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「第弐之季節」では、ゲーム全体のバランスの調整、新しいチュートリアルフィールドやクエストの追加など、全体的に間口が広がり、よりプレイしやすいオンラインゲームへと生まれ変わる。今回のアップデートの内容の多くは、台湾で9月に行なわれた“アイテム課金制に移行するためのアップデート”を受けたものだ。 プレイバランスが大幅に調整される今回のアップデートは、ファンにとって待ち望んでいた変更といえるだろう。今回、アップデートに先がけて行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に、各新要素を紹介したい。
■ 新クエスト、初心者用フィールドなどコンテンツも充実
このチュートリアルフィールドの中でも最もインパクトが強いのは修羅だ。プレーヤーはここで「長老」と呼ばれる“竜”から、修羅はもともと竜を先祖として持つ種族であることを知るのだ。MMORPGのチュートリアルは操作の説明のみに終始し、ゲームとしての面白さに目を向けていない作品もあるが、「第弐之季節」では作品世界にきちんと触れながらゲームの操作を覚えていくことができる。「飛天オンライン」は中国風のセンスに満ちた世界観と、演出が光る作品だが、チュートリアルにもきちんとその要素が活かされているのは嬉しいところだ。 チュートリアルでは新しい要素として、「崑崙収妖鏡」の使い方を学ぶことができる。このアイテムはフィールド上のモンスターを捕らえ、いつでも自分の好きな場所で開放することでモンスターを味方として使うことができる消費型のアイテム。1つの鏡で1体のモンスターを閉じこめることができ、好きなタイミングでモンスターを開放して戦わせることができる。捕らえたモンスターを継続的に育成したりすることはできないが、色々なモンスターをコレクションしたり、ちょっと強いモンスターと戦うときの助っ人にしたり、というような使い方ができる。属性を考えてモンスターを使役すれば、モンスターの実力以上に役に立つことだろう。 メインストーリー関連では、ゲームの世界の案内役であり、ストーリーでも大きな役割を果たす“鏡王”に新しく女性の鏡王「クントゥ」が追加される。彼女はチュートリアルの最後でプレーヤーにスクリーンショットの取り方を教えてくれるが、その美しい外見の割にはカメラの前でポーズを取ったり、ちょっとお茶目なところが魅力的だ。クントゥが深く関わるストーリークエストはレベル15から挑戦可能で、かなりわがままな一家が登場し、プレーヤーは彼らに振り回されるという試練が待ちかまえているようだ。 チュートリアルフィールドにはレベル15までステータスとスキルの再配分が無料で何度でも可能なNPCがいる。また、既存のプレーヤーも長陽城からこのフィールドへ行くことが可能だ。ちなみにこのチュートリアルフィールドでは基本操作を覚えさせることに集中させるために、他プレーヤーが一切表示されない仕様になっている。
武器の上に乗って自由に空を飛べる「飛剣」も本作の魅力の1つ。今回のアップデートでその必要レベルが大幅に引き下げられた。以前はレベル35以上のキャラクタでしか受けられなかったが、レベル15から挑戦できるようになった。飛剣はレベルがあり、一定以上空を飛ぶことで上昇していくが、飛剣の技能を得るためのクエストも一新されているということだ。
■ デスペナルティ見直し、生産システムの向上など、再調整されたゲームバランス
また、これまで武器には“名声制限”が設定されていて、死亡した時名声が下がってしまうと、装備していた武器を落としてしまっていたのだが、武器の名声制限が取り払われたことでこのペナルティーもなくなった。「第弐之季節」でプレーヤーのデスペナルティーは低減したが、その代わりに復活直後数分間はステータスが半減する“衰弱状態”になるように仕様変更された。 「飛天オンライン」は武器や防具の耐久度の減りも早めで、長時間狩りをするために何本も予備の武器を用意するプレーヤーもいるようだが、今回のアップデートから武具の耐久度の調整が行なわれ、気持ち長持ちするようになった。またアイテムの耐久度が0になっても装備が外れるだけで消失しなくなった。 