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価格:4,450円
利用料金:月額1,554円より
本稿では、英語版の発売に先立ち実施された、SOEスタッフが「EOF」の各所を紹介するβテストツアーの模様をお伝えしたい。なお、本稿で題材とするβテスト、およびβツアーは全て英語版クライアントを使用している。 「EOF」は、「EQII」の3本目となる最新拡張パック。これまで過去に2本発売された拡張パックは、レベル上限70の世界の中で、50~70の高レベルユーザーを対象したものだった。だが、「EOF」はそれとは異なり、レベル1から70までのレベル帯をカバーする広大な大陸「フェイドワー」が丸ごと追加される。また、新種族フェイが登場するため、新規プレーヤーにとっても、既存のプレーヤーが新たにフェイでプレイを開始するにしても、この新しい「EOF」の世界で最新の「EQII」の魅力を楽しめるということになる。
■ 全レベルに対応する新大陸「フェイドワー」、新種族「フェイ」登場
「EQ」エリアと最初の再会地点となるのが、新たなスタート都市「ケレティン」だ。これまで「EQII」のスタート都市は、グッド属性の「ケイノス」、エビル属性の「フリーポート」の2つだけだったが、ここに第3の都市が加わることになる。このケレティンはフェイダークの森にある高い樹の上の街。「EQ」でもプレイ当初に訪れる森の上にある街で、エレベーターのような装置に乗って移動する場所だ。「EQ」のプレーヤーにとって非常に思い出深い街であると同時に「EQ」シリーズの世界観を構成する上で欠かせない街でもある。 本稿中の後半で紹介するが、ケレティン、グレーター・レッサーのフェイダークの森以外にも、クラッシュボーン、ニューテュナリア(旧フェルウィズ)、スチームフォント山脈、アッカノンの流れを汲むクラックアノン、ブッチャーブロック山脈、ミストムーア城といったように、「EQ」のフェイドワーに存在していたエリアが多数登場する。
だが、例えば、「EQ」ではアッカノンと呼ばれ、今回クラックアノンと名前を変えた街では、同名のマシン型モンスターが冒険者を襲う場所に変化している。基本を踏襲しつつも大破壊の影響と500年という年月による変化がもたらされている。
新種族「フェイ」は、小さな体に大きな2枚の羽を持つ「妖精」の種族だ。エルフの種族などに比べて身の丈は半分ほどしかない。元々「EQ」の世界ではケレティンに住むウッドエルフたちと友好を持つレッサーフェイダークに住む種族であったが、「EOF」ではケレティンとフェイダークの森の住人として登場する。「EOF」ではプレーヤーキャラクタとして使用可能で、グッド属性の種族となる。 羽があるため、高い場所から飛び降りてもダメージを受けず、また、飛び降りやジャンプの下降中もフワーッと滞空時間が長く降りていく。開発者に聞いた限りでは、非常に高い場所からでもダメージを受けることはないとのこと。実際に筆者もフェイで他の種族なら飛び降りたダメージで死亡してしまうような高さから飛び降りたが、まったくダメージは受けなかった。他の種族とは異なる移動ルートの探索などが楽しめそうだ。
さらに、EOFでは大破壊後に失われていた「神々」が帰還する。8人の神が「EQII」のノーラスに復活し、プレーヤーのキャラクタは1人を信仰することで、「ブレッシング」と「ミラクル」という神の力を得ることができる。神の力の詳細はまだ秘密にされているのだが、信仰している神から得られるブレッシングとミラクルはいくつか存在し、そのうちの各1つずつを祈りを捧げることで得られ、2回使用できるという。 ブレッシングはキャラクタ自身に神の力を吹き込むもので、発動してから効果が生まれるまでに約10分ほどの時間を必要とする。ミラクルは神の奇跡とも言える現象を引き起こすものでこちらは1分ほどで発動する。神々もまたグッド、エビル、ニュートラルの属性があり、フェイドワーにいる神の預言者から信仰している神のクエストを受けられるということだ。 前述のブレッシングやミラクル、そしてクエストの報酬などが信仰する神によって異なる。ノーラスにおいて信仰はギルドや仲間に縛られるものではなく個人の問題ということで、キャラクタの種族や属性、クラスに合わせて役立つ神を信仰することになっていきそうだ。以下は8つの神々の一覧となる。
・グッド属性の神
・ニュートラル属性の神
