこを上手く作らないといかないんですけどね、こちらが。



■ 「テイルズ オブ」シリーズはどこへ向かうのか?

――「テイルズ オブ」シリーズはもう歴史のあるRPGとして定着した感がありますけど、プレーヤーの付き離れというか、どのタイミングでどんなユーザー層が流れてくるかというのが興味がありますね。そのユーザーの流れを作り手の皆さんはどう感じているのでしょう?

 基本的には新作発売ごとに新規のお客様が増えて、その一方で離れていく方もいるので、国内のプレーヤー人口は若干の上向きという感じですね。そして、ありがたいことにコアなお客様が残ってくれている。今は基本的に「TOE」以降から入ってきてくれたお客様が、単純な数としてはメインユーザー層として支えてくれているようです。それで「TOA」などでまたお客様が増えてくれたので、そのお客様たちがPS2「TOD」をどう感じてくれたのかというのがまだ分析しきれていません。今回のPSP「TOD2」は、個人的な想いは別として、数だけの話で言うと新規ユーザーを獲得しようという意図はあまり無いです。シリーズで一番そういう意図が強かったのは、GCの「TOS」ですね。あれはハードもハードだし、新規ユーザーも入れるように仕掛けました。「TOS」って乱暴にいうとプリミティブなんですよね。あの当時の今風に「テイルズ オブ ファンタジア(TOP)」を再現したという作品ですから。「TOP」的な要素が入っていいんじゃないかと。結果としてうまくいった気がします。

――昨年の「『テイルズ オブ』発表会」の規模や、グミ特典のプロモーションなど、シリーズでこれだけ連携が取れているというのは珍しいという気がします。シリーズを作る環境が変わってきたのでしょうか?

 シリーズの連携が取れてきた理由は、社内で平行して物事を進められる体制が整ってきたというのが大きいですね。変わったといえば、スピンオフがやりやすくなったということが挙げられます。その最たる例が「マイソロジー」だと思います。もともと、「なりきりダンジョン」シリーズは特化したファンがいらっしゃましたが、「テイルズ オブ」ファンに多いであろうシナリオやキャラクタにシンパシーを感じるファンとはちょっと違っていた気がします。でも、「マイソロジー」は世界観を楽しんでくれるファンがしっかり付いてきている。シリーズを開発してきた人が空いた時間で考えるようでは、「マイソロジー」のような作品は出てこないと思うんですよね。

――新しい流れというか、人的な問題でしょうか。

 そうですね。私が「テイルズ オブ」チームに来て最初の頃に実感したのは「ユーザーとして『テイルズ オブ』を知っているからこそ、新しいものが作れる」という事ですね。「TOS」の時は確実にそうだったんですが、作り慣れてくるとそういうことが思いつかなくなっていく気がしています(笑)。「マイソロジー」のような新しい「テイルズ オブ」ができるということが、まさにそういう事だと思うんです。ハードが増えてきたということも、シリーズ作品が増えた1つの理由でしょうね。「テイルズ オブ」シリーズは“1ハードに最低1タイトル”というのが義務づけられているようなブランドですし。「出し過ぎ」と言われていることについて言いたいこともあるんですけど。実際どうなんでしょうかね?

――いや、それは「テイルズ オブ」シリーズだけでなく、ゲーム業界全体の潮流だと思います。次世代機のゲームを早く出せ、という状況や携帯機が盛り上がっているという様々な状況が折り重なった結果だと思うんですよね。そういう中でこのシリーズのように存在感を保つということは、様々な方向に企画を立てて数を出していくことは大事だと思いますが。

 当たり前といえば当たり前ですけど、それぞれのプロジェクトがシリーズ全体の流れの役割を理解して作っていますよ。そのあたりの意識が薄くなるとばらばらになってしまう。そういう意味で、今期はわりと色々な方向性の「テイルズ オブ」を出すことができて、うまくおさまった気がします。

――今期の「テイルズ オブ」新作ラッシュの締めを飾ったということに関してはいかがですか?

 「TOD2」元来のポテンシャルの高さを証明できて締められるという、いい区切りができたと思います。2007年のシリーズの良いスタートがきれたのではないでしょうか。これだけ新作を出せるほどシリーズに力があるのは、キャラクタやシナリオや戦闘など、そこから広がる様々な要素がお客様を拾いやすいからだと思っています。それが今までシリーズを続けられてきた理由かと考えています。


(C)いのまたむつみ (C)1997-2007 NBGI

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□バンダイナムコゲームスの家庭用製品公式サイト
http://www.bngi-channel.jp/
□テイルズチャンネルのページ
http://namco-ch.net/taleschannel/
□関連情報
【2月9日】バンダイナムコゲームス、PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
あのキャラクタも参戦!? 闘技場の詳細を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070209/tod2.htm
【1月26日】バンダイナムコゲームス、PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
敵勢力のキャラクタとソーディアンなどの情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070126/tod2.htm
【1月12日】バンダイナムコゲームス、新要素の追加でやり込み度もUP!!
PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070112/tod2.htm
【2006年12月15日】バンダイナムコゲームス、PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
登場キャラクタのプロフィールを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061215/tod2.htm
【2006年12月2日】バンダイナムコゲームス、PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
スタンとルーティの息子カイルが主人公のRPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061202/tod2.htm
【2006年6月20日】バンダイナムコゲームス、「テイルズ オブ」シリーズの2006年度ラインナップ発表会で4タイトルを発表
PSP「TOP」、「TOD2」、PS2「TOD」、PSP「TOW」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060620/tale_1.htm

(2007年2月15日)

[Reported by 福田柵太郎]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.