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会場:台北世界貿易中心
入場料:大人200台湾ドル(約800円)
■ 台湾国産タイトルがトップシェアを奪還。「黄易群侠傳Online」の人気の秘密とは?
「黄易群侠傳Online」は、2006年夏に正式サービスがスタートし、SoftworldグループがTVCMを含め総力を挙げてプロモーションしたこともあり、たちまち同時接続者数18万人という台湾No1タイトルに躍り出た。現在、台湾では、長らくトップを独走してきた「ラグナロクオンライン」が不正行為対策が不十分なことなどから急速にシェアが下がり、トップシェアのタイトルが同接10万人ぐらいで混戦状態となっている。18万という数字は、2005年の「ラグナロクオンライン」の35万人という記録には及ばないものの、新しいムーブメントを予感させる。 「黄易群侠傳Online」の人気の秘密は、まず第1に、中華圏のユーザーが好む世界観である武侠をテーマにしながら、さらにSF要素を加味するという、香港の人気作家“黄易”の武侠小説をモチーフにしたこと。第2に、Chinese Gamerが武侠モノを得意としてきたデベロッパーであり、その集大成的な作品に仕上がっていること。第3に、極めて動作が軽く、扱いやすい優秀なゲームエンジンを採用していること、などが挙げられる。 すでに正式サービスが開始されているタイトルであるため、実際にインストールしてプレイしてみたが、驚くほどクライアントが軽量で、3人称視点から1人称視点までの視点変更がマウスホイールによってスケーラブルに行なえる。解像度の変更も、クライアント上で一瞬で切り替えられる。グラフィックスは、ビジュアルエフェクトの類はほとんどないが、キャラクタのモデリングや建物など要所を押さえており、文字通りマスに向けて提供するMMOクライアントの落としどころとしては絶妙だと感じた。 ゲームは、2200年という超未来からスタートする。2つあるタイムマシンの1つが盗まれ、残る1つを使ってタイムマシンを取り戻すことになる。プレーヤーは時空を行き来し、いくつもの時代を巡りながら、さまざまな任務に携わっていく、というのが基本的なストーリーだ。ゲームはフルボイス、字幕付きのインゲームムービーからスタートし、どんどんストーリーが展開していく。このストーリー性の高さも人気の秘密のようだ。
ビジネスモデルはアイテム課金で、アイテムモールにも工夫が凝らされている。たとえば、プリペイドカードがゲーム内で直に入力できたり、品揃えも通り一遍のアイテムだけでなく、取得したアイテムを直に倉庫に入れる機能や、生産活動中に経験値を得るアイテム、スキルポイントを獲得するアイテムなど、型破りのものが多い。台湾ではこうした型破りの品揃えは賛否両論だが、絶賛する声も少なくない。同作は日本展開も予定されており、すでに日本語公式サイトが用意されている。興味を覚えた人は一度見てみてはいかがだろうか。
■ ポスト「ラグナロク」を狙う、龍を育てるMMORPG「炎龍騎士団」
Dynastyは今回が初のオンラインゲーム開発ということになるが、オンラインゲーム部分のノウハウはGame Flierが提供し、運営もGame Flierが行なう。Softworldは同プロジェクトをもって、Chinese Gamerに続く、新しい柱をグループ内に育てる考えだ。 基本的なゲームデザインは、「ラグナロクオンライン」に強く影響を受けた、視界をある程度制限した疑似3DグラフィックスによるシンプルなスタイルのMMORPG。「ラグナロクオンライン」の全盛期である2004年に開発がスタートしており、キャラクタ、インターフェイス、グラフィックスなど随所にその影響を感じることができる。 ゲームの軸は、タイトルにも名を連ねているように、ドラゴンとの結びつきに重点が置かれている。具体的には、同作ではすべてのモンスター(現時点で70種)をペットにでき、その最上位にドラゴン族が存在する。まずはフィールド上のモンスターをペットとして育て、自キャラと共に戦闘に使役させて戦闘力を強化しながら、ダンジョンの奥に潜むボスを倒し、「ドラゴンの卵」を入手する。 プレーヤーは卵からドラゴンを大事に育て、ドラゴンをペットにすることでドラゴンマスターのみが加入できるギルドに入れるようになる。さらにドラゴンを大人まで成長させると、ドラゴンに乗って故郷に行くことができる。ドラゴンの故郷では、ユニークな装備品やスキルなどが入手できるという。今後の構想としては、ドラゴンライダー同士の空中戦も展開される。まさにドラゴンづくしのMMORPGだ。 