・エビル属性の神 アイテム生産のスキルには、補助スキル「修繕(トランスミューティング)」、「変形(ティンカリング)」が追加。「修繕」はアイテムを解体して新しいアイテムを作りなおす、そして「変形」はアイテムを作り変えるスキルだ。 ただ、このアイテム生産に関してもまだ謎が多く、開発者からこのスキルに関して説明されたのは少し含みのある言い回しだった。例えば、「EOF」は「EQ」に登場した古いマジックアイテムを修繕スキルで一度組みなおすことで使えるようになる、といった具合だ。また、新スキルは街の工房ではなく、クラッシュボーンキープ内などの特殊な場所で行なえるということも話していた。 最後に「EOF」の概要をまとめておく。
・EOFの新要素
■ フェイダークの森やケレティンなど、500年の歳月と大破壊の影響で変化した懐かしいエリアの数々 ここからは、βツアーで体験できた「EOF」の一部エリアを紹介していこう。欧米の味わい深いファンタジー世界が広がるフェイドワー。樹の上に作られた街「ケレティン」や霧のかかる広大なフェイダークの森といった純然なファンタジーの魅力が溢れるエリアが多いなか、スチームフォント山脈やクラックアノンでは、機械のNPCが歩き回るスチームパンク的なエリアも見られた。 ・「グレーターフェイダーク」、「ケレティン」 ケレティンの側にあるフェイダークの森。空が見えないほど高く、うっそうと生い茂る森は霧に包まれ、幻想的な雰囲気を醸し出している。「EQII」は他のエリアでもそうだが、空気感のエフェクトが特徴的で、朝靄や夕闇のグラフィックス表現が美しい。グレーターフェイダークは妖精の拠点になっている森という設定ということもあって、ファンタジー世界の魅力が非常に濃く魅力的だと感じた。 今回使用していたフェイのサイズが小さいこともあるのだが、グレーターフェイダークのオブジェクトは大きく見える。実際「EQ」の頃より、あらゆる物は巨大になっていた。落ち葉一枚にしてもまるで小船のような大きさで、巨大な木の根が大地の丘のような起伏を作っている。500年という歳月や大破壊に影響によるものだろうか。 ケレティンの街には「EQ」同様に樹のふもとにあるエレベーターのような昇降装置で昇る。昇降装置は巨大な木の実をくりぬいたようなものでかわいらしい。街にある建物も、同じように巨大な木の実を使ったものだ。施設に関しては十分に見て周れなかったのだが、プレーヤー用のハウスや銀行、アイテム販売・修理のNPCなど、基本的なものは確認できた。ケレティンの周辺にも建物があり、そちらは巨大なキノコをくりぬいた建物になっていた。
街というよりは森と一体化した住居エリアで、低レベルの狩場と交じり合っている印象。エリアに徘徊しているモンスターは虫や動物が多く、少し離れると水棲のゴブリンも見られたが、レベルは1~10といった程度だった。
・「レッサーフェイダーク」、「エメラルドホール」 フェイダークの南半分を占めるレッサーフェイダークだが、「EQ」ではこのエリアはグレーターフェイダークよりも奥深い森として暗く神秘的な森だった。だが、「EOF」では雰囲気が一変し、そこかしこにとてつもなく巨大なキノコが聳え立ち、大地は割れ、異様な光景が広がる明るいエリアになっていた。巨大なキノコがあまりにも繁殖しすぎ、森が消え去ってしまったのだろうか。 ここに徘徊する生き物はがらっとレベルが上がっており、59~60前後のモンスターが多い。Spirpeという名の獣人が多数徘徊していて、部族を形成しているようだ。川沿いには巨大なトンボ、そしてレッサーフェイダークを象徴するユニコーンも見ることができた。 なお、レッサーフェイダークに隣接するエリアに「エメラルドホール」という翡翠色の谷に囲まれたエリアがあったのだが、ここの入り口にはエメラルドエントランサーというレベル71エピック4の好戦的なモンスターがおり、とても奥には進むことができなかった。ツアーの解説者によればここには新らしい馬「マウント」に関係するなにかがあるようだ。
・「スチームフォント山脈」、「クラックアノン」 クラックアノンの入り口があるスチームフォント山脈は、山のそこかしこに巨大な歯車が散乱していて、空を飛ぶ機械のクロックワークが無数に飛び回っている。クロックワークは夜になるとサーチライトをつけて動き回るため、なにかセキュリティの張り巡らされた警戒地域のような印象も受けた。 クラックアノンに入ると、人型のクラックドロイドや、4足歩行のマシンナイズドディフェンダー、ちょっとかわいらしい顔つきのクロックワークカストディアンなど、機械仕掛けのNPCが多数見られた。かつてドワーフの故郷であり都市として機能していたアッカノンだが、クラックアノンには街としての面影はなく、機械の王国として侵入者を排除しているようだ。奥に進むとエネルギープラントや機械の城など、怪しげな施設や建物が確認できた。レベル帯はスチームフォント山脈、クラックアノンともに40~50前後のようだ。