本作の武器には“武器経験値”が設定されており、“昇化”させることでより強力な武器にレベルアップさせることができる。この昇化に必要なアイテムの条件も見直され、プレーヤー達はより自分の武器にこだわったプレイができるようになりそうだ。以前と比べると装備の修理費も安くなった。加えて、各エリアに武具を修理してくれるNPCが配置されるため、街に戻らず、長時間狩りを続けられるようになった。ちなみにこの新しいNPCは修理の他にも、金券の換金、ペット治療、消耗品の販売もしてくれる。 生産に関しても調整が加えられている。採取活動によって得た材料を加工することを本作では“精錬”と言うが、この精錬アイテムを1スロットにまとめること(スタック)が可能になった。採取材料のスタック可能な数が20個から40個まで増加し、精錬アイテムは一気に100個までスタックが可能になっている。また精錬アイテムを組み合わせてアイテムを作成する“錬金”は1回1回クリックすることなく、回数を指定して実行することが可能になった。 高品質なアイテムを本作では“稀(マレ)”というが、クエストを通じて稀の素材を入手できるようになった。この稀の素材は錬金の時に加えることで、ボーナスアイテムのように製作物に特別な効果を付与することができるという。 戦闘そのものも以前よりも戦いやすいように、バランスが調整されている。また、妖魔(モンスター)をターゲットし、HPバーにカーソルを合わせると妖魔のレベル、職業タイプ、攻撃・防御の属性が確認できるようになっている。攻撃魔法の属性を工夫したり、装備や作戦を変えていくことでより有利に戦闘を仕掛けられそうだ。また、今回詳細は確認ができなかったが、職業のスキルやComboスキルも調整が加えられているという。
この他にも旅団(パーティー)の募集、プレーヤー検索が容易になり、協力しやすくなったり、ペットの力が強化されたり、各フィールドで多くのサブクエストが追加された。クエストの報酬には「サイコロ箱」というアイテムが追加されている。これはいわゆるランダムボックスで“稀”アイテムを入手できる場合もあるという。今回、バランスが調整されることでかなりプレイしやすくなり、プレーヤーのモチベーションが上がるのは間違いないだろう。実装された後のプレーヤー達の反応に注目したい。
■ 待ち望まれる新要素。新職業「商人」、「蟲師」の実装予定は
実はこの2つの職業は以前から発表されており、ゲーム世界にはすでに蟲師専用のアイテムも実装されているようなこともあり、できるだけ早い実装が待ち望まれるところだ。この他にも以前からアナウンスされている、「玄石システム」も実装される予定だ。武器昇化の更に上を提示するシステムで、成長させた武器にはスロットができ、ここに様々な性質を持つ玄石を入れ込むことで武器をカスタマイズできる。上級者の目標となる新システムである。また、オークション機能や、パーティー対パーティーをフォローする新しい対人戦システムも予定されている。 今回のアップデートの多くは「バランスの再調整」に割かれている。これは、台湾での月額制からアイテム課金制へ変わっていくための「再出発」を受けてのものであり、実質的にゲームそのものが“生まれ変わった”といっても過言ではない。「第弐之季節」は台湾のユーザーの意見を取り入れただけでなく、日本のガマニアスタッフやユーザーからの提案も多く活かされているという。
今回、体験会で様々な要素に触れてみて、改めて本作の世界観と、センスに強い魅力を感じた。異国文化の濃厚な香りだけでなく、演出やオブジェクトに「日本のゲーム」への憧れも感じさせられるところがとても面白い。台湾のゲームは、他の国以上に日本のゲーム文化との親和性が高く感じる作品が多い。そういった特徴が、欧米産や韓国産のMMORPGにはない、独特の雰囲気をもたらしているのかもしれない。よりプレイしやすくなった「飛天オンライン 第弐之季節」。ファンはもちろん、新しいユーザーにアップデートをきっかけに、この作品に触れてみてはいかがだろうか。
□ガマニアデジタルエンターテインメントのホームページ (2006年12月22日) [Reported by 勝田哲也]
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