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発表会ではCESA会長の和田洋一氏が挨拶し、「これまでオンラインゲームの色々な問題について、CESAとして回答していなかったが、今後は検討中のものも含めて出していくという方針に変えた。CESAはもともと家庭用ゲームソフトを制作する会社で構成されていたため、オンラインゲームについて真正面からの議論がなかった」と、これまでの反省点を述べた。 新設されたオンラインゲーム委員会は、「技術」、「人材育成」、「知的財産」、「流通」など、現在8つある委員会の1つ。比較的幅広い定義で置かれている他の委員会に比べ、「オンラインゲーム」と具体的なターゲットを示していることからも、CESAがオンラインゲームをいかに重要視しているかがわかる。 委員会が発足したのは11月末。この委員会の最初の活動として発表されたのが、今回の「オンラインゲーム運営ガイドライン」となる。この策定には、CESAの会員で、PCおよびコンシューマゲーム機のオンラインゲームを提供している12社が参加している。社名は明らかにされなかったが、国内メーカーだけでなく、韓国などの外資系企業も含まれているという。 「オンラインゲーム運営ガイドライン」は、オンラインゲームの運営事業者に対して、最低限の規範となる項目をまとめたもの。問い合わせ方法やサービスについての説明など、ユーザーに告知すべき基本情報を示すよう書かれている。またオンラインゲーム初心者に対して、ガイドやQ&Aを整備することや、運営規約を平易な言葉で説明することなどが求められている。 さらに不正行為についても触れており、どのような行為が不正行為に当たるのか、事前に定義を明示することとされている。ここでの不正行為とは、詐欺やハッキングなど法律に触れる犯罪行為ではなく、運営会社が各ゲームの内容に基づいて定義するもの。不正行為により発生した問題は、その対処や必要な期間などの情報を利用者に適宜情報提供することとされている。 ガイドラインラインが適用されるのは、PCおよびコンシューマゲーム機。スピーディに進めたいという意向もあってか、携帯電話などの他の端末は対象外として進められている。施行は2007年1月1日で、「できるだけ早いタイミングにしたかった。ガイドラインの発表は、こういう会話を始めるという宣言でもある」とした。 質疑応答では、RMTに関する質問が多く出されたが、和田氏は「我々運営側はゲームデザインを損なうことはやめてくださいと言っていて、その中の1つにRMTがあるということ。RMTを容認しているサービスもある。もっと議論をしなくてはならないが、一概にRMTが悪いとは考えていない。規約違反行為と、詐欺などの違法行為とは別の次元で考えるべきだ」と述べた。
オンラインゲーム委員会のような集まりや、今回発表されたガイドラインのようなものは、既に他の団体でも場が持たれている。これらとの関係については、「委員会では、CESAとしての意見を継続して出していきたい。互いに情報交換はしていくと思うが、一緒になるようなことは想定していない」と、CESA独自で進めていきたいという考えを示した。
(2006年12月25日) [Reported by 石田賀津男]
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