ドラゴンは、育て方によって姿形が変わるだけでなく、ふ化期、成長期、熟成期といった各成長段階によって育つパラメータにも変化が生まれる。また、ドラゴン特有のスキルを覚えるだけでなく、言葉も習得していくという。プレーヤーと会話することも可能になるようだ。 そのほか目新しい点としては、ペット牧場がある。捕まえたペットを自動で育ててくれる機能で、低レベルのうちは無料で利用可能だが、ある程度レベルが高くなってくると有料になるという。有料アイテムでも、ペットの空腹を押さえたり、成長を促進させるアイテムなどがあり、ドラゴンを含む、多数のペットを育てるためにはかなりの時間とコストがかかるようだ。 キャラクタの育成にも一工夫があり、狩りではキャラクタのレベルアップに必要な経験値が獲得でき、スキルポイントは任務(クエスト)の達成によって得るという2段構えになっている。狩りとクエストの両方をバランス良くプレイしないと、総合力のあるキャラクタにはならない、というわけだ。
サービススケジュールは、2007年3月よりクローズドβテスト、4月よりオープンβテスト、順調にいけば4月中にもアイテムモールをオープンし、正式サービスに移行する予定だ。同作もまた日本展開を予定しているという。今後の展開が楽しみなタイトルだ。
■ Softworld初のカジュアルゲームブランド「瘋狂西遊」
ゲームの開発は、Softworldの開発部門が担当し、パブリッシングは子会社のGame Flierが行なう。Softworldは、グループのホールディングス的な側面が強い会社だが、もともとはSoftworld単体でパッケージビジネスを行なってきた会社だ。「瘋狂西遊」は、そのパッケージゲーム開発部隊をカジュアルゲーム開発に転用し、カジュアルオンラインゲームゲームを自社で育てるというプロジェクトの一環となる。 「瘋狂西遊」の基本的なゲームデザインは、2D空間の中で、いかに爆弾を避け、いかに相手にぶつけるかを争う、ハドソンの「ボンバーマン」や韓国NEXON「BnB」に非常に似た内容となっている。キャラクタに三蔵法師や孫悟空を用い、三蔵法師を助けながら進めていくなど、カジュアルゲームながら一定のストーリー性を持たせているところが特徴。麻雀パイを一定数集めるとクリアなど、台湾ならではのゲームモードも搭載しているようだ。 ディレクターを務める何成繁氏は、倒産したDigicellで「BnB」の運営を務めてきたという経緯を持つ。Eric氏によれば、もともと台湾人はコンシューマゲーム好きであり、ヘビーなMMORPGばかりではなく、TVゲームのような感覚で楽しめるカジュアルゲームが必要だと考えたという。 「瘋狂西遊」で新しいのはゲーム性ではなく、カジュアルゲームの弱点であるコミュニティ性である。ロビーにチャット機能を持たせ、メンバーリストを表示させるといったベーシックな機能に加えて、有料アイテムとして名刺機能を実装し、ロビー内にアバターの絵を入れた名刺を表示させることを可能にしている。 また、インスタントメッセンジャー機能も備え、ロビーからプレイ中のユーザー、あるいはその逆に対してメッセージを送ることができる。新しいのはメッセンジャー機能に、MSNメッセンジャーとYahoo!メッセンジャーのフレンドリストデータをビルトインしているところ。これによりゲーム中でも、画面内からゲームにログインしていないユーザーに対してもメッセージを送ることができるようになっている。ゲーム外、ロビー、ゲーム中といったステータスに応じて、送られるメッセージの色が変わるという工夫も凝らされている。 「瘋狂西遊」は、Taipei Game Show初日の2月8日から第1次クローズドβテストがスタートし、3月の大規模な第2次クローズドβテストを歴た後、4月中旬にオープンβテスト、アイテムモールオープンという予定になっている。余談だが、台湾のアイテム課金制のタイトルでは、オープンβテストの開始と同時にアイテムモールをオープンする。オープンテスト開始が、実質的な正式サービス開始となっている。
「西遊記」をテーマにしたカジュアルゲームは、現在「瘋狂西遊」1タイトルのみだが、すでに4つの企画を走らせているという。最終的には、カジュアルゲームプラットフォームとして育てていく考えのようだ。海外展開は、韓国、中国、東南アジア、日本を予定。すでにオファーも来ているということで、日本上陸もそう遠くはなさそうだ。
□Softworldのホームページ (2007年2月10日) [Reported by 中村聖司]
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