・「クラッシュボーン」 かつて「EQ」ではノーラス最大規模のオークの拠点だったクラッシュボーン。ここは基本的には変わらず、無数のオークの根城となっている。メインフロアであるテンプルを中心に、上の階が王の部屋、地下はプライベート商人の部屋と拷問の部屋という構成になっていて、拷問の部屋らしき場所まで進んでみると、エルフやフェイのNPCが囚われていた。 今回「EOF」では、このオークのデザインを全体的にリファインしたとのこと。よりおどろおどろしいものにしたかったということで、見た限りでもオークが着込む鎧が多彩で、既存のオークとは異なる印象を覚えた。レベル帯としてはそれほど高くなく、20~30といったところ。
・「ニューテュナリア」 かつてのハイエルフの街「フェルウィズ」が500年の時を経て「ニューテュナリア」という名のエリアとして登場。ここも都市としてではなく、人の気配が少ない神秘的な遺跡のような場所に姿を変えていた。わずかにテュナリアンというエルフ族がいるだけで、多数の石像が守護し徘徊している。巨大な滝の上に建造された魔法都市で、開けた場所から眺める景色が非常に美しい。内部奥の塔では、眼のある魔法の置物があり、なにかのクエストを受けられた。
・「ミストムーア城」、「ルーピングプレイン」 かつて「EQ」にも存在したミストムーア城は、「EOF」で今回登場するまでの間も変わらず力を蓄え続け、「ルーピングプレイン」の暗黒の象徴として存在し続けたという。暗黒の支配者Mayong Mistmooreが統治する場所で、「EOF」の数あるエリアの中でも屈指の難易度を誇っている。ミストムーア城の入り口には等間隔に配置されたガーゴイルが待ち構えている。レベルはいずれもプレーヤーの上限である70以上だ。 城の中はさらにレベルの高いヴァンパイアが多数徘徊していて、奥までは進むことは大変困難だった。高い天井にステンドグラスが美しく、フロアにはグランドピアノが置かれ、晩餐会が開かれているようなテーブルや豪華な装飾品が並んでいる。だが、そこにいるのは全て危険なヴァンパイアだ。 邪悪の象徴であり、「EQ」から踏襲された馴染み深い城として登場するミストムーア城は、建築様式をヨーロッパのゴシック建築、特にバルセロナ地方の影響を受けているという。高くアーチ型になっている天井、金の装飾品、祭壇へ続く階段、そして大聖堂などが、特に強くインスパイアされているということだ。
「EOF」では、一環して「EQ」に登場したエリアにこだわった拡張パックとなっている。旧来のファンにとって懐かしくもあり、そして変貌を遂げたエリアは、大きな驚きも与えてくれる。 全レベル帯に対応するフェイドワー大陸の追加と、新種族フェイの登場は、既存のプレーヤーはもちろん、新規のプレーヤーへのアピールがとても強く感じられる。最も強くアピールしているのは、「EQ」経験者だが、「EQII」には触れていないというゲームファンだろう。神々の復活に伴い再発見された旧来の大陸というコンセプトとなぞるように、旧来のファンの復帰を待ち望んでいるようだ。 また、既存プレーヤーも新種族フェイでレベル1からフェイドワーの冒険を楽しむことが予想されるので、新規のプレーヤーにとってプレイを開始する絶好のタイミングになるはず。日本では苦戦が続いている欧米の純ファンタジーRPGであり、その代表格とも言える「EQII」。そこには国産や韓国産では味わえない重厚なバックグラウンドを擁したファンタジー世界が存在する。英語版となるが無料の体験版も公開されているので、興味の沸いた方は、一度試してみてはいかがだろうか。 EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. (C) 2006 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.
□Sony Online Entertainmentのホームページ (2006年11月16日) [Reported by 山村智美]
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