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タイトー、ネッカ秋葉原店を12月31日で閉店
“PCバンスタイル”ネットカフェ時代の終焉

12月31日閉店



 インターピア株式会社ネッカ運営本部は、ネッカの主力店舗であり、日本最大級のネットカフェであるネッカ秋葉原店を12月31日をもって閉店すると発表した。理由は、店舗の下の階にあるタイトー系列のゲームセンター「Hey」を拡張するため。ネッカ各店舗の中でも、ネッカ秋葉原店のみはタイトーが運営しており、実質的にはタイトー側の方針転換となる。

 ネッカ秋葉原店は、韓国サムソングループの子会社イーサムスンジャパンの事業のひとつとして、初号店のネッカ渋谷店が2000年11月22日に誕生した後、2001年6月23日に2号店としてオープン(2004年8月にイーサムスンジャパンからテイツーに事業が引き継がれている)。当時韓国で爆発的に人気を博していたPCバンのスタイルをそのまま日本に持ち込み、まだオンラインゲームに慣れていない日本のユーザーに対する一種のポータルとして人気を集め、その後、続々と登場した日本のネットカフェのモデルケースにもなった。

 ネッカ秋葉原店は、ネッカ渋谷店が2002年に休店したあとも営業を継続。立地、規模共に優れていることから、ネットカフェとしての事業だけでなく、主にオンラインゲーム関連の発表会やイベント、そしてオフ会や大会、LANパーティーといったユーザーイベントにも活用され、オンラインゲーム分野における一種のメッカとして機能してきた。

 ネッカ秋葉原店をよく利用していたメーカーには、ガンホー・オンライン・エンターテイメントを筆頭に、NC soft、NEXON、ハンビット・ユビキタス・エンターテインメント、GMO Games、セガ、スクウェア・エニックス、ゲームオン、エレクトロニック・アーツ、カプコンなど枚挙にいとまがない。

 しかし、先を行く韓国を見ると、PCバンのムーブメントはすでに数年前に過ぎ去っており、日本でもネットカフェに対して単にゲームや漫画だけでない、新たな付加価値が求められつつある。その点、ネッカ秋葉原店は、ハイスペックPCと新作オンラインゲームというPCバンのスタイルに固執しすぎたことが経営を圧迫させる要因ともなったようだ。

 また、冒頭でも触れたように、今回の閉店は裏を返せば、タイトーのアーケード事業の拡張でもある。タイトーは、スクウェア・エニックスの連結子会社として、現在和田洋一新社長のもと、アーケード事業の再編を進めている。今回の閉店は、広い意味でその一環と見ることもできそうだ。

 ネッカ秋葉原店は、2001年の開店以来、無数の新作オンラインゲームが発表されてきた。今回の発表がオンラインゲーム業界に与える影響は小さくないが、ユーザーにとっても格好の遊び場が消えることになる。閉店は時代の流れであり、必然という見方もできようが、別の活かし方もあったのではないかという気がしてならない。開店からずっと見てきた人間としては、今回のニュースは非常に残念だ。

□インターピアのホームページ
http://www.interpia.ne.jp/
□ネッカ秋葉原店のホームページ
http://www.necca.ne.jp/~akihabara/

(2006年12月18日)

[Reported by 中村聖司]



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